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ユニファイド メッセージング自動応答について

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2007-04-17

Microsoft Exchange Server 2007 ユニファイド メッセージングを使用すると、組織のニーズに応じて、1 つ以上の UM 自動応答を作成することができます。UM ダイヤル プランや UM IP ゲートウェイなど、他のユニファイド メッセージング オブジェクトとは異なり、UM 自動応答の作成は必須ではありません。ただし、自動応答は、組織の内部や外部から電話を掛けてきた人が、組織内に存在するユーザーや部署を見つけて目的の相手や部署に呼び出しを転送できるようにします。ここでは、Exchange Server 2007 ユニファイド メッセージングの UM 自動応答機能について説明します。

自動応答

テレフォニー環境またはユニファイド メッセージング環境では、電話を掛けてきた発信者は、受付やオペレータの介入なしに自動応答または自動応答メニュー システムによって、相手先や相手部署の内線に転送されます。多くの自動応答システムでは、受付やオペレータを呼び出すには 0 を押すか、「ゼロ」と言います。自動応答は、最新の構内交換機 PBX ソリューションやユニファイド メッセージング ソリューションにある機能です。

自動応答システムの中には、メッセージ専用の情報メニューや音声メニューを持ち、組織が勤務時間案内、所在地までの道案内、求人情報、およびその他の一般的な質問に対する回答 (FAQ) などを提供するために使用されるものもあります。メッセージが再生された後は、電話を掛けた発信者は受付またはオペレータに転送されるか、メイン メニューに戻ることができます。

さらに複雑な自動応答システムでは、メニュー システムを使用して別の自動応答メニューを検索したり、システム内のユーザーを見つけたり、別の外線番号に転送したりすることもできます。また、たとえば大学生が講義に登録したり成績を確認したりする場合や、電話でクレジット カードを使用する場合などの特定の状況では、電話を掛けてきた発信者がシステムを操作することもできます。

自動応答は非常に便利ですが、正しく設計され構成されていないと、電話を掛けてきた人を混乱させたり、不満を抱かせたりすることがあります。たとえば、特に大規模な組織では、自動応答が正しく設計されていないと、電話を掛けてきた人は、自分の用件に応えてくれる目的の相手にたどりつくまでに、果てしのない質問に答えたり、延々と操作案内に従って操作する必要がある可能性があります。

UM 自動応答

Exchange 2007 ユニファイド メッセージングを使用すると、組織のニーズに応じて、1 つ以上の UM 自動応答を作成することができます。組織は、UM 自動応答を使用して、外部や内部から電話を掛けてきた発信者が、UM 自動応答メニュー システムを使用して社内のユーザーや組織内の部署を見つけて通話したり、呼び出しを転送したりできるような音声メニュー システムを作成することができます。

匿名や認証されていないユーザーが外線番号を呼び出したり、社内の発信者が定義済みの内線番号を呼び出したりした場合、目的の相手先と通話するための支援や、組織内のユーザーを見つけてからそのユーザーと通話するための支援となる一連の音声プロンプトが提供されます。UM 自動応答は、音声プロンプト、つまり .wav ファイルの集まりであり、Microsoft Exchange Server 2007 ユニファイド メッセージングを備えた組織に電話を掛けてきた発信者に対しては、オペレータではなくこの音声プロンプトが応答します。UM 自動応答によって、発信者はメニュー システムを操作したり、呼び出しを行ったり、DTMF (Dual Tone Multi-Frequency) や音声入力を使用してユーザーを見つけたりします。ただし、自動音声認識 (ASR) または音声入力を使用するには、UM 自動応答で ASR を有効にしておく必要があります。

important重要 :
一部 (特に東アジア地域) の会社では、事務所の電話の電話キーに文字が表示されていない場合があります。このため、キー マッピングの動作知識がないと、DTMF インターフェイスを使用する名前入力機能を使用することはほとんど不可能です。既定では、Exchange 2007 ユニファイド メッセージングは、E.161 キー マッピングを使用します (たとえば、2=ABC、3=DEF、4=GHI、5=JKL、6=MNO、7=PQRS、8=TUV、9=WXYZ など)。"Mike1092" など、文字と数字の組み合わせを入力する場合、数値の桁はそれ自体にマッピングされます。"Mike1092" の電子メール エイリアスを正しく入力するには、番号 64531092 を押す必要があります。また、電話には A ~ Z と 0 ~ 9 以外の文字に対応するボタンはありません。したがって、これらの文字は入力しないでください。たとえば、電子メール エイリアス "mike.wilson" の場合、6453945766 と押します。このように、11 文字を入力する必要がある場合でも、ピリオド (.) に対応するボタンがないため、10 桁の数字のみを入力します。

UM 自動応答には、次のような機能があります。

  • 企業案内応答または情報応答を提供します。
  • 独自の企業案内メニューを提供します。これらのメニューに複数のレベルを持たせるようカスタマイズすることができます。
  • 発信者が組織のディレクトリで名前を検索できるようなディレクトリ検索機能を提供します。
  • 発信者は、組織のメンバの電話に接続したり、目的の相手にメッセージを残したりすることができます。

Active Directory ディレクトリ サービスでは、作成された各 UM 自動応答はオブジェクトとして表されます。Active Directory で作成できる UM 自動応答の数に制限はありません。各 Exchange 2007 ユニファイド メッセージング自動応答は、無制限の数の内線番号をサポートすることができます。UM 自動応答が参照できる UM ダイヤル プランは 1 つだけです。ただし、UM 自動応答は他の UM 自動応答を参照したり、他の UM 自動応答にリンクしたりすることができます。

外線番号または内線番号から受信した着信呼び出しは、ユニファイド メッセージング サーバーによって処理され、作成された UM 自動応答に送信されます。UM 自動応答はシステム管理者によって、録音済みの音声 (*.wav) ファイルを使用するよう構成されますが、発信者は電話口から再生されたその録音済みの音声 (*.wav) ファイルの指示に従って、ユニファイド メッセージング メニュー システムを操作できるようになっています。UM 自動応答を構成する場合は、すべての .wav ファイルを組織のニーズを満たすようにカスタマイズすることができます。

UM 自動応答のメッセージ フローの詳細については、「ユニファイド メッセージング自動応答の呼び出し処理」を参照してください。

複数の言語を使用する自動応答

別の言語を使用する自動応答を発信者に提供しなければならない場合があります。UM 自動応答の言語設定を使用すると、自動応答のプロンプトに使用する既定の言語を構成できます。自動応答に既定のシステム プロンプトを使用している場合、自動応答が着信呼び出しに応答したときに発信者が聞くプロンプトにはこの言語が使用されます。この言語設定は、ユニファイド メッセージング サーバーの役割がインストールされている場合に聞こえる既定のシステム プロンプトのみに影響を与えます。この設定は、自動応答で構成済みのカスタム プロンプトには影響を与えません。自動応答の既定の言語は、インストールされている Exchange 2007 のバージョンに基づいて選択されます。

英語 (米国) 版の Exchange 2007 をインストールした場合、UM 自動応答に構成できる言語は英語 (米国) だけです。ただし、日本語版などのローカライズ バージョンの Exchange 2007 をインストールした場合は、既定の言語に日本語または英語 (米国) を使用するように、作成した自動応答を構成できます。ユニファイド メッセージング サーバーに追加の UM 言語パックをインストールすると、自動応答で他の既定の言語オプションを使用できるようになります。

Caution注意 :
その言語の .msi ファイルを使用して UM 言語パックをインストールすることはできません。

たとえば、米国を拠点とし、発信者に英語 (米国)、スペイン語、フランス語のオプションを提供するメニュー システムが必要なビジネスに携わっている場合は、必要な UM 言語パックを最初にインストールする必要があります。このようなケースでは、英語 (米国) 版の Exchange 2007 をインストールしていた場合、スペイン語とフランス語の UM 言語パックをインストールします。ただし、ユニファイド メッセージング自動応答では一度に 1 つの言語のみを構成できるため、英語 (米国) を使用するように構成されたメインの自動応答を作成し、次に英語 (米国)、スペイン語、フランス語の各言語ごとに 1 つの自動応答を作成します。その後、各言語で作成した別の自動応答にアクセスするための適切なキー マッピングを持つメインの自動応答を構成します。この例では、メインの自動応答が着信呼び出しに応答し、「こちらは Contoso, Ltd です。英語の場合は、1 のボタンを押すか、「1」と言ってください。スペイン語の場合は「2」のボタンを押すか、「2」と言ってください。フランス語の場合は「3」のボタンを押すか、「3」と言ってください」という応答が発信者に聞こえます。

自動応答の例

次の例では、UM 自動応答をどのように Exchange 2007 ユニファイド メッセージングと共に使用するかを示します。

例 1: Contoso, Ltd. という企業では、外部の顧客は、425-555-1111 (コーポレート オフィス)、425-555-2222 (製品サポート)、および 425-555-3333 (営業) の、3 つの外線番号を使用することができます。人事部、管理部、および経理部には内線番号があり、これらの番号へはコーポレート オフィス UM 自動応答からアクセスする必要があります。

このシナリオをサポートする UM 自動応答構造を作成するには、3 つの UM 自動応答を作成して構成します。それぞれに適切な外線番号を割り当てます。それら以外にも、コーポレート オフィス内に各部門用の 3 つの UM 自動応答をそれぞれ作成します。各 UM 自動応答は、案内応答の種類やその他の操作案内情報など、各部門の要件に基づいて構成します。

図 1 は、例 1 ではユニファイド メッセージングの自動応答をどのように利用できるかをグラフィカルに表したものです。

UM 自動応答

例 2: Contoso, Ltd. という企業では、外部の顧客はこの企業の 1 つの代表番号 (425-555-1000) を呼び出します。外部からの発信者が外線番号を呼び出すと、UM 自動応答が応答し、発信者に対して次のように案内します。「こちらは Contoso, Ltd. でございます。1 のボタンを押すか「1」と言うと、この電話は管理部門に接続されます。2 のボタンを押すか「2」と言うと、この電話は製品サポートに接続されます。3 のボタンを押すか「3」と言うと、この電話は企業案内情報に接続されます。0 のボタンを押すか「ゼロ」と言うと、この電話はオペレータに接続されます」。このシナリオをサポートするような UM 自動応答構造を作成するには、呼び出しを適切な内線番号にルーティングするようにカスタマイズされた内線番号を持った UM 自動応答を作成します。

図 2 は、例 2 ではユニファイド メッセージングの自動応答をどのように利用できるかをグラフィカルに表したものです。

ユニファイド メッセージング自動応答

UM 自動応答を新規に作成するか変更する方法の詳細については、「ユニファイド メッセージング自動応答を新しく作成する方法」または「ユニファイド メッセージング自動応答を変更する方法」を参照してください。

詳細情報

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。