Web アプリケーションを作成または拡張する (Windows SharePoint Services)
サイトまたはサイト コレクションを作成する前に、まず Web アプリケーションを作成する必要があります。Web アプリケーションは、一意のアプリケーション プールがあるインターネット インフォメーション サービス (IIS) サイトから構成されます。新しい Web アプリケーションを作成するときには、新しいデータベースも作成し、そのデータベースに接続するために使用する認証方法を定義します。
さまざまなユーザーが異なるドメインを使用してコンテンツにアクセスする必要があるエクストラネット環境では、別の IIS Web サイトまで Web アプリケーションを拡張することが必要になる場合もあります。この作業では、同じコンテンツをホストする追加の IIS Web サイトを使用して、異なる一連のユーザーに同じコンテンツを公開します。
この記事の内容 :
新しい Web アプリケーションを作成する
既存の Web アプリケーションを拡張する
新しい Web アプリケーションを作成する
新しい Web アプリケーションを作成する
SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトの [アプリケーション構成の管理] ページにある [SharePoint Web アプリケーション構成の管理] セクションで、[Web アプリケーションの作成または拡張] をクリックします。
[Web アプリケーションの作成または拡張] ページの [SharePoint Web アプリケーションの追加] セクションで、[新しい Web アプリケーションの作成] をクリックします。
[新しい Web アプリケーションの作成] ページの [IIS Web サイト] セクションでは、新しい Web アプリケーションの設定を構成できます。
既存の Web サイトを使用する場合は、[既存の Web サイトを使用する] を選択し、新しい Web アプリケーションをインストールする Web サイトをドロップダウン メニューから選択します。
新しい Web サイトを作成するには、[新しい IIS Web サイトを作成する] を選択し、[説明] ボックスに Web サイトの名前を入力します。
[ポート] ボックスに、Web アプリケーションへのアクセスに使用するポート番号を入力します。新しい Web サイトを作成している場合、このフィールドには推奨ポート番号が自動的に入力されます。既存の Web サイトを使用する場合、このフィールドには現在のポート番号が自動的に入力されます。
[ホスト ヘッダー] ボックスに、Web アプリケーションへのアクセスに使用する URL を入力します。この入力フィールドは省略できます。
[パス] ボックスに、サーバー上のサイト ディレクトリへのパスを入力します。新しい Web サイトを作成している場合、このフィールドには推奨パスが自動的に入力されます。既存の Web サイトを使用する場合、このフィールドには現在のパスが自動的に入力されます。
[セキュリティの構成] セクションで、Web アプリケーションの認証と暗号化を構成します。
[認証プロバイダ] セクションで、[ネゴシエート (Kerberos)] または [NTLM] のどちらかを選択します。
注意
Kerberos 認証を有効にするには、追加の構成を実行する必要があります。認証方法の詳細については、「認証方法を計画する (Windows SharePoint Services)」を参照してください。
[匿名アクセスを許可する] セクションで、[はい] または [いいえ] を選択します。匿名アクセスを許可することを選択した場合、この操作によって、コンピュータ固有の匿名アクセス アカウント (IUSR_<computername>) を使用した Web サイトへの匿名アクセスが有効にされます。
注意
ユーザーがサイトのいずれかのコンテンツに匿名でアクセスできるようにする場合は、Web アプリケーション全体で匿名アクセスを有効にする必要があります。その後で、匿名アクセスをサイト内でどのように使用するかをサイトの所有者が構成できます。匿名アクセスの詳細については、「使用するセキュリティ グループを選択する (Windows SharePoint Services)」を参照してください。
[SSL (Secure Sockets Layer) を使用する] セクションで、[はい] または [いいえ] を選択します。Web サイトで SSL を有効にする場合は、SSL 証明書の要求とインストールを行って、SSL を構成する必要があります。
重要
SSL を使用する場合は、IIS 管理ツールを使用して、各サーバーに適切な証明書を追加する必要があります。SSL の使用の詳細については、「サーバー ファーム内でセキュリティ保護された通信を計画する (Windows SharePoint Services)」を参照してください。
[負荷分散される URL] セクションで、ユーザーがこの Web アプリケーションでアクセスするすべてのサイトのドメイン名に対応する URL を入力します。この URL ドメインは、Web アプリケーション内のページに表示されるすべてのリンクで使用されます。このボックスには既定で、現在のサーバー名とポートが自動的に入力されます。
新しい Web アプリケーションの場合、[領域] ボックスは自動的に [既定] に設定されるので、このページからは変更できません。Web アプリケーションの領域を変更するには、後の「既存の Web アプリケーションを拡張する」を参照してください。
[アプリケーション プール] セクションで、この Web アプリケーションのために既存のアプリケーション プールを使用するか、新しいアプリケーション プールを作成するかを選択します。既存のアプリケーション プールを使用する場合は、[既存のアプリケーション プールを使用する] を選択します。次に、使用するアプリケーション プールをドロップダウン メニューから選択します。
新しいアプリケーション プールを作成するには、[新しいアプリケーション プールを作成する] を選択します。
[アプリケーション プール名] ボックスに、新しいアプリケーション プールの名前を入力するか、既定の名前をそのまま使用します。
[このアプリケーション プールのセキュリティ アカウントを選択してください] セクションでは、既存のアプリケーション プールのセキュリティ アカウントを使用する場合は [定義済み] を選択し、ドロップダウン メニューからセキュリティ アカウントを選択します。
既存のアプリケーション プールで現在セキュリティ アカウントとして使用されていないアカウントを使用する場合は、[構成可能] を選択します。[ユーザー名] ボックスに、使用するアカウントのユーザー名を入力し、[パスワード] ボックスにアカウントのパスワードを入力します。
[インターネット インフォメーション サービスのリセット] セクションで、Windows SharePoint Services が他のファーム サーバー上で IIS を再起動することを許可するかどうかを選択します。このプロセスを完了するには、ローカル サーバーを手動で再起動する必要があります。このオプションを選択せず、ファーム内に複数のサーバーが存在する場合は、すべてのサーバー上に IIS Web サイトが作成されるまで待機し、各 Web サーバーで iisreset /noforce を実行する必要があります。新しい IIS サイトは、この操作が完了するまで使用できません。ファームに含まれるサーバーが 1 台のみの場合、ここで選択操作は行えません。
[データベース名と認証] セクションで、新しい Web アプリケーションのデータベース サーバー、データベース名、および認証方法を選択します。
項目 操作 データベース サーバー
使用するデータベース サーバーおよび Microsoft SQL Server インスタンスの名前を <*SERVERNAME*\*instance*> の形式で入力します。既定のエントリを使用することもできます。
データベース名
データベースの名前を入力するか、既定のエントリを使用します。
データベースの認証
Windows 認証 (推奨) を使用するか、SQL 認証を使用するかを選択します。
Windows 認証を使用する場合は、このオプションを選択したままにします。
SQL 認証を使用する場合は、[SQL 認証] を選択します。[アカウント] ボックスに、Web アプリケーションが SQL Server データベースに対する認証に使用するアカウントの名前を入力し、[パスワード] ボックスにそのパスワードを入力します。
新しい Web アプリケーションを作成する場合は [OK] をクリックし、処理をキャンセルして [アプリケーション構成の管理] ページに戻る場合は [キャンセル] をクリックします。
既存の Web アプリケーションを拡張する
ユーザーに同じコンテンツを公開する IIS Web サイトを個別に用意する必要がある場合は、既存の Web アプリケーションを拡張できます。これは一般的に、さまざまなユーザーが異なるドメインを使用してコンテンツにアクセスするエクストラネットの展開で使用されます。このオプションでは、既存の Web アプリケーションのコンテンツ データベースを再度使用します。
既存の Web アプリケーションを拡張する
SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトの [アプリケーション構成の管理] ページにある [SharePoint Web アプリケーション構成の管理] セクションで、[Web アプリケーションの作成または拡張] をクリックします。
[Web アプリケーションの作成または拡張] ページの [SharePoint Web アプリケーションの追加] セクションで、[既存の Web アプリケーションの拡張] をクリックします。
[別の IIS Web サイトへの Web アプリケーションの拡張] ページの [Web アプリケーション] セクションで、Web アプリケーションのリンクをクリックし、[Web アプリケーションの変更] をクリックします。
[Web アプリケーションの選択] ページで、拡張する Web アプリケーションをクリックします。
[別の IIS Web サイトへの Web アプリケーションの拡張] ページの [IIS Web サイト] セクションでは、[既存の IIS Web サイトを使用する] を選択して作成済みの Web サイトを使用するか、[新しい IIS Web サイトを作成する] を選択したままにすることができます。選択に応じて、[説明] ボックス、[ポート] ボックス、および [パス] ボックスが自動的に入力されます。既定のエントリを使用するか、必要な情報を各ボックスに入力できます。
[セキュリティの構成] セクションで、拡張された Web アプリケーションの認証と暗号化を構成します。
[認証プロバイダ] セクションで、[ネゴシエート (Kerberos)] または [NTLM] のどちらかを選択します。
注意
Kerberos 認証を有効にするには、追加の構成を実行する必要があります。認証方法の詳細については、「認証方法を計画する (Windows SharePoint Services)」を参照してください。
[匿名アクセスを許可する] セクションで、[はい] または [いいえ] を選択します。匿名アクセスを許可することを選択した場合、この操作によって、コンピュータ固有の匿名アクセス アカウント (IUSR_<computername>) を使用した Web サイトへの匿名アクセスが有効にされます。
注意
ユーザーがサイトのいずれかのコンテンツに匿名でアクセスできるようにする場合は、Web アプリケーション全体で匿名アクセスを有効にする必要があります。その後で、匿名アクセスをサイト内でどのように使用するかをサイトの所有者が構成できます。匿名アクセスの詳細については、「使用するセキュリティ グループを選択する (Windows SharePoint Services)」を参照してください。
[SSL (Secure Sockets Layer) を使用する] セクションで、[はい] または [いいえ] を選択します。Web サイトで SSL を有効にする場合は、SSL 証明書の要求とインストールを行って、SSL を構成する必要があります。
重要
SSL を使用する場合は、IIS 管理ツールを使用して、各サーバーに適切な証明書を追加する必要があります。SSL の使用の詳細については、「サーバー ファーム内でセキュリティ保護された通信を計画する (Windows SharePoint Services)」を参照してください。
[負荷分散される URL] セクションで、ユーザーがこの Web アプリケーションでアクセスするすべてのサイトのドメイン名に対応する URL を入力します。この URL ドメインは、Web アプリケーション内のページに表示されるすべてのリンクで使用されます。このテキスト ボックスには既定で、現在のサーバー名とポートが自動的に入力されます。
[負荷分散される URL] セクションの [領域] で、拡張される Web アプリケーションの領域をドロップダウン メニューから選択します。[イントラネット]、[インターネット]、[ユーザー設定]、または [エクストラネット] を選択できます。
Web アプリケーションを拡張する場合は [OK] をクリックし、処理をキャンセルして [アプリケーション構成の管理] ページに戻る場合は [キャンセル] をクリックします。
コマンドライン ツールを使用して、この手順を事項する方法については、Extendvs : Stsadm 操作 (Windows SharePoint Services) をご参照ください。
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入手可能なドキュメントの一覧については、「Windows SharePoint Services のダウンロード可能なブック」を参照してください。