New-CsRegistrarConfiguration
トピックの最終更新日: 2012-03-25
レジストラー構成設定の新しいコレクションを作成します。レジストラーは、ログオン要求を認証し、ユーザーの状態や利用可能性に関する情報を保持するために使用されます。
構文
New-CsRegistrarConfiguration -Identity <XdsIdentity> [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-DefaultEndpointExpiration <Int32>] [-EnableDHCPServer <$true | $false>] [-Force <SwitchParameter>] [-InMemory <SwitchParameter>] [-MaxEndpointExpiration <Int32>] [-MaxEndpointsPerUser <UInt16>] [-MinEndpointExpiration <Int32>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]
解説
レジストラーは、おそらく Lync Server の中で最も重要なコンポーネントです。結局のところ、レジストラーがなければ、ユーザーはシステムにログオンできず、Lync Server はユーザーの追跡とユーザーの現在の状態の把握を行うことができないからです。Lync Server にユーザーがログオンすると、ユーザーがログオンしたエンドポイントは REGISTER 要求をレジストラーに送信します。サーバーは、クライアント デバイスに認証資格情報を要求して応答します。クライアントがチャレンジをパスすると (つまり、クライアントが有効な資格情報のセットを提出すると)、ユーザーは認証され、IP アドレス、ポート、およびユーザー名などのエンドポイント情報が登録データベースに記録されます。ユーザーがログオフすると、この情報はデータベースから削除されます。ログオンからログオフまでの間、レジストラーは最新の状態情報を保持し、ユーザー間でメッセージをルーティングできるようにします。
レジストラー構成設定を使用すると、エンドポイントとエンドポイント サブスクリプションを管理するのに役立ちます。これらの設定は、グローバル スコープ、サイト スコープ、またはサービス スコープで適用できます(サービス スコープ設定は、レジストラー サービスでのみ使用できます)。
New-CsRegistrarConfiguration コマンドレットを使用して、サイト スコープまたはサービス スコープのいずれかで新しいレジストラー構成設定を作成できます。特定のサイトまたはサービスが持つことのできる設定コレクションは 1 つだけです。そのため、既にレジストラー構成設定のコレクションをホストしているサイトまたはサービスに新しいコレクションを追加しようとすると、このコマンドは失敗します。グローバル スコープで新しい設定を作成しようとしても、このコマンドは失敗します。
このコマンドレットを実行できるユーザー:既定では、次のグループのメンバーが、New-CsRegistrarConfiguration コマンドレットのローカル実行を承認されています。RTCUniversalServerAdmins。このコマンドレットが割り当てられているすべての役割ベースのアクセス制御 (RBAC) の役割の一覧 (自身が作成したカスタムの RBAC の役割を含む) を戻すには、Windows PowerShell プロンプトから次のコマンドを実行します。
Get-CsAdminRole | Where-Object {$_.Cmdlets –match "New-CsRegistrarConfiguration"}
パラメーター
パラメーター | 必須かどうか | 型 | 説明 |
---|---|---|---|
Identity |
省略可能 |
Xds Identity |
作成するレジストラー構成設定の一意の識別子。サイト スコープで構成された設定を作成するには、次のような構文を使用します。-Identity site:Redmond。サービス レベルで設定を作成するには、次のような構文を使用します。-Identity service:Registrar:atl-cs-001.litwareinc.com。特定のサイトまたはサービスが持つことのできるレジストラー設定のコレクションは 1 つだけです。Redmond サイトが既にレジストラー設定のコレクションをホストしている場合に、site:Redmond という ID を持つ新しいコレクションを作成しようとすると、このコマンドは失敗します。 また、グローバル スコープで新しいレジストラー設定を作成することはできません。グローバル スコープで値を変更する場合は、Set-CsRegistrarConfiguration コマンドレットを使用します。 |
DefaultEndpointExpiration |
省略可能 |
整数 |
エンドポイントのログオン時に、有効期限のタイムアウトを要求するオプションがあります。これはエンドポイントがシステムへのログオン状態を保持することのできる時間を指定するもので、これを過ぎるとサーバーにコンタクトして延長を要求する必要があります。DefaultEndpointExpiration プロパティは、特定のタイムアウト値を要求しないクライアントの有効期限のタイムアウト間隔を表します。 DefaultEndpointExpiration は 300 (5 分) ~ 900 (15 分) の範囲の値にする必要があります。既定値は 600 (10 分) です。 |
EnableDHCPServer |
省略可能 |
ブール値 |
エンドポイントが DHCP サーバーを使用してレジストラーを探すことができるかどうかを示します。True の場合、クライアントは最初の起動時に DHCP Inform メッセージを送信します。DHCP サーバーは、ユーザーがログオンに使用できるレジストラーの完全修飾ドメイン名 (FQDN) を送信して応答します。 |
MaxEndpointExpiration |
省略可能 |
整数 |
エンドポイントのログオン時に、有効期限のタイムアウトを要求するオプションがあります。これはエンドポイントがシステムへのログオン状態を保持することのできる時間を指定するもので、これを過ぎるとサーバーにコンタクトして延長を要求する必要があります。MaxEndpointExpiration プロパティは、クライアントに付与できる最大時間を表します。たとえば、最大時間が 600 秒に設定され、クライアントが 800 秒のタイムアウト間隔を要求する場合、クライアントには次の最大有効期限が付与されます。600 秒です。 MaxEndpointExpiration は 300 (5 分) ~ 900 (15 分) の範囲の値にする必要があります。既定値は 900 です。 |
MinEndpointExpiration |
省略可能 |
整数 |
エンドポイントのログオン時に、有効期限のタイムアウトを要求するオプションがあります。これはエンドポイントがシステムへのログオン状態を保持することのできる時間を指定するもので、これを過ぎるとサーバーにコンタクトして延長を要求する必要があります。MinEndpointExpiration プロパティは、クライアントに付与できる最小時間を表します。たとえば、最小時間が 600 秒に設定され、クライアントが 200 秒のタイムアウト間隔を要求する場合、クライアントには次の最小有効期限が付与されます。600 秒です。 MinEndpointExpiration は 300 (5 分) ~ 900 (15 分) の範囲の値にする必要があります。既定値は 300 です。 |
MaxEndpointsPerUser |
省略可能 |
整数 |
1 ユーザーがシステムに同時に接続できるエンドポイントの最大数を表します(たとえば、コンピューターと携帯電話の両方を使用して Lync Server 2010 にログオンしているユーザーは、2 つのエンドポイントを使用することになります)。MaxEndpointsPerUser は 1 ~ 64 の範囲の値に設定する必要があります。既定値は 8 です。 |
Force |
省略可能 |
スイッチ パラメーター |
コマンド実行中に発生する可能性のある、致命的ではないすべてのエラー メッセージを表示しないようにします。 |
InMemory |
省略可能 |
スイッチ パラメーター |
永続的な変更としてオブジェクトをコミットせずに、オブジェクト参照を作成します。このパラメーターを指定して呼び出したコマンドレットの出力を変数に割り当てる場合、オブジェクト参照のプロパティを変更し、コマンドレットに対応する Set- コマンドレットを呼び出してそれらの変更をコミットできます。 |
WhatIf |
省略可能 |
スイッチ パラメーター |
実際にコマンドを実行せずに、コマンドの実行結果がわかります。 |
Confirm |
省略可能 |
スイッチ パラメーター |
コマンドの実行前に確認メッセージを表示します。 |
入力の種類
なし。New-CsRegistrarConfiguration は、パイプライン入力を受け入れません。
戻り値の種類
New-CsRegistrarConfiguration は、Microsoft.Rtc.Management.WritableConfig.Settings.Registrar.RegistrarSettings オブジェクトの新しいインスタンスを作成します。
例
-------------------------- 例 1 --------------------------
New-CsRegistrarConfiguration -Identity site:Redmond -MaxEndpointsPerUser 4 -EnableDHCPServer $True
上記のコマンドで、Redmond サイト (-Identity site:Redmond) のレジストラー構成設定の新しいコレクションを作成します。新しい設定の Identity の指定のほか、(-MaxEndpointsPerUser 4 で) 1 ユーザーあたりの最大エンドポイント数を 4 に設定し、(-EnableDHCPServer $True で) クライアントの登録に DHCP サーバーを使用できるように設定しています。Redmond サイトに既にレジストラー構成設定のコレクションが割り当てられている場合、このコマンドは失敗します。
-------------------------- 例 2 --------------------------
$x = New-CsRegistrarConfiguration -Identity site:Redmond -InMemory
$x.MaxEndpointsPerUser = 4
$x.EnableDHCPServer = $True
Set-CsRegistrarConfiguration -Instance $x
例 2 のコマンドでも、Redmond サイト (-Identity site:Redmond) のレジストラー構成設定の新しいコレクションを作成します。ただしこの例の場合、これらの設定は最初にメモリ内のみに作成され、後でサイト自体に適用されます。
このタスクを実行するため、最初のコマンドで New-CsRegistrarConfiguration を使用して、site:Redmond の設定の新しいコレクションを作成します。コマンドの末尾に InMemory パラメーターを追加して、これらの設定をメモリ内のみに作成し Redmond サイトにすぐに適用されないようにします。これらの設定はメモリ内のみに作成されるため、変数に格納する必要があります。この例では、$x という変数です。
コマンド 2 と 3 で、これらの新しい仮想設定の 2 つのプロパティ (MaxEndpointsPerUser および EnableDHCPServer) を変更します。次に、例の最後のコマンドで Set-CsRegistrarConfiguration を使用し、$x に格納されている仮想設定を Redmond サイトに適用する実際のレジストラー構成設定のセットに変換します。Set-CsRegistrarConfiguration を呼び出さない場合、Redmond サイトに新しい設定が作成されず、Windows PowerShell セッションを終了するか変数 $x を削除するとすぐに、仮想設定は削除されます。