次の方法で共有


シングル コピー クラスタを Exchange 2007 SP1 または SP2 にアップグレードする方法

 

適用先: Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1

トピックの最終更新日: 2011-12-05

ここでは、Setup.com を使用して、シングル コピー クラスタ (SCC) 環境内のクラスタ化メールボックス サーバーを、Microsoft Exchange Server 2007 RTM (Release To Manufacturing) 版から Microsoft Exchange Server 2007 Service Pack 1 (SP1) または Exchange 2007 Service Pack 2 (SP2) にアップグレードする方法について説明します。クラスタ化メールボックス サーバーは、セットアップのコマンド ライン バージョンを使用してのみアップグレードすることができます。セットアップのグラフィカル ユーザー インターフェイス (GUI) バージョン (Exchange Server 2007 セットアップ ウィザード、つまり Setup.exe) を使用してクラスタ化メールボックス サーバーをアップグレードすることはできません。

ここで説明する手順は、SCC 環境のクラスタ化メールボックス サーバーのアップグレードのみに使用してください。クラスタ連続レプリケーション (CCR) 環境でのクラスタ化メールボックス サーバーをアップグレードする方法の詳細については、「CCR 環境内のクラスタ化メールボックス サーバーを Exchange 2007 SP1 または SP2 にアップグレードする方法」を参照してください。

開始する前に

Exchange 2007 SP1 または SP2 にアップグレードする前、および Exchange 2007 SP1 または SP2 へのアップグレードが正常に完了した後に再度、クラスタ化メールボックス サーバーの完全バックアップを作成することをお勧めします。

これらの手順を実行するには、使用するアカウントに以下が委任されている必要があります。

  • Exchange サーバー管理者の役割のメンバシップ
  • クラスタにおけるすべてのノード上でのローカル管理者のアクセス許可

Exchange 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

note注 :
この手順を実行すると、アップグレード処理中に短い停止が発生します。Exchange のセットアップは、クラスタ内のパッシブ ノードのみで実行する必要があります。Exchange 2007 SP1 または SP2 をサポートするには、すべてのノードをアップグレードする必要がありますが、ノードは一度に 1 つずつアップグレードする必要があります。すべてのノードがアップグレードされた後、クラスタ化メールボックス サーバーがアップグレードされ、オンラインになります。

次の手順では 2 ノード クラスタのアップグレードを実行します。SCC に 3 つ以上のノードがある場合は、手順 12. ~ 15. を複数回繰り返します。次の手順では、アクティブ ノードとパッシブ ノードの指定が変更されます。そのため、次の手順で参照しやすくするため、元のアクティブ ノードを NodeA、元のパッシブ ノードを NodeB とします。

手順

Setup.com を使用して、SCC 環境のクラスタ化メールボックス サーバーを Exchange 2007 SP1 または SP2 にアップグレードするには、次の操作を行います。

  1. すべてのクラスタ リソース グループを NodeA に移動することにより、NodeB のアップグレードを準備します。この手順の最初の部分では、クラスタ化メールボックス サーバーをオンライン (実行中) のままにすることができますが、この手順の途中でオフラインにされ、クラスタ内のノード間で移動されます。NodeB で、手順 2. ~ 11. を実行します。

  2. パフォーマンス カウンタに対して開いているハンドルを持つすべてのサービスを停止します。停止する必要があることが判明しているサービスには、パフォーマンス ログと警告、およびすべての Microsoft Operations Manager エージェントが含まれます。

  3. リモート レジストリ サービスを停止してから再起動します。

  4. コマンド プロンプト ウィンドウを開き、Exchange 2007 SP1 または SP2 のインストール ファイルの場所まで移動します。

  5. 次のコマンドを実行します。

    Setup /m:upgrade
    

    セットアップは Exchange 2007 SP1 または SP2 へのアップグレードの前提条件の確認を実行し、これらが完了した後、セットアップは NodeB を Exchange 2007 SP1 または SP2 にアップグレードします。

  6. セットアップが Exchange 2007 SP1 または SP2 へのアップグレードを完了した後、NodeB を再起動します。

  7. 再起動処理が完了したら、NodeB にログオンし、Exchange 管理シェルを開きます。

  8. Stop-ClusteredMailboxServer コマンドレットを使用して、クラスタ化メールボックス サーバーを停止します。たとえば、EXCLUS1 という名前のクラスタ化メールボックス サーバーを停止するには、次のコマンドを使用します。

    Stop-ClusteredMailboxServer EXCLUS1 -StopReason "Upgrade to SP2"
    
  9. Move-ClusteredMailboxServer コマンドレットを使用して、クラスタ化メールボックス サーバーを NodeA から NodeB に移動します。このコマンドレットは、NodeB から実行する必要があります。たとえば、EXCLUS1 という名前のクラスタ化メールボックス サーバーを NodeB に移動するには、次のコマンドを使用します。

    Move-ClusteredMailboxServer EXCLUS1 -TargetMachine NODEB -MoveComment "Upgrade to SP2"
    
  10. コマンド プロンプト ウィンドウで、Exchange 2007 SP1 または SP2 のインストール ファイルの場所まで移動します。

  11. 次のコマンドを実行して、この時点では NodeB によって所有されているクラスタ化メールボックス サーバーをアップグレードします。

    Setup /upgradecms
    

    セットアップはクラスタ化メールボックス サーバーの前提条件の確認を実行し、これらが完了した後、セットアップはクラスタ化メールボックス サーバーをアップグレードし、オンラインにします。

  12. NodeA で、パフォーマンス カウンタに対して開いているハンドルを持つすべてのサービスを停止します。停止する必要があることが判明しているサービスには、パフォーマンス ログと警告、およびすべての Microsoft Operations Manager エージェントが含まれます。

  13. リモート レジストリ サービスを停止してから再起動します。

  14. コマンド プロンプト ウィンドウを開き、Exchange 2007 SP1 または SP2 のインストール ファイルの場所まで移動します。NodeA で次のコマンドを実行して、NodeA を Exchange 2007 SP1 または SP2 にアップグレードします。

    Setup /m:upgrade
    

    セットアップは Exchange 2007 SP1 または SP2 へのアップグレードの前提条件の確認を実行し、これらが完了した後、セットアップは NodeA を Exchange 2007 SP1 または SP2 にアップグレードします。

  15. セットアップが Exchange 2007 SP1 または SP2 へのアップグレードを完了した後、NodeA を再起動します。

    これでクラスタ化メールボックス サーバーは Exchange 2007 SP1 または SP2 にアップグレードされました。

アップグレード手順の間、クラスタ化メールボックス サーバーの所有権はノードを変更しています。必要であれば、クラスタ化メールボックス サーバーを元のノードに移動して戻すことができます。Move-ClusteredMailboxServer コマンドレットを使用することで、移動操作を実行することができます。また、Exchange 2007 SP1 または SP2 の機能である、Exchange 管理コンソールの新しいクラスタ化メールボックス サーバーの管理ウィザードを使用して、移動操作を実行することもできます。

詳細情報

Exchange 管理シェルまたは Exchange 管理コンソールを使用して SCC 環境のクラスタ化メールボックス サーバーを移動する方法の詳細については、「シングル コピー クラスタでクラスタ化メールボックス サーバーを移動する方法」を参照してください。

Move-ClusteredMailboxServer コマンドレットの詳細については、「Move-ClusteredMailboxServer」を参照してください。Stop-ClusteredMailboxServer コマンドレットの詳細については、「Stop-ClusteredMailboxServer」を参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。