Restore: Stsadm 操作 (Windows SharePoint Services)
操作名 : Restore
説明
url パラメータを使用すると、サイト コレクションの復元が実行されます。ただし、restoremethod パラメータを使用すると、個々のデータベース、Web アプリケーション、またはファーム全体の復元を実行できます。既存のサイト コレクションを上書きするには、overwrite パラメータを使用します。
構文
サイト コレクションの復元の場合
stsadm -o restore
-url <URL name>
-filename <ファイル名>
[-hostheaderwebapplicationurl] <Web アプリケーションの URL>
[-overwrite]
致命的な状況に対応するための復元の場合
stsadm -o restore
-directory <UNC path>
-restoremethod {overwrite | new}
[-backupid] <backuphistory の GUID。stsadm -help backuphistory を参照>
[-item] <created path from tree>
[-percentage] <integer between 1 and 100>
[-showtree]
[-suppressprompt]
[-username] <ユーザー名>
[-password] <パスワード>
[-newdatabaseserver] <新しいデータベース サーバー名>
[-preservechangelog]
[-quiet]
パラメータ
パラメータ | 値 | 必須/省略可 | 説明 |
---|---|---|---|
url |
有効な URL ("http://server_name/sites/site_name" など) |
はい |
サイト コレクションのバックアップの復元先の URL を指定します。 |
filename |
サイト コレクションのバックアップ ファイルの有効なファイル名 ("サイト名.bak" など) です。 |
はい |
サイト コレクションのバックアップを含むファイルのパスと名前を指定します。 |
hostheaderwebapplicationurl |
代替アクセス マッピング (AAM) を使用して Web アプリケーションに割り当てられた有効な URL ("http://*server name*" など) です。 |
いいえ |
サイト コレクションをパス ベースのサイト コレクションではなく、ホスト名が付いたサイト コレクションとして復元します。hostheaderwebapplicationurl パラメータを指定した場合、url パラメータの値はホスト名が付いたサイト コレクションの URL であり、hostheaderwebapplicationurl パラメータの値はホスト名が付いたサイト コレクションを保持する Web アプリケーションの URL です。 |
overwrite |
<なし> |
いいえ |
url パラメータで指定した場所に現在配置している既存のサイト コレクションを、バックアップ ファイルに格納されているサイト コレクションで上書きします。 |
directory |
次のいずれかの有効なパス :
メモ
spbr* フォルダは自動的に作成されます。
|
はい |
Windows SharePoint Services 3.0 において、stsadm -o backup 操作で生成された致命的な状況に対応するためのバックアップ パッケージが保存されているパスです。このディレクトリは、spbr* フォルダの親フォルダです。 Microsoft SQL Server 2005 および Windows SharePoint Services 3.0 のインスタンスがインストールされているコンピュータがある場合は、ローカル ドライブのパスを使用できます。これには基本インストールが含まれます。ただし、SQL Server 2005 および Windows SharePoint Services 3.0 が複数のコンピュータにインストールされている場合は、汎用名前付け規則 (UNC) の共有パスを使用して、SQL データベースと検索コンポーネントが同じ場所から読み取られるようにする必要があります (\\*computer_name*\volume\Backup など)。複数のバックアップ パッケージを同じ場所に格納できます。これは、stsadm -o restore 操作で -directory パラメータに渡すのと同じパスです。 |
restoremethod |
次のいずれかの値 :
|
はい |
実行するファームの復元の種類を指定します。overwrite または new を指定します。 overwrite では、内容および設定は元の場所に復元されます。このパラメータは同じファーム内での致命的な状況に対応するための復元の場合にのみ使用されます。overwrite を使用すると、確認のプロンプトが表示されます。プロンプトが表示されないようにするには、suppressprompt パラメータを使用します。 new は内容が新しい場所に復元されることを示し、異なるファーム (例 : 新しいデータベース サーバー) に復元する場合に使用されます。 |
backupid |
有効な GUID です ( "12345678-90ab-cdef-1234-567890abcdef" など)。 |
復元するバックアップ パッケージの GUID。各バックアップ パッケージには関連付けられた一意の GUID があり、stsadm -o backuphistory 操作でバックアップ履歴を表示して確認できます。このパラメータを指定しないと、最後に行った完全バックアップ パッケージが使用されます。 |
|
item |
次のような有効なアイテム :
|
いいえ |
ファームのどの部分を復元するかを指定します。-showtree パラメータによって表示されるファームの完全なパスの表記を使用できます。または、名前が一意である場合は、パス内の対象コンポーネントの名前を使用することもできます。スペースが含まれている場合は、アイテムやパスを二重引用符で囲みます。このパラメータを指定しないと、バックアップ パッケージ内のすべてのアイテムが復元されます。 |
percentage |
1 から 100 までの整数値。 既定値は 5 です。 |
いいえ |
復元操作の進行状況を、指定したパーセンテージごとに更新表示するように要求します (例 : "5"を指定した場合は 5% 進行したときに復元の進行状況が更新表示され、"10" を指定した場合は 10% 進行したときに復元の進行状況が更新表示されます)。
メモ
このパーセント値は厳密ではないため、実際の進行状況の更新は要求した値よりも前後することがあります。
非常に大きなデータベースの場合、更新を確認するために使用する必要がある適切な値は 1 です。 既定値は 5 です。 |
showtree |
<なし> |
いいえ |
stsadm -o restore 操作に渡された他のすべてのパラメータに基づいて、バックアップ パッケージ内のどのアイテムが復元されるかを表示します。 復元操作に渡される他のパラメータに基づいて復元から除外されるアイテムの前にはアスタリスク文字が付きます。復元できないアイテムは大かっこ ([ ]) で囲まれます。showtree パラメータが存在する場合、復元は実行されません。 |
suppressprompt |
<なし> |
いいえ |
次のコマンド ライン プロンプトが表示されないようにします。 "警告 : 選択したすべてのコンポーネントが上書きされます。上書きしますか?" このパラメータは、restoremethod パラメータの値が "overwrite" に設定されている場合にのみ有効です。 |
username |
*username* 形式で指定する有効な SQL 認証ユーザー名です。 |
いいえ |
Web アプリケーション プールを含む復元中のすべてのオブジェクトの内、ユーザー名を必要とするオブジェクトに対して同じユーザー名を設定します。ファーム全体が復元される場合は、このパラメータは、Windows の認証を使用してデータベースに接続するファームでのみ使用されます。データベースのみ復元される場合は、SQL Server 2005 ログイン名を指定します。 |
password |
いいえ |
Web アプリケーション プールなど、パスワードが必要なすべての復元オブジェクトに同じパスワードを設定します。ファーム全体を復元する場合、このパラメータは、Windows 認証を使用してデータベースに接続するファームでのみ使用する必要があります。データベースのみ復元される場合は、SQL Server 2005 のログイン パスワードを指定します。 |
|
newdatabaseserver |
有効なデータベース サーバー名です ("SQLBE1" など)。 |
いいえ |
restoremethod パラメータの値が new の場合に任意のデータベースの復元に使用する SQL Server 2005 のインスタンス名を指定します。このパラメータは、restoremethod パラメータの値が overwrite に設定されていると、無効になります。 既定では、各データベースに対して新しいデータベース サーバー名が求められます。 |
preservechangelog |
<なし> |
いいえ |
このコンテンツ データベースの次回のクロールがフル クロールにならないように、変更ログを保存します。このパラメータは、Windows SharePoint Services 3.0 インフラストラクチャ更新プログラム で最初に導入されました。詳細については、「備考」を参照してください。 |
quiet |
<なし> |
いいえ |
表示ウィンドウに復元の進行状況の情報を出力しないようにします。最終的な復元状況 ("操作は正常に完了しました。") は表示されます。-quiet パラメータが指定されていない場合、restore 操作によってパッケージが復元されているときに、進行状況の情報が表示ウィンドウに表示されます。 |
備考
Windows SharePoint Services 3.0 インフラストラクチャ更新プログラムを実行している場合は、ビルトイン ツールを使用してデータベースを復元または再接続する際に、各コンテンツ データベースの識別子 (ID) が保持されます。 ビルトイン ツールを使用した場合の既定の変更ログ保持動作は、以下のとおりです。
ファームを復元する際、すべてのデータベースの変更ログが保持されます。
データベースを再接続する際、コンテンツ データベースの変更ログが保持されます。
コンテンツ データベースだけを復元する際は、コンテンツ データベースの変更ログが保持されません。このような場合は、preservechangelog パラメータを使用します。
データベース ID と変更ログが保持される場合、検索を行うと、クロール ルールで定義された定期的なスケジュールに基づいてクロールが続行されます。変更ログが保持されない場合、検索を行うと、次回のスケジュールされたクロールの間、フル クロールが実行されます。
詳細については、「コンテンツ データベースを移動する (Windows SharePoint Services 3.0)」および「Windows SharePoint Services 3.0 テクノロジのバックアップと復旧を管理する」を参照してください。
既存のデータベースを復元する場合に、overwrite オプションを指定した restoremethod パラメータを使用しないで stsadm –o restore 操作を行うと、復元するデータベースに新しい ID が割り当てられ、データベースの変更ログは保存されません。データベースの次回のクロールで、コンテンツ データベースに完全にインデックスが付けられます。
復元が実行され、バックアップ パッケージの ID が既にファームで使用されている場合 (例 : 1 つのデータベースを 2 つに分割しようとする場合)、復元されたデータベースに新しい ID が割り当てられ、復元ログに警告が追加されます。フル クロールではなく増分クロールを実行できるかどうかは、コンテンツ データベース ID が以前と同じかどうか、および検索で使用される変更ログのトークンがコンテンツ データベースの現在の変更ログに対して有効であるかどうかによって決まります。変更ログが保存されていない場合、トークンは無効となり、検索ではフル クロールが実行される必要があります。