サイトのバージョン管理とアップグレード

アップグレードの主要な機能は、サイトのバージョン管理をとおして提供されるサイトの現在の状態を確認することです。サイトのクエリとパフォーマンスを向上させるため、Windows SharePoint Services では、製品バージョンとスキーマ バージョンという 2 つの数字としてバージョン番号をデータベースに格納します。

Windows SharePoint Services はレガシー サイトに製品バージョン 2、マイナー バージョン 0 を割り当てます。

製品バージョン

製品バージョンは、サイトが最後に作成またはアップグレードされた SharePoint バージョンを表す 1 個の整数です。Windows SharePoint Services は、2 つの製品バージョンのみをアップグレード対象としてサポートします。2 は、直前のバージョンで作成したサイトからアップグレードしたサイトであることを指定します。これに対し、12 は、サイトが新しいバージョンを使用して作成されたことを指定します。

サイトのセットアップ パスは、製品バージョンによって異なります。製品バージョンが 2 の場合、SharePoint は \web server extensions\60 のパスを使用します。製品バージョンが 12 の場合は、\web server extensions\12 のパスを使用します。

スキーマ バージョン

Windows SharePoint Service では、サイトの製品バージョンに加えてスキーマ バージョンも管理されます。スキーマ バージョンは、SharePoint によって変更履歴が維持される任意のインクリメント可能な整数です。この数字は、アップグレード テンプレートを使用する必要があるほどサイト定義を大幅に変更した場合に、開発者がいつでもインクリメントできます。スキーマ バージョンはサイト定義の所有者が決定します。

サイト定義のスキーマ バージョンについて、最新の既知のバージョンがサイト定義ファイルに格納されます。Windows SharePoint Services には、時間の経過に従ってサイト テンプレートを更新する強力な機能があり、それによって、新しい機能をサイトに展開する方法としてアップグレードを使用しやすくなっています。ただし、ユーザー独自のスキーマ バージョンを作成し、サイトの機能を変更した場合は、今後、サイトを作成した元のプログラムによるサイトのアップグレードは不可能になります。

既存の Web サイトの製品バージョンまたはスキーマ バージョンあるいはその両方をインクリメントする唯一の方法は、サイト アップグレード定義を作成することです。つまり、STS サイト定義で ProductVersion 属性が 12 を指定し、SchemaVersion 属性が 150 を指定している場合でも、ProductVersion = 2 および SchemaVersion = 100 である STS サイト定義を使用する、機能の Web サイトを作成できます。アップグレード定義が存在しない場合、または Web サイトがまだアップグレードされていない場合、STS 定義はアップグレードされないことがあります。

ビルドからビルドへのアップグレードでは、製品バージョンは同じですが、スキーマ バージョンはビルド間でインクリメントされます。