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場所の判断に使用するネットワーク要素の定義

 

トピックの最終更新日: 2012-06-08

クライアントの場所の自動検出をサポートするように Lync Server インフラストラクチャを設定する場合は、発信者を場所にマップするために使用するネットワーク要素を最初に決定する必要があります。Lync Server 2010 では、次のレイヤー 2 およびレイヤー 3 のネットワーク要素を場所と関連付けることができます。

  • ワイヤレス アクセス ポイント (WAP) の基本サービス セット識別子 (BSSID) アドレス (レイヤー 2)

  • LLDP スイッチ ポート (レイヤー 2)

  • LLDP スイッチ シャーシ ID (レイヤー 2)

  • IP サブネット (レイヤー 3)

  • クライアント MAC アドレス (レイヤー 2)

これらのネットワーク要素は、優先順にリストされています。複数のネットワーク要素を使用してクライアントを特定できる場合、Lync Server 2010 では、この優先順位に基づいて使用するメカニズムを決定します。

以下のセクションでは、各ネットワーク要素の使用方法について詳細に説明します。

important重要:
ネットワーク要素を使用して発信者を場所にマップする場合、場所情報サービス データベースを最新の状態に維持することが非常に重要です。たとえば、WAP の追加など、ネットワーク要素を追加または変更する場合は、場所データベースの古いエントリを削除し、新しいエントリを追加する必要があります。

ワイヤレス アクセス ポイント

クライアントがワイヤレスでネットワークに接続する場合、場所の要求では、WAP の BSSID アドレスを使用して場所が特定されます。クライアントがローミングしている場合は、最も近い WAP が得られない可能性があり、別の階や建物の WAP が選択される可能性さえあります。その場所がおおよその場所であることを示すには、Near や Close to という記述子を場所の値の先頭に追加します。

note注:
場所に関するこの方法では、各 WAP の BSSID が静的なものであることを前提としています。ただし、動的に割り当てられた BSSID を WAP ベンダーが使用している場合は、WAP から取得された BSSID が変化する可能性があり (こうした変化は WAP 構成の変更に引き続いて発生します)、ワイヤレス クライアントは場所の情報を受け取れない状況で放置される可能性があります。こうした事態を防ぐには、各 WAP で使用される可能性のあるすべての BSSID アドレスに対して、ERL を備えた場所情報サービス データベースを設定する必要があります。

LLDP ポートおよびスイッチ

LLDP-MED (Link Layer Discovery Protocol-Media Endpoint Discover) をサポートしている管理されたイーサネット スイッチは、自らの ID とポート情報を LLDP-MED に準拠したクライアントにアドバタイズできます。さらにこうしたクライアントは、デバイスの場所を提供するために場所情報サーバーに対して照会できます。ERL はスイッチ シャーシ ID に対してのみ関連付けることも、ポート レベルにまで詳細にマップすることもできます。

note注:
Lync Server 2010 では、Lync 2010 Phone Edition デバイスの場所を特定するためにのみ LLDP-MED の使用をサポートしています。スイッチ レベルのレイヤー 2 データを使用した PC ベースの有線 Lync 2010 クライアントの場所の特定が必要な場合は、クライアント MAC アドレスによる方法を使用する必要があります。

サブネット

レイヤー 3 IP サブネットは、クライアントの場所の自動検出に使用できるすべての Lync Server クライアントによってサポートされるメカニズムを実現します。IP サブネットの使用は有線クライアントを構成および管理する最も簡単な場所特定の方法です。ただし、サブネットの使用を決定する前に、以下の質問を参考にして、サブネットの場所の限定度がクライアントを正確に特定するうえで十分に細かいかどうかを判断してください。

  • 1 つ以上のクライアント サブネットで複数の階をカバーしていますか。

  • 1 つ以上のサブネットで複数の建物をカバーしていますか。

  • どれほどのフロア領域が各クライアント サブネットでカバーされていますか。

サブネットでカバーする領域が広すぎる場合は、別のメカニズムを使用したクライアントの特定が必要になることがあります。ただし、たとえ実用的であったとしても、サードパーティによる SNMP ベースのソリューションの費用と複雑さを負うよりは、ERL の場所の限定度に関する要件を満たすように顧客が自らの IP サブネット処理を再編成することをお勧めします。

クライアント MAC アドレス

クライアント コンピューターの MAC アドレスを使用して発信者を特定するには、管理されたイーサネット スイッチが必要であり、これらのスイッチに接続しているか、これらのスイッチ経由で接続している Lync クライアントの MAC アドレスを検出できるサードパーティ SNMP ソリューションを展開する必要があります。こうした SNMP ソリューションは、管理されたスイッチの継続的なポーリングによって各ポートに接続されているエンドポイント MAC アドレスの現在のマッピングを取得し、対応するポート ID を取得します。場所情報サービスに対する Lync クライアントの要求時には、場所情報サービスがクライアントの MAC アドレスを使用してサードパーティ アプリケーションへの問い合わせを行い、一致するすべてのスイッチ IP アドレスとポート ID を返します。さらに、場所情報サービスは、この情報を使用して、公開されているレイヤー 2 ワイヤマップに対して一致するレコードを問い合わせ、その場所をクライアントに返します。このオプションを使用する場合は、SNMP アプリケーションと公開されている場所データベースのレコードの間でスイッチ ポート ID の整合が取れていることを確認してください。

note注:
一部のサードパーティ SNMP ソリューションは、管理されていないアクセス スイッチをサポートできます。Lync クライアントにサービスを提供しているスイッチが管理されておらず、管理されているディストリビューション スイッチへのアップリンクを持つ場合、管理されているスイッチはアクセス スイッチに接続されたクライアントの MAC アドレスを SNMP ソリューションにレポートできます。この情報によって場所情報サービスはユーザーの場所を特定できます。ただし、割り当てることができるのは、管理されていないスイッチ上のすべてのポートに 1 つの ERL のみです。そのため、場所の限定度はアクセス スイッチのポート レベルではなく、シャーシ レベルでのみ有効です。