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ブロードキャスト スライド ショーのパフォーマンスを構成する (Office Web Apps)

 

適用先: PowerPoint Web App Preview

トピックの最終更新日: 2016-11-29

Microsoft PowerPoint 2010 ブロードキャスト スライド ショーの構成方法についてこの記事で提供される情報は、組織のスタンドアロン サーバーまたはサーバー ファームの Microsoft SharePoint 2010 製品にインストールされた Microsoft Office Web Apps を管理する IT 担当者を対象としています。この記事では、特に明記していない限り、SharePoint 2010 Productsは Microsoft SharePoint Server 2010 および Microsoft SharePoint Foundation 2010 を指します。

重要

この記事で示すパフォーマンスと処理能力のガイダンスは暫定的なものであり、変更される可能性があります。結果は異なる場合があります。

Microsoft PowerPoint ブロードキャスト スライド ショー使用時には、スライド ショー プレゼンテーションに更新がないかチェックするために、ブロードキャスト スライド ショーの参加者のブラウザーからブロードキャスト スライド ショー サーバーが毎秒 1 回ポーリングされます。参加者が多い場合には、これによって Web フロントエンド サーバーの負荷が高くなり、負荷が過大になるとサーバー ファーム上の他のサービスに影響する場合があります。既定では、50 人未満の参加者のブロードキャストがサポートされるようにブロードキャスト スライド ショーが最適化されますが、それ以上の人数の参加者がプレゼンテーションに参加できないようにはなっていません。ブロードキャスト スライド ショーのプレゼンテーションに 50 人以上の参加者が参加する場合、管理者は、この記事で説明する方法を使用してブロードキャスト スライド ショーのパフォーマンスを最適化できます。

この記事の内容

  • 専用 SharePoint サーバー ファームを展開する

  • ブロードキャストの処理能力を構成する

  • ポーリング間隔を構成する

  • Web フロントエンド リソース使用を制限する調整を変更する

  • ブロードキャストの最大継続時間を変更する

  • アイドル状態ブロードキャストの時間制限を設定する

専用 SharePoint サーバー ファームを展開する

いつも多数の参加者のために PowerPoint ブロードキャスト スライド ショーを使用するような組織では、管理者が PowerPoint ブロードキャスト スライド ショー専用の SharePoint Server ファームを展開するとよいでしょう。専用のサーバー ファームを計画して展開する方法の詳細については、「Office Web Apps の計画 (SharePoint 2010 製品にインストールされている)」および「Office Web Apps を展開する (SharePoint 2010 製品にインストールされる)」を参照してください。

ブロードキャストの処理能力を構成する

PowerPoint Service によるブロードキャスト要求処理能力を増加させるには、管理者は中間層サーバーの Web.config ファイルで、BroadcastStateService サービスのエンドポイント要素に behaviorConfiguration="MaxPendingRecieves" 設定を追加し、endpointBehaviors 要素に MaxPendingReceives 動作を追加します。

重要

この設定を追加すると、ブロードキャストに参加できる参加者数を増加させることができます。ただし、これによって中間層サーバーで使用されるリソースも増加する可能性があります。この設定の使用は、ブロードキャスト専用サーバー ファーム、またはブロードキャストの使用量が大きくなると見込まれるサーバー ファームに限定することをお勧めします。

この設定を追加するには、各ファーム サーバーの複数の Web.config ファイルを変更する必要があります。Web.config ファイルの操作方法の詳細については、「Working with Web.config Files (英語)」(https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/ms460914(office.14).aspx) (英語) を参照してください。

ブロードキャストの処理能力を増加させるには、メモ帳を使用して、C:\Program Files\Common Files\Microsoft Shared\Web Server Extensions\14\WebServices\PowerPoint\Web.config にある Web.config ファイルを編集します。

以下の例では、Web.config ファイルで、behaviorConfiguration="MaxPendingRecieves" 設定を追加し、endpointBehaviors 要素に MaxPendingReceives 動作を追加して、ブロードキャスト サービスの処理能力を増加させています。

<service name="Microsoft.Office.Server.Powerpoint.Pipe.Core.BroadcastStateService"
behaviorConfiguration="RenderingServiceBehavior">
<endpoint name="BinaryHttpRenderingService" address="fast" 
   binding="customBinding" bindingConfiguration="FastClaimsBinding"
   contract="Microsoft.Office.Server.Powerpoint.Interface.Shared.IBroadcastStateService"
behaviorConfiguration="MaxPendingReceives"/>
<endpoint name="BinaryHttpRenderingService" address="secure"
   binding="customBinding" bindingConfiguration="SecureClaimsBinding"
   contract="Microsoft.Office.Server.Powerpoint.Interface.Shared.IBroadcastStateService"
behaviorConfiguration="MaxPendingReceives"/>
</service>
<endpointBehaviors>
  <behavior name="MaxPendingReceives">
    <dispatcherSynchronization maxPendingReceives="10" />
  </behavior>
</endpointBehaviors>

推奨値

処理能力を増加させるために maxPendingRecieves 設定に指定する値の推奨値は 10 です。既定では、MaxPendingRecieves 動作が指定されていない場合の有効値は 1 です。

動作 設定

MaxPendingReceives

maxPendingReceives

10

警告

Web.config で行った変更は、SharePoint 2010 Productsの更新プログラムまたはサービス パックをインストールしたり、次の製品バージョンにアップグレードしたりすると、上書きされることがあります。

ポーリング間隔を構成する

いつも多数の参加者のために PowerPoint ブロードキャスト スライド ショーを使用する組織で、PowerPoint ブロードキャスト スライド ショー専用の SharePoint サーバー ファームを展開できない場合、管理者は、ポーリング間隔を変更するとよいでしょう。この値によって、プレゼンテーションに更新がないかチェックするために参加者がブロードキャスト スライド ショー サーバーをポーリングするときの頻度が決まります。ポーリング間隔を大きくすると、ポーリング トラフィックは減少しますが、プレゼンテーションの変更が参加者に表示されるまでの時間が長くなります。ポーリング間隔は、Windows PowerShell を使用してミリ秒単位 (1000 ミリ秒 = 1 秒) で指定できます。

Windows PowerShell を使用してポーリング間隔を構成するには

  1. 次の最小要件を満たしていることを確認します。Add-SPShellAdmin を参照してください。

  2. [スタート] メニューの [すべてのプログラム] をクリックします。

  3. [Microsoft SharePoint 2010 製品] をクリックします。

  4. [SharePoint 2010 管理シェル] をクリックします。

  5. Windows PowerShell コマンド プロンプト (PS C:\>) で、以下のコマンドを入力し、Enter キーを押します。

    Get-SPPowerPointServiceApplicationProxy | Set-SPPowerPointServiceApplicationProxy -BroadcastBrowserHealthyStatePollIntervalInMilliSeconds 2000

詳細については、「Get-SPPowerPointServiceApplicationProxy」および「Set-SPPowerPointServiceApplicationProxy」を参照してください。

Web フロントエンド リソース使用を制限する調整を変更する

管理者は、PowerPoint 表示用 Web.config ファイルで、ViewServiceTypeBehaviors 動作と ViewServiceTypeBehaviorsHttps 動作の serviceThrottling 要素の maxConcurrentCalls 設定を変更できます。この設定は、PowerPoint Web Appと PowerPoint ブロードキャスト スライド ショーによって表示に使用される Web フロントエンド リソースを制限します。この設定を変更するには、各フロントエンド ファーム サーバーの Web.config ファイルを変更する必要があります。Web.config ファイルの操作方法の詳細については、「Working with Web.config Files (英語)」(https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/ms460914(office.14).aspx) (英語) を参照してください。

Web フロントエンド リソース使用を制限する調整を変更するには、メモ帳を使用して、C:\Program Files\Common Files\Microsoft Shared\Web Server Extensions\14\isapi\ppt\Web.config にある IIS の Web.config ファイルを編集します。

以下の例では、4 つの CPU を搭載したサーバーで、各動作に 4 つの serviceThrottling maxConcurrentCalls を指定します。

<behavior name="ViewServiceTypeBehaviors" >
  <serviceMetadata httpGetEnabled="true" />
  <serviceThrottling maxConcurrentCalls="16" />
  <AttemptAuthFallback />
</behavior>
  <behavior name="ViewServiceTypeBehaviorsHttps" >
  <serviceMetadata httpGetEnabled="false" />
  <serviceThrottling maxConcurrentCalls="16" />
  <AttemptAuthFallback />
</behavior>

推奨値

指定する値は、サーバーの CPU の数によって異なります。

動作 設定

ViewServiceTypeBehaviors

serviceThrottling maxConcurrentCalls

2 ~ 5

ViewServiceTypeBehaviorsHttps

serviceThrottling maxConcurrentCalls

2 ~ 5

警告

Web.config で行った変更は、SharePoint 2010 Productsの更新プログラムまたはサービス パックをインストールしたり、次の製品バージョンにアップグレードしたりすると、上書きされることがあります。

ブロードキャストの最大継続時間を変更する

既定では、ブロードキャストは 12 時間後に期限切れになります。これによって、長時間のミーティングに対応でき、ミーティング開始の何時間か前に発表者がブロードキャストを作成して招待を送信することもできます。ただし、発表者がミーティング終了後にブロードキャストを終了しなかったり、参加者がミーティング終了後もブラウザーを開いたままにしたりしてブロードキャストが長時間続くと、サーバー負荷が続く要因となります。ブロードキャストの最大継続時間は、Windows PowerShell を使用して秒単位で指定できます。

Windows PowerShell を使用してブロードキャストの最大継続時間を変更するには

  1. 次の最小要件を満たしていることを確認します。Add-SPShellAdmin を参照してください。

  2. [スタート] メニューの [すべてのプログラム] をクリックします。

  3. [Microsoft SharePoint 2010 製品] をクリックします。

  4. [SharePoint 2010 管理シェル] をクリックします。

  5. Windows PowerShell コマンド プロンプト (PS C:\>) で、以下のコマンドを入力し、Enter キーを押します。

    Get-SPPowerPointServiceApplicationProxy | Set-SPPowerPointServiceApplicationProxy -BroadcastSessionTimeoutInSeconds 21600

  6. Windows PowerShell コマンド プロンプト (PS C:\>) で、以下のコマンドを入力し、Enter キーを押します。

    Get-SPPowerPointServiceApplication | Set-SPPowerPointServiceApplication -BroadcastStateIdleTimeoutInSeconds 21600

詳細については、「Get-SPPowerPointServiceApplicationProxy」および「Set-SPPowerPointServiceApplicationProxy」を参照してください。

アイドル状態ブロードキャストの時間制限を設定する

アイドル状態になって指定の時間が経過したブロードキャストを PowerPoint で終了させるための追加設定を有効にできます。既定では、この設定はアイドル時間制限なしを示す 0 になっています。発表者がミーティングの何時間か前にブロードキャストを作成したり、ミーティング中に休憩が入ったりすると、有効なブロードキャストがアイドル状態になることもあるので、この設定を変更するときは注意してください。ブロードキャストのアイドル状態タイムアウトは、Windows PowerShell を使用して秒単位で指定できます。

Windows PowerShell を使用してアイドル状態ブロードキャストの時間制限を設定するには

  1. 次の最小要件を満たしていることを確認します。Add-SPShellAdmin を参照してください。

  2. [スタート] メニューの [すべてのプログラム] をクリックします。

  3. [Microsoft SharePoint 2010 製品] をクリックします。

  4. [SharePoint 2010 管理シェル] をクリックします。

  5. Windows PowerShell コマンド プロンプト (PS C:\>) で、以下のコマンドを入力し、Enter キーを押します。

    Get-SPPowerPointServiceApplicationProxy | Set-SPPowerPointServiceApplicationProxy -BroadcastPresenterIdleTimeoutInSeconds 14400

詳細については、「Get-SPPowerPointServiceApplicationProxy」および「Set-SPPowerPointServiceApplicationProxy」を参照してください。