Set-CsBlockedDomain
トピックの最終更新日: 2012-03-26
フェデレーションの禁止ドメインのリストに含まれる 1 つ以上のドメインの Comment プロパティを変更します。定義上、ユーザーは Microsoft Lync Server 2010 アプリケーションを使用して、禁止ドメインからアクセスする人と連絡を取ることはできません。たとえば、ユーザーは Microsoft Lync 2010 を使用して、禁止リストに載っているドメイン内の SIP アカウントを持つ人とは誰とも、インスタント メッセージを交換することはできません。
構文
Set-CsBlockedDomain [-Identity <XdsGlobalRelativeIdentity>] [-Comment <String>] [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-Force <SwitchParameter>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]
Set-CsBlockedDomain [-Comment <String>] [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-Force <SwitchParameter>] [-Instance <PSObject>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]
解説
フェデレーションは、2 つの組織が組織間のコミュニケーションを促進する信頼関係を設定できるようにするための手段です。フェデレーションが確立されている場合、2 つの組織のユーザーは、インスタント メッセージの送受信やプレゼンス通知の登録を行うことができ、Lync 2010 のような SIP アプリケーションを使用して互いに通信することもできます。Lync Server 2010 では、次の 3 種類のフェデレーションが可能です。1) 自組織と他組織間の直接フェデレーション、2) 自組織と公開プロバイダー間のフェデレーション、3) 自組織とサードパーティ ホスティング プロバイダー間のフェデレーション。
他組織との直接フェデレーションを設定するには、複数の操作が必要です。まず、アクセス エッジ サーバーでフェデレーションを許可する必要があります。さらに、もう一方の組織で、自分の組織とのフェデレーションを有効にする必要があります。両方の組織がこの関係に同意しない限り、フェデレーションは確立されません。
フェデレーション関係を設定するには、次の 2 つのフェデレーション関連リストの管理も必要になる場合があります。許可リストおよび禁止リストです。許可リストは、フェデレーションを確立することを決めた組織を表します。つまり、ドメインが許可リスト内にある場合、(構成設定に従って) ユーザーはフェデレーション ドメイン内にアカウントを持つユーザーと、インスタント メッセージやプレゼンス情報を交換できます。逆に、禁止リストはユーザーが明示的にフェデレーションを禁止されているドメインの一覧です。たとえば、禁止ドメインから送信されたメッセージは、自動的に Lync Server 2010 によって拒否されます。
Comment プロパティは禁止ドメインで変更できる唯一のプロパティです。このプロパティを使用して、禁止リストにあるドメインに関する追加情報 (たとえば、ドメインが禁止されている理由、ドメインを禁止リストから削除できる条件、禁止リストからこのドメインを削除したい場合の連絡先など) を保存することができます。禁止ドメインのリストに載っているドメインの Comment プロパティを変更する必要がある場合は、Set-CsBlockedDomain コマンドレットを使用します。
このコマンドレットを実行できるユーザー:既定では、次のグループのメンバーが、Set-CsBlockedDomain コマンドレットをローカルで実行することを承認されています。RTCUniversalServerAdmins。このコマンドレットが割り当てられているすべての役割ベースのアクセス制御 (RBAC) の役割の一覧 (自身が作成したカスタムの RBAC の役割を含む) を戻すには、Windows PowerShell プロンプトから次のコマンドを実行します。
Get-CsAdminRole | Where-Object {$_.Cmdlets –match "Set-CsBlockedDomain"}
パラメーター
| パラメーター | 必須かどうか | 型 | 説明 |
|---|---|---|---|
Identity |
必須 |
文字列 |
変更する Comment プロパティの禁止ドメインの完全修飾ドメイン名 (FQDN)。次に例を示します。fabrikam.com |
Instance |
省略可能 |
BlockedDomain オブジェクト |
個々のパラメーター値を設定するのではなく、オブジェクトへの参照をコマンドレットに渡せるようにします。 |
Comment |
省略可能 |
文字列 |
変更するドメインに関する追加情報を指定できます。たとえば、ドメインが禁止リストに含まれている理由を示す Comment を追加します。 |
Force |
省略可能 |
スイッチ パラメーター |
コマンド実行中に発生する可能性のある、致命的ではないすべてのエラー メッセージを表示しないようにします。 |
WhatIf |
省略可能 |
スイッチ パラメーター |
実際にコマンドを実行せずに、コマンドの実行結果がわかります。 |
Confirm |
省略可能 |
スイッチ パラメーター |
コマンドの実行前に確認メッセージを表示します。 |
入力の種類
Microsoft.Rtc.Management.WritableConfig.Settings.Edge.BlockedDomain オブジェクトです。Set-CsBlockedDomain は禁止ドメイン オブジェクトのパイプライン処理されたインスタンスを受け入れます。
戻り値の種類
Set-CsBlockedDomain は、値またはオブジェクトを戻しません。代わりに、このコマンドレットは、Microsoft.Rtc.Management.WritableConfig.Settings.Edge.BlockedDomain オブジェクトのインスタンスを構成します。
例
-------------------------- 例 1 ------------------------
Set-CsBlockedDomain -Identity fabrikam.com -Comment "Block this domain pending legal review."
例 1 のコマンドは、ID が "fabrikam.com" である禁止ドメインのコメントを変更します。この例では、Comment パラメーターには、"Block this domain pending legal review" というパラメーター値が付与されています。
-------------------------- 例 2 ------------------------
Get-CsBlockedDomain | Set-CsBlockedDomain -Comment "Block this domain pending legal review."
上記の例では、禁止ドメイン リストに含まれるすべてのドメインの Comment プロパティが更新されます。これを実行するため、このコマンドは最初に Get-CsBlockedDomain を呼び出して、現在禁止ドメイン リスト上にあるすべてのドメインのコレクションを戻します。その後、このコレクションは Set-CsBlockedDomain にパイプ処理されます。このコマンドレットは、コレクション内の各ドメインの Comment プロパティを変更します。
-------------------------- 例 3 ------------------------
Get-CsBlockedDomain | Where-Object {$_.Comment -eq $Null} | Set-CsBlockedDomain -Comment "Block this domain pending legal review."
例 3 では、Comment プロパティの値が構成されていない、禁止リスト上の各ドメインに、新しいコメント ("Block this domain pending legal review") が追加されます。このタスクを実行するため、このコマンドは最初に Get-CsBlockedDomain を使用して、現在禁止リスト上にあるすべてのドメインのコレクションを戻します。次に、このコレクションは Where-Object コマンドレットにパイプ処理されます。このコマンドレットは、Comment プロパティが Null 値と等しいドメインのみを選択します。その後、このフィルター処理されたコレクションが Set-CsBlockedDomain にパイプ処理されます。このコマンドレットは、このフィルター処理されたコレクション内の各ドメインの Comment プロパティに、同じコメントを割り当てます。