ワークフロー テンプレートを展開する
ワークフロー テンプレートや必要なワークフロー フォームを作成した後、ワークフローをコンパイル、インストールして稼働できるようにしなければ、Windows SharePoint Services で実際に運用することはできません。
その基本的な手順を以下に示します。
ワークフロー テンプレートをコンパイルして、厳密に名前付けしたアセンブリにします。
具体的な手順については、Visual Studio 2005 オンライン ヘルプを参照してください。
フィーチャー定義ファイルに、所定の範囲にワークフローを展開するために必要な事項を記述します。Windows SharePoint Services はこれを参照して必要な処理を行います。
ワークフロー定義ファイルに、テンプレートからワークフローを生成し、実行するために必要な事項を記述します。Windows SharePoint Services はこれを参照して必要な処理を行います。
展開に関するプロパティを設定します。これにより、ソリューションを構築すると、ワークフロー ファイルが適切な場所に、ワークフロー アセンブリがグローバル アセンブリ キャッシュ (GAC) にコピーされ、Windows SharePoint Services 上でワークフロー機能が動作するようになります。
注意
以下の手順では、ワークフロー テンプレートが、Windows SharePoint Services ワークフロー プロジェクト テンプレートを使って作成したものであると想定します。このプロジェクト テンプレートは Workflow Starter Kit に入っているもので、ワークフローを作成、展開して Windows SharePoint Services 上で動くようにする、開発者向けの支援機能が組み込まれています。Workflow Starter Kit は Microsoft Download Center から入手できます。
Windows SharePoint Services ワークフロー プロジェクトでフィーチャー定義ファイルを作成するには
Visual Studio 2005 を起動して Windows SharePoint Services ワークフロー プロジェクトを開き、[Solution Explorer] ウィンドウ上で feature.xml ファイルをダブルクリックします。
feature.xml ファイル上で右クリックし、[Insert Snippet] メニューの [Windows SharePoint Services Workflow] 以下にある、[Feature.xml code] をクリックしてください。
反転表示になっている箇所を、実際のワークフロー プロジェクトに合わせて書き換えます。該当箇所はすべて大文字になっています。次の情報が含まれます。
機能 ID の役割を果たす GUID。ワークフロー定義ファイルに記述した、ワークフロー ID と同じものは指定できません。
ワークフロー テンプレートの題名。
ワークフロー テンプレートの説明文。
ワークフロー定義ファイルの場所。feature.xml ファイルを基準とした相対パスで指定します。既定値は 'workflow.xml' となっています。
フィーチャー定義 XML ファイルについては、「Feature.XML Files (英語) 」を参照してください。Windows SharePoint Services 3.0 の機能を作成する手順の詳細については、「フィーチャーを操作する」を参照してください。
ファイルを保存します。
Windows SharePoint Services ワークフロー プロジェクトでワークフロー定義ファイルを作成するには
Visual Studio 2005 を起動して Windows SharePoint Services ワークフロー プロジェクトを開き、[ソリューション エクスプローラ] ウィンドウ上で workflow.xml ファイルをダブルクリックします。
workflow.xml ファイル上で右クリックし、[Insert Snippet] メニューの [Windows SharePoint Services Workflow] 以下にある、[workflow.xml code] をクリックしてください。
反転表示になっている箇所を、実際のワークフロー プロジェクトに合わせて書き換えます。書き換えた内容は XML 全体に反映されます。次の情報が含まれます。
ワークフロー名、説明文、一意の識別子。識別子はワークフロー自身を表すものであって、これが属するフィーチャーを表すものではありません。
アセンブリに添えるコードと、ワークフロー アセンブリのクラス名。
ワークフローおよびこれが使うタスク フォームの場所。
ワークフロー定義 XML ファイルの作成方法については、「ワークフロー定義スキーマ」を参照してください。
ファイルを保存します。
PostBuildActions.bat を使ってワークフロー テンプレートをインストールし、実際に使えるようにするには
Visual Studio 2005 で Windows SharePoint Services ワークフロー プロジェクトを開いてください。
[Solution Explorer] ウィンドウで、プロジェクトの題名部分を右クリックし、[プロパティ] を実行します。
[ビルド イベント] タブをクリックし、ビルド後のコマンド ラインの文字列を、ワークフロー ソリューションを展開するコマンドに書き換えてください。既定では 'NODEPLOY' となっています。
ワークフロー ソリューションを展開する場合、たとえば次のようなコマンドを記述することになるでしょう。
call "$(ProjectDir)\Deployment Files\PostBuildActions.bat" "$(ConfigurationName)" "$(ProjectDir)" "$(TargetDir)" "$(TargetName)" DEPLOY > BuildActions.log
注意
NODEPLOY というパラメータが指定してあれば、コンパイルだけで展開はされません。
[ビルド] メニューの [ソリューションのビルド] をクリックします。
ワークフロー ソリューションのビルド後、Visual Studio は PostBuildActions バッチ ファイルを起動します。これは、ワークフロー ソリューション ファイルを Windows SharePoint Services が稼働する適切な場所に移動し、ワークフロー機能が働くようにする処理を自動化するものです。
デバッグ モードでビルドした場合、このバッチ ファイルは次のような処理を行います。
フィーチャー ディレクトリをサーバー上の適切な場所に作成します。
フィーチャー XML ファイルとワークフロー定義 XML ファイルを、フィーチャー ディレクトリにコピーします。
コンパイル済みのワークフロー アセンブリをグローバル アセンブリ キャッシュ (GAC) にコピーします。
フィーチャーが Windows SharePoint Services で動作するようにします。
リリース モードでビルドした場合、このバッチ ファイルは .wsp ソリューション ファイルを作成、展開します。これは実稼働サーバーへの展開処理に使うもので、 具体的には次のような処理を行います。
manifest.xml および wsp_structure.ddf のプレイスホルダ部分に、ワークフロー プロジェクトに応じて、 次の情報が含まれます。
フィーチャー ディレクトリ名。
フィーチャー XML ファイル名。
ワークフロー定義 XML ファイル名。
コンパイル済みワークフロー アセンブリの名前と相対パス。
ワークフロー テンプレートを有効にすると、管理者はそのサイト上のリストやドキュメント ライブラリと関連付けることができるようになります。
また、ワークフローをあるリストやドキュメント ライブラリと関連付けると、ワークフローをデバッグできるようになります。詳細については、「[方法] Windows SharePoint Services のワークフローをデバッグする」を参照してください。