テーブル モデル データベースへの接続 (SSAS)
テーブル モデルを構築し、Analysis Services テーブル モード サーバーに配置したら、クライアント アプリケーションからの使用を可能にするための権限を設定する必要があります。 このトピックでは、クライアント アプリケーションからデータベースに接続するための権限と方法について説明します。
注意
既定では、ファイアウォールを構成するまで、Analysis Services へのリモート接続は利用できません。 クライアント接続の名前付きインスタンスまたは既定のインスタンスを構成する場合は、適切なポートを開いていることを確認する必要があります。 詳細については、「 Configure the Windows Firewall to Allow Analysis Services Access」をご参照ください。
このトピックは、次のセクションで構成されています。
データベースに対するユーザー権限
テーブル データベースに接続するユーザーには、読み取りアクセスを指定するデータベース ロールのメンバーシップが必要です。
ロール (場合によってはロール メンバーシップ) は、SQL Server Data Tools (SSDT) でモデルを作成するとき、またはデプロイされたモデルの場合に、SQL Server Management Studioを使用して定義されます。 SQL Server Data Toolsでロール マネージャーを使用してロールを作成する方法の詳細については、「ロールの作成と管理 (SSAS 表形式)」を参照してください。 デプロイされたモデルのロールの作成と管理の詳細については、「 表形式モデル ロール (SSAS 表形式)」を参照してください。
注意事項
SQL Server Data Toolsでロール マネージャーを使用して定義されたロールを持つ表形式モデル プロジェクトを再デプロイすると、デプロイされた表形式モデルで定義されているロールが上書きされます。
サーバーに対する管理権限
Excel ブックまたは Reporting Services レポートをホストするために SharePoint を使用している組織では、SharePoint ユーザーがテーブル モデル データを利用できるようにする追加の構成が必要です。 SharePoint を使用していない場合は、このセクションを省略してください。
表形式のデータを含む Excel ブックまたは Power View レポートを表示するには、Excel ServicesまたはReporting Servicesの実行に使用するアカウントに Analysis Services インスタンスに対する管理者権限が必要です。 これらのサービスが Analysis Services インスタンスによって信頼されるようにするには、管理権限が必要です。
サーバーに対する管理アクセス権の付与
サーバーの全体管理で、[サービス アカウントの構成] ページを開きます。
Excel Services によって使用されるサービス アプリケーション プールを選択します。 サービス アプリケーション プール - SharePoint Web サービス システムまたはカスタム アプリケーション プールの場合があります。 Excel Services によって使用される管理アカウントがページに表示されます。
SharePoint モードの Reporting Services を含む SharePoint ファームでは、Reporting Services サービス アプリケーションのアカウント情報も取得します。
次の手順では、これらのアカウントを Analysis Services インスタンスのサーバー ロールに追加します。
SQL Server Management Studioで Analysis Services のインスタンスに接続し、サーバー インスタンスを右クリックして、[プロパティ] を選択します。 オブジェクト エクスプローラーで [ロール] を右クリックして、 [新しいロール]を選択します。
[Analysis Services のプロパティ] ページで、 [セキュリティ]をクリックします。
[追加]をクリックし、Excel Services によって使用されるアカウントを入力します。Reporting Services によって使用されるアカウントも続けて入力します。
Excel または SharePoint からの接続
Analysis Services データベースへのアクセスを提供するクライアント ライブラリを使用して、テーブル モード サーバー上で実行される model データベースに接続できます。 ライブラリには、Analysis Services OLE DB プロバイダー、ADOMD.NET、および AMO が含まれています。
Excel では、OLE DB プロバイダーを使用します。 SQL Server 2008 R2 の MSOLAP.4 (ファイル名msolap100.dll、バージョン 10.50.1600.1) または MSOLAP.5 (ファイル名msolap110.dll) のいずれかが、SQL Server 2012 バージョンの PowerPivot for Excel にインストールされている場合は、表形式データベースに接続するバージョンがあります。
Excel から model データベースに接続するには、次のいずれかのアプローチを使用します。
次のセクションで説明する手順を使用して、Excel 内からデータ接続を作成します。
Analysis Services テーブル モード サーバー上で実行されているデータベースへのリダイレクトを提供する BI セマンティック モデル接続 (.bism) ファイルを SharePoint で作成します。 BI セマンティック モデル接続ファイルにより、その接続で指定した model データベースを使用する Excel を起動する右クリック コマンドが提供されます。 Reporting Servicesがインストールされている場合は、Power View も起動します。 BI セマンティック モデル接続ファイルの作成および使用の詳細については、「 テーブル モデル データベースへの BI セマンティック モデル接続の作成」を参照してください。
データ ソースとしてテーブル データベースを参照する Reporting Services 共有データ ソースを作成します。 SharePoint で共有データ ソースを作成し、それを使用して Power View を起動できます。
Excel からの接続
Excel の [データ] タブの [外部データの取り込み]で、 [その他のデータ ソース]をクリックします。
[Analysis Services から]をクリックします。
[サーバー名]に、データベースをホストする Analysis Services インスタンスを指定します。 通常、サーバー名は、サーバー ソフトウェアを実行するコンピューターの名前です。 サーバーが名前付きインスタンスとしてインストールされている場合は、servername\<instancename>> という形式<で名前を指定する必要があります。
スタンドアロン テーブル配置用にサーバー インスタンスを構成する必要があります。そのサーバー インスタンスには、アクセスを許可する受信の規則が必要です。 詳細については、「 Analysis Services インスタンスのサーバー モードの決定 」および「 Analysis Services のアクセスを許可するための Windows ファイアウォールの構成」を参照してください。
データベースに対する読み取り権限がある場合は、ログオン資格情報について [Windows 認証を使用する] を選択します。 それ以外の場合は、 [以下のユーザー名とパスワードを使用する]を選択し、データベース権限を持つ Windows アカウントのユーザー名とパスワードを入力します。 [次へ] をクリックします。
データベースを選択します。 有効なデータベースを選択すると、データベースの単一の モデル キューブが表示されます。 [次へ] をクリックしてから、 [完了] をクリックします。
接続を確立した後は、データを使用して、ピボットテーブルやピボットグラフを作成できます。 詳細については、「 Excel で分析 (SSAS 表形式)」を参照してください。
SharePoint からの接続
PowerPivot for SharePoint を使用している場合は、Analysis Services テーブル モード サーバー上で実行されているデータベースへのリダイレクトを提供する BI セマンティック モデル接続ファイルを SharePoint で作成できます。 BI セマンティック モデル接続により、データベースへの HTTP エンドポイントが提供されます。 また、SharePoint サイト上のドキュメントを定期的に使用するナレッジ ワーカーが簡単にテーブル モデルにアクセスできるようになります。 ナレッジ ワーカーがテーブル モデル データベースにアクセスするために知っておく必要があるのは、BI セマンティック モデル接続ファイルの場所またはその URL だけです。 サーバーの場所やデータベース名に関する詳細は、BI セマンティック モデル接続にカプセル化されます。 BI セマンティック モデル接続ファイルの作成と使用の詳細については、「 PowerPivot BI セマンティック モデル接続 (.bism)」 および「 表形式モデル データベースへの BI セマンティック モデル接続の作成」を参照してください。
接続の問題のトラブルシューティング
このセクションでは、テーブル モデル データベースに接続する際に発生する問題の原因と解決手順について説明します。
データ接続ウィザードで、指定したデータ ソースからデータベースのリストを取得できません。
データをインポートする場合に、十分な権限がないのに、ウィザードを使用してリモートの Analysis Services サーバー上のテーブル モデル データベースに接続しようとすると、この Microsoft Excel エラーが発生します。 このエラーを解決するには、データベースに対するユーザー アクセス権が必要です。 データへのユーザー アクセスの許可については、このトピックの前半で説明している手順を参照してください。
外部データ ソースへの接続を確立しようとしましたが、エラーが発生しました。 次の接続を更新できませんでした: <モデル名> Sandbox
SharePoint では、モデル データを使用するピボットテーブルでデータのフィルター処理などのデータ操作を実行しようとすると、この Microsoft Excel エラーが発生します。 このエラーは、リモートの Analysis Services サーバーに対する十分な権限がないために発生します。 このエラーを解決するには、データベースに対するユーザー アクセス権が必要です。 データへのユーザー アクセスの許可については、このトピックの前半で説明している手順を参照してください。
この操作の実行中にエラーが発生しました。 ブックを再度読み込んで、この操作を再実行してください。
SharePoint では、モデル データを使用するピボットテーブルでデータのフィルター処理などのデータ操作を実行しようとすると、この Microsoft Excel エラーが発生します。 このエラーは、Excel Services が、モデル データが配置されている Analysis Services インスタンスによって信頼されていないために発生します。 このエラーを解決するには、Analysis Services インスタンスに対する Excel Services の管理権限を付与します。 管理権限の付与については、このトピックの前半で説明している手順を参照してください。 エラーが引き続き発生する場合は、Excel Services アプリケーション プールを再利用します。
ブックで使用されている外部データ ソースへの接続を確立しようとするとエラーが発生しました。
SharePoint では、モデル データを使用するピボットテーブルでデータのフィルター処理などのデータ操作を実行しようとすると、この Microsoft Excel エラーが発生します。 このエラーは、ユーザーがブックに対する十分な SharePoint 権限を持っていないために発生します。 ユーザーには、 読み取り 権限以上の権限が必要です。 データにアクセスするには、表示のみ 権限では不十分です。