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保存期間の計算方法

 

適用先: Exchange Server 2010 SP2, Exchange Server 2010 SP3

トピックの最終更新日: 2015-03-09

保持タグが存在するか、管理フォルダーに存在するアイテムに保存期限を設定すると、管理フォルダー アシスタントはそれらのアイテムの保存期間を調べ、保存期限を過ぎたアイテムに指定された処理を実行します。

さまざまな種類のアイテムの保存期間の特定

アイテム保持ポリシーを使用するメールボックスでは、メールボックス アイテムの保存期間は配信日から計算されます。管理フォルダー アシスタントがメールボックス内のアイテムを処理する際、[削除して回復を許可する] または [完全に削除する] の保存期間用アクション付き保持タグの付いたすべてのアイテムに開始日と有効期限をスタンプします。アーカイブ タグの付いたアイテムにも移動日がスタンプされます。

MicrosoftExchange Server 2010 Service Pack 1 (SP1) では、既定のフォルダー [削除済みアイテム] 内のアイテムの保存期間は、配信日に基づいて計算されます。ただし保持タグを継承していないフォルダー、または保持タグが暗黙的なフォルダーから移動または削除されたアイテムを除きます。次の例について考えます。

  • 2011/01/26 にメッセージが受信され、受信トレイ フォルダーに入ります。受信トレイ フォルダーには、365 日間経過後にアイテムを削除するよう構成された保持タグが付いています。

    1. 管理フォルダー アシスタントがメッセージを処理します。アシスタントはこのメッセージに、「開始日 2011/01/26、有効期限 2012/01/26」というメッセージをスタンプします。

    2. ユーザーはこのアイテムを 2011/02/27 に削除して削除済みアイテム フォルダーに移動します。削除済みアイテム フォルダーには、30 日間でアイテムを削除するよう構成された保持タグが付いています。

    3. 管理フォルダー アシスタントがメッセージを処理します。開始日 (2011/01/26) に基づき有効期限が再計算されます。

    4. 保存期間が 30 日を過ぎているので、このアイテムは直ちに削除されます。

  • 2011/01/26 にアイテムが受信され、受信トレイ フォルダーに入ります。受信トレイ フォルダーには保持タグが適用されておらず、アイテム保持ポリシーには既定ポリシー タグが含まれていません。

    1. ユーザーはこのアイテムを 2011/02/27 に削除します。アイテムは削除済みアイテム フォルダーに移動します。このフォルダーには、30 日間でアイテムを削除するよう構成された保持タグが付いています。

    2. 管理フォルダー アシスタントが 2011/03/27 にメールボックスを処理し、アイテムに開始日がないと判断します。アシスタントは処理日を開始日としてスタンプし、有効期限は 2011/04/27 となります。

    3. アイテムが削除、または削除済みアイテム フォルダーに移動されてから 30 日間経過後の、2011/04/27 にアイテムは削除されます。

これは移動タグ ([アーカイブに移動する] の保持アクションが付いたタグ)、および削除タグ ([削除して回復を許可する] および [完全に削除する] 保持アクションが付いたタグ) の両方についても同様です。

重要

保持タグには、保持期間と保持アクションなどの保持設定があります。ただし、管理フォルダーの保持設定を構成するには、そのための管理コンテンツ設定を作成する必要があります。保持ポリシーまたは管理フォルダー メールボックス ポリシーのいずれかを使用するように、Exchange Server 2010 メールボックスを構成できます。

管理フォルダーに対して管理コンテンツの設定を作成する場合、以下のオプションの 1 つを選択して、管理フォルダー アシスタントが保存期間の開始日を決定する方法を指定できます:

  • アイテムがユーザーのメールボックスに配信されたとき (予定表アイテムおよび定期的なタスクの場合は、アイテムが終了日よりも古くなったとき)

  • ユーザーがアイテムを管理フォルダーに移動したとき

管理フォルダー アシスタントは、保存期間の開始日を決定した後、ルールを使用してアイテムの保存期間を決定し、保存期限を適用します。次の各表は、さまざまなアイテムに使用されるルールについて説明しています。

予定表アイテム

管理フォルダー アシスタントは、予定表アイテムが削除済みアイテム フォルダー内にあるかどうかに応じて、以下のルールを使用して予定表アイテムの保存期間を計算し、保存期限を適用します。各ルールの手順を、実行する順に一覧に示します。

予定表アイテムの場所 ルール

予定表アイテムが削除済みフォルダー内にある場合

  • 予定表アイテムに有効期限があれば、それに従って期限が切れます。

  • 予定表アイテムに有効期限がない場合は、その新しいスタンプが付加された日に従って期限が切れます (そのメッセージ作成日+保存期間の日数)。

予定表アイテムが削除済みフォルダー内にない場合

  • 非定期の予定表アイテムは、その終了日に従って期限が切れます。

  • 定期的な予定表アイテムは、最終回の終了日に従って期限が切れます。終了日がない定期的な予定表アイテムは、期限が切れません。

予定表アイテムが削除済みフォルダー内にある場合

  • 予定表アイテムに有効期限があれば、それに従って期限が切れます。

  • 予定表アイテムに有効期限がない場合は、その新しいスタンプが付加された日に従って期限が切れます (そのメッセージ作成日+保存期間の日数)。

予定表アイテムが削除済みフォルダー内にない場合

  • 非定期の予定表アイテムは、その終了日に従って期限が切れます。

  • 定期的な予定表アイテムは、最終回の終了日に従って期限が切れます。終了日がない定期的な予定表アイテムは、期限が切れません。

タスク

管理フォルダー アシスタントは、タスクが削除済みアイテム フォルダー内にあるかどうかに応じて、以下の表に示すルールを使用してタスクの保存期間を計算し、保存期限を適用します。各ルールの手順を、実行する順に一覧に示します。

タスクの場所 ルール

タスクが削除済みフォルダー内にある場合

  1. タスクにメッセージ受信日があれば、それに従って期限が切れます。

  2. タスクにメッセージ受信日がない場合、そのメッセージ作成日に従って期限が切れます。

  3. タスクにメッセージ受信日メッセージ作成日もない場合は、期限が切れません。

タスクが削除済みフォルダー内にない場合

  • 非定期のタスクの場合

    1. 非定期のタスクにメッセージ受信日があれば、それに従って期限が切れます。

    2. 非定期のタスクにメッセージ受信日がない場合、そのメッセージ作成日に従って期限が切れます。

    3. 非定期のタスクにメッセージ受信日メッセージ作成日もない場合は、期限が切れません。

  • 定期的なタスクは、最後の終了日に従って期限が切れます。定期的なタスクに終了日がない場合は、期限は切れません。

  • 再生成するタスク (タスクが完了してから一定期間後に再生成する定期的なタスク) は期限が切れません。

タスクが削除済みフォルダー内にある場合

  1. タスクにメッセージ受信日があれば、それに従って期限が切れます。

  2. タスクにメッセージ受信日がない場合、そのメッセージ作成日に従って期限が切れます。

  3. タスクにメッセージ受信日メッセージ作成日もない場合は、期限が切れません。

タスクが削除済みフォルダー内にない場合

  • 非定期のタスクの場合

    1. 非定期のタスクにメッセージ受信日があれば、それに従って期限が切れます。

    2. 非定期のタスクにメッセージ受信日がない場合、そのメッセージ作成日に従って期限が切れます。

    3. 非定期のタスクにメッセージ受信日メッセージ作成日もない場合は、期限が切れません。

  • 定期的なタスクは、最後の終了日に従って期限が切れます。定期的なタスクに終了日がない場合は、期限は切れません。

  • 再生成するタスク (タスクが完了してから一定期間後に再生成する定期的なタスク) は期限が切れません。

注意

Exchange 2010 では、[予定表]、[タスク] の既定フォルダーで保持タグはサポートされません。管理フォルダー アシスタントはこれらのフォルダー内のアイテムを処理しません。

その他のアイテム

管理フォルダー アシスタントは、その他すべてのアイテムの種類に対して、以下のルールを使用して保存期間を計算し、保存期限を適用します。次のアイテムが含まれます。

  • 電子メール メッセージ

  • ドキュメント

  • FAX

  • ジャーナル アイテム

  • 会議出席依頼、返信、およびキャンセル

  • 不在着信

各ルールの手順を、実行する順に一覧に示します。

保存期間の開始日 ルール

アイテムがユーザーのメールボックスに配信されたとき

  1. アイテムにメッセージ受信日があれば、そのメッセージ受信日時が使用されます。

  2. アイテムにメッセージ受信日がない場合、そのメッセージ作成日が使用されます。

  3. アイテムにメッセージ作成日がない場合は、メッセージは期限が切れません。

ユーザーがアイテムを管理フォルダーに移動したとき

  1. アイテムに移動日がある場合は、その移動日が使用されます。

  2. アイテムに移動日がない場合は、アイテムは期限が切れません。

アイテムがユーザーのメールボックスに配信されたとき

  1. アイテムにメッセージ受信日があれば、そのメッセージ受信日時が使用されます。

  2. アイテムにメッセージ受信日がない場合、そのメッセージ作成日が使用されます。

  3. アイテムにメッセージ作成日がない場合は、メッセージは期限が切れません。

ユーザーがアイテムを管理フォルダーに移動したとき

  1. アイテムに移動日がある場合は、その移動日が使用されます。

  2. アイテムに移動日がない場合は、アイテムは期限が切れません。

破損アイテム

メールボックス内の破損アイテムは、管理フォルダー アシスタントによってスキップされ、期限が切れません。

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