Windows SharePoint Services のワークフローの概要

ワークフローを使用することにより、Windows SharePoint Services 3.0 内のアイテムにビジネス プロセスを関連付けることができます。このプロセスは、アイテムのライフ サイクルなど、Windows SharePoint Services 3.0 のアイテムのほとんどすべての側面を制御できます。たとえば、承認を得るために一連のユーザーにドキュメントを回覧する単純なワークフローを作成できます。

ワークフローは、ビジネス プロセスでの必要に応じて複雑にも単純にもできます。ユーザーによって開始されるワークフローを作成することも、アイテムの作成や変更などのイベントに応じて Windows SharePoint Services 3.0 によって自動的に開始されるワークフローを作成することができます。

Window SharePoint ワークフローを使用する

Windows SharePoint Services 3.0 ワークフローは、リストまたはドキュメント ライブラリのレベルでエンド ユーザーが利用できるようになっています。ワークフローをドキュメントまたはリスト アイテムに追加することができます。また、コンテンツ タイプにも追加できます。あるアイテムに対して複数のワークフローを使用できます。同じアイテムで複数のワークフローを同時に実行できますが、特定のアイテムで特定のワークフローの複数のインスタンスを同時に実行することはできません。たとえば、Specification という特定のコンテンツ タイプで、SpecReview および LegalReview の 2 つのワークフローが利用可能であるとします。コンテンツ タイプ Specification の特定のアイテムで両方のワークフローを同時に実行できますが、同じアイテムで LegalReview ワークフローの 2 つのインスタンスを同時に実行することはできません。

SharePoint ワークフロー テクノロジのアーキテクチャ

Visual Studio 2005 Designer for Windows Workflow Foundation を使用してワークフローを作成できます。各ワークフローは、個別のダイナミック リンク ライブラリ (.dll) にコンパイルされます。

WWF Designer の使用の詳細については、「Visual Studio 2005 Designer for Windows Workflow Foundation の概要」を参照してください。

さらに、ワークフローは、カスタム ワークフロー フォームを通じて、ユーザーと直接やり取りすることができます。ワークフロー フォームを使用すると、ワークフローの各段階でユーザーから情報を収集できます。

ASP.NET などのテクノロジを使用したワークフロー フォームの作成の詳細については、「ワークフロー フォームの概要」を参照してください。

サーバー ファームにワークフローをインストールするには、ワークフロー定義を作成する必要があります。ワークフロー テンプレート定義は、Windows SharePoint Services 3.0 がワークフローをインスタンス化して実行するために必要な以下のような情報が格納された XML ファイルです。

  • ワークフローの名前、GUID、および説明

  • このワークフロー内で使用されるユーザー設定フォームの場所

  • ワークフロー アセンブリ内の呼び出す適切なクラス

ワークフロー定義の作成の詳細については、「ワークフロー定義スキーマ」を参照してください。

各サーバー ファームには、ワークフロー関連付けテーブルがあります。このテーブルの各エントリには、特定のコンテンツ タイプ、リスト、またはドキュメント ライブラリに適用する場合のワークフローの関連付けデータが格納されています。この関連付けデータには通常、ワークフローが自動的に開始されるのかユーザーによって開始されるのか、およびワークフローのタスク リストと履歴リストが含まれます。ワークフローが複数のコンテンツ タイプ、リスト、またはドキュメント ライブラリに追加されている場合、それらの関連付けごとに 1 つのエントリがあります。同様に、特定のコンテンツ タイプ、リスト、またはドキュメント ライブラリに複数のワークフローを追加した場合、テーブルには、コンテンツ タイプ、リスト、またはドキュメント ライブラリに追加されたワークフローごとに 1 つのエントリがあります。

ワークフローの関連付けの詳細については、「ワークフロー ステージ」を参照してください。

以下に、Windows SharePoint Services 3.0 のワークフロー アーキテクチャの概念図を示します。ファーム内の各コンテンツ タイプ、リスト、およびドキュメント ライブラリは、ワークフロー関連付けテーブルを介して、追加されたワークフローにリンクされます。各ワークフローにはワークフロー定義があります。この XML での定義には、実際のワークフロー アセンブリの ID、そのアセンブリ内のクラス、ワークフローの実行に必要なワークフロー フォームの場所が指定されます。

ワークフローの関連付けの概念的なアーキテクチャ

See Also

概念

ワークフロー ホスティング アーキテクチャ

Windows SharePoint Services のワークフローの開発