ファイル計画を作成する (Office SharePoint Server)

この記事の内容 :

• レコード、アクティブ ドキュメント、およびアーカイブされたドキュメントについて

• レコードとなるドキュメントを決定する

• ファイル計画を完了する

ファイル計画とは、レコード管理計画の主要なドキュメントのことです。ファイル計画は組織によって異なりますが、一般に以下の共通点があります。

• 組織がレコードとすることを承認するアイテムの種類を記述します。

• アイテムが属する、より広いレコードのカテゴリについて記述します。

• レコードの保存場所を示します。

• レコードの保持期間を記述します。

• さまざまな種類のレコードを管理する責任者を図で示します。

レコード、アクティブ ドキュメント、およびアーカイブされたドキュメントについて

ファイル計画を決定する前に、レコード、アクティブ ドキュメント、およびアーカイブされたドキュメントの違いについて理解しておく必要があります。

• レコード   組織内のドキュメントまたはその他の物理的または電子的なエンティティで、組織が行った活動またはトランザクションの証拠の役割を果たします。それらのレコードは、一定期間保持し、規制または法律による開示など必要に応じて出力できるようにしておく必要があります。

  アクティブ ドキュメントがレコードであることが宣言されると、物理的な保管場所、電子的なレコード リポジトリなど、保護された場所に移動またはコピーされ、組織がそのレコードを保持する期間を指定する保持期間が割り当てられます (保持期間を永久、つまりレコードが無期限に保持されるように指定することもできます)。

• アクティブ ドキュメント   インフォメーション ワーカーの受信トレイ内の電子メール メッセージ、会社の机に置いてある印刷版の製品仕様書、ドキュメント ライブラリ内のドキュメント、企業 Web サイトのページなど、現在使用されているドキュメントです。アクティブ ドキュメントは時間がたつと変更、コピー、または共有され、通常組織内を移動することが予想されます。

  アクティブ ドキュメントが組織によって行われる活動やトランザクションの証拠としての役割を果たす場合は、そのアクティブ ドキュメントをレコードと宣言することができます。たとえば、組織が顧客に提供するサービスにコンテンツ配信が含まれる場合、そのコンテンツはサービス配信のレコードとなり、そのドキュメントのコピーを保持する必要があります。たとえば、同僚とランチの場所を決めるためにやり取りした電子メール メッセージをレコードとは分類しないように、ある種のアクティブ ドキュメントは決してレコードになることはありません。

  ドキュメントのライフ サイクルのある時点で、そのドキュメントはアクティブではなくなります。たとえば、成果物ドキュメントが顧客に提供された場合、このコンテンツをアクティブ レコードとして管理し続ける必要はなくなります。ただし、ドキュメントがレコードの場合、そのドキュメントを一定期間保存して保護する必要があります。

• アーカイブされたドキュメント   保持する必要がなくなったか、または決してレコードとして分類されたことがなかったため、アクティブではなくなったけれどもレコードでもないドキュメントです。アーカイブされたドキュメントは、過去の記録を残しておくなど、法律以外の理由で企業によって維持されます。

レコードとなるドキュメントを決定する

組織内のアクティブ ドキュメントのうちどれがレコードとして宣言可能かを判断するには、レコード管理者、弁護士、コンプライアンス オフィサー、およびコンテンツ管理者のグループ作業が必要です。企業が厳しく規制された業界に属していない場合でも、2002 年の米国企業改革法 (SOX 法) などの一般的な法律により企業がレコードを保持することが義務付けられていることがあるので、レコード管理者はこの点を認識しておく必要があります。一般的な商法以外に、企業に固有な法的要件を評価する必要があります。

ここでは、組織内のレコードとなるドキュメントを決定する方法の概要について説明します。詳細についてはここでは説明しません。ほとんどの場合、企業では既に何らかの形でレコード管理が行われており、必要なレコード管理のほとんどの役割に人員が割り当てられていて、レコードの分類方法も既に確立しています。

一般に、組織内で何がレコードかを決定するには、以下の作業を行います。

1. 企業の法律上の義務とビジネス ニーズを理解します。

2. 組織の各部門にまたがるグループ作業で、アクティブ ドキュメントの使用状況を分析します。

3. レコードにする必要のあるアクティブ ドキュメントの種類の一覧を作成します。たとえば、以下のドキュメントがレコードとして保持する必要があると判断されることがあります。

   • オフィスの賃貸契約書。

   • 従業員の福利厚生に関連するドキュメント。

   • 製品の研究開発に関連するドキュメント。

4. レコードを分類します。

ワークシートでの作業
同じカテゴリのレコードは、通常、保持期間が同じで、他の点でも同等の処理を必要とすることがあるので、この作業は役に立ちます。Microsoft® Office SharePoint® Server 2007 レコード カテゴリ ワークシート (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=73300&clcid=0x411) を使用して、調査結果を記録できます。

ワークシートの例を以下に示します。

レコード	レコードのカテゴリ	説明	サイト
福利厚生計画、保険計画、年金計画	従業員福利厚生の説明	全従業員の福利厚生計画の説明	http://example
給与支払いタイムシート、給料に関する補足情報	給与支払いレコード	勤務時間、残業時間、および給与の要約。	http://example
ベンダの請求書	請求書	ベンダから購入した製品やサービスに関するレコード。	http://example
製品調査、アンケート、トレーニング マニュアル、教育用ビデオ	トレーニング資料	社内または社外のトレーニング。	http://example
出荷フォーム、出荷レポート	出荷レコード	資材の出荷に関するドキュメント作成。	http://example
プレス リリース、新聞記事	プレス リリース	自社の製品とサービスに関する広報情報	http://example
緊急連絡表、医療計画登録フォーム、履歴書、福利厚生ステータス レポート	個人レコード	個人の雇用履歴および関連する個人的な活動に関するレコード	http://example

ファイル計画を完了する

レコードとして保持する必要のあるドキュメントを決定し、一連のレコード カテゴリを作成した後は、各レコード カテゴリの保持期間を定義し、その保持期間が過ぎた場合のレコードの廃棄方法を指定し、各種類ごとのレコードの主要なレコード管理者、レコードを保存するメディアなど、その他の情報を提供してファイル計画を完成させます。

完成したファイル計画の例を以下に示します。

レコード	説明	メディア	レコードのカテゴリ	保持期間	廃棄	連絡先
401k 計画	従業員福利厚生計画の説明。	Web ページ	従業員福利厚生計画	X 年間	なし	Reshma Patel
保険計画	従業員保険計画の説明。	印刷	従業員福利厚生計画	X 年間	なし	Reshma Patel
年金計画	従業員年金計画の説明。	印刷	従業員福利厚生計画	X 年間	なし	Reshma Patel
給与支払いタイムシート	勤務時間、残業時間、および給与の要約。	電子ドキュメント	給与支払いレコード	X 年間	破棄	Reshma Patel
給与支払いに関する補足情報	病欠時間、休暇時間、およびその他の給与支払い対象外のアイテムに関する要約。	電子ドキュメント	給与支払いレコード	X 年間	破棄	Reshma Patel
ベンダの請求書	ベンダから購入した製品やサービスに関するレコード。	印刷	請求書	X 年間	破棄	Eric Lang
製品調査	顧客満足度調査。	Web ページ	調査資料	X 年間	アーカイブ	Molly Dempsey
アンケート	顧客の統計を判断するためのアンケート。	印刷	調査資料	X 年間	アーカイブ	Molly Dempsey
トレーニング マニュアル	ハード コピー版のトレーニング用コンテンツ。	印刷	トレーニング資料	X 年間	破棄	Molly Dempsey
トレーニング用ビデオ	トレーニング用ビデオ コンテンツ。	ビデオ	トレーニング資料	X 年間	破棄	Molly Dempsey
出荷フォーム	資材の出荷を構成。	印刷	出荷資料	X 年間	破棄	Eric Lang
出荷レポート	資材の出荷に関するドキュメント作成。	電子版スプレッドシート	出荷資料	X 年間	破棄	Eric Lang
プレス リリース	自社製品とサービスに関する発表。	電子ドキュメント	広報情報	X 年間	アーカイブ	Molly Dempsey
新聞記事	自社製品とサービスに関するニュース。	印刷	広報情報	X 年間	アーカイブ	Molly Dempsey
緊急連絡表	従業員情報。	電子ドキュメント	個人レコード	X 年間	破棄	Reshma Patel
医療計画登録フォーム	従業員の保健計画登録フォーム。	電子ドキュメント	個人レコード	X 年間	破棄	Reshma Patel
履歴書	受領済みの履歴書。	混合	個人レコード	X 年間	破棄	Reshma Patel

注意

上の表は一例であり、特定のファイル計画設定を推奨しているわけではありません。この表では、これが一例であり、推奨するレコード管理ポリシーではないことを重ねて示すために、保持期間は記載していません。

ワークシート

展開を計画できるようにするには、この記事と共に以下のワークシートを使用します。

• Microsoft® Office SharePoint® Server 2007 レコード カテゴリ ワークシート(https://office.microsoft.com/search/redir.aspx?AssetID=AM101582481041)

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• Microsoft Office SharePoint Server レコード管理ガイド

入手できるすべてのブックの一覧については、「Office SharePoint Server 2007 のダウンロード可能なブック」を参照してください。