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多言語サイトを計画する (SharePoint Server 2010)

 

適用先: SharePoint Foundation 2010, SharePoint Server 2010

トピックの最終更新日: 2016-11-30

Microsoft SharePoint Server 2010 には、さまざまな地域のユーザーやさまざまな言語を使用するユーザーをサポートする機能があります。このような機能を使用すると、複数の言語の Web サイトを作成し、複数の複製サイトの更新と変更を追跡しやすくするサイト バリエーション設定を構成できます。

この記事では、多言語の SharePoint Server 2010 サイトを計画する方法について説明します。多言語サイトの作成方法または言語パックのインストール方法については説明しません。多言語サイトの作成方法については、Create sites in different languages from the default language (英語)」を参照してください。言語パックについては、「言語パックを展開する (SharePoint Server 2010)」を参照してください。

この記事の内容 :

  • 多言語サイトの計画について

  • 言語とロケールの要件を決定する

  • サイト バリエーションを使用するかどうかを決定する

  • 言語パックの要件を決定する

  • ワード ブレーカーとステマーの要件を決定する

多言語サイトの計画について

組織でさまざまな地域のユーザーやさまざまな言語を使用するユーザーをサポートする必要がある場合、サイトの全体的な構造とナビゲーションを計画するときに、多言語の要件を決定し、多言語サイトの展開を計画する必要があります。

多言語に対する要件を決定するには、以下のことを行う必要があります。

  • サポートが必要な言語とロケールを決定する。

  • サイト バリエーション機能を使用するかどうかを決定する。

多言語サイト展開を計画するには、サーバーにインストールまたは構成する言語機能とコンポーネントを決定する必要があります。たとえば、以下のようなものがあります。

  • 言語パック

  • ワード ブレーカーのサポート

注意

Microsoft Office SharePoint Server 2007 では国際化ドメイン名 (IDN) がサポートされていましたが、SharePoint Server 2010 ではサポートされません。現在、Office SharePoint Server 2007 で IDN を使用していて、SharePoint Server 2010 にアップグレードまたは移行する場合は、その前に、IDN の使用を中止し、IDN 設定を削除し、非 IDN 環境をセットアップしてから、SharePoint Server 2010 へのアップグレードまたは移行を行ってください。

言語とロケールの要件を決定する

複数言語でのサイトの作成が必要になる可能性があるのは、次のような場合です。

  • さまざまな地域のユーザーに Web サイトのコンテンツを提供する必要がある。

  • 法律または組織のポリシーに従って、複数の言語で Web サイトのコンテンツを提供する必要がある。

必要な言語を決定するには、対象となる可能性があるすべてのサイト所有者と協議して、将来サポートが必要となる可能性があるすべての言語の一覧を作成します。完成した運用環境で実行しているサーバーに言語サポートをインストールするより、初期展開時に言語サポートをインストールする方が簡単です。特定の言語用にサイトを作成した後は、サイトの既定の言語を変更できません。ただし、サイトにログオンしたユーザーは、多言語ユーザー インターフェイスを使用してサイトの表示言語を変更できます。この場合、ユーザーに対して表示されるサイト ユーザー インターフェイスは変更されますが、サイト コンテンツは変更されません。たとえば、サイトがフランス語で準備されていて、サーバーにスペイン語の言語パックもインストールされている場合、サイトのユーザーは言語をスペイン語に変更して、サイト表示時のユーザー インターフェイスをスペイン語で表示できます。この場合、ユーザー インターフェイス表示の変更はその特定のユーザーのみが対象となり、他のユーザーによるサイト表示には影響しません。また、フランス語で作成されたコンテンツは、フランス語で表示されるままになります。多言語ユーザー インターフェイスの詳細については、「多言語ユーザー インターフェイスの概要 (SharePoint Server 2010)」を参照してください。

注意

ユーザーがサイトを別の言語で表示するように個人用サイト設定を変更しても、列名などの一部のサイト要素は、既定のサイト言語による表示のままになります。

ドキュメント ライブラリに複数の言語のドキュメントがあるという理由だけでは、Web サイトまたはサイト コレクションを複数の言語で作成する必要があるとは限りません。Web サイトまたはサイト コレクションを複数の言語で作成しなくても、ドキュメント ライブラリに複数の言語のドキュメントを含めることができます。たとえば、英語のサイト コレクション用のドキュメント ライブラリに、フランス語で書かれたドキュメントや日本語で書かれたドキュメントが含まれることもあります。発行サイトの場合、コンテンツは任意の言語で作成できます。他の言語のコンテンツが含まれるページを表示するために、特定の言語で Web サイトを作成する必要はありません。

多言語サイトを計画するときは、サイトをサポートするために必要なロケールも検討してください。ロケールは、サイトに表示される数字、日付、および時刻の形式を指定する地域設定です。ただし、ロケールを変更してもサイト表示言語は変更されません。たとえば、ロケールを [タイ] に変更すると、リスト アイテムの既定の並べ替え順序が変更され、既定のカレンダーではなくタイ仏暦が使用されます。ロケールは、サイトの作成時に指定された言語とは無関係に構成される設定であり、言語とは異なり、いつでも変更できます。ユーザー インターフェイスの翻訳の詳細については、「言語パックの要件を決定する」を参照してください。

サイト バリエーションを使用するかどうかを決定する

サイト管理者は SharePoint Server 2010 のバリエーション機能を使用して、ソース バリエーションのコンテンツのカスタマイズ可能なコピーを各ターゲット バリエーションに保持し、特定の対象ユーザーが異なるサイトで同じ情報を利用できるように設定できます。バリエーションは、サイト コレクション内の一連のサイトを作成するために使用されるラベルのセットで構成されます。たとえば、サイトの 4 つの言語のバリエーションが必要な場合、言語ごとに 1 つ、合計 4 つのラベルを作成する必要があります。バリエーション機能は、ラベルごとに 1 つずつ、4 つのサイトを作成します。サイト管理者はソース ラベルとするラベルを 1 つ選択します。対応するソース サイトは、ほとんどの新しいコンテンツがシステムに入る場所です。残りのラベルはターゲット ラベルで、バリエーション機能はこれをターゲット サイトとして作成します。多言語サイトの場合、組織の主要な言語をソース ラベルとして使用する必要があります。ソース ラベルは 1 つしか設定できず、ソース ラベルを指定した後は、変更できません。バリエーションの詳細については、「バリエーションの概要」を参照してください。

同期をシームレスに行うため、ソース サイト内のページを変更するときは、更新されたページがターゲット サイトに手動または自動でコピーされるように、バリエーション機能を構成できます。この変更には、スペル ミスのような小さな変更もコンテンツ全体の書き換えのような大きな変更も含まれます。コピーはターゲット サイトでは新しい下書きアイテムとして表示され、既存のコンテンツとは置き換わりません。ターゲット サイトのコンテンツ所有者が変更をそのまま受け入れるか、変更を翻訳するか、または変更を無視するかを決定します。ソース サイトのユーザーがソース サイトの下に新しいサイトを作成するか新しいページを発行した場合も、同じ規則が適用されます。サイト管理者は、バリエーションの対応するサイトとページを自動で作成するか手動で作成するかを決定できます。

多言語サイトを計画するときは、サイト間で共有されるコンテンツを作成する必要があるが、地域要件を満たすために変更するか、または言語要件を満たすために翻訳する必要があるかどうかを考慮します。詳細については、「バリエーションを計画する」を参照してください。

言語パックの要件を決定する

Web サイトの言語要件に基づき、フロントエンド Web サーバーにインストールする必要がある言語パックを決定します。言語パックを使用すると、SharePoint Server 2010 を別にインストールすることなく、複数の言語でサイトとサイト コレクションを作成できます。言語パックはサーバー ファームのフロントエンド Web サーバーにインストールされ、言語固有のサイト テンプレートが含まれます。言語固有のサイト テンプレートに基づいてサイトまたはサイト コレクションを作成すると、サイトまたはサイト コレクションに表示されるユーザー インターフェイス テキストは、指定したサイト テンプレートの言語で表示されます。たとえば、フランス語でサイトを作成すると、そのサイトのツールバー、ナビゲーション バー、リスト、および列見出しはフランス語で表示されます。同様に、アラビア語でサイトを作成した場合、そのサイトのツールバー、ナビゲーション バー、リスト、および列見出しはアラビア語で表示されます。また、アラビア語が正しく表示されるように、サイトの既定の文字の向きである左から右が右から左に変更されます。

サイトで使用する予定の既定の言語を使用しないユーザーがサイト ユーザーに含まれる場合、多言語ユーザー インターフェイスを使用して目的の言語を選択できるように言語パックをインストールする必要があります。サポートする言語を追加しないと、ユーザーは母国語以外の言語で表示されるサイト機能を適切に利用できない可能性があります。言語パックをインストールすると、次のようなユーザー インターフェイス要素をその言語に翻訳された表記で表示できるようになります。

  • リボン要素

  • リストおよびサイトの列見出し

  • サイト設定用インターフェイス

  • 新しいリスト、ドキュメント ライブラリ、およびサイト用のテンプレート

  • 管理されたメタデータのタグ付け

  • サイトの既定の言語ではないコンテンツの、該当する検索インデックス

注意

言語パックは、ユーザー インターフェイスの翻訳のみを提供します。コンテンツ ページまたは Web パーツに作成および表示されるコンテンツは翻訳されません。

サイトまたはサイト コレクションの作成に使用できる言語、およびユーザーが多言語ユーザー インターフェイスで選択できる言語の一覧は、サーバー ファームのフロントエンド Web サーバーにインストールされた言語パックで生成されます。既定では、サイトとサイト コレクションは SharePoint Server 2010 がインストールされた言語で作成されます。たとえば、SharePoint Server 2010 のスペイン語版をインストールした場合、サイト、サイト コレクション、および Web ページの既定の言語はスペイン語になります。SharePoint Server 2010 の既定の言語以外の言語でサイト、サイト コレクション、または Web ページを作成する必要がある場合は、サイトを作成する別の言語を選択する前に、まずフロントエンド Web サーバーにその他の言語の言語パックをインストールする必要があります。たとえば、SharePoint Server 2010 のフランス語版を実行しており、フランス語、英語、およびスペイン語でサイトを作成する必要がある場合は、英語とスペイン語のサイトを作成する前に、フロントエンド Web サーバーに英語とスペイン語の言語パックをインストールする必要があります。

SharePoint Server 2010 の言語パックは、多言語インストール パッケージにはバンドルまたはグループ化されていません。サポートする言語ごとに、特定の言語パックをインストールする必要があります。また、各 Web サーバーが指定した言語でコンテンツを表示できるようにするには、サーバー ファーム内のすべてのフロントエンド Web サーバーに言語パックをインストールする必要があります。使用できる言語パックの詳細については、「言語パック (SharePoint Server 2010)」を参照してください。言語パックの展開方法については、「言語パックを展開する (SharePoint Server 2010)」を参照してください。

サイトの言語を指定しても、一部のエラー メッセージ、通知、ダイアログ ボックスなどのユーザー インターフェイス要素は、選択した言語で表示されないことがあります。SharePoint Server 2010 は, .NET Framework、Microsoft Windows Workflow Foundation、ASP.NET、Microsoft SQL Server など、さまざまなサポート テクノロジに依存しており、これらのサポート テクノロジがローカライズされている言語は限られているからです。これらのサポート テクノロジから生成されるユーザー インターフェイス要素は、サイト管理者がサイトに指定した言語にそのサポート テクノロジがローカライズされていない場合、英語で表示されます。

また、一部のテキストは元のインストール言語で作成され、複数の言語が混在することもあります。このような複数言語の混在は、通常はコンテンツ作成者かサイト管理者だけに表示され、サイト ユーザーには表示されません。

注意

SharePoint Server 2010 からサーバーに保存されるエラー ログは、常に英語です。

言語パックのインストールの詳細については、「言語パックを展開する (SharePoint Server 2010)」を参照してください。

必要なワード ブレーカーとステマーを決定する

ワード ブレーカーとステマーは、インデックス作成プロセスとクエリ プロセスの一部となるコンポーネントです。ワード ブレーカーは、インデックス作成プロセスとクエリ プロセスでテキスト文字列を個々の単語に分割するために使用されるコンポーネントです。ステマーは、単語の基本形を検出し、その派生形も生成できるコンポーネントです。単語の分割とステミングの規則は言語によって異なり、言語ごとに異なる規則を指定できます。各言語用のワード ブレーカーを使用すると、その言語の単語をより正確に検出できます。言語ファミリ用のワード ブレーカーはあっても特定のサブ言語用のワード ブレーカーがない場合は、主要言語のワード ブレーカーが使用されます。たとえば、フランス語 (カナダ) のテキストの処理にはフランス語のワード ブレーカーが使用されます。ワード ブレーカーが存在しない言語には、ニュートラル ワード ブレーカーが使用されます。ニュートラル ワード ブレーカーを使用すると、単語はスペース、句読点などのニュートラル文字で分割されます。

言語パックまたは補助言語サポートをインストールする場合、サポートが必要な各言語用の適切なワード ブレーカーとステマーをインストールすることをお勧めします。ワード ブレーカーとステマーは、Search Service を実行するすべてのサーバーにインストールする必要があります。SharePoint Server 2010 でワード ブレーカーとステマーが提供されている言語の一覧については、「ワード ブレーカーとステマーが提供されている言語 (SharePoint Server 2010)」を参照してください。

See Also

Concepts

多言語の用語セット (SharePoint Server 2010)
多言語ユーザー インターフェイスの概要 (SharePoint Server 2010)
多言語ユーザー インターフェイスの計画 (SharePoint Server 2010)