共通領域電話の構成
トピックの最終更新日: 2012-06-21
共通領域電話を展開する前に、呼制御の動作を構成できます。たとえば、会議室の共通領域電話からの通話の転送は許可し、ロビーの共通領域電話からの通話の転送は許可しないなどです。また、共通領域電話を設定して、社外への通話や侵害されたアカウントの使用を禁止したり、ホットデスク機能の電話として使用することもできます。ホットデスク機能の電話は、ユーザーが各自のユーザー アカウントにログオンすることができる電話で、ログオン後は Lync Server の機能や各ユーザーのプロファイル設定が使用できます。
呼制御の動作を構成するには、次のステップを実行します。
各共通領域電話に対して、新しい連絡先オブジェクトを作成します。Active Directory ドメイン サービス (AD DS) のオブジェクトが既に存在する場合、このオブジェクトで SIP が有効になっていないことを確認してください。このオブジェクトの SIP が有効になっている場合は、Lync Server 管理シェル コマンドレットの Disable-csUser を使用して Lync Server の属性を削除し、その後に New-csCommonAreaPhone コマンドレットを使用します。New-csCommonAreaPhone の詳細については、この後のステップ 1. を参照してください。
共通領域電話のすべての利用シナリオに対して、必要なポリシーを作成します。共通領域電話について作成する、最も関連性の高い 3 つのポリシーについては、この後のステップ 2 を参照してください。 (組織によっては、他のポリシーの方が関連性が高い場合があります)。
重要: |
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これらのステップを実行する前に、すべての必要なコンポーネントが存在し、システム要件とインフラストラクチャ要件を満たしていることを確認してください。詳細については、「計画」のドキュメントの「デバイスに必要な Lync Server コンポーネント」と「デバイスのシステムおよびインフラストラクチャの要件」を参照してください。 |
ステップ 1: 新しい連絡先オブジェクトの作成および構成
共通領域電話の新しいインスタンスを作成するには、New-CsCommonAreaPhone コマンドレットを使用します。たとえば、以下を実行します。
New-CsCommonAreaPhone -LineUri "tel:+14255551212" -RegistrarPool "ocs-w14-se.ocspm-topo.net" -OU "OU=PM Users,DC=ocspm-topo,DC=net" -Description "Room number 30-1000" -DisplayName "Building 30 Lobby" -DisplayNumber "1 (425) 555-0112"
注: |
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パラメーター DisplayNumber の電話番号形式が正規化された番号でなければ、共通領域電話の画面に表示されます。たとえば、正規化ルールがないなどにより、電話番号形式を正規化できない場合、共通領域電話の画面には lineURI 形式の番号が代わりに表示されます。 |
このコマンドレットは、AD DS で、特定の電話用に新しい連絡先オブジェクトを作成します。ユーザー アカウントと同様、この連絡先オブジェクトはポリシーとボイス計画に割り当てることができます。これにより、共通領域電話が個々のユーザーに関連付けられていない場合でも、これらの電話に対する管理機能を保持することができます。
共通領域電話の連絡先オブジェクト作成についての詳細は、Lync Server 管理シェルで次のように実行してください。
Get-Help New-CsCommonAreaPhone -Full | more
多数の共通領域電話を展開する場合は、Windows PowerShell コマンドライン インターフェイス スクリプトを記述して、表を使用したバッチ処理入力で同時に複数の新しいオブジェクトを作成できます。その際は、電話番号、場所、音声ポリシー、クライアント ポリシー、その他適用するポリシーおよびオブジェクトの設定のエントリを含めます。
注: |
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Lync Server 管理シェルおよび個々のコマンドレットの詳細については、「操作」のドキュメントの「Lync Server 管理シェル」を参照してください。 共通領域電話の監視とトラブルシューティングの詳細については、「操作」のドキュメントの「デバイスの管理とトラブルシューティング」を参照してください。 |
ステップ 2: (オプション) 必要なポリシーの作成
共通領域電話用の特定のポリシー作成は省略可能です。共通領域電話用の新しいポリシーを作成しない場合、電話は連絡先オブジェクトの所属サイトで定義されているポリシーを自動的に使用します。サイト ポリシーが存在しない場合は、グローバル ポリシーが使用されます。ただし、共通領域電話に対して固有の要件が組織にある場合は、このセクションで説明されている Lync Server 管理シェル コマンドレットを使用して、作成対象の共通領域電話のアカウントに適用されるクライアント、音声、および会議ポリシー (共通領域電話に最も関連性のある 3 つのポリシー) を作成します。使用シナリオごとにポリシーを作成します。たとえば、すべてのロビーの電話用にロビー特定のポリシーを作成して、役員のミーティング ルームの電話用には通常のミーティング ルームの電話より制限の緩いポリシーを作成できます。
新しいポリシーを作成するか、既存のユーザー単位のポリシーを使用する場合は、ポリシーの適用先の連絡先オブジェクト (電話) にそのポリシーを付与する必要があります。これを行うには、ポリシーの Grant コマンドレットを使用します。たとえば、ステップ 1 で作成した電話に対して、前に作成したクライアント ポリシーを付与するには、次のコマンドを実行します。
Grant-CsClientPolicy -Identity "Building 30 Lobby" -PolicyName ADClientPolicy
注: |
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クライアント ポリシーの付与の詳細については、Lync Server 管理シェルから Get-Help Grant-CsClientPolicy -Full | more を実行してください。その他のポリシーの詳細については、「操作」のドキュメントの「Lync Server 管理シェル」を参照してください。 |
クライアント ポリシー
新しいクライアント ポリシーを作成するには、New-CSClientPolicy コマンドレットを使用します。たとえば、ホットデスク機能の電話として使用されている共通領域電話のポリシーを作成するには、次のようなコマンドを実行します。
New-CsClientPolicy -Identity HotDeskPhonesPolicy -EnableHotdesking $True -HotdeskingTimeout 00:30:00
この例では、HotDeskPhonesPolicy という ID を持つ新しいクライアント ポリシーが作成されます。EnableHotdesking パラメーターは True ($True) に設定されているので、ユーザーは各自の Lync Server のアカウントを使用して共通領域電話にログオンできます。また、HotdeskingTimeout パラメーターは 00:30:00 に設定されているので、非アクティブになってから 30 分を経過すると、ユーザーはログオフされます。
注: |
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HotdeskingTimeout に設定できる最小値は 30 秒で、既定値は 5 分です。 共通領域電話に最も関連性があるクライアント ポリシーのその他のプロパティとしては、ShowRecentContact、DisableFreeBusyInfo、および AddressBookAvailability などがあります。 |
音声ポリシー
新しい音声ポリシーを作成するには、New-CsVoicePolicy コマンドレットを使用します。たとえば、以下を実行します。
New-CsVoicePolicy -Identity CAPvoicepolicy -PstnUsages @{add="Internal","Local"} -AllowSimulRing $False -AllowCallForwarding $False -Name CAPvoicepolicy -EnableDelegation $False -EnableTeamCall $FALSE -EnableCallTransfer $False
この例では、CAPvoicepolicy という ID を持つ新しい音声ポリシーが作成されます。この新しいポリシーは、共通領域電話に適用される可能性が高い、複数のプロパティを設定します。同時呼び出しをオフ (AllowSimulRing $False) にするので、このポリシーが適用される電話へ通話があると、携帯電話など別の電話の同時呼び出しは実行されません。また、着信の転送 (AllowCallForwarding $False)、代理呼び出し (EnableDelegation $False)、通話を転送する機能 (EnableCallTransfer $False)、およびこの電話の呼び出しに応じて同時に呼び出すユーザーの電話を設定する機能 (EnableTeamCall $False) をオフにします。
注: |
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上記の例に示したとおり、次の音声ポリシーを共通領域電話に設定することをお勧めします。 AllowCallForwarding : False EnableDelegation : False EnableTeamCall : False EnableCallTransfer : False 使用可能なすべての音声ポリシーのプロパティおよびその説明の一覧を参照するには、Lync Server 管理シェルで Get-Help New-CsVoicePolicy –Full を実行してください。 |
会議ポリシー
新しい会議ポリシーを作成するには、New-CsConferencingPolicy コマンドレットを使用します。たとえば、以下を実行します。
New-CsConferencingPolicy -Identity CAPconferencingpolicy -AllowIPAudio $false -AllowIPVideo $False -EnableFileTransfer $False -EnableP2PFileTransfer $False -EnableDataCollaboration $False
これは会議ポリシーの例で、共通領域電話に適用できる設定が含まれています。この例では、CAPconferencingpolicy という ID を持つ会議ポリシーが作成されます。この新しいポリシーは、次の機能を無効にします。
会議で音声を使用する機能 (AllowIPAudio $False)
会議の中でファイルを転送する機能 (EnableFileTransfer $False)
会議中のピアツーピアのファイル転送 (EnableP2PFileTransfer)
注: |
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共通領域電話には、通常、次の会議ポリシーが設定されていますが、この設定や他の設定は組織のニーズに応じて変更できます。たとえば、電話がロビーにある場合は、音声ビデオ会議を禁止 (AllowIPAudio と AllowIPVideo を False に設定) して、電話が会議室にある場合は、音声ビデオ会議を許可 (True に設定) することができます。 AllowIPAudio : False AllowIPVideo : False EnableFileTransfer : False EnableP2PFileTransfer : False EnableDataCollaboration : False 使用可能なすべての音声ポリシーのプロパティおよびその説明の一覧を参照するには、Lync Server 管理シェルで Get-Help New-CsConferencingPolicy –Full | more を実行してください。 |
PIN ポリシー
Lync Server の暗証番号 (PIN) 認証を有効にして、適切な PIN ポリシーを設定する必要があります。これにより、共通領域電話の認証を自動化できます。
PIN ポリシーは、Lync Server コントロール パネルの [セキュリティ] グループの [PIN ポリシー] ページで設定します。また、[セキュリティ] グループの [Web サービス] ページで、PIN 認証がグローバル ポリシーで有効になっていることを確認できます。
注: |
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共通領域電話を構成したら、使用する場所に設置することでプロビジョニングを行い、後はサインインするだけです。ホットデスク機能の電話として使用する場合は、「認証の設定」で説明されているプロセスに従って電話のプロビジョニングを行う必要があります。 |