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ユニファイド メッセージング IP ゲートウェイについて

 

適用先: Exchange Server 2010 SP2, Exchange Server 2010 SP3

トピックの最終更新日: 2011-06-18

ユニファイド メッセージング (UM) IP ゲートウェイは、物理的な IP ゲートウェイのハードウェア デバイスを論理的に表すコンテナー オブジェクトです。IP ゲートウェイを使用してユニファイド メッセージング呼び出しを処理できるようにするには、IP ゲートウェイを Active Directory ディレクトリ サービスのオブジェクトによって表す必要があります。

目次

IP ゲートウェイの概要

IP ゲートウェイ オブジェクト

UM IP ゲートウェイの有効化と無効化

IP ゲートウェイの概要

一般に、ゲートウェイとは、互換性のない 2 つのネットワークを接続する物理デバイスを表す用語です。MicrosoftExchange Server 2010 ユニファイド メッセージングや他のユニファイド メッセージング ソリューションの場合、IP ゲートウェイは、公衆交換電話網 (PSTN)/時分割多重方式 (TDM) または回線交換電話網と、IP またはパケット交換データ網との間で変換を行うために使用されます。

注意

パケット交換網とは、多くの他のノードによって共有される可能性のあるノード間でパケット (メッセージまたはメッセージの断片) が個別にルーティングされるネットワークです。これは、2 つのノード間に通信中は排他的に使用される専用接続を設定する回線交換網とは対照的です。

Exchange 2010 ユニファイド メッセージングは、IP ゲートウェイの機能を使用して、構内交換機 (PBX) からの総合デジタル通信網 (ISDN) や QSIG などの TDM または電話回線交換型プロトコルを、セッション開始プロトコル (SIP)、リアルタイム転送プロトコル (RTP)、リアルタイムの FAX 転送用の T.38 などの、ボイス オーバー IP (VoIP) または IP に基づいたプロトコルに変換します。

IP ゲートウェイの種類

PBX、IP ゲートウェイ、および IP PBX にはさまざまな種類があり、製造元も多く存在しますが、IP ゲートウェイ コンポーネントの構成は、基本的には以下の 2 種類となります。

  • IP PBX   単一のデバイス

  • PBX (レガシ) および IP ゲートウェイ   2 つの異なるコンポーネント

Exchange 2010 ユニファイド メッセージングをサポートするため、テレフォニー ネットワーク インフラストラクチャをデータ ネットワーク インフラストラクチャに接続する際には、このいずれかの種類の IP/VoIP デバイス構成、または両方の種類の IP/VoIP デバイス構成が使用されます。

IP ゲートウェイ オブジェクト

UM IP ゲートウェイは、1 つ以上の Active Directory UM ハント グループとその他の UM IP ゲートウェイ構成設定を含む Active Directory コンテナー オブジェクトです。UM IP ゲートウェイは、Active Directory 内に作成され、IP ゲートウェイと呼ばれる物理ハードウェア デバイスを論理的に表します。UM IP ゲートウェイは、IP ゲートウェイまたは IP PBX を表すことができます。UM IP ゲートウェイ オブジェクトと UM ハント グループ オブジェクトの組み合わせにより、IP ゲートウェイ ハードウェア デバイスと UM ダイヤル プランとの間の論理リンクが確立されます。

UM IP ゲートウェイを作成した後、IP ゲートウェイを単一または複数の UM ハント グループおよび UM ダイヤル プランにリンクしたり関連付けたりすることができます。UM ハント グループは、UM IP ゲートウェイと UM ダイヤル プランとの間のリンクを提供します。複数の UM ハント グループを作成すると、1 つの UM IP ゲートウェイを複数の UM ダイヤル プランに関連付けることができます。

UM IP ゲートウェイ オブジェクトを作成した後、UM IP ゲートウェイに関連付けられているユニファイド メッセージング サーバーでは、IP ゲートウェイの応答を保証するため、SIP OPTIONS 要求が IP ゲートウェイに送信されます。IP ゲートウェイがユニファイド メッセージング サーバーからの SIP OPTIONS 要求に応答しない場合、ユニファイド メッセージング サーバーは要求が失敗したことを示す、ID 1400 のイベントをログ出力します。この問題を解決するには、IP/VoIP がオンラインで利用でき、ユニファイド メッセージングの構成が正しいことを確認します。

ユニファイド メッセージング サーバーは、信頼された SIP ピアとして一覧されている IP ゲートウェイまたは IP PBX とのみ通信します。場合によっては、2 つの IP ゲートウェイが同じ IP アドレスを使用するように構成されていると、ID 1175 のイベントがログに出力されます。ユニファイド メッセージングでは、権限のない要求を防ぐために、クライアント アクセス サーバーの役割がインストールされているサーバー上にあるユニファイド メッセージング Web サービス仮想ディレクトリの内部 URL を取得し、その URL を使用して、信頼された SIP ピアの FQDN の一覧を作成します。2 つの FQDN が同じ IP アドレスに解決された場合、このイベントがログに出力されます。

注意

IP ゲートウェイを使用して呼び出しを処理できるようにするには、UM IP ゲートウェイを 1 つ以上の UM ダイヤル プランと関連付ける必要があります。また、1 つ以上のユニファイド メッセージング サーバーを、1 つ以上の UM ダイヤル プランと関連付ける必要があります。

UM IP ゲートウェイの有効化と無効化

既定では、IP ゲートウェイを作成すると、IP ゲートウェイは有効な状態になっています。ただし、UM IP ゲートウェイを有効または無効にすることができます。UM IP ゲートウェイを無効にすると、2 つの無効モードのいずれかになります。最初の無効モードでは、関連付けられたすべてのユニファイド メッセージング サーバーが既存の呼び出しを切断します。2 番目の無効モードでは、UM IP ゲートウェイに関連付けられているユニファイド メッセージング サーバーが、IP ゲートウェイからの新しい呼び出しの処理を停止します。

注意

UM IP ゲートウェイが削除されると、その IP ゲートウェイに関連付けられているユニファイド メッセージング サーバーは、IP ゲートウェイからの新しい呼び出し要求を受け付けたり処理したりすることができなくなります。

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