Set-CsLisPort
トピックの最終更新日: 2012-03-26
場所情報サーバー (LIS) ポートを作成し、(その場所が存在しない場合は新しい場所を作成して) ポートと場所の関連付けを作成するか、既存のポートおよびそれに関連付けられている場所を変更します。ポートと場所の関連付けは、Enhanced 9-1-1 (E9-1-1) エンタープライズ VoIP の実装で使用されます。これにより、緊急サービスのオペレーターが発信者の場所を知ることができます。
構文
Set-CsLisPort -ChassisID <String> -PortID <String> [-City <String>] [-CompanyName <String>] [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-Country <String>] [-Description <String>] [-HouseNumber <String>] [-HouseNumberSuffix <String>] [-Location <String>] [-PortIDSubType <InterfaceAlias | InterfaceName | LocallyAssigned>] [-PostalCode <String>] [-PostDirectional <String>] [-PreDirectional <String>] [-State <String>] [-StreetName <String>] [-StreetSuffix <String>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]
Set-CsLisPort -ChassisID <String> -PortID <String> [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-Description <String>] [-PortIDSubType <InterfaceAlias | InterfaceName | LocallyAssigned>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]
Set-CsLisPort -City <String> -CompanyName <String> -Country <String> -HouseNumber <String> -HouseNumberSuffix <String> -Location <String> -PostalCode <String> -PostDirectional <String> -PreDirectional <String> -State <String> -StreetName <String> -StreetSuffix <String> [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]
解説
Enhanced 9-1-1 は、発信者に情報の問い合わせをしなくても、緊急オペレーターが発信者の位置を識別できるようにします。発信者がボイス オーバー IP (VoIP) 接続から発信している場合は、接続に関するさまざまな要素に基づいて、情報を抽出する必要があります。VoIP 管理者は、発信者の位置を特定する場所のマップ (ワイヤマップと呼ばれる) を構成する必要があります。管理者はこのコマンドレットを使用して、クライアントの接続先のポートに物理的な場所をマップすることができます。
ChassisID、PortID、および PortIDSubType を組み合わせると、一意のポートの場所となります。このコマンドレットに既存の ChassisID/PortID/PortIDSubType のキーの組み合わせを入力すると、入力した場所のパラメーターに基づき、そのポートの場所が更新されます。入力したキーの組み合わせが存在しない場合は、新しいポートの場所が作成されます。
ここで入力した (Null 値を含む) アドレス パラメーターと完全に一致する住所が場所のデータベースに存在しない場合は、このコマンドレットで入力したパラメーターに基づいて新しい住所が作成されます。(場所の一覧は Get-CsLisLocation コマンドレットを呼び出すことで取得できます)。Set-CsLisPort コマンドレットでは場所のパラメーターが不要であり、これが要求されることはありません。ポート エントリを場所と関連付けずに作成できます。また、このコマンドレットを使用して無効な場所を作成することもできます。有効な場所は、少なくとも Location、HouseNumber、StreetName、City、State、および Country によって構成されています。これらのパラメーターを入力しないと、参照ポートで受信する呼び出しに、緊急オペレーターが必要とする情報が含まれない可能性があります (これは、ポート設定の代わりに使用できるスイッチ、サブネット、またはワイヤレス アクセス ポイントの有効な設定が利用できるかどうかによって変わります)。場所のパラメーターには、できるだけ具体的に多くの情報を入力することをお勧めします。
このコマンドレットで必要なパラメーターの 1 つは ChassisID です。ChassisID は、ポートのネットワーク スイッチのメディア アクセス制御 (MAC) アドレスです。このスイッチが場所のデータベースに存在しない場合は、このコマンドレットでスイッチが作成されます。Get-CsLisSwitch コマンドレットを呼び出して、既存のスイッチを取得することができます。新しいスイッチのエントリが作成されても、このスイッチが Set-CsLisPort コマンドレットで入力した場所の情報と自動的に関連付けられるわけではありません。Set-CsLisSwitch コマンドレットを使用してスイッチの場所を設定する必要があります。
このコマンドレットを実行できるユーザー: 既定では、Set-CsLisPort コマンドレットをローカルで実行する権限があるのは、RTCUniversalServerAdmins グループのメンバーです。このコマンドレットが割り当てられているすべての役割ベースのアクセス制御 (RBAC) の役割の一覧 (自身が作成したカスタムの RBAC の役割を含む) を戻すには、Windows PowerShell プロンプトから次のコマンドを実行します。
Get-CsAdminRole | Where-Object {$_.Cmdlets –match "Set-CsLisPort"}
パラメーター
| パラメーター | 必須かどうか | 型 | 説明 |
|---|---|---|---|
ChassisID |
必須 |
文字列 |
ポートのスイッチの MAC アドレスです。この値は、(12-34-56-78-90-ab のような) nn-nn-nn-nn-nn-nn の形式であるか、IP アドレスである必要があります。ChassisID、PortID、および PortIDSubType の組み合わせが一意である場合は、新しいポートの場所が作成されます。この組み合わせが一意でない場合は、キーの組み合わせによるポートの場所が、コマンドで入力するパラメーター値によって更新されます。 |
City |
必須 |
文字列 |
このポートの市区町村の場所です。 最大長: 64 文字 |
CompanyName |
必須 |
文字列 |
この場所にある会社の名前。 最大長: 60 文字 |
Country |
必須 |
文字列 |
このポートが存在する国/地域です。 最大長: 2 文字 |
Description |
省略可能 |
文字列 |
このポートの場所の詳細説明です。 |
HouseNumber |
必須 |
文字列 |
ポートの場所の番地です。会社の場合、会社の所在地の番地です。 最大長: 10 文字 |
HouseNumberSuffix |
必須 |
文字列 |
1/2 または A などの、番地の追加情報です。たとえば、1234 1/2 オーク通りまたは 1234 A エルム通りなどです。 注: 集合住宅や事務所の続き部屋を指定するには、Location パラメーターを使用する必要があります。たとえば、-Location "Suite 100/Office 150" です。 最大長: 5 文字 |
Location |
必須 |
文字列 |
この場所の名前。通常、この値は事務所番号などの正式な住所よりもさらに詳細な場所の名前ですが、任意の文字列値をとることができます。 最大長: 20 文字 |
PortID |
必須 |
文字列 |
この場所に関連付けられているポートの ID です。 |
PortIDSubType |
省略可能 |
PortIDSubType |
ポートのサブタイプです。この値は数値または文字列で入力できますが、有効なサブタイプである必要があります。有効なサブタイプは次のとおりです。 1: InterfaceAlias 5: InterfaceName 7: LocallyAssigned 既定値は次のとおりです。7 (LocallyAssigned) |
PostalCode |
必須 |
文字列 |
この場所に関連付けられた郵便番号。 最大長: 10 文字 |
PostDirectional |
必須 |
文字列 |
通りの名前の方向を示すもの。たとえば、Main Street NE の場合は NE、7th Avenue NW の場合は NW です。 最大長: 2 文字 |
PreDirectional |
必須 |
文字列 |
通りの名前の直前に配置される、通りの名前の方向を示すもの。たとえば、NE Main Street の場合は NE、NW 7th Avenue の場合は NW です。 最大長: 2 文字 |
State |
必須 |
文字列 |
この場所に関連付けられた都道府県。 最大長: 2 文字 |
StreetName |
必須 |
文字列 |
この場所の通りの名前。 最大長: 60 文字 |
StreetSuffix |
必須 |
文字列 |
通りの名前に指定されている通りの種類 (ストリート、アベニュー、コートなど)。 最大長: 10 文字 |
WhatIf |
省略可能 |
SwitchParameter |
実際にコマンドを実行せずに、コマンドの実行結果がわかります。 |
Confirm |
省略可能 |
SwitchParameter |
コマンドの実行前に確認メッセージを表示します。 |
入力の種類
LIS ポート オブジェクトのパイプ処理による入力を受け入れます。
戻り値の種類
このコマンドレットは System.Management.Automation.PSCustomObject の型のオブジェクトを作成または変更します。
例
-------------------------- 例 1 --------------------------
Set-CsLisPort -ChassisID 99-99-99-99-99-99 -PortID 4200 -PortIDSubType 1
例 1 では、LIS ポートの場所のエントリを作成または更新します。この例のコマンドには、ChassisID、PortID、および PortIDSubtype という 3 つのパラメーターが含まれます。ChassisID の値は MAC アドレス 99-99-99-99-99-99、PortID の値は 4200、PortIDSubType の値は 1 です。(PortIDSubType の 1 の値は InterfaceAlias の値に変換されます。このパラメーターと値は、次のようにも指定できます: -PortIDSubType InterfaceAlias)。上記の 3 つのパラメーターは、ポートの場所の一意のインスタンスを作成する際に必要です。
この例では住所情報を指定していません。住所と関連付けずに場所情報サーバーにポート エントリを作成することは可能です。ただし、(定義されているサブネットやスイッチの場所によっては) このポート経由でルーティングされる緊急電話に、緊急オペレーターが場所を識別するための情報が十分に含まれない可能性があります。
重要: このキーの組み合わせを使用した LIS ポートの場所が既に存在する場合は、このコマンドの値と置き換えられます。つまり、このコマンドには場所の情報が含まれないため、このポートが住所 (物理的な場所) と関連付けられていた場合はこの関連付けが存在しなくなります。場所は引き続き場所のデータベースに存在しますが、このポートとは関連付けられなくなります。
-------------------------- 例 2 --------------------------
Set-CsLisPort -ChassisID 99-99-99-99-99-99 -PortID 4200 -PortIdSubType 1 -Location "30/1000" -HouseNumber 1234 -PreDirectional NE -StreetName First -StreetSuffix Avenue -City Redmond -State WA -Country US -PostalCode 99999
例 2 では、例 1 で作成したポートに住所情報を追加して更新します。住所が場所のデータベースに存在しない場合は、このコマンドレットによってその場所が作成されます。
-------------------------- 例 3 --------------------------
$a = Get-CsLisPort | Where-Object {$_.ChassisID -eq "99-99-99-99-99-88"}
$a | Set-CsLisPort -Location "30/1000" -HouseNumber 1234 -StreetName First -StreetSuffix Avenue -City Redmond -State WA -Country US -PostalCode 99999
この例では、99-99-99-99-99-88 という MAC アドレス (ChassisID) を持つポートに定義されている場所をすべて更新します。この例の最初の行では、まず Get-CsLisPort を呼び出し、LIS サービスで定義されているすべてのポートを取得します。ポートのコレクションを Where-Object コマンドレットにパイプ処理します。この結果、ChassisID が 99-99-99-99-99-88 と等しい (-eq) コレクション内の項目がすべて検索されます。この 99-99-99-99-99-88 という ChassisID を持つポートのコレクションを、変数 $a に割り当てます。
この例の 2 行目で、変数 $a (ChassisID が 99-99-99-99-99-88 である LIS ポートのコレクション) の内容を Set-CsLisPort コマンドレットにパイプ処理します。このコマンドレットでは、コレクション内の各項目を取得し、これを指定したパラメーター (Location、HouseNumber、StreetName、StreetSuffix、City、State、Country、および PostalCode) の値を使用して更新します。