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Identity

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2006-08-10

Identity パラメータは、ほとんどのコマンドレットと共に使用できる特殊なパラメータです。Identity パラメータを使用すると、Microsoft Exchange Server 2007 の特定のオブジェクトを参照する一意の識別子にアクセスできます。これにより、ユーザーは特定の Exchange 2007 オブジェクトに対する処理を実行できます。

オブジェクトの主要な一意の識別子は常に GUID です。GUID は 63d64005-42c5-4f8f-b310-14f6cb125bf3 のような 128 ビットの識別子です。この GUID が繰り返して使用されることはないため、常に一意になります。しかし、このような GUID を頻繁に入力したくはありません。このため、Identity パラメータは、通常、他のパラメータの値、または 1 つのオブジェクトの複数のパラメータの値の組み合わせで構成されます。また、これらはオブジェクト セットの中で一意であることが保証されています。ユーザーは、NameDistriguishedName など、他のパラメータの値を指定できます。または、システムによって生成することもできます。使用する追加パラメータ (該当する場合) およびその作成方法は、参照するオブジェクトにより異なります。

また、Identity パラメータは、位置パラメータとも考えられます。パラメータ ラベルが指定されていない場合、コマンドレットの最初の引数が Identity パラメータと見なされます。このため、コマンド入力時のキー操作を少なくすることができます。

位置パラメータの詳細については、「パラメータ」を参照してください。

以下の例は、受信コネクタの一意の Name パラメータ値を使用して、Identity パラメータを使用する方法を示しています。また、この例は、Identity が位置パラメータであるため、Identity パラメータ名を省略できる方法も示しています。

Get-ReceiveConnector -Identity "From the Internet"
Get-ReceiveConnector "From the Internet"

Exchange 2007 のすべてのオブジェクトと同様、受信コネクタは一意の GUID で参照することもできます。たとえば、"From the Internet" という名前の受信コネクタが GUID 63d64005-42c5-4f8f-b310-14f6cb125bf3 も割り当てられている場合、次のコマンドを使用して受信コネクタを取得することもできます。

Get-ReceiveConnector 63d64005-42c5-4f8f-b310-14f6cb125bf3

Identity パラメータの例

ここで説明する例は、Exchange 2007 組織で構成可能な配信状態通知 (DSN) メッセージを参照します。最初の例は、Get-SystemMessage コマンドレットを使用して、DSN 5.4.1 を取得する方法を示しています。Get-SystemMessage コマンドレットの Identity パラメータは、各 DSN メッセージ オブジェクトに対して構成された複数のデータで構成されます。これらの複数のデータには、DSN が記述されている言語、DSN がスコープの内部か外部か、および次の例のような DSN メッセージ コードが含まれます。

Get-SystemMessage en\internal\5.4.1

また、Exchange 2007 のすべてのオブジェクトが GUID を持っているため、次の例のように GUID を使用して、この DSN メッセージを取得することもできます。

Get-SystemMessage 82ca7bde-1c2d-4aa1-97e1-f298a6f10222

SystemMessage コマンドレットと共に使用する場合の Identity パラメータの構成の詳細については、「DSN メッセージの識別子」を参照してください。

ここで説明した例は、Exchange 2007 組織の特定のオブジェクトを参照するために、Identity パラメータがさまざまな一意の値を受け取ることができることを示しています。また、これらの例では、コマンド入力時に Identity パラメータ ラベルを省略して、キー操作数を減らす方法も示されています。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。