情報伝達計画を作成する (Windows SharePoint Services)
この記事の内容 :
アップグレード チームへの情報伝達のタイミングと内容
サイト ユーザーへの情報伝達のタイミングと内容
規模が小さく、サイトのカスタマイズの度合いの低い展開では、アップグレード チームは 1 人だけの場合もあります。一方、規模の大きい展開では、以下に示すような異なる役割を持つ複数のメンバが必要な場合があります。
サーバー管理者 サーバー管理者は、アップグレード タスクの大半を実行します。セットアップ ウィザードを実行するには、各フロントエンド Web サーバーのローカル管理者グループのメンバが必要なので、アップグレード チームには少なくとも 1 人のサーバー管理者が必要です。
注意
ファーム管理者は、サーバーのローカル管理者である場合とそうでない場合があります。
サイト コレクションの所有者 サイト コレクションの所有者に対して、アップグレード プロセスが間もなく始まることを連絡し、サイトのアップグレード時に問題が発生した場合はそれを通知することができる必要があります。段階的なアップグレードを実行する場合は、古いサイトを削除または非アクティブ化する前に、サイト コレクションの所有者に連絡を取り、サイトが完全にアップグレードされたかどうか、および再適用するカスタマイズがあるかどうかを確認する必要があります。
サイトの作成者およびサイトの開発者 サイトに関連するカスタム テンプレート、カスタム Web パーツ、カスタム Web サービスなどのカスタム要素がある場合、それらの要素の開発またはカスタマイズの担当者と連携して、これらのカスタム要素の新バージョンを作成できることを確認するか、またはこれらのカスタム要素が適切にアップグレードされたことを確認する必要があります。カスタム要素に関連する潜在的な問題の詳細については、「試用版のアップグレードを使用して潜在的な問題を発見する (Windows SharePoint Services)」を参照してください。
サイト ユーザー アップグレード プロセスに関する意思決定にサイト ユーザーを含める必要はありませんが、アップグレードの実行予定日時およびサイト ユーザーへの影響をサイト ユーザーに通知する必要があります。
スポンサーおよび他の関係者 組織内の上記以外の関係者をアップグレード計画プロセスに関与させる場合があります。情報伝達計画には、これらの関係者を適切に含める必要があります。
注意
アップグレード チームには、組織の必要に応じて、各役割に 1 人以上のメンバを含めることができます。
アップグレード チームへの情報伝達のタイミングと内容
通常、サーバー管理者がアップグレードのタイムラインを設定し、サイトの所有者にはアップグレードの開始予定日時のみが通知されます。ただし、チームの各メンバは、アップグレード プロセス全体の特定の時点でそれぞれのタスクを実行する必要があります。このため、自分の担当タスクの実行時期を把握できるように、チームのメンバ全員にアップグレードの進捗を伝えるための明確な計画を立てることが重要です。
アップグレード チーム全体が連携し、以下の事項を決定する必要があります。
使用するアップグレード方法 「アップグレード方法を決定する (Windows SharePoint Services)」では、どのようなアップグレードを実行するかの決定に役立つ情報が示されています。この決定を行う際は、アップグレード前のスキャン ツールによって生成されたレポートを考慮に入れることもまた重要です。
アップグレードを実行する日時 サイトの利用が少ないときにアップグレードを行うことをお勧めします。一括アップグレードの場合は特にそうです。サーバーが 1 台だけの小規模な展開の場合、アップグレードは通常 1 日未満で終了します。大量のデータがあるサーバー ファームなどの大規模な展開の場合は、段階的なアップグレードを選択すると、サービス停止になる期間を分散させてアップグレード プロセスを実行できます。各サイト コレクションのアップグレードに要する正確な時間を特定する方法はありません。このため、アップグレード プロセスに関与するチームの他のメンバおよびエンド ユーザーに情報を伝達することが非常に重要です。アップグレードを実行する日時または期間を決定する際は、アップグレード チームがすべての準備作業を完了できるように、余裕を持って日程を組む必要があります。タイムラインを計画する際は、アップグレードしたサイトを検証する時間、および変更の実装またはサイトのブランド変更作業を行う時間をスケジュールする必要があります。
アップグレード プロセス中の以下の時点で、サイトの所有者、作成者、および開発者と連絡を取ることが重要です。
プロセスの開始前。全体的なタイムラインおよびプロセスにおける個々の役割を伝えます。
アップグレード前のスキャン ツールの実行後。ツールによって検出された問題に対処するのが目的です。アップグレード前のスキャン ツールの詳細については、「アップグレード前のスキャン ツールを実行する (Windows SharePoint Services)」を参照してください。たとえば、カスタマイズしたサイト テンプレート、カスタム Web パーツなどの問題は、アップグレードのスケジュールを立てる前に適切なサイトの所有者、作成者、または開発者に報告し、問題に関する調査および準備作業を行う時間を与える必要があります。開発者は、アップグレードの開始前に Web パーツを再構築した方がよいと判断する場合もあります。また、サイトの所有者が、サイト テンプレートおよび Active Server Page Extension (ASPX) コア ファイルへの変更など、サイトに対して行われたすべてのカスタマイズについて記録することを望む場合もあります。
サイトのアップグレード後。サイトを確認し、必要に応じて変更を行うのが目的です。サイトの所有者が古いサイトにある必要なデータをすべて取得できるように、古いバージョンのサイトが維持される期間をサイトの所有者に伝える必要があります。
サイト ユーザーへの情報伝達のタイミングと内容
また同様に、サイトのユーザーに以下の事項について通知することも重要です。
サイトのアップグレードの実行予定日時 一括アップグレードの場合は、アップグレード中はサイトが利用できないことも通知する必要があります。
アップグレードされたサイトの準備完了予定日時 アップグレード チームが、アップグレードだけでなく、アップグレードしたサイトの機能検証も完了する日時を表します。
アップグレードがユーザーに与える影響、および新しい環境についてユーザーが知っておく必要がある事項 たとえば、サイトの外観が変わったり、サイトの機能が多少変更されたりする場合があります。また、アップグレード後に、古いサイトで行ったカスタマイズを再適用する必要がある場合もあります。新しいバージョンについて学習できるように、新機能に関する記事、トレーニング資料などの利用可能なコンテンツがある場所をユーザーに示すこともできます。
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使用できるすべてのブックの一覧については、「Windows SharePoint Services のダウンロード可能なブック」を参照してください。