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ハブ トランスポート サーバーの役割 : 概要

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2006-09-14

Microsoft Exchange Server 2007 では、ハブ トランスポート サーバーの役割が必要です。

note注 :
プレリリース版の Exchange 2007 では、ハブ トランスポート サーバーの役割はブリッジヘッド サーバーの役割と呼ばれていました。

ハブ トランスポート サーバーの役割は、Active Directory ディレクトリ サービス フォレストの内部に展開され、組織内のすべてのメール フローの処理、トランスポート ルールの適用、ジャーナリング ポリシーの適用、および受信者のメールボックスへのメッセージの配信を行います。インターネットに送信されるメッセージは、ハブ トランスポート サーバーによって、境界ネットワークに展開されるエッジ トランスポート サーバーの役割に中継されます。インターネットから受信されたメッセージは、エッジ トランスポート サーバーで処理されてから、ハブ トランスポート サーバーに中継されます。エッジ トランスポート サーバーがない場合は、インターネット メッセージを直接中継するようにハブ トランスポート サーバーを構成できます。また、ハブ トランスポート サーバーにエッジ トランスポート サーバー エージェントをインストールおよび構成することによって、組織内のスパム対策およびウイルス対策を実現することもできます。

ハブ トランスポート サーバーの役割の構成情報はすべて Active Directory に格納されます。この情報には、トランスポート ルールの設定、ジャーナル ルールの設定、およびコネクタの構成が含まれます。これらの情報は Active Directory に格納されているため、設定を 1 回構成するだけで、これらの設定が組織内のすべてのハブ トランスポート サーバーに適用されます。

ハブ トランスポート サーバーの役割は、クラスタ化されていない他の内部サーバーの役割を持つハードウェアと同じハードウェア、またはハブ トランスポート サーバーの役割専用のサーバーのどちらにもインストールできます。ハブ トランスポート サーバーの役割は、メールボックス サーバーの役割が含まれている各 Active Directory サイトに展開する必要があります。1 つのサイトあたり複数のハブ トランスポート サーバーを展開すると、サーバーに障害が発生した場合の冗長性が得られます。Active Directory サイトに複数のハブ トランスポート サーバーをインストールした場合は、接続が分散されます。

後のセクションでは、ハブ トランスポート サーバーの役割上で管理できるメッセージ処理のシナリオについて説明します。

インターネット メール フロー

ハブ トランスポート サーバーの役割は、Exchange 2007 組織内で送信されるすべてのメッセージを、それらのメッセージが受信者の受信トレイに配信されるか、または組織外のユーザーにルーティングされる前に処理します。この動作には例外がありません。メッセージは常に、ハブ トランスポート サーバーの役割を実行しているサーバーを通過します。

メッセージがハブ トランスポート サーバーに送信される方法には、SMTP (簡易メール転送プロトコル) 発信による場合、ピックアップ ディレクトリから取得される場合、または組織内のユーザーがメッセージを送信した場合の 3 とおりがあります。このメッセージは、パブリック フォルダとメールボックス ストアを含むデータベースである Exchange ストアに受信メッセージを配信する役割を果たす、ハブ トランスポート サーバーのソフトウェア コンポーネントであるストア ドライバによってユーザーの送信トレイから取得されます。

メッセージは、ハブ トランスポート サーバーに送信されると、カテゴライザによって処理されます。カテゴライザは、Exchange トランスポートのコンポーネントで、すべての受信メッセージを処理し、指定された受信者に関する情報に基づいてメッセージに対する処理を決定します。Exchange 2007 では、ハブ トランスポート サーバーはカテゴライザを使用して、配布リストを拡張し、代替受信者と転送先アドレスを識別します。カテゴライザは、受信者に関する情報をすべて取得した後、その情報を使用して、ポリシーを適用し、メッセージをルーティングして、コンテンツの変換を行います。メッセージは次に、ストア ドライバによって受信者のメールボックスにローカルに配信されるか、または SMTP を使用して別のトランスポート サーバーに送信することによってリモートに配信されます。組織内のユーザーが送信したメッセージは、ストア ドライバによって送信者の送信トレイから取得され、ハブ トランスポート サーバーの役割を実行しているサーバー上の発信キューに入れられます。詳細については、「トランスポートのアーキテクチャ」を参照してください。

メッセージングのポリシーと準拠の機能

トランスポート エージェントのコレクションを使用すると、メッセージがメール フロー コンポーネントとの間で入出力されるときに適用されるルールと設定を構成できます。さまざまな規制に適合するように設計され、かつ組織の要件に合わせて容易に変更可能なメッセージングのポリシーとルールの設定を作成することができます。トランスポート ベースのメッセージングのポリシーと準拠の機能には、組織の準拠シナリオを適用するように構成されたサーバー ベースのルールと、メッセージの保存を適用するように機能するジャーナリング エージェントが含まれます。詳細については、「ハブ トランスポートの機能の計画」を参照してください。

スパム対策およびウイルス対策

Exchange 2007 の組み込みの保護機能は、メッセージのためのスパム対策およびウイルス対策を提供します。これらの組み込みの保護機能は、境界ネットワーク内のエッジ トランスポート サーバーの役割上で使用するように設計されていますが、ハブ トランスポート サーバー上にエッジ トランスポート エージェントを構成することもできます。既定では、これらのエージェントは、ハブ トランスポート サーバーの役割上で有効にはなっていません。ハブ トランスポート サーバーでウイルス対策機能を使用するには、これらのエージェントを構成ファイルに登録し、付属の Exchange 管理シェル スクリプトを実行することによって、使用する機能を有効にする必要があります。ウイルス対策エージェントのインストールと有効化は、別の操作で実行します。詳細については、「スパム対策およびウイルス対策の機能の計画」を参照してください。

詳細情報

ハブ トランスポート サーバーの役割の計画、およびこの役割で提供される機能の詳細については、以下のトピックを参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。