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MAPI セッション制限が無効になっている

[このトピックの目的は、Exchange Server アナライザ ツールが提起した特定の問題に取り組むことです。解決策を適用する対象は、Exchange Server アナライザ ツールを実行し、その特定の問題が発生しているシステムに限定する必要があります。無料でダウンロードして入手できる Exchange Server アナライザ ツールは、トポロジ内の各サーバーから構成データをリモートで収集し、データを自動的に分析します。生成されるレポートには、構成上の重要な問題点、潜在的な問題点、および製品の各種設定で既定値以外のものが、詳細に記載されます。これらの推奨事項に従うことにより、パフォーマンス、スケーラビリティ、信頼性、およびアップタイムの向上を達成できます。このツールの詳細、または最新バージョンのダウンロードについては、「Exchange Server ベスト プラクティス アナライザ ツール バージョン 2 のダウンロード」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=34707) を参照してください。]  

トピックの最終更新日: 2008-10-15

Microsoft Exchange アナライザ ツールは、以下のレジストリ ブランチを読み取って、Disable Session Limit レジストリ値が存在し、0 以外の値に構成されているかどうかを判断します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Services\MSexchangeIS\ParametersSystem

Exchange アナライザによって Disable Session Limit レジストリ値が存在し、0 以外の値を持つように構成されていることが検出された場合、警告メッセージが表示されます。

この警告は、Exchange Server 2003 Service Pack 1 (SP1) 以降のバージョンで既定の MAPI セッション制限が無効になっていることを意味します。

Microsoft Exchange を実行しているコンピュータ上の MAPI クライアントまたはアプリケーションがメッセージを開くたびに、Microsoft Exchange Information Store サービス (store.exe) は少量の物理メモリを消費します。

MAPI クライアント セッションが Exchange Store サービスによる過剰なメモリ割り当てを引き起こさないようにするために、Exchange Server 2003 SP1 以降のバージョンでは、ユーザーごとに許可される MAPI セッションの数に制限が設定されます。既定では、ユーザーごとに許可される MAPI セッションの最大数は、Exchange 2003 SP1 またはそれ以降のバージョンの場合、16 進数値 0x20 (10 進数値 32) に設定されています。

この警告に対処するには、Disable Session Limit レジストリ エントリを 0 に設定するか、エントリを削除します。

Disable Session Limit レジストリ エントリの値を 0 に設定する、またはエントリを削除すると、イベント ID 9646 イベントが Exchange サーバーのアプリケーション イベント ログに記録される場合があります。これは予期される動作で、1 つまたはそれ以上のクライアント アプリケーションによる過剰な MAPI セッションを示します。

既定のユーザーごとの MAPI セッション制限を無効にしたり値を大きくするのではなく、ユーザーごとの過剰なセッション数の原因となっている基盤のネットワークまたはアプリケーションの問題に対処することをお勧めします。これらの問題の原因には次のようなものがありますが、これらに限定されるわけではありません。

  • 断続的なクライアント ネットワーク接続の問題などの一般的なネットワーク接続問題
  • 過剰なセッションを作成する Microsoft Office Outlook へのサード パーティ アドイン
  • 既定の TCP/IP KeepAliveTime 値よりも前に RPC 接続をリセットするように構成されている、クライアントとサーバーの間のファイアウォール
  • ワイヤレス/VPN 接続の切断など、待ち時間の長いネットワーク
  • Windows Server 2003 Scalable Networking Pack (SNP) のインストール。SNP をインストールした場合は、以下のガイダンスを確認し、適用する必要があります。
  • 多くのフォルダを含むメールボックスを開くユーザー、または Outlook 2007 共有フォルダ機能を有効にしているユーザー。この問題の詳細を参照するには、マイクロソフト サポート技術情報の記事 842022「event ID 9646 is a client opens many MAPI sessions when in Exchange Server 2003 your computer of the application event log logged します。」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=3052&kbid=842022) を参照してください。

アプリケーションの要件により、サービス アカウントが開くことができるセッション数を増やすために Disable Session Limit レジストリ値が意図的に有効に設定された場合は、前のマイクロソフト サポート技術情報の記事 842022 に記載されている回避策をこれらのアカウントに対して使用することを検討します。この回避策は、メモリ不足または仮想メモリの断片化の問題を回避するように慎重に使用する必要があります。

note注 :
この文書には、レジストリの編集に関する情報が含まれています。レジストリを編集する前に、問題が生じた場合にレジストリを復元する方法を十分に理解しておいてください。レジストリを復元する方法の詳細については、Regedit.exe または Regedt32.exe のヘルプ トピック「レジストリを復元するには」を参照してください。

Disable Session Limit キーの値を 0 に設定してこの警告を修正するには、次の操作を行います。

  1. Regedit.exe や Regedt32.exe などのレジストリ エディタを起動します。

  2. HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Services\MSexchangeIS\ParametersSystem に移動します。

  3. Disable Session Limit レジストリ値を右クリックし、[修正] をクリックします。

  4. [値のデータ] ボックスに「0」と入力し、[OK] をクリックします。

  5. レジストリ エディタを終了し、Microsoft Exchange Information Store サービスを再開して、変更を有効にします。

Disable Session Limit キーを削除してこの警告を修正するには、次の操作を行います。

  1. Regedit.exe や Regedt32.exe などのレジストリ エディタを起動します。

  2. HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Services\MSexchangeIS\ParametersSystem に移動します。

  3. Disable Session Limit レジストリ値を削除します。

  4. レジストリ エディタを終了し、Microsoft Exchange Information Store サービスを再開して、変更を有効にします。

レジストリを編集する前にレジストリを編集する方法の詳細を参照するには、マイクロソフト サポート技術情報の記事 256986「Microsoft Windows レジストリの説明」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=3052&kbid=256986) を参照してください。

この問題の詳細については、以下の Microsoft Exchange リソースを参照してください。

TCP/IP KeepAliveTime 値の詳細については、マイクロソフト サポート技術情報の記事 324270「Windows Server 2003 で DoS 攻撃に対して TCP/IP スタックを強化する方法」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=3052&kbid=324270) を参照してください。