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コンテンツ タイプを計画する (Windows SharePoint Services)

この記事の内容 :

  • コンテンツ タイプとは

  • 列テンプレートについて

  • フォルダ コンテンツ タイプについて

  • ドキュメント コンテンツ タイプを計画する

  • リスト コンテンツ タイプを計画する

  • コンテンツ タイプの計画作成後 : 次の手順

ここではコンテンツ タイプと関連機能について説明し、Windows SharePoint Services 3.0 に基づくソリューション用のコンテンツ タイプの計画作成における指針を紹介します。

コンテンツ タイプとは

コンテンツ タイプは、リスト アイテム、ドキュメント、またはフォルダの属性を定義するものです。各コンテンツ タイプでは以下を指定できます。

  • 当該タイプのアイテムに関連付けるプロパティ

  • 当該タイプのアイテムから開始可能なワークフロー

  • ドキュメント テンプレート (ドキュメント コンテンツ タイプ用)

  • 利用可能にするドキュメント変換 (ドキュメント コンテンツ タイプ用)

  • ユーザー設定の機能

コンテンツ タイプはリストまたはライブラリに関連付けることができます。その場合、そのコンテンツ タイプのアイテムをリストまたはライブラリが格納できるよう指定し、リストまたはライブラリ内の [新規作成] コマンドによって、そのタイプの新規アイテムをユーザーが作成できるよう指定します。

注意

プロパティ、ワークフロー、およびテンプレートも、リストまたはライブラリに直接関連付けることができます。ただし、これらの関連付けを行うと、関連付けがリストまたはライブラリに限定され、ソリューション全体での再利用ができなくなります。

ドキュメント ライブラリおよびリストには、複数のコンテンツ タイプを格納することができます。たとえば、ライブラリには、プロジェクトに関連するドキュメントとグラフィックスの両方を格納できます。リストまたはライブラリに複数のコンテンツ タイプが格納される場合、以下のようになります。

  • そのリストまたはライブラリ内の [新規作成] コマンドにより、ユーザーは関連付けられているすべてのコンテンツ タイプの新規アイテムを作成できます。

  • 利用可能なすべてのコンテンツ タイプに関連付けられている列が表示されます。

コンテンツ タイプは、サイトのコンテンツ タイプ ギャラリーで定義します。あるサイトでコンテンツ タイプを定義すると、そのサイトとそのサイトの下のすべてのサブサイトでコンテンツ タイプが利用できるようになります。コンテンツ タイプを最も広い範囲で利用可能にするには、サイト コレクション内の最上位のサイトのコンテンツ タイプ ギャラリーでコンテンツ タイプを定義します。

たとえば、組織内で契約書用テンプレートを使用している場合、サイト コレクション内の最上位サイトのコンテンツ タイプ ギャラリーで、契約書のメタデータ、契約書のテンプレート、および契約書の確認と締結に必要なワークフローを定義するコンテンツ タイプを作成することができます。そして、[契約書] コンテンツ タイプを関連付けるサイト コレクション内のドキュメント ライブラリには、前述の定義内容がすべて含まれるため、作成者はテンプレートに基づいて新規契約書を作成できます。

Windows SharePoint Services 3.0 に基づくサイトでは、既定のリスト アイテムやライブラリ アイテム ([連絡先]、[タスク]、[ドキュメント] など) にはそれぞれ、サイトのコンテンツ タイプ ギャラリー内に対応するコンテンツ タイプが存在します。コンテンツ タイプの計画を作成するときは、これらの既製のコンテンツ タイプ定義を基礎として使用し、必要に応じて既存のコンテンツ タイプに基づいて新規コンテンツ タイプを作成したり、既定のコンテンツ タイプを修正したりできます。

コンテンツ タイプは、あるコンテンツ タイプが別のコンテンツ タイプから特性を継承することができる階層に整理されています。これにより、組織全体で特性を共有するドキュメント クラスを実現しつつ、チームは特定のサイトやリスト用に特性を合わせることができます。

たとえば、顧客に配布可能なエンタープライズ内のすべてのドキュメントには、アカウント番号、プロジェクト番号、プロジェクト マネージャなどのメタデータのセットが必要となる可能性があります。他の顧客配布可能なドキュメント タイプすべての継承元となる、最上位の [顧客配布可能] コンテンツ タイプを作成することにより、アカウント番号またはプロジェクト番号などの必要な情報が、組織内の顧客配布可能ドキュメントのすべてのバリエーションに関連付けられます。最上位の [顧客配布可能] コンテンツ タイプに別の必要な列が追加される場合、コンテンツ タイプの所有者は、継承するすべてのコンテンツ タイプに変更を伝達することができます。これにより、顧客配布可能なすべてのドキュメントに新しい列が追加されます。

列テンプレートについて

コンテンツ タイプに関連付けられているメタデータの各アイテムは列となっており、リスト内の情報格納場所となっています。Windows SharePoint Services 3.0 のリストまたはライブラリは情報の列としてグラフィカルに表示されることがよくあります。ただし、リストに関連付けられているビューによっては、カレンダー表示の日付などの場合のように、列が別のフォームで表示される場合があります。リストまたはライブラリに関連付けられているフォームでは、列はフィールドとして表示されます。

複数のコンテンツ タイプで使用する列を定義することができます。このような列を定義するには、列テンプレート ギャラリーで列を作成します。列テンプレート ギャラリーは、サイト コレクション内の各サイトに存在します。コンテンツ タイプの場合と同様に、サイトの列テンプレート ギャラリーで定義された列は、そのサイト、およびそのサイトのすべてのサブサイトで利用できます。

フォルダ コンテンツ タイプについて

フォルダ コンテンツ タイプは、リストまたはライブラリ内のフォルダに関連付けられるメタデータを定義します。リストまたはライブラリにフォルダ コンテンツ タイプを適用する場合、そのリストまたはライブラリの [新規作成] コマンドにはフォルダ コンテンツ タイプが含まれ、ユーザーはそのタイプのフォルダを作成できるようになります。

特定のコンテンツ タイプのフォルダ内でのみ使用可能なビューをリストまたはライブラリに定義できます。これは、特定タイプのドキュメントを格納するフォルダが必要な場合や、そのフォルダのビューでフォルダに格納されるドキュメント タイプに関連する列のみを表示させる場合に便利です。

Windows SharePoint Services 3.0 オブジェクト モデルを使用して、フォルダ コンテンツ タイプについて [新規作成] コマンドをカスタマイズできます。カスタマイズすることにより、ユーザーがそのタイプの新規フォルダを作成する際に、サーバーに保存されているテンプレートに基づいて、作成したフォルダに複数のファイルやドキュメントがあらかじめ格納されます。たとえば、これは、単一の配布可能ドキュメントに投稿するために複数のファイルを必要とする複雑なドキュメント タイプを実装する場合に便利です。

ドキュメント コンテンツ タイプを計画する

新規のコンテンツ タイプごとの決定事項を記録するには、コンテンツ タイプ ワークシートを使用します。ドキュメント コンテンツ タイプはそれぞれ、ドキュメント コンテンツ タイプから直接、またはドキュメント コンテンツ タイプに由来するコンテンツ タイプから設定を継承します。これにより、タイトル、作成者など、ドキュメント タイプの基本的な列が含まれ、テンプレートをコンテンツ タイプに関連付けられるようになります。

ドキュメント コンテンツ タイプの計画の第一段階は、ソリューション内にある各ドキュメント タイプを確認およびリストして、そのタイプのドキュメントに利用可能な既存のコンテンツ タイプが存在しているかどうかを判別することです。既定のコンテンツ タイプ (ドキュメントなど) で十分な場合は、カスタム コンテンツ タイプを作成する必要はありません。

ドキュメント タイプの一覧を確認して、既定のコンテンツ タイプを使用可能なものを決定したら、以下の手順を使用して新規のドキュメント コンテンツ タイプの計画を作成します。計画を作成するコンテンツ タイプごとに 1 つずつコンテンツ タイプの計画ワークシートに入力します。

  1. ドキュメント タイプを入力します (「製品仕様」など)。

  2. 新規のコンテンツ タイプを定義するサイト URL を入力します。コンテンツ タイプが定義されているサイトおよびそのサイトの下のすべてのサブサイトでコンテンツ タイプが利用可能になることに注意してください。

  3. 親コンテンツ タイプの決定   コンテンツ タイプの計画ワークシートの Parent Content Type フィールドに親コンテンツ タイプを入力します。ここで入力するコンテンツ タイプは、既定のコンテンツ タイプ (「既定の Windows SharePoint Services 3.0 コンテンツ タイプ」を参照) か、または既に計画済みのカスタム コンテンツ タイプです。

  4. 列の決定   コンテンツ タイプの計画ワークシートの Plan Columns テーブルで、次の作業を行います。

    1. 親コンテンツ タイプから継承した各列を入力します。[New?] 列で、各エントリについて「いいえ」と入力します。

    2. その他の各列について、定義済みの列の名前または作成する列の名前を入力します。列の名前は、列の目的を伝える働きがあるため重要です。そのため、必要なタイプの列が仮にサイト コレクション列ギャラリーで既に定義されている場合であっても、アプリケーションとの関連がさらに明確にわかる名前で列を定義すると便利です。追加する列の名前に加え、そのタイプを入力し、新規かどうかを指定します。

  5. テンプレートの決定   ワークシートの Plan Template セクションに、タイプ (.Docx など) に加えて、このコンテンツ タイプに関連付けられているテンプレートの名前、およびテンプレートの目的の簡単な説明を入力します。そのテンプレートが親コンテンツ タイプから継承されたものでない場合は、New? フィールドに「いいえ」と入力します。

  6. ワークフローの決定   ワークフローは、Windows SharePoint Services 3.0 のドキュメントおよびリスト アイテムにビジネス ロジックを付加します。利用可能な任意のワークフローをコンテンツ タイプに関連付けることができます。ワークフローは、そのコンテンツ タイプの任意のドキュメントに対して開始することができます。ワークフローの計画作成の詳細については、「ワークフローを計画する (Windows SharePoint Services)」を参照してください。ワークフローを確認し、利用可能にするワークフローを決定したら、コンテンツ タイプの計画ワークシートの Plan Workflows テーブルに各ワークフローを入力し、コンテンツ タイプと関連付けます。ワークフローが親コンテンツ タイプから継承されていない場合は、その情報を New? 列に入力します。

リスト コンテンツ タイプを計画する

リスト コンテンツ タイプの要素には、そのリスト コンテンツ タイプのアイテムに対して実行可能なワークフローと一緒にコンテンツ タイプに関連付けられているメタデータの列があります。リスト コンテンツ タイプは、ソリューション固有のリスト アイテムのタイプを定義します。たとえば、顧客の窓口となり、技術的な問題を調査、解決する専門家を支えるコール センター ソリューションの場合、リスト コンテンツ タイプは、対応するインシデントごとのデータを標準化し、ワークフローを使用してインシデントの追跡をサポートするために使用できます。

以下の手順を使用して、新規のリスト コンテンツ タイプを計画します。計画を作成するリスト コンテンツ タイプごとにコンテンツ タイプの計画ワークシートに書き込んでいきます。ワークシートの Document Type フィールドに、「一覧」と入力します。

  1. 新規のコンテンツ タイプを定義するサイト URL を入力します。コンテンツ タイプは、定義されているサイト、およびそのサイトの下のすべてのサブサイトで利用できます。

  2. 親コンテンツ タイプの決定   コンテンツ タイプの計画ワークシートの Parent Content Type フィールドに親コンテンツ タイプを入力します。ここで入力するコンテンツ タイプは、既定のコンテンツ タイプ (「既定の Windows SharePoint Services 3.0 コンテンツ タイプ」を参照) か、または既に計画済みのカスタム コンテンツ タイプです。

  3. 列の決定   コンテンツ タイプの計画ワークシートの Plan Columns テーブルで、次の作業を行います。

    1. 親コンテンツ タイプから継承した各列を入力します。New? 列で、各エントリについて「いいえ」と入力します。

    2. その他の各列について、定義済みの列の名前または作成する列の名前を入力します。追加する列の名前に加え、そのタイプを入力し、新規かどうかを指定します。

  4. コンテンツ タイプの計画ワークシートの Plan Template セクションに、「なし」と入力します。

  5. ワークフローの決定   リスト コンテンツ タイプに関連するワークフローが利用できる場合は、必要に応じてそのワークフローをコンテンツ タイプに関連付けることができます。ワークフローは、そのコンテンツ タイプのリスト アイテムに対して開始することができます。ワークフローの計画作成の詳細については、「ワークフローを計画する (Windows SharePoint Services)」を参照してください。ワークフローを確認し、利用可能にするワークフローを決定したら、コンテンツ タイプの計画ワークシートの Plan Workflows テーブルに各ワークフローを入力し、コンテンツ タイプと関連付けます。ワークフローが親コンテンツ タイプから継承されていない場合は、その情報を New? 列に入力します。

コンテンツ タイプの計画作成後 : 次の手順

ドキュメント コンテンツ タイプとリスト コンテンツ タイプの計画を作成したら、次の手順を行うことをお勧めします。

  • まだ実行していない場合は、ドキュメント ライブラリ ワークシートの Content Type 列に、計画した各コンテンツ タイプを記録します。

  • サイト URL を基準にコンテンツ タイプの計画ワークシートを並べ替えて、各サイトについて定義する新しい列を特定します。

  • デザインする新規テンプレートを特定します。

  • 作成する新しいワークフロー、または入手してインストールする新しいワークフローを特定します。