非ページ プールが "警告" のしきい値を超えている
[このトピックの目的は、Exchange Server アナライザ ツールが提起した特定の問題に取り組むことです。解決策を適用する対象は、Exchange Server アナライザ ツールを実行し、その特定の問題が発生しているシステムに限定する必要があります。無料でダウンロードして入手できる Exchange Server アナライザ ツールは、トポロジ内の各サーバーから構成データをリモートで収集し、データを自動的に分析します。生成されるレポートには、構成上の重要な問題点、潜在的な問題点、および製品の各種設定で既定値以外のものが、詳細に記載されます。これらの推奨事項に従うことにより、パフォーマンス、スケーラビリティ、信頼性、およびアップタイムの向上を達成できます。このツールの詳細、または最新バージョンのダウンロードについては、「Exchange Server ベスト プラクティス アナライザ ツール バージョン 2 のダウンロード」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=34707) を参照してください。]
トピックの最終更新日: 2009-09-01
Microsoft® Exchange Server アナライザ ツールは、Win32_PerfRawData_PerfOS_Memory Microsoft WMI (Windows® Management Instrumentation) クラスに対してクエリを実行し、PoolNonpagedBytes キーの現在の値を判断します。Exchange Server アナライザによって行われる操作は、基になるオペレーティング システム、Windows の Boot.ini ファイル内に /3GB のスイッチが存在するかどうか、および検出されたこのキーの値によって決定されます。
次の表は、このキーの値が、指定された Exchange サーバーについて範囲外にあるかどうかを判断するために Exchange Server アナライザによって使用される評価のマトリックスを示しています。次の表の条件を満たすと、警告が表示されます。
オペレーティング システム | Boot.ini の設定 | 現在の非ページ プールのサイズ |
---|---|---|
Microsoft Windows 2000 Advanced Server |
/3GB |
100 MB 以上 |
Microsoft Windows 2000 Server または Microsoft Windows 2000 Advanced Server |
なし |
200 MB 以上 |
Microsoft Windows Server™ 2003 |
/3GB |
100 MB 以上 |
Microsoft Windows Server 2003 |
なし |
200 MB 以上 |
PoolNonpagedBytes キー値は、カーネル メモリ非ページ プールのバイト単位のサイズです。非ページ プールは、使用していないときでもディスクに書き込むことができないオブジェクトのための、物理的なシステム メモリの領域です。このキーのページ プール値は、最後に観察された値です。正常な Exchange サーバーでは、バックアップまたは復元が実行されていない限り、使用される非ページ プール メモリが 85 MB を超えることはありません。
Windows 2000 Server および Windows 2000 Advanced Server では、非ページ プール メモリの最大値は 256 MB です。非ページ プール メモリの制限を上記の値よりも大きくすることはできないため、この状態はできるだけ早く修正する必要があります。使用しているオペレーティング システムと /3GB スイッチの有無に関係なく、Windows からアクセスできる非ページ プール メモリはこれだけです。Windows のカーネル メモリがなくなると、エラー メッセージが表示され、クラッシュする場合があります。カーネル メモリは、システムの正常な動作にとってきわめて重要であるため、注意深く監視する必要があります。
このエラーを修正するには
早急に Exchange Server コンピュータを再起動します。
この状態が再発した場合は、システムが正しく調整されているかどうか、およびシステムのソフトウェアとハードウェアがすべて最新のものであるかどうかを確認します。これには、以下のプログラムの最新版をインストールする作業が含まれます。
- Windows オペレーティング システムの Service Pack
- Exchange Server の Service Pack
- ハードウェアのファームウェアおよびドライバ
- システム BIOS の更新ファイル
- インストールされ、実行されているすべてのサード パーティ製アプリケーションの更新プログラム
ソフトウェアとハードウェアの更新によってこの問題が解決されない場合、サード パーティ製ソフトウェアをすべて無効にし、Exchange Server コンピュータを再起動してカーネル メモリを監視します。
メモリ プール モニタ (Poolmon.exe) を使用して非ページ プールを監視し、非ページ プールがシステムのしきい値を超えていないことを確認します。
Process Explorer を使用して、システムでサポートされる絶対最大レベルを表示します。詳細については、「Memory Management - Understanding Pool Resources」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=163175) を参照してください (このサイトは英語の場合があります)。
Exchange Server を正しく調整する方法の詳細については、以下の Microsoft サポート技術情報の文書とホワイト ペーパーを参照してください。
- 文書番号 815372「Exchange Server 2003 でメモリ使用量を最適化する方法」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=3052&kbid=815372)
- 文書番号 266096「1 GB 以上の RAM がある場合、/3GB スイッチが必要」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=3052&kbid=266096)
- 『Troubleshooting Microsoft Exchange Server Performance』(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=47588) (このサイトは英語の場合があります)
- 『Troubleshooting Exchange 2000 Performance』(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=18177) (このサイトは英語の場合があります)
- 『Performance and Scalability Guide for Exchange Server 2003』(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=47576) (このサイトは英語の場合があります)
非ページ プール メモリおよび関連するトピックの詳細については、以下の Microsoft サポート技術情報の文書を参照してください。
- 文書番号 294418「Windows XP および Windows Server 2003 における 32 ビット版と 64 ビット版のメモリ構造の比較」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=3052&kbid=294418)
- 文書番号 177415「Memory Pool Monitor (Poolmon.exe) を使用してカーネル モードのメモリ リークのトラブルシューティングを行う方法」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=3052&kbid=177415)
- 文書番号 268343「[Umdhtools.exe] Umdh.exe を使用してメモリ リークを検出する方法」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=3052&kbid=268343)
Process Explorer の詳細については、「Memory Management - Understanding Pool Resources」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=163175) を参照してください (このサイトは英語の場合があります)。