PerformancePoint Server 2007 から SharePoint Server 2010 へのダッシュボードの内容のインポートを計画する (SharePoint Server 2010)
適用先: SharePoint Server 2010
トピックの最終更新日: 2015-03-09
Microsoft Office PerformancePoint Server 2007 から Microsoft SharePoint Server 2010 の PerformancePoint Services にダッシュボードの内容を簡単な操作でインポートできるように、インポート ウィザードが用意されています。データ インポート ウィザードの画面の指示に従って操作すると、ダッシュボード、スコアカード、データ ソース、KPI などのメタデータをインポートできます。データのインポート処理が完了した後で、個々のダッシュボードを "再展開" する必要があります。
注意
インポート ウィザードを実行する前に、クリーンな状態の SharePoint Server 2010 環境をセットアップすることをお勧めします。
PerformancePoint Services でサポートされないレポートの種類
Microsoft Office PerformancePoint Server 2007 でサポートされていても、SharePoint Server 2010 ではサポートされないレポートの種類があります。次のレポートの種類は SharePoint Server 2010 ではサポートされていないので、インポートされません。
傾向分析グラフ
ピボットテーブル
ピボットグラフ
ワークシート
権限とロールの計画
PerformancePoint Services では、SharePoint Server のセキュリティ モデルを使用して、さまざまな機能やタスクへのユーザー アクセスを制御します。Microsoft SharePoint Server 2010 の PerformancePoint Services と Microsoft Office PerformancePoint Server 2007 では、操作方法にわずかな、しかし重要な違いがあります。Microsoft Office PerformancePoint Server 2007 では、Monitoring Server に、メタデータとコンテンツが格納される独自のサーバーとデータベースがあります。また、Microsoft Office PerformancePoint Server 2007 では、セキュリティがサーバー レベルでグローバルに、および個々のオブジェクトに対して適用されます。
SharePoint Server 2010 では、PerformancePoint メタデータ コンテンツが SharePoint リストとドキュメント ライブラリに格納されます。したがって、Microsoft Office PerformancePoint Server 2007 と SharePoint Server 2010 における権限とロールの割り当ての違いを理解する必要があります。
注意
Microsoft Office PerformancePoint Server 2007 では、サーバー コンピューターの管理者が自動的に PerformancePoint の管理者になります。SharePoint Server 2010 では、サーバー コンピューターの管理者が自動的に管理者になることはありません。必要に応じて、この割り当てを手動で行うことができます。
ロールと権限
PerformancePoint Services では、SharePoint Server 承認グループと権限が使用されます。ユーザーによるサービスの使用方法を計画する際には、主な SharePoint Server ロールを確認してください。
ファーム管理者: ダッシュボード アイテムを編集するには、このロールは少なくともコンテンツ リスト (またはリスト アイテム) およびデータ ソース ライブラリ (またはライブラリ アイテム) に対する共同作成者権限を持っている必要があります。
サイト コレクション管理者: ダッシュボード アイテムを編集するには、このロールは少なくともデータ ソース ライブラリ (またはライブラリ アイテム) のみに対する共同作成者権限を持っている必要があります。
サイト管理者またはリスト/ドキュメント ライブラリ共同作成者: ダッシュボード アイテムを編集するには、このロールは少なくともコンテンツ リスト (またはリスト アイテム) およびデータ ソース ライブラリ (またはライブラリ アイテム) に対する共同作成者権限を持っている必要があります。
重要
Microsoft Office PerformancePoint Server 2007 からインポートされたダッシュボードを再展開するタスクをユーザーやロールに割り当てる場合、このユーザーまたはロールには少なくともデザイナー権限が必要です。
PerformancePoint Services 内でロールを整理するには、新しい SharePoint グループを作成する (または既存の SharePoint グループを利用する) ことをベスト プラクティスとしてお勧めします。業務上の役割を基準に明確な権限グループを確立すれば、どのユーザーにどのアクセス権を付与するかを的確に制御できます。
Microsoft Office PerformancePoint Server 2007 で使用できる 4 つのサーバー ロールは、SharePoint Server 2010 の定義済みのロールに緩やかに対応します。PerformancePoint Services の 4 つのロールは、管理者、パワー リーダー、データ ソース マネージャー、および作成者です。これに加えて、編集者および閲覧者という 2 つのロールがダッシュボード デザイナー内に個別アイテム レベルで設定されます。次の表は、PerformancePoint Server 2007 のロールと Microsoft SharePoint Server 2010 の PerformancePoint Services のロールのマッピングを示しています。
重要
サーバーの管理者であっても、Microsoft SharePoint Server 2010 の PerformancePoint Services に管理者として自動的に追加されません。
PerformancePoint Server 2007 のロール | PerformancePoint Server 2007 の権限 | Microsoft SharePoint Server 2010 の PerformancePoint Services のロール | 補足説明 |
---|---|---|---|
管理者 |
アイテムの編集および新しいアイテムの作成 |
共同作成者: データ コンテンツおよびデータ ソース |
|
パワー リーダー |
アイテムの閲覧 (SDK プロセスで使用する) |
読み取り: データ コンテンツおよびデータ ソース |
|
データ ソース マネージャー |
新しいアイテムの作成 (データ ソースのみ) |
共同作成者: データ ソースのみ |
|
作成者 |
新しいアイテムの作成 (データ ソースを除く) |
共同作成者: データ コンテンツのみ |
|
アイテムへの権限 |
|||
編集者 |
アイテムの表示、編集、および削除 |
共同作成者 |
|
閲覧者 |
アイテムの表示 |
読み取り |
アクセスの必要性を確認する別の方法は、タスクを判断基準として必要な権限を検討することです。
ユーザー タスク | 必要な Microsoft SharePoint Server 2010 の PerformancePoint Services の権限 |
---|---|
ダッシュボード デザイナーの起動 |
SharePoint Server 2010 の認証済みユーザーであること以外は不要 |
PerformancePoint ダッシュボード アイテムの作成、および SharePoint リストまたはドキュメント ライブラリへの保存 |
共同作成者 |
すべての共同作成者タスクの実行および PerformancePoint ダッシュボードの発行 |
デザイナー |
PerformancePoint ダッシュボードの表示および対話型機能の使用 |
読み取り |
ダッシュボード アイテム用のユーザー権限の管理 |
フル コントロール (サイト) またはサイト コレクション管理者 |
ウィザードを実行する
インポート ウィザードの実行中に、ダッシュボード、スコアカードなど、インポートされたコンテンツは単一の SharePoint リストに配置されます。インポートされたデータ ソースは、データ ソースの単一のドキュメント ライブラリに配置されます。 インポート処理を円滑に実行するには、クリーンな状態の SharePoint Server 2010 環境をセットアップします。以下の手順を確認し、必要なアカウント ユーザー名とパスワードを用意してください。
データ ソースのセキュリティを設定する: PerformancePoint Server 2007 では、データ ソースのセキュリティ設定が Web.config ファイルに格納されます。このファイルは C:\Program Files\Microsoft Office PerformancePoint Server\3.0\Monitoring\PPSMonitoring_1\WebService にあります。SharePoint Server 2010 では、セキュリティが各データ ソースに格納されます。PerformancePoint Server 2007 ユーザーの多くは、セキュリティ方式として "ユーザーごとの ID" を使用しています。構成されているセキュリティ方式がわからない場合は、Web.config ファイル (<appSettings> ノードの下) を確認してください。 PerformancePoint Server 2007 で使用できるセキュリティ方式は次の 3 種類です。
単一の共有ユーザー アカウントを使用してすべてのデータ ソースにアクセスする。
ユーザーごとの認証 (Kerberos 委任が必要)。この場合は、各ユーザーのアカウントを使用してすべてのデータ ソースにアクセスします。Web.config ファイルの bpm.serverconnectionperuser の値が "True" に設定されています。
接続文字列内のユーザー名による既定の認証。この方式では、単一の共有ユーザー アカウントを使用してすべてのデータ ソースにアクセスし、CustomerData 接続文字列プロパティを使用してユーザー名を送信します。この方式を使用している場合、bpm.UseASCustomData の値が "True" に設定されています。
PerformancePoint Server 2007 コンテンツ サーバーにログオンする: ウィザードの画面で入力を求められるので、ユーザー名とパスワードを用意しておきます。
PerformancePoint Server 2007 コンテンツ データベースに接続する: PerformancePoint 2007 の最初のセットアップ時に、データベースの名前が既定で PPSMonitoring に設定されます。データベースの名前が変更されている場合は、コンテンツが格納されているデータベースの名前を選択します。
ダッシュボード アイテムを格納するリストを選択する: KPI、スコアカード、レポート、ダッシュボード、フィルター、およびインジケーターが [ダッシュボードの内容] リストにコピーされます。空のリストを選択してください。サイト コレクション、サイト、およびリストの名前を指定する必要があります。
データ ソースを格納するドキュメント ライブラリを選択する: データ ソースはドキュメント ライブラリにコピーされます。PerformancePoint データ ソース コンテンツ タイプをサポートするドキュメント ライブラリを選択する必要があります。SharePoint Server 2010 の PerformancePoint Services の既定のインストールでは、データ ソース固有のドキュメント ライブラリが作成され、これを使用できます。空のドキュメント ライブラリを選択することをお勧めします。サイト コレクションには、ダッシュボード アイテムに指定したサイト コレクションと同じ名前が付けられます。
設定を確認する: 指定した設定を確認し、必要に応じて編集します。
インポートの状態を確認する: ウィザードによってデータ コンテンツのインポートが処理され、コンテンツのインポートの進捗状況を示すステータス バーが表示されます。ステータス バーには、インポートされたすべての要素とデータベース ソースの一覧が表示されます。インポート処理が完了すると、最終的なインポート結果が表示されます。結果には、インポートされた各アイテムがカテゴリ (データ ソース、KPI、スコアカードなど) 別に一覧表示され、問題やエラーが発生した場合はその情報が表示されます。また、データ ソース名の重複があった場合に名前が変更されたかどうかも示されます。