Export-Mailbox (RTM)
適用先: Exchange Server 2007
トピックの最終更新日: 2007-06-05
指定したメールボックス フォルダにメールボックスの内容を移動するには、Export-Mailbox コマンドレットを使用します。
構文
export-Mailbox -Identity <MailboxIdParameter> -TargetFolder <String> -TargetMailbox <MailboxIdParameter> [-AllContentKeywords <String[]>] [-AttachmentFilenames <String[]>] [-BadItemLimit <Int32>] [-ContentKeywords <String[]>] [-DeleteContent <SwitchParameter>] [-EndDate <DateTime>] [-ExcludeFolders <MapiFolderPath[]>] [-GlobalCatalog <Fqdn>] [-IncludeFolders <MapiFolderPath[]>] [-Locale <CultureInfo>] [-MaxThreads <Int32>] [-ReportFile <LocalLongFullPath>] [-StartDate <DateTime>] [-SubjectKeywords <String[]>] [-ValidateOnly <SwitchParameter>]
解説
Export-Mailbox コマンドレットを実行するには、使用するアカウントに次の権限が委任されている必要があります。
- Exchange サーバー管理者の役割および対象サーバーのローカル Administrators グループ
アクセス許可、役割の委任、および Exchange Server 2007 の管理に必要な権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。
フォレストを超えてメールボックスのデータをエクスポートすることはできません。エクスポート元およびエクスポート先のメールボックスは、同じフォレストに属する必要があります。
Export-Mailbox コマンドレットは、すべての空のフォルダおよび特別なフォルダをエクスポート先にエクスポートします。特別なフォルダとは以下のフォルダです。
- Inbox
- 削除済みアイテム
- Drafts
- 迷惑メール
- Outbox
- 送信済みアイテム
- Journal
- Calendar
- 連絡先
- メモ
- タスク
Export-Mailbox コマンドレットは、削除済みアイテム フォルダ内のメッセージもエクスポートします。削除済みアイテム フォルダ内のメッセージの詳細については、「削除済みのアイテムを回復する方法」を参照してください。
パラメータ
パラメータ | 必須 | 種類 | 説明 | ||
---|---|---|---|---|---|
Identity |
必須 |
Microsoft.Exchange.Configuration.Tasks.MailboxIdParameter |
Identity パラメータには、内容をエクスポートする元のメールボックスを指定します。次の値を使用できます。
Get-Mailbox コマンド オブジェクトがパイプ処理される場合、このパラメータは不要です。 |
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TargetFolder |
必須 |
System.String |
TargetFolder パラメータには、TargetMailbox パラメータで指定されるメールボックスに作成する最上位のメールボックス フォルダを指定します。このフォルダには、"回復済みデータ - <エクスポート元メールボックスのエイリアス> - <タイムスタンプ>" というサブフォルダが含まれます。エクスポートされたデータは、このサブフォルダに格納されます。指定したエクスポート先のフォルダが、既にエクスポート先のメールボックスに存在する場合には、エクスポートされるデータはその既存のフォルダに追加されます。エクスポート先のフォルダが存在しない場合は、新たに作成されます。 |
||
TargetMailbox |
必須 |
Microsoft.Exchange.Configuration.Tasks.MailboxIdParameter |
TargetMailbox パラメータには、エクスポート先フォルダを作成するメールボックスを指定します。コマンドが正常に完了するには、指定したメールボックスが存在する必要があります。 |
||
AllContentKeywords |
省略可能 |
System.String[] |
AllContentKeywords パラメータには、移動処理に含める内容のキーワードを指定します。指定したキーワードがメッセージ本文、添付ファイルのコンテンツ、または件名の中に見つかった場合、そのメッセージがエクスポートされます。
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||
AttachmentFilenames |
省略可能 |
System.String[] |
AttachmentFilenames パラメータには、添付ファイル用のフィルタを指定します。この文字列にはワイルドカード文字を使用できます。たとえば、"*.txt" と指定すると, .txt という拡張子が付いているアイテムをエクスポートできます。 |
||
BadItemLimit |
省略可能 |
System.Int32 |
BadItemLimit パラメータには、エクスポート操作が失敗するまでにスキップする、メールボックス内の破損アイテム数を指定します。 |
||
ContentKeywords |
省略可能 |
System.String[] |
ContentKeywords パラメータには、移動処理に含める内容のキーワードを指定します。指定したキーワードがメッセージ本文または添付ファイルのコンテンツの中に見つかった場合、そのメッセージがエクスポートされます。 |
||
DeleteContent |
省略可能 |
System.Management.Automation.SwitchParameter |
DeleteContent パラメータには、フォルダへのエクスポート後にエクスポート元メールボックスの内容を削除するオプションを指定します。エクスポート元フォルダは削除されません。 |
||
EndDate |
省略可能 |
System.DateTime |
EndDate パラメータには、エクスポート元メールボックスからエクスポートされる内容に適用するフィルタの終了日を指定します。メールボックスのアイテムのうち、日付がこの終了日より前またはこの終了日と同じアイテムのみがエクスポートされます。特定の日付を入力する場合は、ローカル コンピュータで構成されている [地域のオプション] の設定で定義されている短い形式を使用します。たとえば、コンピュータで短い日付形式の mm/dd/yyyy を使用するように構成されている場合、2006 年 3 月 1 日を指定するには「03/01/2006」と入力します。 |
||
ExcludeFolders |
省略可能 |
Microsoft.Exchange.Data.Mapi.MapiFolderPath[] |
ExcludeFolders パラメータには、エクスポート処理中に除外するフォルダの一覧を指定します。 |
||
GlobalCatalog |
省略可能 |
Microsoft.Exchange.Data.Fqdn |
GlobalCatalog パラメータには、対象のメールボックスの検索に使用するグローバル カタログを指定します。 |
||
IncludeFolders |
省略可能 |
Microsoft.Exchange.Data.Mapi.MapiFolderPath[] |
IncludeFolders パラメータには、エクスポート処理中に含めるフォルダの一覧を指定します。 |
||
Locale |
省略可能 |
System.Globalization.CultureInfo |
Locale パラメータには、エクスポートするメッセージのロケールを指定します。指定したロケールのメッセージだけがエクスポートされます。 |
||
MaxThreads |
省略可能 |
System.Int32 |
MaxThreads パラメータには、使用するスレッドの最大数を指定します。 |
||
ReportFile |
省略可能 |
Microsoft.Exchange.Data.LocalLongFullPath |
ReportFile パラメータには、XML レポート ログのパスとファイル名を指定します。 |
||
StartDate |
省略可能 |
System.DateTime |
StartDate パラメータには、エクスポート元メールボックスからエクスポートされる内容に対するフィルタの開始日を指定します。メールボックスのアイテムのうち、日付がこの開始日より後のアイテムのみがエクスポートされます。特定の日付を入力する場合は、ローカル コンピュータで構成されている [地域のオプション] の設定で定義されている短い形式を使用します。たとえば、コンピュータで短い日付形式の mm/dd/yyyy を使用するように構成されている場合、2006 年 3 月 1 日を指定するには「03/01/2006」と入力します。 |
||
SubjectKeywords |
省略可能 |
System.String[] |
SubjectKeywords パラメータには、移動元のメールボックス内のアイテムの件名をフィルタリングするためのキーワードを指定します。 |
||
ValidateOnly |
省略可能 |
System.Management.Automation.SwitchParameter |
ValidateOnly パラメータには、オブジェクトに対して発生するアクションをシミュレートするためのコマンドを指定します。ValidateOnly パラメータを使用することで、実際に変更を加えずに、発生する変更内容を表示することができます。
|
入力の種類
戻り値の種類
エラー
エラー | 説明 |
---|---|
|
例外
例外 | 説明 |
---|---|
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例
最初の例は、ユーザー john@contoso.com のメールボックスの内容をメールボックス ExportMailbox のフォルダ MyData にエクスポートする方法を示しています。
2 番目の例は、フィルタを使用して、エクスポートに含めるエクスポート元メールボックス内のアイテムを指定します。この例では、ユーザー contoso\john のメールボックスから、メッセージ本文または添付ファイルのコンテンツに "merger" というキーワードを含み、*orgchart* という名前の添付ファイルがあり、2006 年 3 月 1 日午前 12:01:00 より後の日付を持つすべてのアイテムがエクスポートされます。
3 番目の例は、メールボックス内のアイテムを検索して削除する方法を示しています。この例では、データベース DB1 上のすべてのメールボックスを取得して、件名に文字列 "Virus message" が含まれるアイテムを検索します。見つかったアイテムは別のメールボックスにエクスポートされ、エクスポート元メールボックスから削除されます。
最後の例は、Get-User コマンドの出力を Export-Mailbox コマンドにパイプ処理できることを示しています。また、この例では、2 つのフォルダがエクスポートから除外されています。John のメールボックス内の Junk E-Mail フォルダおよび Contacts フォルダのアイテムは、ExportMailbox にエクスポートされません。
注 : |
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Get-Recipient または Get-Mailbox の出力を Export-Mailbox にパイプ処理することもできます。 |
Export-Mailbox -Identity john@contoso.com -TargetMailbox ExportMailbox -TargetFolder MyData
Export-Mailbox -Identity contoso\john -TargetMailbox ExportMailbox -TargetFolder MyData -ContentKeywords "merger" -AttachmentFilenames "*orgchart*" -StartDate "03/01/2006 12:01:00"
Get-Mailbox -Database DB1 | Export-Mailbox -TargetMailbox ExportMailbox -TargetFolder VirusData -SubjectKeywords "Virus message" -DeleteContent
Get-User john | Export-Mailbox -TargetMailbox ExportMailbox -TargetFolder MyData -ExcludeFolders "\Junk E-Mail","\Contacts"
参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。