Excel Calculation Services の信頼できる場所 (Office SharePoint Server)

この記事の内容 :

• 信頼できるファイル保存場所

• 信頼できるデータ プロバイダ

• 信頼できるデータ接続ライブラリ

Excel Calculation Services の役割は、ブックの読み込み、ブックの計算、カスタム コード (ユーザー定義関数) の呼び出し、および外部データの更新です。また、Excel Calculation Services は、ユーザーがブックで対話操作を行っている間、セッション状態を保持します。

Microsoft Office SharePoint Server 2007 の SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトから、Excel Calculation Services を使用して開くことができるブックの保存先のドキュメント ライブラリ、UNC パス、および HTTP Web サイト (信頼できるファイル保存場所) を構成できます。

信頼できるファイル保存場所

信頼できるファイル保存場所は、Excel Calculation Services を使用してアクセスする前に明示的に信頼される必要のある、ドキュメント ライブラリ、UNC パス、または HTTP Web サイトです。

使用目的やプロジェクトごとに信頼できるファイル保存場所を作成し、設定および権限を場所単位で調整できます。

信頼できるファイル保存場所を追加する際には、特定のプロパティを構成する必要もあります。次の表に、それらのプロパティを示します。

プロパティ	説明
場所	場所とは、Windows SharePoint Services の場所、ネットワーク ファイル共有、Excel Calculation Services を実行するサーバーがアクセスを許可されているブックの保存先 Web フォルダです。 このプロパティには次のオプションがあります。 アドレス このオプションには、Windows SharePoint Services の場所のアドレス、信頼できる保存場所のネットワーク ファイル共有または Web フォルダ アドレスが含まれます。 場所の種類 このオプションは、信頼できる保存場所の種類を指定するために使用します。 Windows SharePoint Services このオプションは、Windows SharePoint Services Web アプリケーションに使用します。ドキュメント ライブラリの格納先が Windows SharePoint Services 3.0 コンテンツ データベースの場合、[場所の種類] で Windows SharePoint Services 3.0 を選択してください。 UNC (汎用名前付け規則) このオプションは、信頼できるファイル保存場所として共有の場所を使用する場合に使用します。UNC は、共有リソースを特定してアクセスするための、一意で覚えやすい名前を指定する形式です。UNC パスの形式は次のとおりです。 *\\<サーバー名>\<共有名>\<ディレクトリ名>* HTTP このオプションは、信頼できる保存場所として Web フォルダ アドレスを使用する場合に使用します。 子の信頼 これは、信頼できる子ライブラリまたはディレクトリを指定するオプションです。 説明 信頼できる場所の説明を入力します。説明は省略できます。
セッションの管理	このプロパティは、ブックを使用する Excel Calculation Services セッションの動作を規定します。このプロパティには次のオプションがあります。 セッション タイムアウト Excel Calculation Services セッションを開いて非アクティブにしておくことができる最大時間 (秒単位)。この時間が経過するとセッションが閉じます。この時間は、各要求の終わりから計測されます。 短いセッションのタイムアウト 最初の open 要求の終わりから計測される、タイムアウトまでの時間 (秒単位)。 要求時間の上限 セッションの 1 つの要求の最大持続時間 (秒単位)。
ブックのプロパティ	Excel Calculation Services のセッションでの、この場所にあるブックの動作を指定します。このプロパティには次のオプションがあります。 ブックの最大サイズ Excel Calculation Services で開くことができるブックの最大サイズ (MB 単位)。 グラフの最大サイズ Excel Calculation Services で開くことができるグラフの最大サイズ (MB 単位)。
計算動作	このプロパティは、Excel Calculation Services における、信頼できる場所にあるブックの計算モードを指定します。 このプロパティには次のオプションがあります。 揮発性関数のキャッシュの有効期間 揮発性関数の計算値が自動計算のためにキャッシュされる最大時間 (秒単位)。 ブック計算モード [ブック計算モード] には、次の 4 つのモード オプションがあります。 ファイル 手動 自動 データ テーブル以外自動
外部データ	このプロパティには、外部データ接続の Excel Calculation Services における、信頼できる場所にあるブックに対するオプションが含まれます。このプロパティには次のオプションがあります。 外部データの許可 [外部データの許可] には、次の 3 つのオプションがあります。 なし 信頼できるデータ接続ライブラリのみ 信頼できるデータ接続ライブラリと、埋め込まれている接続 更新時の警告 ファイルで使用されている外部データを更新する前に警告を表示します。 開くときの更新が失敗した場合に、開く操作を中止する 開くときに更新するデータ接続がファイルに設定されていても更新できない場合、およびユーザーがファイルを開く権限を持っていない場合に、この場所にあるファイルを開く操作を中止します。 外部データ キャッシュの有効期間 システムが外部データ クエリの結果を使用できる最大時間 (秒単位)。 1 回のセッションで同時実行可能なクエリの最大数 単一のセッション中に同時に実行できる外部データ クエリの最大数。
ユーザー定義関数	このプロパティは、この場所に保存されいるブックで、Excel Calculation Services のユーザー定義関数を呼び出します。

注意

Excel Services に対して、データ接続の使用に関する制限を構成できます。

信頼できるデータ プロバイダ

信頼できるデータ プロバイダとは、Excel Services ファームの外部で保存され、ブック内のデータ接続を処理するときに信頼するように Excel Calculation Services が明示的に構成されているデータベースです。Excel Calculation Services は、Excel Services の信頼できるデータ プロバイダのリストに登録されているデータベースに対する接続である場合に限り、データ接続を処理します。

信頼できるデータ プロバイダを追加する際には、特定のプロパティを構成する必要もあります。次の表に、それらのプロパティを示します。

プロパティ	説明
プロバイダ	Excel Services を使用して開かれるブックが使用できる、外部データ プロバイダです。 プロバイダ ID SQL Server や SQL Native Client などの、データ プロバイダの識別子。 プロバイダの種類 OLE DB (Object Linking and Embedding database) ODBC (Open Database Connectivity) ODBC DSN (Open Database Connectivity Data Source Name) 説明 データ プロバイダの説明を入力します。説明は省略できます。

信頼できるデータ接続ライブラリ

信頼できるデータ プロバイダへのブック接続を管理するための Office データ接続 (.odc) ファイルを含む、SharePoint ライブラリです。信頼されたサブシステム モデルでは、Excel Calculation Services を実行するフロントエンド Web サーバーとアプリケーション サーバーは、関連付けられた Office SharePoint Server 2007 アプリケーションのアカウントを信頼します。

信頼できるデータ接続ライブラリを追加する際には、特定のプロパティを構成する必要もあります。次の表に、それらのプロパティを示します。

プロパティ	説明
場所	データベース接続説明ファイルへのアクセスが許可されている Excel Services を使用して開くことができるブックの保存先の、データ接続ライブラリです。このプロパティには次のオプションがあります。 アドレス データ接続ライブラリのドキュメント ライブラリ アドレスです。 説明 データ接続ライブラリの説明を入力します。説明は省略できます。