Microsoft.HtmlTrans 名前空間を使用したプログラミング
要求されたドキュメントを表示できるアプリケーションがクライアント コンピュータにインストールされていなくても、ユーザーはドキュメント ライブラリのドキュメントを表示できます。Windows SharePoint Services に用意されている Microsoft.HtmlTrans 名前空間は、要求されたドキュメントを認識不能なバイナリ ファイル形式ではなく HTML バージョンとして提供するカスタム コンバータ アプリケーションを作成するための基盤となります。
警告
この機能を使用するには、Windows SharePoint Services サーバーの全体管理で HTML ビューア機能を有効にする必要があります。
Microsoft.HtmlTrans.Interface 名前空間は、IHtmlTrLoadBalancer と IHtmlTrLauncher の 2 つのインターフェイスで構成されます。さらに、この 2 つのインターフェイスは htmltransinfo.xml という XML 構成ファイルに従って実装されます。このファイルは Windows SharePoint Services が実行されているサーバーに置かれています。
IHtmlTrLoadBalancer インターフェイスを利用して、カスタム コンバータ アプリケーションを実行するサーバーを選択します。
IHtmlTrLauncher インターフェイスにより、カスタム コンバータ アプリケーションを起動し、Windows SharePoint Services に HTML の結果を返します。
htmltransinfo.xml により、ドキュメント要求をハンドラ ページにリダイレクトした後、ロード バランサ コンポーネントと起動プログラム コンポーネントを呼び出します。htmltransinfo.xml 構成ファイルのエントリでは、次の形式を使用します。
<HtmlTrInfo> <Mapping Extension="ext" AcceptHeader="application/vnd.my-app" HandlerUrl="myapphandler.aspx" ProgId=""/> </HtmlTrInfo>
警告
Windows SharePoint Services にサービス パックやセキュリティ更新プログラムを適用して更新すると、htmltransinfo.xml ファイルに加えた変更が失われる可能性があります。
Microsoft.HtmlTrans 名前空間を使用する
Windows SharePoint Services が動作しているサーバー上のドキュメントをユーザーが要求すると、次の一連のイベントが発生します。
Windows SharePoint Services は htmltransinfo.xml ファイル内でドキュメントのファイル拡張子を検索します。ドキュメントのファイル拡張子が見つかった場合、Windows SharePoint Services は一致する AcceptHeader 属性を取得します。見つからなかった場合、Windows SharePoint Services はドキュメントをダウンロードするように求めるメッセージをユーザーに表示します。
Windows SharePoint Services は AcceptHeader 属性の値を要求の Accept-Header HTTP header と比較し、要求された種類のドキュメントがクライアント コンピュータで認識されるかを確認します。認識される場合、Windows SharePoint Services はそのドキュメントをネイティブ形式で提供します。
また、Windows SharePoint Services は Htmltransinfo.xml ファイルの ProgId 属性を取得し、ProgId に指定されているコンポーネントを使用して、クライアント コンピュータ上のファイルを開くことを試行します。この試行が失敗した場合、Windows SharePoint Services は HTML 変換プロセスを開始します。
クライアント コンピュータが要求された種類のドキュメントを認識しない場合、Windows SharePoint Services ではユーザーに "ブラウザで表示できる形式にドキュメントを変換しますか?" というメッセージを表示します。ユーザーがドキュメントの変換を選択しなかった場合、Windows SharePoint Services ではドキュメントをダウンロードするように求めるメッセージをユーザーに表示します。
ユーザーがドキュメントの変換を選択した場合、Windows SharePoint Services は Htmltransinfo.xml ファイルの HandlerUrl 属性で指定されるハンドラ ページに要求を転送します。ハンドラ ページにより変換プロセスが実行され、変換されたファイルがユーザーに送られて、ブラウザに表示されます。
カスタム ドキュメント変換を実装する
Windows SharePoint Services プラットフォームにカスタム ドキュメント変換を実装するには、次のものを作成する必要があります。
ドキュメントの種類に対応する Htmltransinfo.xml ファイル内のエントリ。
ドキュメント変換プロセスを実行し、HTML 出力をユーザーに返すハンドラ ページ。
一連のカスタム変換コンポーネント。
次の 3 つの方法のうち 1 つを使用して、一連のカスタム変換コンポーネントを作成する必要があります。
カスタム コンバータ アプリケーションを起動して結果を Windows SharePoint Services に返すために使用できる、IHtmlTrLoadBalancer インターフェイスと IHtmlTrLauncher インターフェイスのカスタム実装を作成する。
Microsoft.HtmlTrans インターフェイスを使用しない一連のカスタム変換コンポーネントを作成する。
Microsoft Office 2003 の Resource Kit で提供されている IHtmlTrLoadBalancer インターフェイスと IHtmlTrLauncher インターフェイスのカスタム実装を呼び出し、IHtmlTrLauncher 実装で呼び出されるカスタム コンバータ アプリケーションを提供する。