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データベース アップグレード ツール (SQL Server Compact)

SQL Server Compact 3.5 データベース アップグレード ツールは、SQL Server 2000 Windows CE Edition 2.0 (SQL Server CE 2.0) データベースをアップグレードするためのコマンド プロンプト ユーティリティです。

注意

SQL Server Compact 3.5 のファイル形式は、以前のバージョンのファイル形式とは異なります。したがって、以前のバージョンで作成されたデータベースは、新しいファイル形式にアップグレードする必要があります。SQL Server Compact で SQL Server CE データベース ファイルを開こうとすると、System.Data.SqlServerCe.SqlCeException が発生して失敗します。

データベース アップグレード ツールの機能

SQL Server Compact データベース アップグレード ツール (Upgrade.exe) をスマート デバイス上で実行すると、新しい SQL Server Compact データベースが作成されます。.sdf というファイル名拡張子の付いた新しい SQL Server Compact データベースに、アップグレード前のデータベースに含まれていたすべてのデータが含まれます。 Upgrade.exe を使用するには、SQL Server Compact と SQL Server CE の両方のランタイムがモバイル デバイスにインストールされている必要があります。

SQL Server Compact の以前のバージョンで作成されたアップグレード元データベースも、デバイス上にそのまま保持されます。データベース アップグレード ツールを実行するときは、対象となるデバイスに、両方のデータベースを格納できる十分なメモリがあることを確認してください。さらに、データベース アップグレード ツールを使用するには、デバイス上に約 300 KB のメモリが必要です。

データベース アップグレード ツールでは、監視情報とサブスクリプション情報はアップグレードされません。アップグレードされるのは、アップグレード元データベースに含まれているデータのみです。

重要

接続手段としてレプリケーションまたはリモート データ アクセス (RDA) を使用していた場合は、データベースをアップグレードする前に、元の SQL Server Compact データベースと SQL Server データベースを同期しておく必要があります。接続データベースのアップグレードが必要となるのは、そのデータベースにあるすべてのローカル テーブルを維持する場合だけです。これは、いったんアップグレードすると、新しいデータベースからもう一度サブスクライブまたはプルする必要があるためです。

データベース アップグレード ツールの場所

データベース アップグレード ツールは、Visual Studio 2008 と共に SQL Server Compact 3.5 for Devices の MSI ファイル (SSCEDeviceRuntime-[lang].msi) の一部としてインストールされます。ファイルの既定の場所は、%ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v3.5\Devices\[platform]\[processor]\upgrade.exe です。

注意

SQL Server Compact 3.5 SP2 for Devices の MSI は、Visual Studio 2010 と共にはインストールされません。SQL Server Compact 3.5 SP2 for Devices は、Microsoft ダウンロード センターからのみ入手できます。

データベース アップグレード ツールの実行

データベース アップグレード ツールを実行するには、以下のソフトウェアをスマート デバイスにインストールする必要があります。

  • SQL Server CE (v. 2.0) および SQL Server Compact 3.5、3.5 SP1、3.5 SP2

  • SQL Server Compact OLE DB プロバイダー (SQL Server Compact をインストールすると既定でインストールされます)

データベース アップグレード ツールをアップグレード元データベースがあるスマート デバイスに配置すると、以下のタスクが実行されます。

  • コマンド プロンプトで指定されたアップグレード元データベース ファイル (拡張子 .sdf) を開きます。

  • 指定されたデータベースを開きます。デバイス上に SQL Server CE 2.0 OLE DB プロバイダ (ssce20.dll) が見つからなかった場合、データベース アップグレード ツールから、"SQL Server CE 1.1 以降のバージョンがインストールされている必要がある" という内容のメッセージが返されます。

  • SQL Server Compact ストレージ エンジンを使用して、新しい SQL Server Compact データベースを作成します。

  • SQL Server Compact の以前のバージョンの OLE DB プロバイダを使用して、アップグレード元データベースのスキーマを読み取ります。

  • SQL Server Compact OLE DB Provider を使用して、アップグレード先 SQL Server Compact データベースにスキーマを書き込みます。

  • SQL Server Compact の以前のバージョン用の OLE DB プロバイダを使用して、アップグレード元データベースに含まれているデータを読み取ります。

  • SQL Server Compact OLE DB プロバイダを使用して、アップグレード先 SQL Server Compact データベースにデータを書き込みます。

    注意

    データベース アップグレード ツールでは、ユーザーが作成したインデックスと、主キーなどの制約を追加することで作成されたインデックスが区別されません。このツールでは、インデックスが制約自体によって作成されたと想定されるので、制約と同じ名前を共有するインデックスがアップグレードされません。

すべてのエラーが、ログ ファイル (upgrade.log) に書き込まれます。このログ ファイルは、デバイス上のデータベース アップグレード ツール (Upgrade.exe) と同じディレクトリに保存されます。

注意

各アップグレードが行われる前に、Upgrade.log が削除され、再作成されます。

下位互換性と SQL Server Compact へのアップグレードの詳細については、「以前のバージョンからのアップグレード (SQL Server Compact)」を参照してください。

データベース アップグレード ツールを実行するには、「データベース アップグレード ツールを使って SQL Server Compact 2.0 をアップグレードする方法」を参照してください。次の表は、データベース アップグレード ツールで使用するコマンド ライン パラメーターの一覧です。

パラメータ

説明

/s

アップグレード元データベース ファイルへのパス(必須)。

/sp

アップグレード元データベース ファイルのパスワード(省略可能)。

/d

アップグレード先データベース ファイルへのパス。既存のファイルを指定すると、ファイルが上書きされます(必須)。

/dp

アップグレード先データベース ファイルのパスワード(省略可能)。

/e

指定すると、アップグレード先データベースが暗号化されます。/e パラメータを指定した場合は、/sp も指定して、パスワードを入力する必要があります(省略可能)。

/q

アップグレードをサイレント モードで実行します。UI は表示されません(省略可能)。

/?

このパラメータの一覧を表示します(省略可能)。