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Windows SharePoint Services 3.0 から Microsoft Office SharePoint Server 2007 にアップグレードする

この記事の内容 :

  • スタンドアロン構成のアップグレードについて

  • サーバー ファームのアップグレードについて

  • Windows SharePoint Services 3.0 の上に Office SharePoint Server 2007 をインストールする

  • アップグレード後の構成手順を実行する

Windows SharePoint Services 3.0 を実行しているときに Microsoft Office SharePoint Server 2007 の機能が必要であると判断した場合、Windows SharePoint Services 3.0 から Office SharePoint Server 2007 にアップグレードできます。アップグレードするには、Windows SharePoint Services 3.0 の上に Office SharePoint Server 2007 をインストールし、Office SharePoint Server 2007 に必要な追加の構成を行います。Windows SharePoint Services 3.0 と Office SharePoint Server 2007 は同じハードウェア上で同時に実行することはできません。そのため、Office SharePoint Server 2007 をインストールすると、Windows SharePoint Services 3.0 の既存のインストールが必ずアップグレードされます。

この作業を開始する前に、使用しているすべてのカスタム テンプレート、機能、またはソリューションを含め、環境全体を必ずバックアップしてください。また、ユーザーがサイトに加えられる変更やこれらの手順の実行中にサイトが使用不可能になる期間を承知しておけるように、この変更を行う前にユーザーに連絡しておく必要もあります。

Office SharePoint Server 2007 には Windows SharePoint Services 3.0 よりも多数の機能が搭載されているため、現在のサイトでどの機能を活用するか、どのようなサイトを新たに作成するか、どのような方法で新しい環境を使用可能かつ安全な状態に保ち、正常に動作させ続けるかを検討するには、若干時間がかかります。詳細については、「Office SharePoint Server 2007 の計画とアーキテクチャ」を参照してください。

スタンドアロン構成のアップグレードについて

スタンドアロン構成での Windows SharePoint Services 3.0 から Office SharePoint Server 2007 へのアップグレードは、元に戻すことのできない処理です。スタンドアロン構成をアップグレードすると、Office SharePoint Server 2007 をアンインストールして Windows SharePoint Services 3.0 のインストールを元のように実行することはできなくなります。このため、スタンドアロン構成の場合は、運用サーバーで手順を実行する前にまず環境をバックアップし、バックアップ サーバーでアップグレードを実行することをお勧めします。ユーザーに対して、アップグレード中は運用環境がオフラインになることを通知しておいてください。

スタンドアロン構成の Windows SharePoint Services 3.0 を Office SharePoint Server 2007 にアップグレードする場合、構成データベースとコンテンツ データベースは Windows Internal Database に保持されますが、新しい共有サービス プロバイダ (SSP) データベースは Microsoft SQL Server 2005 Express Edition データベース ソフトウェアで作成されます。

サーバー ファームのアップグレードについて

サーバー ファーム環境では SQL Server 2000 または SQL Server 2005 が既に使用されているため、サーバー ファーム環境での Windows SharePoint Services 3.0 から Office SharePoint Server 2007 へのアップグレードは元に戻すことができます。ただし、アンインストールには追加作業がいくつか必要になる可能性があります。

  • コンテンツ データベースをロールバックする一方でファーム構成を再構築する場合には、Office SharePoint Server 2007 をアンインストールし、SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを実行して Windows SharePoint Services 3.0 サーバー ファームを再度追加してから、Windows SharePoint Services 3.0 での作業に戻ります。

  • 構成データベースを保持する場合は、アンインストール プロセスを完了する前に Office SharePoint Server 2007 機能を非アクティブ化し、Office SharePoint Server 2007 サービスを停止する必要があります。

このプロセスは元に戻せますが、これらの手順をまずテスト環境かバックアップ環境で実行してから、運用環境のアップグレードを行うことをお勧めします。

Windows SharePoint Services 3.0 の上に Office SharePoint Server 2007 をインストールする

Office SharePoint Server 2007 のインストールと構成を行うには、次の手順を実行します。サーバー ファームの場合は、サーバー ファーム内の各フロントエンド Web サーバーおよびアプリケーション サーバーで、セットアップと SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを実行する必要があります。

Windows SharePoint Services 3.0 の上に Office SharePoint Server 2007 をインストールする

  1. Office SharePoint Server 2007 のセットアップを実行します。

  2. [プロダクト キーの入力] ページでプロダクト キーを入力し、[続行] をクリックします。

  3. [マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項をお読みください] ページで、[「マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項」に同意します] チェック ボックスをオンにして、[続行] をクリックします。

  4. [サーバーの種類] ページで [完全] を選択し、[今すぐインストール] をクリックします。

    サーバー ファームがある場合は、サーバー ファーム内の最初のサーバーと、アプリケーション サーバー (インデックス サーバーなど) として使用するすべてのサーバーには [完全] を選択します。続くフロントエンド Web サーバーには、[Web フロント エンド] を選択します。

  5. セットアップが完了したら、[SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを今すぐ実行する] チェック ボックスがオンになっていることを確認し、[閉じる] をクリックします。

    注意

    Windows SharePoint Services 3.0 用の言語パックをインストールしていた場合は、Office SharePoint Server 2007 用の言語パックをインストールしてから SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードの手順に進む必要があります。詳細については、「言語パックを展開する (Office SharePoint Server)」を参照してください。

    サーバー ファーム環境の場合は、ファーム内の各フロントエンド Web サーバーおよびアプリケーション サーバーで Office SharePoint Server 2007 のセットアップを実行してから、SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードの手順を実行してください。

  6. SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードの [SharePoint 製品とテクノロジへようこそ] ページで、[次へ] をクリックします。

  7. 構成中に一部のサービスの再起動やリセットが必要になる可能性があることを通知するダイアログ ボックスで、[はい] をクリックします。

  8. [SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードの終了] ページで [次へ] をクリックします。

  9. [構成成功] ページで [完了] をクリックします。

    構成ウィザードが閉じ、SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトが開きます。ファーム内のすべてのフロントエンド Web サーバーおよびアプリケーション サーバーで構成ウィザードを実行してください。

アップグレード後の構成手順を実行する

サーバーの全体管理で、[管理者タスク] の一覧を使用して次のような Office SharePoint Server 2007 の追加の構成タスクを実行します。

  • サーバーにサービスを割り当てます (サーバー ファームのみ)。

  • 共有サービスを構成します。

  • 既存のサイトで新しい機能を有効にします。

サーバーにサービスを割り当てる (サーバー ファームのみ)

サーバー ファーム環境では、一部のサーバーをインデックス サーバーなどのアプリケーション サーバーとして実行できます。Windows SharePoint Services 3.0 にはアプリケーション サーバーの役割は用意されていないため、ファーム内のすべてのサーバーには最初からフロントエンド Web サーバーの役割が割り当てられていました。セットアップを実行した際に、ファーム内の各サーバーのサーバーの種類を選択しています (アプリケーション サーバーには [完全]、Web サーバーには [Web フロント エンド])。アプリケーション サーバーについては、サーバーの全体管理を使用してそのサーバーの適切なサービスを構成しなければならなくなりました。たとえば、次のような操作が必要です。

  • Windows SharePoint Services Search サービス (オプション) を起動します。

  • コンテンツを提供していないすべてのサーバーで Windows SharePoint Services Web Application サービスを無効にします。

環境に複数のインデックス サーバーがある場合は、それらを適切に構成するために、追加の手順を実行しなければならないことがあります。詳細については、「Office SharePoint Server 2007 をインストールし、SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを実行する」を参照してください。

共有サービスを構成する

Windows SharePoint Services 3.0 には共有サービス機能は搭載されていないため、Office SharePoint Server 2007 のインストール後に共有サービス プロバイダ (SSP) を構成する必要があります。共有サービスの構成の詳細については、「この章の概要 : 共有サービス プロバイダを作成および構成する」を参照してください。

既存のサイトとサブサイトで新しい機能を有効にする

サーバーにサービスを割り当てて共有サービスを構成した後で、サーバー ファーム上の既存のサイト コレクションに対して、新しくインストールされた Office SharePoint Server 2007 機能を有効にできます。新たに作成するサイトにはこれらの機能が自動的に含まれます。ただし、既存のサイトに新しい機能を追加するには、これらを有効にする必要があります。次のどちらかの方法で有効にできます。

  • すべてのサイト コレクションに対して新しい機能を有効にします (すべてのサイト コレクションにすべての新しい機能が追加されます)。

  • 特定のサイト コレクションとサブサイトに対して機能を有効にします (目的のサイト コレクションまたはサブサイトで、特定の機能のみを有効にします)。

サーバー ファーム内のすべての既存のサイトに対して Office SharePoint Server 2007 機能を有効にするには、次の手順を実行します。サーバー ファームのすべてのサイトを更新するには、この手順を 1 回実行するだけで済みます。

注意

機能をすべてのサイト コレクションに対して有効にするプロセスでは、SharePoint Timer Service ジョブを使用するので、サーバー ファーム内のサイトの数によっては、完了するまでに長時間かかることがあります。

既存のすべてのサイトで Office SharePoint Server 2007 機能を有効にする

  1. サーバーの全体管理のトップ リンク バーで、[サーバー構成の管理] をクリックします。

  2. [アップグレードと移行] セクションで、[既存サイトでの機能の有効化] をクリックします。

  3. [既存サイトでの機能の有効化] ページで、[このインストール環境のすべてのサイトで、次の機能セットを使用できるようにする] チェック ボックスをオンにし、[OK] をクリックします。

    [OK] をクリックすると、[機能の有効化の状態] ページが開きます。このページは、現在の状態を反映して定期的に更新されます。

すべてのサイト コレクションにフル セットの Office SharePoint Server 2007 機能を追加しない場合は、特定のサイト コレクションまたはサブサイトの [サイトの設定] ページを使用して、そのサイト コレクションまたはサブサイトに対して目的の機能だけを有効にできます。

注意

既存のすべてのサイト コレクションではなく、サイトごとに機能を有効にすることを選択した場合は、最初に Web アプリケーションのレベルで機能を有効化する必要が生じることがあります。Web アプリケーションに対して機能を有効化するには、サーバーの全体管理の [アプリケーション構成の管理] ページにある [SharePoint Web アプリケーション構成の管理] で、[Web アプリケーション機能の管理] をクリックします。[Web アプリケーション機能の管理] ページで、Web アプリケーションで使用する任意の機能の横の [アクティブ化] をクリックします。

特定のサイト コレクションに対して特定の機能を有効にするには、次の手順を実行します。

特定のサイト コレクションに対して特定の機能を有効にする

  1. サイト コレクションのトップレベル サイトで、[サイトの操作] メニューの [サイトの設定] をポイントし、[すべてのサイト設定の変更] をクリックします。

  2. [サイトの設定] ページの [サイト コレクションの管理] セクションで、[サイト コレクションの機能] をクリックします。

  3. [サイト コレクションの機能] ページで、サイト コレクションで使用する任意の機能の横の [アクティブ化] をクリックします。

特定のサブサイトに対して特定の機能を有効にするには、次の手順を実行します。

特定のサブサイトに対して特定の機能を有効にする

  1. サブサイトの [サイトの操作] メニューで [サイトの設定] をポイントし、[すべてのサイト設定の変更] をクリックします。

  2. [サイトの設定] ページの [サイトの管理] セクションで、[サイトの機能] をクリックします。

  3. [サイトの機能] ページで、サブサイトで使用する任意の機能の横の [アクティブ化] をクリックします。

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このトピックは、簡単に読んだり印刷したりできるように、次のダウンロード可能なブックに収められています。

入手できるすべてのブックの一覧については、「Office SharePoint Server 2007 のダウンロード可能なブック」を参照してください。