BDC モデルを管理する (SharePoint Server 2010)
適用先: SharePoint Foundation 2010, SharePoint Server 2010
トピックの最終更新日: 2016-11-30
BDC モデルとは、1 つ以上の外部コンテンツ タイプ、それらに関連する外部システム、環境に固有の情報 (認証プロパティなど) をまとめて記述した XML ファイルのことです。モデル内のメタデータは、各外部コンテンツ タイプに含まれるデータのフィールド、外部システムでサポートされている操作 (外部システムに対して読み取り、書き込み、照会などの操作がサポートされているかどうか)、および接続情報を定義します。
Business Data Connectivity Service を利用して、モデルのインポートとエクスポート、モデルに対するアクセス許可の設定、モデルに含まれる外部コンテンツ タイプの表示など、一連の操作を実行できます。たとえば、BDC モデルをエクスポートすることで、開発環境から運用環境に展開できます。
リソース ファイルには、1 つまたは複数の外部コンテンツ タイプに関して、ローカライズされた名前、プロパティ、アクセス許可が記載されています。リソース ファイルも BDC モデルと同じ方法でインポートおよびエクスポートできます。たとえば、リソース ファイルをインポートして、ソリューションの追加の表示言語として、ローカライズされた新しい文字列一式を用意できます。
この記事の内容
BDC モデルをインポートする
BDC モデルまたはリソース ファイルをエクスポートする
BDC モデルにアクセス許可を設定する
すべてのモデルを表示する
BDC モデルを削除する
モデルの外部コンテンツ タイプを表示する
BDC モデルまたはリソース ファイルをインポートする
モデル、モデルに関連する外部コンテンツ タイプ、および外部システムをメタデータ ストアに追加する主な方法は、モデルをインポートすることです。モデルをインポートすると、モデル内のすべての外部コンテンツ タイプが自動的にアクティブ化されます。
各外部コンテンツ タイプに名前、名前空間、およびバージョン番号があり、外部コンテンツ タイプを特定する場合に使用されます。メタデータ ストアには、いつでも複数のバージョンの外部コンテンツ タイプが存在できます。モデルをインポート、追加、削除したり、外部コンテンツ タイプをアクティブ化/非アクティブ化、追加/削除したりすると、結果的に多数の外部コンテンツ タイプ バージョンが生成されます。複数のバージョンの外部コンテンツ タイプがメタデータ ストアに存在する場合、Business Data Connectivity ランタイムでは、アクティブな外部コンテンツ タイプ バージョンがバージョン番号に関係なく使用されます。最後にインポートされた外部コンテンツ タイプ バージョンがアクティブであることも、Enable-SPBusinessDataCatalogEntity コマンドレットを使用してアクティブ化された外部コンテンツ タイプ バージョンがアクティブであることもあります。
警告
モデルによって認証モードが指定されていない場合は、PassThrough 認証モードが使用されます。PassThrough 認証は、すべてのシナリオに適しているわけではありません。この認証は、主に "シングルボックス" 構成 (つまり、データベース サーバーと SharePoint Server が同じコンピューターで実行されている構成) のテスト環境で使用することを目的としています。認証モードの詳細については、「Business Connectivity Services の認証の概要」を参照してください。
ヒント
Windows PowerShell を使用して、モデルまたはリソース ファイルをインポートすることもできます。詳細については、「Import-SPBusinessDataCatalogModel」を参照してください。
BDC モデルまたはリソース ファイルをインポートするには
管理者としての次のどちらかの資格情報を持っていることを確認します。
ファーム管理者である必要があります。
Business Data Connectivity Service アプリケーションの管理者で、メタデータ ストアに対する編集アクセス許可を持っている必要があります。
サーバーの全体管理 Web サイトの [アプリケーション構成の管理] セクションで、[サービス アプリケーションの管理] をクリックします。
サービス アプリケーションの一覧で、Business Data Connectivity Service アプリケーションが含まれる行をクリックします。
[サービス アプリケーション] タブの [操作] セクションで、[管理] をクリックします。
[編集] タブの [BDC モデル] グループで、[インポート] をクリックします。
[BDC モデルのインポート] ページの [BDC モデル ファイル] フィールドで [参照] をクリックし、BDC モデルまたはリソース ファイルを検索します。
重要
BDC モデルの名前では次の文字を使用できません。 ~"#%&*:<>?{|} または文字 0x7f。
[ファイルの種類] セクションで、インポートする BDC モデル ファイルの種類として [モデル] または [リソース] を選択します。
[詳細設定] 領域で、インポートするリソースの種類として次のいずれか (複数可) を選択します。
特定のロケールに合わせてローカライズされた外部コンテンツ タイプ名をインポートする場合は、[ローカライズされた名前] をクリックします。
インポートされたローカライズ名は、Business Data Connectivity Service データベース内の既存のローカライズ名とマージされます。
外部コンテンツ タイプのプロパティをインポートする場合は、[プロパティ] をクリックします。
インポートされたプロパティは、Business Data Connectivity Service データベース内の既存のプロパティとマージされます。
モデル内の外部コンテンツ タイプに対するアクセス許可およびその他のセキュリティ保護可能なオブジェクトをインポートする場合は、[権限] をクリックします。
警告
アクセス許可は、Business Data Connectivity Service の既存のアクセス許可情報と一緒に保存されます。オブジェクトのアイテムがアクセス制御リストに既に登録されている場合は、インポートしたファイルのアクセス許可情報で既存の値が上書きされます。たとえば、外部コンテンツ タイプ X に対するアクセス許可によってその外部コンテンツ タイプへのアクセス権がユーザー A に提供されているとします。この場合、ユーザー B のみが外部コンテンツ タイプ X にアクセスできることを指定するアクセス許可をインポートすると、外部コンテンツ タイプ X に対する以前のアクセス許可は削除され、ユーザー B に対するアクセス許可のみを含む新しいアクセス許可が格納されます。
インポートしたリソース設定一式を、後からエクスポートして特定の環境で使用できるようにファイルに保存しておく場合は、[カスタム環境設定の使用] フィールドに、環境固有の設定一式を一意に示す名前を入力します。
BDC モデルまたはリソース ファイルをエクスポートする
BDC モデルまたはリソース ファイルをエクスポートしたら、エクスポートしたファイルを使用して BDC モデルを異なるシステムに展開できます。次のいずれかの方法を使用して、BDC モデルまたはリソース ファイルをエクスポートします。
サーバーの全体管理を使用して BDC モデルまたはリソース ファイルをエクスポートする。
Export-SPBusinessDataCatalogModel コマンドレットを使用して BDC モデルまたはリソース ファイルをエクスポートする。
Microsoft SharePoint Designer 2010 を使用して BDC モデルをエクスポートする。
注意
SharePoint Designer 2010 を使用して作成された BDC モデルは、SharePoint Designer を使用してエクスポートする必要があります。SharePoint Designer を使用して作成されたモデルがサーバーの全体管理または Export-SPBusinessDataCatalogModel コマンドレットを使用してエクスポートされた場合、そのエクスポートされたモデル ファイルに含まれる外部コンテンツ タイプのプレースホルダーは 1 つだけです。SharePoint Designer の詳細については、「SharePoint Designer のヘルプと使用方法」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=198249&clcid=0x411) を参照してください。
BDC モデルまたはリソース ファイルをエクスポートするには
管理者としての次のどちらかの資格情報を持っていることを確認します。
ファーム管理者である必要があります。
Business Data Connectivity Service アプリケーションの管理者で、モデルおよびモデルに含まれるすべての外部システムに対する編集アクセス許可を持っている必要があります。
サーバーの全体管理 Web サイトの [アプリケーション構成の管理] セクションで、[サービス アプリケーションの管理] をクリックします。
サービス アプリケーションの一覧で、Business Data Connectivity Service アプリケーションが含まれる行をクリックします。
[サービス アプリケーション] タブの [操作] セクションで、[管理] をクリックします。
[編集] タブの [表示] グループで、[BDC モデル] をクリックします。
[Business Data Connectivity モデル] ページで、エクスポートするモデルまたはリソース ファイルを選択します。
[BDC モデル] グループで、[エクスポート] をクリックします。
[エクスポート] ページの [ファイルの種類] フィールドで、エクスポートするファイルの種類 (モデルまたはリソース) を選択します。また、[詳細設定] 領域で、エクスポートするリソースの種類を 1 つ以上選択します。
特定のロケールに合わせてローカライズされた外部コンテンツ タイプ名をエクスポートする場合は、[ローカライズされた名前] をクリックします。
外部コンテンツ タイプのプロパティをエクスポートする場合は、[プロパティ] をクリックします。
外部コンテンツ タイプに対するアクセス許可をエクスポートする場合は、[権限] をクリックします。
外部システムへの接続に使用する実装固有のプロキシをエクスポートする場合は、[プロキシ] をクリックします。
後でエクスポートできる一連のリソースを特定の環境で使用できるように保存した場合は、[カスタム環境設定の使用] フィールドに、エクスポートする環境固有の設定に関連付けられている一意の名前を入力します。
[エクスポート] をクリックします。
BDC モデルまたはリソース ファイルをネットワーク上の場所に保存するためのインターフェイスが表示されます。
BDC モデルにアクセス許可を設定する
BDC モデルにアクセス許可を設定し、BDC モデルを編集できるユーザーおよび BDC モデルにアクセス許可を設定できるユーザーを指定します。
必須タスクの実行に必要となる最小限の権限が資格情報によって与えられるように、ユーザーまたはグループごとに必要となる特定のアクセス許可を与えることをお勧めします。アクセス許可の設定に関する詳細については、「Business Connectivity Services のセキュリティの概要 (SharePoint Server 2010)」の「Business Connectivity Services のアクセス許可の概要」を参照してください。
BDC モデルにアクセス許可を設定するには
管理者としての次のどちらかの資格情報を持っていることを確認します。
ファーム管理者である必要があります。
Business Data Connectivity Service アプリケーションの管理者で、モデルに対するアクセス許可の設定アクセス許可を持っている必要があります。
サーバーの全体管理 Web サイトの [アプリケーション構成の管理] セクションで、[サービス アプリケーションの管理] をクリックします。
サービス アプリケーションの一覧で、Business Data Connectivity Service アプリケーションが含まれる行をクリックします。
[サービス アプリケーション] タブの [操作] セクションで、[管理] をクリックします。
[編集] タブの [表示] グループで、[BDC モデル] をクリックします。
アクセス許可を設定する対象の各 BDC モデルのチェック ボックスをオンにします。
[権限] グループの [オブジェクトの権限の設定] をクリックします。
アクセス許可を与える対象のユーザー アカウント、グループ、または要求を適切なボックスに入力し、[追加] をクリックします。
注意
ユーザー アカウント、グループ、または要求の名前では縦棒 (|) を使用できません。
アカウント、グループ、または要求に対するアクセス許可を設定します。
注意
メタデータ オブジェクトのアクセス制御リストにある 1 つ以上のユーザー、グループ、または要求に権限の設定アクセス許可が必要です。
ユーザー、グループ、または要求で BDC モデルを編集できるようにする場合は、[編集] をクリックします。
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Security Note編集アクセス許可は高い特権であることを考慮するようにしてください。編集アクセス許可が付与された悪意のあるユーザーは資格情報を盗んだりサーバー ファームを破壊したりすることがあります。安全なソリューションを確実なものにするには、編集アクセス許可を自由に開発者やソリューション設計者に割り当てられるテスト環境を使用することをお勧めします。編集アクセス許可は、テスト済みソリューションを運用環境に展開するときに削除します。 ユーザー、グループ、または要求で BDC モデルに対するアクセス許可を設定できるようにする場合は、[権限の設定] をクリックします。
Security Noteアクセス許可の設定アクセス許可は高い特権であることを考慮するようにしてください。アクセス許可の設定アクセス許可が付与されているユーザーは、BDC モデルに対する編集アクセス許可を付与することができます。 重要
リストされている残りの 2 つのアクセス許可、[クライアントで選択可能] と [実行] は BDC モデルには適用されません。
すべてのモデルを表示する
Business Data Connectivity Service アプリケーションのすべてのモデルを表示できます。
すべてのモデルを表示するには
次の管理者の資格情報を持つことを確認します。
- ファーム管理者またはサービス アプリケーションの管理者である必要があります。
サーバーの全体管理 Web サイトの [アプリケーション構成の管理] セクションで、[サービス アプリケーションの管理] をクリックします。
サービス アプリケーションの一覧で、Business Data Connectivity Service アプリケーションが含まれる行をクリックします。
[サービス アプリケーション] タブの [操作] セクションで、[管理] をクリックします。
[編集] タブの [表示] グループで、[BDC モデル] をクリックします。
BDC モデルを削除する
BDC モデルを削除すると、そのモデルに含まれていて、別のモデルには含まれていない外部コンテンツ タイプと外部システムがすべて BDC モデルごと削除されます。
BDC モデルを削除するには
管理者としての次のどちらかの資格情報を持っていることを確認します。
ファーム管理者である必要があります。
Business Data Connectivity Service アプリケーションの管理者で、モデルに対する編集アクセス許可を持っている必要があります。
サーバーの全体管理 Web サイトの [アプリケーション構成の管理] セクションで、[サービス アプリケーションの管理] をクリックします。
サービス アプリケーションの一覧で、Business Data Connectivity Service アプリケーションが含まれる行をクリックします。
[サービス アプリケーション] タブの [操作] セクションで、[管理] をクリックします。
[編集] タブの [表示] グループで、[BDC モデル] をクリックします。
[Business Data Connectivity モデル] ページで、削除するモデルを選択します。
[BDC モデル] グループの [削除] をクリックし、確認メッセージが表示されたら [OK] をクリックします。
モデルの外部コンテンツ タイプを表示する
モデルの外部コンテンツ タイプを表示して、モデルについて把握したり、後続タスクの外部コンテンツ タイプを選択したりします。
モデルの外部コンテンツ タイプを表示するには
次の管理者の資格情報を持つことを確認します。
- ファーム管理者またはサービス アプリケーションの管理者である必要があります。
サーバーの全体管理 Web サイトの [アプリケーション構成の管理] セクションで、[サービス アプリケーションの管理] をクリックします。
サービス アプリケーションの一覧で、Business Data Connectivity Service アプリケーションが含まれる行をクリックします。
[サービス アプリケーション] タブの [操作] セクションで、[管理] をクリックします。
[編集] タブの [表示] グループで、[BDC モデル] をクリックします。
目的のモデルをポイントし、表示された矢印をクリックしてから、[外部コンテンツ タイプの表示] をクリックします。