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Project Server 2007 への移行を準備する

更新日: 2009年5月

 

トピックの最終更新日: 2015-03-09

この記事の内容 :

  • Project Server 2003 Service Pack 2a にアップグレードする

  • Windows SharePoint Services 3.0 をインストールする

  • Project Server 2007 をインストールする

  • フォーム認証を設定する (必要な場合)

  • Project Server 2003 データベースと Project Server 2007 データベースをバックアップし復元する

  • 移行ツールをインストールする

  • 移行管理者アカウントに適切な権限を付与する

  • 移行管理者アカウントが適切なアクセス権を持っていることを確認する

Microsoft Office Project Server 2003 から Microsoft Office Project Server 2007 への移行を実行する前に、いくつかの準備作業を行う必要があります。この記事では、必要な手順について説明します。

Project Server 2003 Service Pack 2a にアップグレードする

Microsoft Office Project Server 2003 SP2a は 3 つのパートで構成されており、必要に応じてそれぞれを個別にダウンロードしてインストールできます。

  1. Office Project Server 2007 データベースのアップグレード

  2. Project Server のアプリケーション バイナリの更新

  3. Windows SharePoint Services 上の Project Server テンプレート ファイルの更新

移行の展開方法に応じて、上記のいずれかまたは複数のパートが必要になります。

  • インストール済みの既存の Project Server 2003 および Windows SharePoint Services 2.0 を最新の Service Pack である SP2a にアップグレードするには、すべての 3 つのパートを使用してアップグレードする必要があります。それが、アップグレードする最も簡単な方法です。

  • インストール済みの既存の Project Server 2003 (SP2a を適用していない状態) を保持するには、次の操作を行う必要があります。

    • Project Server 2003 データベースのバックアップを作成します。バックアップを復元します (このとき、必要に応じて、異なる名前を使用します)。復元したデータベースに SP2a のパート 1 を適用します。

    • インストール済みの Windows SharePoint Services 2.0 に SP2a のパート 3 を適用します。

    Office Project Server 2007 をとりあえず展開し、SP2a の展開によって移行プロセスが複雑にならないようにする場合に、このオプションを選択します。

    [!メモ] Service Pack の詳細については、マイクロソフト サポート技術情報の記事「Project Server 2003 Service Pack 2a について」(https://support.microsoft.com/kb/887621/ja-jp/ja-jp/ja) を参照してください。また、Project Server 2003 SP2a データベース アップグレードを適用するために必要なすべての SQL ファイルは、Utilities\Migration\Database\PS03SP2a フォルダにあります。

Windows SharePoint Services 3.0 をインストールする

Windows SharePoint Services 2.0 のデータをアップグレードする場合は、Windows SharePoint Services 3.0 をインストールする必要があります。新しいコンピュータにインストールする場合、Windows SharePoint Services 3.0 を個別にインストールする必要はありません。Office Project Server 2007 をインストールすると、Windows SharePoint Services 3.0 も自動的にインストールされます。したがって、この手順は、以下の移行展開オプションでのみ必要となります。

  • 完全移行 : Windows SharePoint Services 2.0 を使用している Project Server 2003 (同じコンピュータ上)

  • 完全移行 : Windows SharePoint Services 2.0 を使用している Project Server 2003 (別のコンピュータ上)

  • 段階的な移行 : Windows SharePoint Services 2.0 を使用している Project Server 2003 (同じコンピュータ上)

  • 段階的な移行 : Windows SharePoint Services 2.0 を使用している Project Server 2003 (別のコンピュータ上)

上記のいずれの展開オプションでも、Windows SharePoint Services 3.0 をインストールすると、インストール済みの既存の Windows SharePoint Services 2.0 が検出されて、以下のオプションが提供されます。

  1. [段階的なアップグレードを実行する: ] : 既存のインストール環境を引き続き使用でき、Web サイトを段階的にアップグレードできます。大規模なインストールや、Web サイトが大幅にカスタマイズされている場合に最適です。Windows SharePoint Services 2.0 ファームと Windows SharePoint Services 3.0 ファームを並行して機能させることができる段階的な移行です。段階的に移行するプロジェクトの Windows SharePoint Services 2.0 ワークスペースを選択的にアップグレードできます (このアップグレードはまだ行わないでください。このプロセスについては別の記事で説明します)。これは、SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトを使用して行います (詳細については、「Windows SharePoint Services 3.0 にアップグレードする」を参照してください)。プロジェクトを発行すると、プロジェクト アイテムおよび Windows SharePoint Services アイテム間のリンクは固定されます。

    [!メモ] Windows SharePoint Services 2.0 上の Project Server 2003 ワークスペースの作成を続行するには、Project Server 2003 の "既定の準備の設定" を変更する必要があります。段階的なアップグレード プロセスの一部として、Windows SharePoint Services 3.0 は、Windows SharePoint Services 2.0 で使用しているすべての仮想サーバーに置き換わり、Windows SharePoint Services 2.0 サイトを他の一時的に作成された仮想サーバーに移動して、リンクをリダイレクトします (これは、Windows SharePoint Services 2.0 のすべてのコンテンツが最終的には Windows SharePoint Services 3.0 に移行されることを前提としています)。Windows SharePoint Services 2.0 サイトの作成には、これらの一時仮想サーバーを使用する必要があります (詳細については、「Windows SharePoint Services 3.0 にアップグレードする」を参照してください)。

  2. [一括アップグレードを実行する: すべての Web サイトとデータベースがアップグレードされます。この処理は完全に終わるまで続きます。データベースの数が少なく、コンテンツのデータ量が 30 GB 未満のインストールに最適です。] : この "完全移行" オプションを選択すると、Windows SharePoint Services 2.0 のすべてのプロジェクト ワークスペースが Windows SharePoint Services 3.0 にアップグレードされます。この手順を完了しても、移行したワークスペースが機能するようにはなりません (対応する Office Project Server 2007 Windows SharePoint Services テンプレートがまだインストールされていません。これらのテンプレートは Project Server 2007 と共にインストールされます)。プロジェクトを発行すると、プロジェクト アイテムおよび Windows SharePoint Services アイテム間のリンクは固定されます。

  3. [今はアップグレードしない: ] : 以前のバージョンを残したまま、新しいバージョンをインストールでき、以前のインストールに影響を与えずに実行することができます。このオプションを選択しないでください。

「移行のための IT 展開オプション」の記事をよくお読みください。Windows SharePoint Services 3.0 にアップグレードする方法の詳細については、「Windows SharePoint Services 3.0 にアップグレードする」を参照してください。

Project Server 2007 をインストールする

Project Server 2007 をどのコンピュータにインストールするのかは重要な問題です。「Project Server 2007 への移行の IT 展開オプション」の記事をよく読んで、適切なオプションを選択してください。インストール方法の詳細については、「サーバー ファーム環境に Project Server 2007 を展開する」を参照してください。そこで示されている手順に従って Office Project Server 2007 をインストールし、移行先の Microsoft Office Project Web Access サイトを準備します。この後は、この記事の目的上、この移行先のサイトを "ターゲット Project Web Access サイト" と呼びます。

Important重要
この Office Project Web Access サイトは空である必要があります (つまり、プロジェクト、ユーザー、リソース、またはその他のグローバル データが含まれていてはいけません)。

[!メモ] 前のいずれのオプションの場合も、Office Project Server 2007 を Project Server 2003 と同じコンピュータにインストールできます。Project Server 2003 をホストしていたインターネット インフォメーション サービス (IIS) の仮想サーバーを Windows SharePoint Services で置き換える場合は、Project Web Access の仮想ディレクトリを除外するために多数の "管理パス" を作成する必要があります。詳細については、マイクロソフト サポート技術情報の記事「ASP.Net アプリケーションを SharePoint 仮想サーバーで実行できるようにする方法」(https://support.microsoft.com/kb/828810/ja-jp/ja-jp/ja) を参照してください。

この手順を完了すると、移行先となる、空の有効な Project Web Access サイト (前述の "ターゲット Project Web Access サイト") が用意できます。

フォーム認証を設定する (必要な場合)

Project Server 2003 で Project Server の認証ユーザー (Windows ユーザーではないユーザー) を使用する場合、移行後にすぐにそれらのアカウントで Office Project Server 2007 にログオンすることはできません。Office Project Server 2007 では、Windows SharePoint Services と ASP.NET のフォーム認証インフラストラクチャを使用しています。このため、Project Server 上でのフォーム認証を設定する必要があります。また、これは移行とは別の手順です。詳細については、「Project Server 2007 認証方法を計画する」を参照してください。

この手順が完了すると、フォーム認証が有効になり、ターゲット Project Web Access サイト上で動作するようになります。

Project Server 2003 データベースと Project Server 2007 データベースをバックアップし復元する

データの移行に関与するすべての Project Server 2003 データベースおよび Office Project Server 2007 データベースをバックアップすることをお勧めします。

次のデータベースをバックアップする必要があります。

  • Project Server 2003 データベース

  • Office Project Server 2007 データベース :

    • 発行済み

    • レポート

    • 下書き

    • バージョン

  • Microsoft Windows SharePoint Services 3.0 の構成データベースとコンテンツ データベース

データの移行に関与するデータベースのバックアップ コピーを作成しておくと、移行プロセス中に回復不能な問題が発生した場合にすばやく移行を再実行できます。たとえば、移行中に Project Server 2003 でのデータの問題によりエラーが発生すると、Office Project Server 2007 データベースが破損することがあります。この問題を Project Server 2003 で修正した場合は、移行を再試行する前に新しい Office Project Server 2007 Project Web Access サイトを作成する必要があります。ただし、Office Project Server 2007 のバックアップが既にあれば、新しい Project Web Access サイトを作成し直す必要はありません。Office Project Server 2007 Project Web Access データベースを復元するだけで、移行を再試行できます。

Windows SharePoint Services のワークスペース データの Windows SharePoint Services 3.0 への移行時に回復不能な問題が発生した場合は、Windows SharePoint Services 3.0 の構成データベースおよびコンテンツ データベースをバックアップできます。移行前にデータベースをバックアップしておくと、すばやく最初からやり直すことができます。

次に、Project Server 2003 データベースを復元する場所を決める必要があります。

  • Office Project Server 2007 データベースと別のコンピュータに Project Server 2003 データベースを保持する : データベースのサイズが大きくてバックアップまたは復元に非常に時間がかかる場合は、これが推奨されます。この場合、Office Project Server 2007 コンピュータ上に、Project Server 2003 コンピュータを指す "リンク サーバー" を手動で設定する必要があります。詳細については、移行構成ファイル内の Project2003LinkedSQLServer パラメータを参照してください。詳細については、「Project Server の移行ツールを構成する」を参照してください。

  • Office Project Server 2007 データベースと同じコンピュータに Project Server 2003 データベースを復元する : パフォーマンスを最適化するには、これが推奨されます。Project Server 2003 データベースと Office Project Server 2007 データベースが同じコンピュータ上にある方が移行プロセスは高速になります。

この手順が完了すると、すべての必要なデータベースがバックアップされて、データベースを復元してすばやく移行を再実行できるようになります。

移行ツールをインストールする

移行ツールは Microsoft Office Project Professional 2007 のインストール メディアに収録されています (既定ではインストールされません)。移行に関与する Project Server コンピュータに移行ツールをインストールする必要はありません。必要なのは、移行ツールがそれらのコンピュータにネットワーク経由で接続できることだけです。次の手順に従って移行ツールをインストールします。

[!メモ] ベスト プラクティスとして、移行ツールを実行するコンピューター上の Office Project Professional 2007 には最新の累積更新プログラムを必ず適用することをお勧めします。これにより、移行ツールに対して提供されるすべての更新プログラムを確実に適用できます。Project Professional 2007 に対する更新プログラムの詳細については、Microsoft ヘルプとサポート Web サイトで「Microsoft Office Project 2007 サポート ページ」を参照してください。

移行ツールをインストールする (Office Project Professional 2007 がインストールされていない場合)

  1. Office Project Professional 2007 のインストール CD にあるセットアップを実行します。

  2. [ユーザー設定] オプションを選択します。[今すぐインストール] を選択しないでください。

  3. [インストール オプション] タブで、Microsoft Office Project 2007 の機能ツリーを展開します。

  4. [移行ツール] を右クリックし、状態を [インストールしない] から [マイ コンピュータから実行] に変更します。

  5. [今すぐインストール] をクリックします。移行ツールの実行可能ファイル (P12migrationtool.exe) が、選択した場所にインストールされます。既定の場所は C:\Program Files\Microsoft Office\OFFICE12 です。

移行ツールをインストールする (Office Project Professional 2007 が既にインストールされている場合)

  1. Windows XP の場合は、[スタート] ボタンをクリックし、[コントロール パネル] をクリックします。

  2. コントロール パネルの [プログラムの追加と削除] をダブルクリックします。

  3. [現在インストールされているプログラム] ボックスの一覧で [Microsoft Office Project Professional 2007] を選択し、[変更] をクリックします。

  4. 表示される [Microsoft Office のインストールを変更してください] ウィンドウで、[機能の追加/削除] を選択し、[続行] をクリックします。

  5. [インストール オプション] タブで、[Microsoft Office Project] を展開し、[Microsoft Office Project Upgrader ツール] を右クリックします。状態を [インストールしない] から [マイ コンピュータから実行] に変更します。

  6. [続行] をクリックします。これにより移行ツールのインストールが開始され、移行ツールの実行可能ファイル (P12migrationtool.exe) が Office Project Professional 2007 の実行可能ファイル (WinProj.exe) と同じ場所に追加されます。既定の場所は C:\Program Files\Microsoft Office\OFFICE12 です。

  7. インストールが正常に終了したら、次に表示されるウィンドウで [閉じる] をクリックします。

移行ツールを実行する方法

移行ツールを実行するには、コマンド プロンプトを開き、移行ツールの実行可能ファイルがあるディレクトリ (既定の場所は C:\Program Files\Microsoft Office\OFFICE12) に移動します。次に、必要なコマンド ライン パラメータを使用して P12migrationtool.exe を実行します。以下に例を示します。

D:\Program Files\Microsoft Office\OFFICE12>P12MigrationTool.exe -c d:\migration\ProjectServer2007Migrate.ini

[!メモ] 移行構成ファイルのパスまたはファイル名にスペースが含まれる場合は、文字列を二重引用符で囲みます。たとえば、"d:\my migration\migration one.ini" のようにします。

[!メモ] 移行ツールは、移行処理を実行するために Project Professional を必要とします。そのため、移行ツールの実行中に同じコンピュータ上で Project Professional を開いて使用することはできません。

次の表に、P12migrationtool.exe で使用可能なオプションを示します。

オプション 説明

-c

Upgrade.ini ファイルへのパスです。

-su

SQL Server 認証を使用する場合は、SQL Server ユーザー名を入力します。

-sp

SQL Server 認証を使用する場合は、SQL Server ユーザーのパスワードを入力します。

-fu

フォーム認証を使用する場合は、フォーム認証ユーザー名を入力します。

-fp

フォーム認証を使用する場合は、フォーム認証ユーザーのパスワードを入力します。

-verify

移行前チェックを行います。

SQL Server 認証とフォーム認証のユーザー名およびパスワードをどちらも指定しない場合、移行ツールは、現在ログオンしているユーザーの ID を使用して Windows 認証に基づいて実行されます。

ユーザー名を指定し、パスワードを指定しない場合は、パスワードの入力を求めるメッセージが表示されます。

この手順が完了すると、Office Project Server 2007 移行ツールが稼働状態となります。

[!メモ] 移行ツールのヘルプを表示するには、コマンド プロンプトを開き、移行ツールがインストールされた場所に移動します。次に、「p12migrationtool.exe /?」と入力し、Enter キーを押します。

移行管理者アカウントに適切な権限を付与する

移行管理者アカウントとは、移行を実行するアカウントです。つまり、このアカウントで P12migrationtool.exe コマンド ライン ツールを実行します。このアカウントには次の権限が必要です。

  • Project Server 2003 データベースに対するデータベース閲覧者権限

  • ターゲット Project Web Access サイトに対する管理者権限

    既定の (変更されていない) "Administrators" セキュリティ グループに移行管理者アカウントを追加すると、すべての必要な権限が付与されます。同じ名前または Windows アカウントを持つエンタープライズ リソースが Project Server 2003 に存在する場合、移行管理者アカウントもエンタープライズ リソースにする必要があります。

  • Office Project Server 2007 データベースに対するシステム管理者権限

    "SysAdmin" SQL グループに移行管理者アカウントを追加すると、この権限が付与されます。移行管理者アカウントが Office Project Server 2007 ファームのファームの管理者の場合、この権限は既に与えられています。

移行管理者アカウントが適切なアクセス権を持っていることを確認する

Office Project Server 2007 をインストールしたら、そこにデータを移行する前に、インストールが機能していることを確認する必要があります。これを行うには、次の作業を実行します。

  1. 移行管理者アカウントを使用して、移行ツールをインストールしたコンピュータにログオンします。

  2. Office Project Web Access の 2007 バージョンに移動します。移行管理者アカウントを使用してログオンし、Office Project Web Access の [サーバー設定] のすべてのページにアクセスできることを確認します。これにより、移行管理者アカウントを使用して移行ツールが Office Project Server 2007 へのデータの追加を試みるときに、それが正常に行われることが保証されます。

  3. Office Project Professional 2007 を起動し、移行管理者アカウントを使用してプロファイルを作成します。次に、そのプロファイルを使用して Office Project Server 2007 に接続します。

  4. プロジェクトを作成し、保存して、発行します。このプロセスでエラーが発生しないことを確認します。確認できたら、プロジェクトを削除します。

  5. SQL クエリ アナライザを開き、Project Server 2003 データベースをホストしている SQL Server を実行しているコンピュータに接続し、移行管理者アカウントを使用してログインします。各 Project Server 2003 データベースのデータにアクセスできることを確認します。

  6. SQL クエリ アナライザを開き、Project Server 2007 データベースをホストしている SQL Server に接続し、移行管理者アカウントを使用してログインします。システム管理者権限が与えられていることを確認します。