Stsadm.exe を使用してサイト データを移行する
Windows SharePoint Services 管理アプリケーション Stsadm.exe には、コンテンツ移行パッケージへのコンテンツの移動をサポートする export 操作、およびこれに付随する、インポート先サイトへのパッケージ コンテンツのインポートと展開をサポートする import 操作が追加されました。
このトピックでは、Stsadm.exe の export 操作と import 操作のみを使用します。
注意
Stsadm.exe のこれらの新しい操作は、以前のユーティリティ アプリケーション Smigrate.exe の機能に代わるものです。
コンテンツの移行に Stsadm.exe を使用する場合の制限
Stsadm.exe を使用すると、基本的なエクスポート操作とインポート操作によって、Windows SharePoint Services サイト コレクション間でコンテンツを簡単に移行できます。ただし、この方法を実行するのは簡単ですが、次のような制限があります。
Stsadm でサポートされるのは Web サイト全体 (SPWeb インスタンス) の移動のみです。 アイテムやリストを選択してエクスポートすることはできません。そのため、Stsadm ではサイトのコンテンツを選択して更新することはできません。選択したアイテムのみをエクスポートする場合は、Microsoft.SharePoint.Deployment 名前空間のクラスを使用します。
サイト オブジェクトを移行すると、オブジェクトのグローバル一意識別子 (GUID) は保持されず、新しい識別子が移行先で追加されます。
既にインポートされているサイト コンテンツ上で Stsadm を再実行すると、問題が発生する場合があります。その場合、ドキュメント ライブラリ以外のすべてのリスト アイテムが移行先サイトで複製されます。
操作パラメータによる若干の制限もあります。たとえば、移行オブジェクト モデルには約 25 個のエクスポート/インポート パラメータがありますが、Stsadm での対応する操作は 10 個程度しかありません。また、Stsadm のパラメータも少し制限されることがあります。たとえば、セキュリティ設定を適用するときに、Stsadm では [セキュリティなし] と [全セキュリティ] の 2 つのオプションしか使用できません。Stsadm を使用してコンテンツを移行する前に、Stsadm の操作とパラメータを十分に理解しておいてください。
Stsadm.exe の格納場所
既定では、Stsadm.exe プログラムは %systemdrive%\Program Files\Common Files\Microsoft Shared\web server extensions\12\BIN ディレクトリにインストールされます。
使用構文
Windows SharePoint Services 3.0 には、移行に使用する 2 つの新しいコマンド (export および import) が追加されています。操作を呼び出す際の構文はきわめて単純です。
stsadm.exe -o <operation> [<parameter>]
stsadm.exe -help [<operation>]
Stsadm.exe -o export
Windows SharePoint Services Web サイト (SPWeb) のコンテンツをサイト スキーマと共に 1 つまたは複数のコンテンツ移行パッケージ (.cmp) ファイルにエクスポートします。
パラメータ
-url <URL>
必須。エクスポートする Windows SharePoint Services Web サイト (SPWeb) の URL を指定します。
-filename <ファイル名>
**必須。**サイト データのエクスポート先となる .cmp ファイルの名前を指定します。
注意
-nofilecompression パラメータを設定すると、指定したエクスポート ディレクトリが -filename パラメータの値になります。
-filename パラメータは、省略可能なパラメータ ,-overwrite を受け取ります。このパラメータを指定してエクスポート操作を実行すると、同名の .cmp ファイルがある場合に古いバージョンが上書きされます。
-overwrite
エクスポート操作の実行時に、移行パッケージの .cmp ファイルと同名のファイルがある場合に古いバージョンを上書きします。
-includeusersecurity
セキュリティ情報およびユーザー データを含めるかどうかを指定します。
注意
タイム スタンプ、セキュリティ情報、およびユーザー データを保持するには、-includeusersecurity パラメータを使用する必要があります。
-haltonwarning
システム警告が発生した場合にエクスポート操作を終了します。
-haltonfatalerror
システム エラーが発生した場合にエクスポート操作を終了します。
-nofilecompression
エクスポート操作時に移行パッケージ ファイルを圧縮しません。
-nologfile
エクスポート操作時に、エクスポート イベントのログ ファイルを作成しません。ログ ファイルを無効にすると多少パフォーマンスが向上しますが、推奨はされません。
既定では、Stsadm.exe はログ ファイルを作成し, .cmp ファイルと同じディレクトリ、または -nofilecompression パラメータを選択している場合はエクスポート ディレクトリに保存します。Stsadm は、処理の終了時にログ ファイル名を報告します。
-versions <1、2、3、4>
.cmp ファイル内のデータのバージョン管理情報を取得します。
1 ファイルおよびリスト アイテムの最新のメジャー バージョンを指定します (既定値)。
2 現在のバージョン (最新のメジャー バージョンまたはマイナー バージョン) を指定します。
3 ファイルおよびリスト アイテムの最新のメジャー バージョンおよびマイナー バージョンを指定します。
4 ファイルおよびリスト アイテムのすべてのバージョンを指定します。
-cabsize <整数>
.cmp ファイルの最大サイズをメガバイト単位で指定します。有効な値の範囲は 1 ~ 1024 MB です。エクスポート データが指定した最大サイズを超えた場合、データは複数のファイルに分割されます。
-quiet
エクスポート操作時に画面への出力を行いません。これにより、パフォーマンスが若干向上します。
Stsadm.exe -o import
コンテンツ移行パッケージ (.cmp) ファイルをインポートして展開し、サイト データをサイト スキーマの指定に従って読み込みます。
パラメータ
-url <URL>
**必須。**データのインポート先となる Windows SharePoint Services Web サイト (SPWeb) の URL を指定します。
-filename <ファイル名>
**必須。**インポートする .cmp ファイル名を指定します。
注意
-nofilecompression パラメータを設定すると、指定したインポート ディレクトリが -filename パラメータの値になります。
-includeusersecurity
セキュリティ情報およびユーザー データをインポートに含めるかどうかを指定します。
注意
タイム スタンプ、セキュリティ情報、およびユーザー データを保持するには、-includeusersecurity パラメータを使用する必要があります。
-haltonwarning
システム警告が発生した場合にインポート操作を終了します。
-haltonfatalerror
システム エラーが発生した場合にインポート操作を終了します。
-nofilecompression
エクスポートでこのパラメータを使用した場合、インポートでもこのパラメータを設定する必要があります。
-nologfile
インポート操作時に、インポート イベントのログ ファイルを作成しません。既定では、ログ ファイルを作成します。
-updateversions <1、2、3、4>
.cmp ファイルのデータの更新方法を指定します。
1 インポート操作時に、現在のファイルに新しいバージョン識別子を追加します (既定値)。
2 インポート操作時に、ファイルおよびそのファイルのすべてのバージョンを上書きします (ファイルを削除し、新たにファイルを挿入します)。
3 インポート操作時に既存のファイルを無視します。
4 競合が検出された場合、インポート操作を終了します。
-quiet
エクスポート操作時に画面への出力を行いません。これにより、パフォーマンスが若干向上します。
See Also
参照
Microsoft.SharePoint.Deployment