Get-CsClientVersionPolicy
トピックの最終更新日: 2012-03-23
Lync Server 環境でどのクライアント (Microsoft Office Communicator 2007 R2 など) がサポートされているかに関する情報を戻します。クライアント バージョン ポリシーを使用すると、Lync Server システムにログオンできるクライアント (Office Communicator 2007 R2 など) を指定できます。UNRESOLVED_TOKEN_VAL(ps-intro-in-LS2010)
構文
Get-CsClientVersionPolicy [-Identity <XdsIdentity>] <COMMON PARAMETERS>
Get-CsClientVersionPolicy [-Filter <String>] <COMMON PARAMETERS>
COMMON PARAMETERS: [-LocalStore <SwitchParameter>] [-Tenant <Guid>]
例
例 1
最初の例では、追加パラメーターを指定せずに Get-CsClientVersionPolicy コマンドレットを呼び出しています。この結果、Get-CsClientVersionPolicy コマンドレットにより、組織用に構成されているすべてのクライアント バージョン ポリシーのコレクションが戻されます。
Get-CsClientVersionPolicy
例 2
例 2 では、Get-CsClientVersionPolicy コマンドレットにより、site:Redmond という ID を持つすべてのクライアント バージョン ポリシーが返されます。ID は一意でなければならないため、このコマンドが複数の項目を返すことは決してありません。
Get-CsClientVersionPolicy -Identity site:Redmond
例 3
例 3 では、サイト スコープで既に構成されたすべてのクライアント バージョン ポリシーが戻されます。これを実行するには、Filter パラメーターとフィルター値 "site:*" を含めます。これらは Get-CsClientVersionPolicy コマンドレットに、Identity が "site:" という文字列値で始まるポリシーのみを戻すように指示します。
Get-CsClientVersionPolicy -Filter site:*
例 4
例 4 のコマンドでは、各クライアント バージョン ポリシーを形成するために構成された個別のルールに関する詳細情報を表示します。これを実行するには、最初に Get-CsClientVersionPolicy コマンドレットを使用して、組織用に構成されているすべてのクライアント バージョン ポリシーのコレクションを戻します。次に、このコレクションが Select-Object コマンドレットにパイプ処理されます。このコマンドレットでは ExpandProperty フィルターを使用し、Rules プロパティに関するプロパティ値を展開します。このプロパティを展開すると、各ルールに関する詳細情報 (ビルド番号、メジャー バージョン、マイナー バージョンのようなプロパティ値を含む) が画面に表示されます。
Get-CsClientVersionPolicy | Select-Object -ExpandProperty Rules
解説
クライアント バージョン ポリシーは、クライアント バージョン ルールのコレクションを表します。また、クライアント バージョン ルールは、Lync Server にログオンできるクライアント アプリケーションを決定するために使用されます。ユーザーが Lync Server へのログオンを試みると、そのユーザーのクライアント アプリケーションがサーバーに SIP ヘッダーを送信します。このヘッダーには、ソフトウェアのメジャー バージョン、マイナー バージョン、ビルド番号など、アプリケーション自体に関する詳細な情報が含まれています。次に、SIP ヘッダーに含まれるバージョン情報がクライアント バージョン ルールのコレクションに照らしてチェックされて、その特定のアプリケーションに適用されるルールの有無が確認されます。そのようなルールが存在する場合、Lync Server はそのルールによって指定された処理を実行します。たとえば、こうしたルールでは、ログオンを許可したり禁止したりすること、またはログオンを許可した後にクライアント アプリケーションを通知なしに最新バージョンにアップグレード (Communicator 2007 R2 から Lync へのアップグレードなど) することを Lync Server に指示できます。
クライアント バージョン ポリシーは、グローバル スコープ、サイト スコープ、サービス スコープ (レジストラー サービスのみ)、またはユーザーごとのスコープで適用できます。このポリシーにより、システムへのアクセスに使用できるクライアント アプリケーションを決定する際の柔軟性が得られます。たとえば、ユーザーが Lync Server にログオンする際に、Lync 15 と同等の機能をサポートしていないという理由で Communicator 2007 R2 を使用できないようにする場合があります。ただし、ハードウェアまたはソフトウェアの競合により、Lync にアップグレードできないユーザーのグループが存在する場合もあります。その場合は、そうしたユーザーによる Communicator 2007 R2 からのログオンを許可する個別のルール、および個別のクライアント バージョン ポリシーを作成できます。
Get-CsClientVersionPolicy コマンドレットは、組織で現在使用されているすべてのクライアント バージョン ポリシーを取得する方法、およびそれらの各ポリシーを形成している個別のルールを表示する方法を提供します。
クライアント バージョン ポリシーがフェデレーション ユーザーに適用されないことに注意してください。代わりに、フェデレーション ユーザーは、自分自身の組織で使用されているクライアント バージョン ポリシーにバインド (拘束) されます。たとえば、フェデレーション ユーザーが、フェデレーション組織で許可されてるクライアントであるクライアント A を使用しているとします。フェデレーション組織がクライアント A の使用を許可している限り、このユーザーはそのクライアントを使用して、お客様の組織と通信することができます。ユーザー側のクライアント バージョン ポリシーでクライアント A の使用を禁止している場合でも、このことは成立します。ユーザーの組織で強制的に適用されているクライアント バージョン ポリシーは、フェデレーション組織で使用されているクライアント バージョン ポリシーを上書きしません。
このコマンドレットを実行できるメンバー。既定では、次のグループのメンバーは Get-CsClientVersionPolicy コマンドレットのローカル実行を承認されています。RTCUniversalUserAdmins、RTCUniversalServerAdmins。このコマンドレットが割り当てられているすべての役割ベースのアクセス制御 (RBAC) の役割の一覧 (自身が作成したカスタムの RBAC の役割を含む) を戻すには、Windows PowerShell プロンプトから次のコマンドを実行します。
Get-CsAdminRole | Where-Object {$_.Cmdlets -match "Get-CsClientVersionPolicy\b"}
パラメーター
| パラメーター | 必須かどうか | 型 | 説明 |
|---|---|---|---|
Filter |
省略可能 |
System.String |
取得しようとするポリシーを指定するときに、ワイルドカードを使用できるようにします。たとえば、次の構文を使用すると、サイト スコープで既に構成されたすべてのポリシーが戻されます。-Filter "site:*"。次の構文を使用すると、ユーザーごとのスコープで既に構成されたすべてのポリシーが戻されます。-Filter "tag:*"。 Filter パラメーターと Identity パラメーターの両方を同じコマンドで使用することはできません。 |
Identity |
省略可能 |
Microsoft.Rtc.Management.Xds.XdsIdentity |
戻そうとするポリシーに関する一意の識別子です。グローバル ポリシーを戻すには、次の構文を使用します。-Identity global。サイト スコープで構成されたポリシーを戻すには、次のような構文を使用します。-Identity "site:Redmond"。サービス スコープで構成されているポリシーを戻すには、次のような構文を使用します。-Identity "Registrar:atl-cs-001.litwareinc.com" です。レジストラー サービスは、クライアント バージョン ポリシーをホストできる唯一のサービスです。 ポリシーは、ユーザーごとのスコープで構成することもできます。これらのポリシーのいずれかを戻すには、次のような構文を使用します。-Identity "SalesDepartmentPolicy"。 このパラメーターを指定しない場合は、組織用に構成されているクライアント バージョン ポリシーが戻されます。 |
LocalStore |
省略可能 |
System.Management.Automation.SwitchParameter |
中央管理ストア 自体からではなく、中央管理ストア のローカル レプリカからクライアント バージョンのポリシー データを取得します。 |
Tenant |
省略可能 |
System.Guid |
クライアント バージョン ポリシーが返される Office 365 テナント アカウントのグローバル一意識別子 (GUID) です。次に例を示します。 -Tenant "38aad667-af54-4397-aaa7-e94c79ec2308" 次のコマンドを実行することにより、テナントの各々についてテナント ID を返すことができます。 Get-CsTenant | Select-Object DisplayName, TenantID Windows PowerShell のリモート セッションを使用していて、Lync Online 15 のみに接続している場合、Tenant パラメーターを含める必要はありません。代わりに、接続情報に基づいてテナント ID が自動的に入力されます。Tenant パラメーターはハイブリッド展開で主に使用されます。 |
入力の種類
なし。Get-CsClientVersionPolicy コマンドレットはパイプライン入力を受け付けません。
戻り値の種類
Get-CsClientVersionPolicy コマンドレットを実行すると、Microsoft.Rtc.Management.WritableConfig.Policy.ClientVersion.ClientVersion ポリシー オブジェクトのインスタンスが戻されます。