Psconfig コマンドライン リファレンス (SharePoint Server 2010)

 

適用先: SharePoint Foundation 2010, SharePoint Server 2010

トピックの最終更新日: 2015-03-09

SharePoint 2010 Productsでは、Psconfig コマンドライン ツールを代替のインターフェイスとして使用して、SharePoint 2010 Products の構成を制御するいくつかの操作を行うことができます。これらの操作を行うには、ローカル コンピューターの Administrators グループのメンバーである必要があります。

この記事の内容

  • Psconfig コマンドの使用方法

  • 使用できるコマンドとパラメーター

Psconfig コマンドの使用方法

コマンド プロンプトで Psconfig を実行するとき、コマンドを指定してこのツールの動作を制御できます。コマンド プロンプトで Psconfig を実行するには、%COMMONPROGRAMFILES%\Microsoft Shared\web server extensions\14\bin フォルダーに移動し、次の構文でコマンドを入力します。

psconfig.exe -cmd <command> [optional parameters]

次のセクションのリファレンス表で、いくつかの例を示しています。コマンドライン インターフェイスからヘルプを表示することもできます。ヘルプを表示するには、コマンド プロンプトで次のように入力します。

psconfig.exe -?

特定のコマンドのヘルプを表示するには、次のように入力します。

psconfig.exe -help <command name>

Psconfig のコマンドは、一定の順序で実行しないと、正しく実行されません。インストールの構成に SharePoint 製品構成ウィザードを使えば、コマンド ("構成タスク" とも呼ばれる) が正しい順序で呼び出されますが、コマンドラインで Psconfig を実行する場合は、ユーザー自身がタスクを正しい順序で実行する必要があります。Psconfig のコマンドは、以下の順序で実行する必要があります。

  1. configdb

  2. helpcollections

  3. secureresources

  4. services

  5. installfeatures

  6. adminvs

  7. evalprovision (スタンドアロン インストールのみ)

  8. applicationcontent

  9. upgrade

重要

サーバー ファームのアップグレードが必要であることを Psconfig が検出すると、(upgrade コマンドを選択していなくても) 実行時にアップグレードが自動的に開始されます。

実行するすべてのコマンドを 1 行のコマンドラインで指定できます。その場合、指定したすべてのコマンドが Psconfig によって正しい順序で実行されます。たとえば、コマンド プロンプトで、次のようなコマンドを実行できます。

psconfig.exe -cmd configdb <parameters>
-cmd helpcollections <parameters>
-cmd secureresources <parameters>
-cmd services <parameters>
-cmd installfeatures <parameters>
-cmd adminvs <parameters>
-cmd evalprovision <parameters>
-cmd applicationcontent <parameters>

コマンドラインからサーバーまたはサーバー ファームを構成する方法については、「Microsoft SharePoint Server 2010 TechCenter」を参照してください。

使用できるコマンドとパラメーター

SharePoint 製品構成ウィザードでは、以下のコマンドライン オプションが認識されます。

コマンド 説明、パラメーター、例

?

Psconfig で使用可能なコマンドを表示します。

psconfig.exe -?

help <command name>

Psconfig で使用可能なコマンドを表示します。特定のコマンドの名前を指定すると、そのコマンドのヘルプが表示されます。

psconfig.exe -help adminvs

adminvs

ローカル コンピューター上で、SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションを管理します。以下のオプションのパラメーターを受け取ります。

[-provision]

このサーバー上で、SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションを準備します。新しい SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションと、サーバー ファーム管理者アカウントの下で動作するアプリケーション プールが作成されます。

[-unprovision]

このサーバーの SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションの準備を解除します。準備を解除することによって、SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションとそのアプリケーション プールが削除されます。

[-port <port number>]

SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションのポートは、サーバー ファームに適用されるグローバル設定です。ポートを変更すると、SharePoint Timer Service ジョブがディスパッチされ、サーバー ファーム内のすべての SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションのポートが同期されます。ポートを省略すると、サーバー ファーム内の既存の SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションのポートが使用されます。サーバー ファーム内で SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションをまだ準備していないときにポートを省略すると、既定のポートがランダムに選択されます。

[-windowsauthprovider <enablekerberos | onlyusentlm>]

SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションの認証プロバイダーは、サーバー ファームから見てグローバルな設定となります。認証プロバイダーを変更すると、SharePoint Timer Service ジョブがディスパッチされ、サーバー ファーム内のすべての SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションのプロバイダーが同期されます。onlyusentlm を指定すると、NTLM がすべての SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションの専用の認証プロバイダーになります。他のすべての認証プロバイダーは無効になり、NTLM だけが、許可された唯一の認証プロバイダーになります。enablekerberos を指定すると、すべての SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションに対して Kerberos 認証が有効化されます。認証プロバイダーを省略すると、サーバー ファームの既存の SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションの認証プロバイダーが使用されます。サーバー ファーム内で SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションをまだ準備していないときに認証プロバイダーを省略すると、Kerberos 認証プロバイダーが有効にされます。

psconfig.exe -cmd adminvs -provision -port 8080 -windowsauthprovider onlyusentlm

psconfig.exe -cmd adminvs -unprovision

applicationcontent

共有アプリケーション コンテンツを管理します。以下の必須のパラメーターを受け取ります。

-install

共有アプリケーション データ (リソース ファイル、Web アプリケーション バイナリなど) を既存の Web アプリケーションの仮想ディレクトリにコピーします。

psconfig.exe -cmd applicationcontent -install

configdb

データベースを作成または接続するか、このサーバーをサーバー ファームから切断します。以下のオプションのパラメーターを受け取ります。

[-create]

構成データベースを新規に作成し、新しいサーバー ファームを構築します。このサーバーが既に構成データベースに接続されている場合、まずそのサーバーが切断され、その後新しい構成データベースが作成されます。

[-disconnect]

このサーバーを構成データベースから切断し、サーバー ファームと切り離します。

[-connect]

既存の構成データベースに接続して、このサーバーを既存のサーバー ファームに参加させます。このサーバーが既に構成データベースに接続されている場合、まずそのサーバーが切断され、その後、既存の構成データベースに接続されます。

[-server <SQLServerName>]

構成データベースがある場所で Microsoft SQL Server を実行しているコンピューター。

[-database <SQLDatabaseName>]

構成データベースの名前。

[-dbuser <value>]

SQL 認証に使用されるユーザー名。

[-dbpassword <value>]

SQL 認証に使用されるパスワード。

[-user <Domain\User>]

サーバー ファーム管理者のユーザー アカウント。

[-password <Password>]

サーバー ファーム管理者のユーザー アカウントのパスワード。

[-addomain <value>]

サーバー ファームで使用する Active Directory ドメイン名。

[-adorgunit <value>]

サーバー ファームで使用する Active Directory 組織単位名。

[-admincontentdatabase <SQLAdminContentDatabaseName>]

サーバーの全体管理 Web アプリケーションのコンテンツ データベース名。

psconfig.exe -cmd configdb -create -server <Server_name> -database <Database_name>

-dbuser <DOMAIN\username> -dbpassword <password>

-user <DOMAIN\username> -password <password>

-addomain <domain_name> -adorgunit <org_unit>

-admincontentdatabase <Database_name>

psconfig.exe -cmd configdb -disconnect

psconfig.exe -cmd configdb -connect -server <Server_name> -database <Database_name>

-dbuser <DOMAIN\username> -dbpassword <password>

evalprovision

このサーバーをスタンドアロン (評価モード) サーバーとして準備します。以下の必須パラメーターとオプションのパラメーターを受け取ります。

-provision

このサーバーでスタンドアロン モードの準備を実行します。

[-port <port number>]

既定の SharePoint Web アプリケーションに割り当てるポート番号です。省略すると、ポート 80 が使用されます。このポートを使用している SharePoint Web アプリケーションが既に存在する場合は、既存のサイトが上書きされます。このポートを使用している既存のサイトが SharePoint Web アプリケーションでない場合は、そのサイトが無効になり、このポートを使用して新しい SharePoint Web アプリケーションが作成されます。

[-overwrite]

インストール中に既存の Microsoft SharePoint Server 2010 Web サイトを上書きするかどうかを指定します。これを指定しなければ、サイトは削除されません。

psconfig.exe -cmd evalprovision -provision -port 1100

helpcollections

ヘルプ コレクションを管理します。以下の必須のパラメーターを受け取ります。

-installall

使用可能なヘルプ コレクションをすべてインストールします。

psconfig.exe -cmd helpcollections -installall

installfeatures

このサーバーのファイル システム上にあるすべての SharePoint 製品とテクノロジをサーバー ファームに登録します。

psconfig.exe -cmd installfeatures

quiet

SharePoint 製品構成ウィザードを自動モードで実行します。ログ ファイル PSCONFIG.EXE_MM_DD_YY_HH_MM_SS_MS.log に出力が書き込まれます。ここで、"_MM_DD_YY_HH_MM_SS_MS" は、このユーティリティが実行された日時です。ログ ファイルは %COMMONPROGRAMFILES%\Microsoft Shared\web server extensions\14\LOGS ディレクトリに格納されます。

psconfig.exe -cmd quiet

secureresources

サーバー上で SharePoint 2010 Productsリソース セキュリティの適用を行います。たとえば、ファイル、フォルダー、レジストリ キーがセキュリティ保護の対象となります。

psconfig.exe -cmd secureresources

services

SharePoint 2010 Productsサービスを管理します。以下のオプションのパラメーターを受け取ります。

[-install]

このサーバーのすべてのサービスをサーバー ファームに登録します。

[-provision]

このサーバーにあるすべてのサービスを準備します。SharePoint 2010 Productsがスタンドアロン モードでインストールされている場合は、それらのサービスをオンラインとして設定します。サービスを準備することによって、サービスが確実に登録されます。

注意

[-provision] パラメーターは、単一サーバーのスタンドアロン インストールでのみサポートされます。ファーム インストールでは、このパラメーターを使用しないでください。

psconfig.exe -cmd services -install

psconfig.exe -cmd services -provision

setup

インストール モードに基づいて SharePoint 2010 Productsの構成を行います。構成の修復も行います。製品がスタンドアロン モードでインストールされている場合は、スタンドアロンの構成が行われます。製品がスタンドアロン モードでない場合は、Psconfig コマンドライン ツールではなく、SharePoint 製品構成ウィザードを使用して初期構成を行う必要があります。ウィザードを実行するには、[スタート] メニューから、[すべてのプログラム] 、[管理ツール] の順にポイントし、[SharePoint 製品構成ウィザード] をクリックします。

スタンドアロン インストールを修復する場合は、まず setup /repair を実行します (詳細についてはセットアップのヘルプを参照してください)。その後、 psconfig.exe -setupを実行します。サーバー ファームのインストールでは、 setup /repairを実行した後、Psconfig コマンドライン ツールの代わりに SharePoint 製品構成ウィザードを使用します。

次のオプションのパラメーターを受け取ります。

[-lcid <1033>]

インストール言語を指定するロケール ID (LCID)。

psconfig.exe -cmd setup

standaloneconfig

SharePoint 製品とテクノロジのスタンドアロン構成を実行します。以下のオプションのパラメーターを受け取ります。

[-lcid <1033>]

インストール言語を指定するロケール ID (LCID)。

psconfig.exe -cmd standaloneconfig

upgrade

SharePoint 2010 Productsのアップグレードを実行します。SharePoint 製品構成ウィザードの実行時にアップグレードが必要な場合は、このコマンドが自動的に実行されます。以下のオプションのパラメーターを受け取ります。

[-wait]

これを指定すると、アップグレードが完了するまで SharePoint 製品構成ウィザード は復帰しません。省略すると、アップグレードを実行する SharePoint Timer Service ジョブをディスパッチした後にウィザードに戻ります。アップグレード ジョブの進捗を見るには、Web ブラウザーで SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションにアクセスします。

[-force]

これを指定すると、SharePoint 製品構成ウィザードは、現在実行されているアップグレードがあればそれを停止し、その後、再びアップグレードを開始します。

[-reghostonupgrade]

これを指定すると、SharePoint 製品構成ウィザード はアップグレード時にすべてのコンテンツをサイト定義バージョンにリセットします。

[-inplace <v2v|b2b>]

これを指定すると、SharePoint 製品構成ウィザードは一括アップグレードを実行します。v2v を指定した場合は、バージョンからバージョンへの一括アップグレードが実行されます。b2b を指定した場合は、ビルドからビルドへの一括アップグレードが実行されます。

[-preserveolduserexperience]

これを false に設定すると、SharePoint 製品構成ウィザードは最新の SharePoint ユーザー エクスペリエンスを使用するようにサイトを更新します。このパラメーターを省略すると、既定値として true が使用されます。

[-passphrase]

サーバー ファームに参加するためのパスフレーズ。パスフレーズの値をファーム内のすべてのサーバーで同じにしないと、ファームは正しく機能しません。

psconfig.exe -cmd upgrade -inplace v2v -wait