初期計画の決定
トピックの最終更新日: 2010-12-09
計画プロセスの最初は、組織で必要な Microsoft Lync Server 2010 のワークロードと主要な機能を決定することです。
物理的なトポロジまたは仮想化トポロジが必要かどうかを決定します。 Microsoft Lync Server 2010 は、物理的なトポロジと仮想化トポロジの両方において、すべてのワークロードとサーバーの役割をサポートします。仮想化トポロジのユーザー処理能力は、物理的なトポロジの処理能力のおよそ 50 パーセントです。詳細については、「計画」のドキュメントの「仮想化環境での実行」を参照してください。
インスタント メッセージング (IM) とプレゼンスは常に有効です。 すべての Lync Server 展開において、インスタント メッセージング (IM) とプレゼンス ワークロードは既定でインストールされ、有効になっています。ユーザーは、IM によってリアルタイム テキスト メッセージと通信することができ、プレゼンスによってネットワーク上の他のユーザーの状態を確認することができます。ユーザーのプレゼンス状態により他のユーザーは、そのユーザーに連絡できるかどうかと、連絡するための方法を知ることができます。詳細については、「計画」のドキュメントの「IM とプレゼンスの計画」を参照してください。
電話会議のいずれかのモードを展開するかどうか決定します。 電話会議は、Lync Server のもう一つの中核機能です。いくつかのモードの電話会議がサポートされています。サポートされているすべての種類の電話会議を展開するか、それらの一部だけを展開できます。Web 会議により、ユーザーは、Microsoft PowerPoint プレゼンテーション グラフィック プログラムによって作成されたスライドなど、表示されているファイルを見ることができます。アプリケーション共有により、ユーザーは、デスクトップのすべてまたは一部をお互いにリアルタイムで共有できます。音声ビデオ会議により、ユーザーは、電話会議とピアツーピア通信に音声 (とおそらくビデオ) を追加できます。ダイヤルイン電話会議により、ユーザーは、標準の PSTN 電話を使用して、組織で開催されている電話会議の音声部分に参加できます。詳細については、「計画」のドキュメントの「会議の計画」を参照してください。
音声ビデオ会議を展開する場合は、電話会議の音声品質も監視する必要があります。 Lync Server の音声ビデオ会議の音声およびビデオの品質には、多くの要因が影響します。監視サーバー役割が提供する音声ビデオ品質監視機能を使用すれば、メディア品質に影響する問題点を検出し、ユーザーに最善のメディア環境を提供することができます。
IM、プレゼンス、および電話会議サーバーに高可用性を持たせるかどうかを決定します。 IM、プレゼンス、および電話会議の各機能を提供するサーバーがサイトに 1 台しかない場合には、サーバーが停止するとユーザーの生産性に大きな影響を与えます。これらの機能を提供する複数サーバーのプールを展開することにより、1 台のサーバーが使用不能になっても、それらのすべての機能を維持しつつ Lync Server が稼働し続けるようにすることが可能です。また、サイトのユーザーが 12,500 人を超える場合は、この大きな数のユーザーにサービスを提供するプールを展開する必要があります。このプールは高可用性も備えています。
エンタープライズ VoIP を展開するかどうかを決定します。 エンタープライズ VoIP は、Lync Server が提供するボイス オーバー IP (VoIP) ソリューションです。これは、従来の PBX ベースのテレフォニーに代わる優れた機能です。エンタープライズ VoIP により、ユーザーは、Outlook または Microsoft Lync 2010 の連絡先をクリックして、自分のコンピューターや VoIP 電話から通話を発信できます。通話は、IP ネットワークを介して、コンピューターからコンピューターへ、コンピューターから電話へ、または電話からコンピューターへ発信することができます。ユーザーは、各自のコンピューターに統合されたすべての通信オプション (音声、電子メール、IM、および電話会議) を便利に使用できます。詳細については、「計画」のドキュメントの「エンタープライズ VoIP の計画」を参照してください。
エンタープライズ VoIP を展開する場合は、通話の音声品質も監視する必要があります。 エンタープライズ VoIP を展開する場合は、監視サーバーを使用してエンタープライズ VoIP 通話の音声品質を確保するようお勧めします。
Exchange UM を展開するかどうかを決定します。 組織で電子メール サービスを提供するために Microsoft Exchange Server を使用する場合は、Microsoft Exchange と Lync Server 両方の Exchange ユニファイド メッセージング (UM) 機能を展開して、ユーザーの通信能力を強化できます。Exchange UM の機能には、ユーザーが音声メール通知を受け取り、Outlook または Outlook Web Access からの音声メールをリッスンする機能、電話を使用して自分の Microsoft Exchange メールボックスにアクセスする機能、および自分の Microsoft Exchange メールボックスにある FAX を受信する機能などがあります。
コンプライアンスの目的で IM コンテンツやミーティング コンテンツをアーカイブするかどうかを決定します。 組織がコンプライアンス目的で IM コンテンツやミーティング コンテンツをアーカイブする必要がある場合は、アーカイブ サーバーを展開できます。
ユーザーが外部ユーザーと通信およびコラボレーションできるようにするかどうかを決定します。 外部ユーザーとの通信およびコラボレーションを有効にすることにより、Lync Server への投資に対する収益率を増やすことができます。これにより組織のユーザーは、組織のファイアウォールの外側で作業をしている場合でも、Lync Server の機能を利用することができます。また、Lync Server を実行しているパートナー組織または顧客組織とフェデレーションを行うことができます。これにより、組織のユーザーとフェデレーション パートナーのユーザーは、IM メッセージの送受信、ミーティングへの相互の招待、および相互のプレゼンスの確認を容易に行うことができます。さらに、組織のユーザーは、自分が組織する電話会議に電子メール メッセージで特定の外部ユーザーを招待できます。
組織に支店があれば指定します。 組織に支店がある場合のために、Lync Server 2010 にはそれらの支店をサポートするためのさまざまな方法が用意されており、音声その他の機能の復元性を確保できます。特に、データ センターへの復元力のある WAN リンクが構成されていない支店では、存続可能ブランチ アプライアンスまたは存続可能ブランチ サーバーをインストールして、ワイド エリア ネットワーク (WAN) リンクが停止したときでもエンタープライズ VoIP のサポートを保持することができます。詳細については、「計画」のドキュメントの「中央サイトとブランチ オフィスにおける音声の復元力の強化」を参照してください。