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OMPM からのレポートを分析する

更新日: 2008年10月

適用対象: Office Resource Kit

 

トピックの最終更新日: 2015-03-09

この記事の内容 :

  • OMPM レポートを開始する

  • スキャンのカバレッジとエラーを確認する

  • Office 2007 の互換性を確認する

  • Access の互換性を確認する

  • このドキュメントをダウンロードする

OMPM レポートを使用すると、以下の操作を実行できます。

  • OMPM ファイル スキャナの結果を調べて、エラーを識別したり、コンピュータのカバレッジを確認したりする。

  • 問題を管理する。

  • 変換するファイルの一覧を作成し、Office ファイル コンバータ (OFC) またはバージョン抽出ツール (VET) で使用されるファイルに一覧をエクスポートする。

  • Access Version 1997 以前と Access Version 2000 以降の間のデータ互換性の問題を確認する。

OMPM レポートを開始する

  1. OMPM をインストールした [Reports] フォルダで、OMPM.accdr をダブルクリックします。セキュリティ プロンプトでは [はい] をクリックします。

  2. 初めて OMPM レポートを使用する場合は、接続先の OMPM データベースの場所を入力します。

  3. [OMPM へようこそ] ページの [サーバー] ボックスで、作成済みの SQL サーバーまたは SQL Express サーバーを選択します。コンピュータの既定のサーバーでない場合は、<ComputerName>\<ServerName> の形式の名前付きインスタンスとして指定する必要があります。既定では、SQL Server は自動的に既定のインスタンスとしてサーバーにインストールされますが、SQL Express は SQLEXPRESS を名前付きインスタンスとして使用してインストールされます。

  4. [データベース] ボックスで、データベースの名前をクリックします。[接続] をクリックします。既にデータベースに接続している場合は、OMPM レポートが自動的にデータベースを開きます。別のデータベースに接続する場合は、[接続] をクリックします。

    [!メモ] SQL Server データベースは、数百万の結果をサポートできます。ただし、管理しやすくするためには、複数の小規模なデータベースを使用することをお勧めします。

スキャンのカバレッジとエラーを確認する

  1. [OMPM へようこそ] ページで、[スキャンのカバレッジとエラー] をクリックします。[スキャン結果] ページが表示されます。

  2. [スキャン結果] ページの上部で実行 ID を選択し、OMPM ファイル スキャナのその実行に対する結果を表示します。

  3. 特定のコンピュータのスキャン結果を表示するには、[上で選択した実行の各コンピュータに対するスキャン結果] でコンピュータを選択します。スキャン結果が [上で選択した実行とコンピュータのスキャン エラー] に表示されます。

[!メモ] ここでは、スキャナのカバレッジとエラーだけが表示されます。スキャナが検出したアップグレードの問題については、Office 2007 互換性レポートを使用してください。

次の表は、ファイルを 2007 Office system 形式に一括で変換するときに、OMPM データベースのテーブルから発生する可能性のあるエラーの種類に対応する重大度レベルを示しています。

問題レベル ID 説明

赤色

1

データの重大な損失 (たとえば、Word の編集バージョンの損失) を発生させたり、変換に失敗したりする可能性がある既知の問題。

黄色

2

2007 Office system 形式に変換されるが、形式の問題または軽微なデータ損失を発生させる可能性がある問題。

緑色

3

外観上の軽微な問題を発生させる可能性があるが、データ損失は発生させない問題。

問題なし

4

問題なし。

次の表は、OMPM データベースから取得され、Word、Excel、および PowerPoint に対してスキャナが生成できるエラーの完全な一覧を示しています。

案件 ID タイトル 説明 問題レベル ID 案件のタイプ ID

1000

File Deleted

要求された場所にはファイルは存在していません。

1

2

1001

File Access Error

ファイルの場所にアクセスできませんでした。コンピュータにアクセスできない可能性があります。

2

2

1002

File Modified

ファイルの変更日時が、ファイル一覧の変更日時と一致しませんでした。

1

2

1003

No Write Permissions

ユーザー アカウントには、ファイルへの書き込み権限がありません。

2

3

1010

Not Deep Scanned

ファイルに対してまだディープ スキャンが実行されていません。

2

4

1050

File Scan Error

このファイルをスキャンするときにエラーが発生しました。詳細については、スキャンのカバレッジとエラー レポートを参照してください。

2

3

1100

Document contains versions

互換モードであっても、Microsoft Office Word 2007 でファイルを開くときに、ドキュメントの編集済みバージョンは削除されます。

1

1

1200

Send for review data

このファイルには、校閲のコメントと、元ファイルの非表示の基準コピーが含まれています。Microsoft Office PowerPoint 2007 では非表示のコピーは破棄され、保存すると完全に削除されます。以前のバージョンで再度開いた場合、校閲者が行った編集がどれであるかはわからなくなります。

1

1

1201

Embedded documents

埋め込みドキュメントに関して、パフォーマンス、セキュリティ、および再現性に関する問題が発生する可能性があります。

2

1

1202

VBA code

このファイルには埋め込み VBA コードが含まれています。これにより、セキュリティ、再現性、パフォーマンス、およびソリューションの互換性の問題が発生する可能性があります。Office PowerPoint 2007 との互換性について、このファイルを確認してください。

2

1

1203

Microsoft Script Editor data

このファイルを開くときに、Office PowerPoint 2007 では図形に保存された MSE データは破棄され、保存すると完全に削除されます。このデータに依存するソリューションは機能しなくなる可能性があります。

1

1

1204

Presentation broadcast data

このファイルを開くときに、Office PowerPoint 2007 では HTML ブロードキャスト プレゼンテーションの構成設定が破棄され、保存すると完全に削除されます。以前のバージョンでブロードキャストするには、手動で設定を再入力する必要があります。

1

1

1205

Document routing

このファイルを開くときに、Office PowerPoint 2007 ではルーティング情報が破棄され、保存すると完全に削除されます。以前のバージョンでプレゼンテーションをルーティングするには、手動でルーティング情報を再入力する必要があります。

1

1

1206

Publish and subscribe data

このファイルを開くときに、Office PowerPoint 2007 では Macintosh の発行および購読データは破棄され、保存すると完全に削除されます。以前のバージョンで再度開いた場合、発行および購読情報は機能しなくなります。

2

1

1207

Large number of OLE objects

このファイルには大量の埋め込みオブジェクトが含まれています。これにより、セキュリティ、再現性、パフォーマンス、およびソリューションの互換性の問題が発生する可能性があります。Office PowerPoint 2007 との互換性についてこのファイルを確認してください。

2

1

1300

Open format not supported

このファイル形式は Microsoft Office Excel 2007 では開けません。

1

1

1301

Save format not supported

Office Excel 2007 では、このファイル形式での保存はサポートされていません。

2

1

1302

HTML will be a publish-only file format

HTML ファイル形式は、Office Excel 2007 では発行のみのファイル形式です。ファイルは Office Excel 2007 で開きますが、Office Excel 2007 形式で保存するときに、ファイルは静的になります。

1

1

1303

Links in workspace files might be broken

作業状態ファイル (.xlw) に、他のブックへのリンクが含まれている可能性があります。アップグレード中にリンクが変更された場合, .xlw ファイルは壊れている可能性があります。

3

1

1304

File format is prior to Excel 97

ファイルが Excel 97 以前の形式です。このようなファイルは移行対象としてスキャンされません。

2

1

1305

SharePoint linked lists in the file

リンクされたリストは Office Excel 2007 では読み取り専用です。

2

1

1306

Microsoft Script Editor present in the file

Microsoft Script Editor (MSE) は Office Excel 2007 では削除されました。MSE への UI アクセスは行われず、オブジェクト モデル呼び出しではエラーが返されます。

1

1

1307

Linked workbooks in the file

アップグレードの問題を確認できるようにするために、リンクされたブックは識別されます。リンクされたブックへのパスと、出現数が確認されます。リンクされたブックは、Office Excel 2007 ファイル形式に変換されたときに異なる拡張子を持ちます。

2

1

1308

Charts in the workbook

グラフの表示は、Office Excel 2007 では Excel 2003 と同じにならない可能性があります。

3

1

1309

English Language Formulas in the workbook

英語形式の数式 (ELF) がオンになっています。ELF は Office Excel 2007 では削除されていますが、すべての ELF はセル参照に変更されるので、Office Excel 2007 でも引き続き機能します。

3

1

1310

Embedded documents in the file

埋め込みドキュメントについては、互換性の問題がスキャンされません。

2

1

1311

MSOWC.dll is referenced

このファイルは、Office 2000 Web コンポーネント (MSOWC.dll) の機能を使用しています。Office 2000 Web コンポーネントは 2007 Office system の一部としてインストールされないので、個別のインストールが必要になることがあります。

3

1

1312

OWC10.dll is referenced

このファイルは、Office XP Web コンポーネント (MSOWC.dll) の機能を使用しています。Office XP Web コンポーネントは 2007 Office system の一部としてインストールされないので、個別のインストールが必要になることがあります。

3

1

1313

OWC11.dll is referenced

このファイルは、Office 2003 Web コンポーネント (MSOWC.dll) の機能を使用しています。Office 2003 Web コンポーネントは 2007 Office system の一部としてインストールされないので、個別のインストールが必要になることがあります。

3

1

Office 2007 の互換性を確認する

  1. [OMPM へようこそ] ページで、[Office 2007 互換性] をクリックします。[Office 2007 互換性] ページが表示されます。

  2. ページの下部にある [フィルタの読み込み] ボタンをクリックすると、以前保存したフィルタを読み込むことができます。または、ページの左側にある [ファイル フィルタの選択] でファイル フィルタの設定を指定します。

    [!メモ] フィルタは、表示する問題または作成済みファイルではなく、表示するファイルに適用されます。たとえば、[特定の種類の問題を選択] をレベル レッドのすべての問題を選択するように設定すると、レッドの問題があるすべてのファイルが表示されます。ただし、そのファイルにイエローおよびグリーンの問題もある場合は、これらの問題のレポートも表示されます。

  3. 特定の設定に対するフィルタを反転するには、設定の右側のチェック ボックスをオンにします。たとえば、スキャナの実行を選択した場合、そのスキャナの実行で検出されたすべてのファイルが表示されます。その設定のフィルタを反転した場合、選択した実行ではなく、他の実行で検出されたすべてのファイルが表示されます。

  4. フィルタを適用するには、[2007 Office リリースの互換性] ページの上部にある [フィルタの適用] ボタンをクリックします。ページの右側にあるタブを使用して、以下の手順を実行します。

  5. OMPM ファイル スキャナが識別した問題のサマリーを、重大度、種類、および頻度別に表示するには、[問題のサマリー] タブを選択します。ページの下部にある [新規ウィンドウ] をクリックすると、サマリーを新しいウィンドウで表示できます。

  6. 問題を表示して重大度レベルを編集するには、[問題のサマリー] ページの下部にある [問題の管理] をクリックし、表示される [問題の管理] ダイアログで問題を確認または編集します。問題の影響を検討し、その問題がドキュメント セットにとって重要でない場合は、問題のレベルをこのダイアログ ボックスで変更することもできます。これを使用して、ファイルをレッド、イエロー、およびグリーンのステータスの処理グループにまとめることができます。

  7. スキャンされた各コンピュータの問題のサマリーを表示するには、[コンピュータのサマリー] タブをクリックします。ページの下部にある [新規ウィンドウ] をクリックすると、サマリーを新しいウィンドウで表示できます。印刷可能なレポートを作成するには、ページの下部にある [レポート表示] をクリックします。

  8. 適用したフィルタで設定されている条件に一致するファイルを表示するには、[スキャン済みファイル] タブをクリックします。ページの下部にある [新規ウィンドウ] をクリックすると、すべてのファイルのサマリーを新しいウィンドウで表示できます。印刷可能なレポートを作成するには、ページの下部にある [レポート表示] をクリックします。

  9. Office ファイル コンバータまたはバージョン抽出ツールを使用して作成したファイルを表示するには、[作成済みファイル] タブをクリックします。ページの下部にある [新規ウィンドウ] をクリックすると、すべてのファイルのサマリーを新しいウィンドウで表示できます。印刷可能なレポートを作成するには、ページの下部にある [レポート表示] をクリックします。

  10. フィルタを保存するには、ページの下部にある [フィルタの保存] をクリックします。

  11. Office ファイル コンバータまたはバージョン抽出ツールで使用する XML ファイルにファイルをエクスポートするには、ページの下部にある [エクスポート] をクリックします。

選択できるフィルタ条件の詳細については、「OMPM レポートのフィルタ リファレンス」を参照してください。

Access の互換性を確認する

  1. [OMPM へようこそ] ページで、[Access 互換性] をクリックします。[Access レポート] ページが表示されます。

  2. [Access レポート] ページで、最後に分析が行われた日付を確認します ([分析] の隣)。その日付より後でスキャンを実行している場合、または [分析] を実行したことがない場合は、[Access レポート] ページの [アナライザの設定] をクリックし、必要な設定を指定して、[分析] をクリックします。設定を構成する必要がなく、スキャン データの分析を開始する場合は、[Access レポート] ページの [分析] をクリックします。

    [!メモ] [分析] をクリックすると、"分析には非常に長い時間がかかる可能性があり、実行の途中ではキャンセルできません。継続してよろしいですか?" というメッセージが表示されます。スキャン データの対象が 100,000 データベース以下の場合は、通常は、ほんの数分で分析は終了します。100,000 データベースを超える場合は、分析に長い時間がかかる可能性があるので、夜間に分析を行う方が良いでしょう。

  3. フィールドで Access スキャン データを検索するには、[Access レポート] ページの [簡易検索] をクリックします。OMPM が分析したファイルの一覧が表示されます。特定のデータベース ファイルを名前で検索するには、または特定のパスあるいはコンピュータにあるデータベースの一覧を表示するには、[簡易検索] を使用します。

  4. Access データの対話形式レポートを表示または印刷するには、[Access レポート] ページの [レポート] をクリックします。[レポート表示] タブが表示されます。左側のナビゲーション ウィンドウでは、以下のレポートから選択できます。

    • [データベースと問題の詳細]。データベース ファイルごとの問題の一覧を作成するには、このレポートを使用します。

    • [データベースの問題 (問題別)]。特定の問題があるすべてのデータベースを検索するには、このレポートを使用します。

    • [エグゼクティブ サマリー]。このレポートは、分析されたすべてのデータベースの問題の概要を提供します。ファイル レベルの詳細は含まれません。

    • [アクティブなデータベースと古いデータベース]。このレポートは分析済みのデータベースの一覧を表示し、LastModified プロパティに基づいて、それらがアクティブか非アクティブかを示します。

    • [変換の問題 - データベースが MDE ファイル]。このレポートは、名前が同じ .mde ファイルと .mdb ファイルの一覧を表示します。

    • [変換の問題 - レプリケートされたデータベース]。このレポートは、レプリケーションを使用するデータベースの一覧を表示します。

    • [変換の問題 - フォーム/レポート/マクロでの予約名]。このレポートは、フォーム、レポート、またはマクロに予約された名前を含むデータベースの一覧を表示します。

  5. 特定の属性を持つデータベースの検索を容易にする対話形式のグラフを表示するには、[Access レポート] ページの [グラフ] をクリックします。[データベースのグラフ] 画面が表示され、以下のグラフから選択できます。

    • [最後に開いた日付]。開かされたデータベースの年ごとの数です。

    • [データベース評価]。必要なユーザー介入のレベル別のデータベースの数です。

    • [Access のバージョン]。Access のバージョン別のデータベースの数です。

    • [ファイル サイズ]。ファイル サイズ別のデータベースの数です。

    • [変換の問題]。変換の問題別のデータベースの数です。

    • [警告レベル]。警告レベル別のデータベースの数です。

  6. ファイルごとのデータに基づいてデータベースとデータベース オブジェクトを表示するには、[Access レポート] ページの [ファイルの詳細] をクリックします。

  7. ファイルごとのデータに基づいてデータベースの問題を表示するには、[Access レポート] ページの [変換の問題] をクリックします。

    次の表は、すべての OMPM アクセス エラーの一覧を示しています。

    案件 ID 案件のテキスト ユーザーの介入 案件の種類 ユーザーの介入の優先度

    1

    Too many code or class modules

    必須

    エラー

    1

    2

    Sort Order and System Language do not match

    必要に応じて

    警告

    2

    3

    Replicated Database

    必須

    警告

    1

    4

    Database is an MDE file

    必須

    エラー

    1

    5

    DAO 2.5/3.5 compatibility layer

    なし

    メモ

    3

    6

    Microsoft Jet SQL help

    なし

    メモ

    4

    7

    Additional References

    必要に応じて

    警告

    2

    8

    Missing References

    必要に応じて

    警告

    2

    9

    Reserved Name in Form/Report/Macro

    なし

    メモ

    4

    10

    Linked Tables

    可能性は少

    警告

    3

    11

    Database in uncompiled state

    なし

    メモ

    4

    12

    Backup Database

    なし

    メモ

    4

    13

    Sample Database

    なし

    メモ

    4

    14

    Old database

    なし

    メモ

    4

    15

    Secure database: User Level Security

    必要に応じて

    エラー

    2

    16

    Secured database: Database password

    必要に応じて

    エラー

    2

    17

    System database

    なし

    メモ

    4

    18

    Unsupported legacy format

    必要に応じて

    警告

    2

    19

    Unsupported legacy format – forms, reports, and modules will be lost

    必須

    なし

    1

    エラー 1 ~ 17 は、Access Conversion Toolkit によって生成されることがあるエラーの完全な一覧です。1 ~ 17 のドキュメントは Access Conversion Toolkit に含まれています。このドキュメントは Flash ベースであり、ツールキットがインストールされている必要があります。ツールキットのインストール方法については、「Access 2003 Conversion Toolkit (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=131929\&clcid=0x411) を参照してください。

    エラー 18 および 19 は OMPM での新しいエラーであり、その意味は次のとおりです。

    • エラー 18 – Microsoft Office Access 2007 では、Access 2.0 で作成されたファイルが開けなくなくなりました。

    • エラー 19 – Office Access 2007 では、Access 95 で作成されたファイルを開けますが、そのフォーム、レポート、またはモジュールは読み取れません。

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この記事は、簡単に読んだり印刷したりできるように、次のダウンロード可能なドキュメントに収められています。

入手可能なドキュメントの詳細な一覧については、「2007 Office リソース キットのダウンロード可能なブック」を参照してください。