次の方法で共有


標準 .NET Framework データ プロバイダを登録する方法

新規 : 2006 年 12 月 12 日

サード パーティの .NET Framework データ プロバイダを使用して Reporting Services レポート データセット用のデータを取得するには、レポート作成クライアントとレポート サーバーの 2 か所に .NET Framework データ プロバイダ アセンブリを配置し、登録する必要があります。レポート作成クライアントでは、データ プロバイダをデータ ソースの種類として登録し、それをクエリ デザイナに関連付ける必要があります。これにより、レポート データセットを作成する際に、データ ソースの種類としてこのデータ プロバイダを選択できるようになります。関連付けられているクエリ デザイナが開き、それを利用してこのデータ ソースの種類に対するクエリを作成することができます。レポート サーバーでは、データ プロバイダをデータ ソースの種類として登録する必要があります。そうすることで、このデータ プロバイダを使用してデータ ソースからデータを取得するパブリッシュ済みレポートを処理することができます。

サード パーティのデータ プロバイダには、Reporting Services データ処理拡張機能で使用できるすべての機能が用意されているわけではありません。詳細については、「Reporting Services でサポートされるデータ ソース」を参照してください。.NET Framework データ プロバイダの機能の拡張については、「データ処理拡張機能の実装」を参照してください。

データ プロバイダのインストールと登録を行うには、管理者の資格情報が必要です。

レポート サーバーへの .NET Framework データ プロバイダの登録

この .NET Framework データ プロバイダをレポート サーバーで使用するパブリッシュ済みレポートを処理するには、レポート サーバーにアセンブリをインストールする必要があります。これには、2 つの構成ファイルを変更します。データ プロバイダを登録するには、rsreportserver.config を変更します。アセンブリにコード アクセス セキュリティ権限を許可するには、rssrvpolicy.config を変更します。

レポート サーバーにデータ プロバイダ アセンブリをインストールするには

  1. .NET Framework データ プロバイダを使用するレポート サーバーの bin ディレクトリの既定の場所に移動します。レポート サーバーの bin ディレクトリの既定の場所は、<drive>:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQL.3\Reporting Services\ReportServer\bin です。

  2. ステージング場所からレポート サーバーの bin ディレクトリに、アセンブリをコピーします。または、グローバル アセンブリ キャッシュ (GAC) にアセンブリを読み込みます。詳細については、msdn.microsoft.com の .NET Framework SDK ドキュメントの「アセンブリとグローバル アセンブリ キャッシュの使用」を参照してください。

レポート サーバーに .NET データ プロバイダを登録するには

  1. bin の親ディレクトリ ReportServer に、RSReportServer.config ファイルのバックアップを作成します。

  2. RSReportServer.config を開きます。この構成ファイルは、Microsoft Visual Studio または単純なテキスト エディタ (メモ帳など) を使って開くことができます。

  3. RSReportServer.config ファイル内で Data 要素を探します。.NET Framework データ プロバイダ用のエントリは、次の場所に作成されます。

    <Extensions>
       <Data>
          <Extension Your data provider configuration information goes here />
       </Data>
    </Extensions>
    
  4. .NET Framework データ プロバイダ用のエントリを追加します。

    属性 説明

    Name

    データ プロバイダの固有名を入力します (たとえば「MyNETDataProvider」など)。Name 属性の長さは最大 255 文字です。この名前は、構成ファイルの Extension 要素内の全エントリの中で一意である必要があります。ここで指定した値は、新しいデータ ソースを作成する際にデータ ソースの種類を示すドロップダウン リストに表示されます。

    Type

    IDbConnection インターフェイスを実装するクラスの完全修飾名前空間と、その後に .NET Framework データ プロバイダ アセンブリの名前 (.dll ファイル名拡張子を含まない) を指定する、コンマ区切りのリストを入力します。

    たとえば、DDL に関する次のようなエントリがレポート サーバーの bin ディレクトリに配置されているとします。

    <Extension Name="MyNETDataProvider" Type="CompanyName.ExtensionName.DataProviderConnectionClass, DataProviderAssembly" /> 
    

    アセンブリをグローバル アセンブリ キャッシュ (GAC) に読み込む場合、厳密な名前のプロパティを指定する必要があります。次に例を示します。

    <Extension Name="MyNETDataProvider" Type="CompanyName.ExtensionName.DataProviderConnectionClass, DataProviderAssembly, Version=1.0.0.0, Culture=neutral, PublicKeyToken=MyPublicToken"/>
    

.NET データ プロバイダのコード グループ ポリシーを設定するには

  1. bin の親ディレクトリ ReportServer に、rssrvpolicy.config ファイルのバックアップ コピーを作成します。

  2. rssrvpolicy.config を開きます。この構成ファイルは、Microsoft Visual Studio または単純なテキスト エディタ (メモ帳など) を使って開くことができます。

  3. rssrvpolicy.config ファイル内で CodeGroup 要素を探します。

  4. FullTrust 権限を許可するデータ プロバイダ アセンブリ用のコード グループを追加します。コード グループは次のようになります。

    <CodeGroup class="UnionCodeGroup"
       version="1"
       PermissionSetName="FullTrust"
       Name="ThisDataProviderCodeGroup"
       Description="Code group for the .NET data provider">
          <IMembershipCondition class="UrlMembershipCondition"
             version="1"
             Url=
    "C:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQL\Reporting Services\ReportServer\bin\DataProviderAssembly.dll"
           />
    </CodeGroup>
    

URL メンバシップは、多くのメンバシップ条件の中からデータ プロバイダ用に選択した 1 つのみになります。Reporting Services のコード アクセス セキュリティの詳細については、「Reporting Services のコード アクセス セキュリティの理解」を参照してください。

配置と登録の検証

レポート マネージャを開き、データ プロバイダが使用可能なデータ ソースの一覧に含まれていることを確認することで、データ プロバイダがレポート サーバーに正常に配置されたかどうかを検証できます。レポート マネージャとデータ ソースの詳細については、「共有データ ソースの作成、変更、および削除」を参照してください。

レポート デザイナ クライアントへの .NET Framework データ プロバイダの登録

この .NET Framework データ プロバイダをデータ ソースとして使用するレポートを作成するには、レポート デザイナが実行されているクライアント コンピュータにアセンブリをインストールする必要があります。それには 2 つの構成ファイルを変更します。データ ソースとしてデータ プロバイダを登録し、汎用クエリ デザイナを使用できるようにするには、RSReportDesigner.config を変更します。データ プロバイダ アセンブリにコード アクセス セキュリティ権限を許可するには、RSPreviewPolicy.config を変更します。

レポート デザイナ クライアントにデータ プロバイダ アセンブリをインストールするには

  1. .NET Framework データ プロバイダを使用するレポート デザイナ クライアントの PrivateAssemblies ディレクトリの既定の場所に移動します。PrivateAssemblies ディレクトリの既定の場所は、<drive>:\Program Files\Microsoft Visual Studio 8\Common7\IDE\PrivateAssemblies です。

  2. ステージング場所からレポート デザイナ クライアントの PrivateAssemblies ディレクトリに、アセンブリをコピーします。または、グローバル アセンブリ キャッシュ (GAC) にアセンブリを読み込みます。詳細については、msdn.microsoft.com の .NET Framework SDK ドキュメントの「アセンブリとグローバル アセンブリ キャッシュの使用」を参照してください。

レポート デザイナ クライアントに .NET データ プロバイダを登録するには

  1. PrivateAssemblies ディレクトリに RSReportDesigner.config ファイルのバックアップ コピーを作成します。

  2. Visual Studio または単純なテキスト エディタ (メモ帳など) を使用して、RSReportDesigner.config を開きます。

  3. RSReportDesigner.config ファイル内で Data 要素を探します。データ プロバイダ用のエントリは、次の場所に作成されます。

    <Extensions>
       <Data>
          <Extension Your data provider configuration information goes here />
       </Data>
    </Extensions>
    
  4. データ プロバイダのエントリを追加します。

    属性 説明

    Name

    データ プロバイダの固有名を入力します (たとえば「MyNETDataProvider」など)。Name 属性の長さは最大 255 文字です。この名前は、構成ファイルの Extension 要素内の全エントリの中で一意である必要があります。ここで指定した値は、新しいデータ ソースを作成する際にデータ ソースの種類を示すドロップダウン リストに表示されます。

    Type

    IDbConnection インターフェイスを実装するクラスの完全修飾名前空間と、その後に .NET Framework データ プロバイダ アセンブリの名前 (.dll ファイル名拡張子を含まない) を指定する、コンマ区切りのリストを入力します。

    たとえば、DDL に関する次のようなエントリが Visual Studio の PrivateAssemblies ディレクトリに配置されているとします。

    <Extension Name="MyNETDataProvider" Type="CompanyName.ExtensionName.DataProviderConnectionClass, DataProviderAssembly" /> 
    

    アセンブリを GAC に読み込む場合、厳密な名前のプロパティを指定する必要があります。次に例を示します。

    <Extension Name="MyNETDataProvider" Type="CompanyName.ExtensionName.DataProviderConnectionClass, DataProviderAssembly, Version=1.0.0.0, Culture=neutral, PublicKeyToken=MyPublicToken"/>
    
  5. RSReportDesigner.config ファイル内で Designer 要素を探します。.NET Framework データ プロバイダ用のエントリは、次の場所に作成されます。

    <Extensions>
       <Designer>
          <Your data provider configuration information goes here>
       </Designer>
    </Extensions>
    
  6. RSReportDesigner.config ファイルの Designer 要素の下に、次のエントリを追加します。Name 属性の名前を前のエントリで入力した名前に置き換えるだけです。

    <Extension Name="MyNETDataProvider" Type="Microsoft.ReportingServices.QueryDesigners.GenericQueryDesigner,Microsoft.ReportingServices.QueryDesigners"/>
    

レポート デザイナ クライアントにおける .NET データ プロバイダのコード グループ ポリシーを設定するには

  1. PrivateAssemblies ディレクトリに RSPreviewPolicy.config ファイルのバックアップを作成します。

  2. Visual Studio または単純なテキスト エディタ (メモ帳など) を使用して、RSPreviewPolicy.config を開きます。

  3. RSPreviewPolicy.config ファイル内で CodeGroup 要素を探します。

  4. FullTrust 権限を許可する .NET Framework データ プロバイダ アセンブリ用のコード グループを追加します。コード グループは次のようになります。

    <CodeGroup class="UnionCodeGroup"
       version="1"
       PermissionSetName="FullTrust"
       Name="ThisDataProviderCodeGroup"
       Description="Code group for the .NET data provider">
          <IMembershipCondition class="UrlMembershipCondition"
             version="1"
             Url=
    " C:\Program Files\Microsoft Visual Studio 8\Common7\IDE\PrivateAssemblies\ DataProviderAssembly.dll"
           />
    </CodeGroup>
    

URL メンバシップは、多くのメンバシップ条件の中からデータ プロバイダ用に選択した 1 つのみになります。Reporting Services のコード アクセス セキュリティの詳細については、「Reporting Services のコード アクセス セキュリティの理解」を参照してください。

レポート デザイナ クライアントでの配置と登録の検証

配置を検証するには、ローカル コンピュータの Visual Studio のインスタンスをすべて閉じておく必要があります。現在のセッションをすべて終了した後、Visual Studio で新しいレポート プロジェクトを作成することで、データ プロバイダがレポート デザイナに正常に配置されたかどうかを検証できます。レポートの新しいデータ セットを作成するときに、使用可能なデータ ソースの種類にそのデータ プロバイダが含まれている必要があります。

プラットフォームに関する注意点

64 ビット (x64) プラットフォームでは、SQL Server Business Intelligence Development Studio は 32 ビット WOW モードで動作します。x64 プラットフォームでレポートを作成する場合、レポートをプレビューするためには、レポート作成クライアントに 32 ビットのデータ プロバイダをインストールする必要があります。同じシステムでレポートをパブリッシュした場合、レポート マネージャでレポートを表示するためには x64 データ プロバイダが必要になります。

Itanium ベースのプラットフォームでは、Business Intelligence Development Studio がサポートされません。

Reporting Services と共にインストールするデータ処理拡張機能は、各プラットフォーム用にネイティブでコンパイルし、正しい場所にインストールする必要があります。カスタム データ プロバイダまたは標準の .NET Framework データ プロバイダを登録する場合、適切なプラットフォーム用にネイティブでコンパイルし、適切な場所にインストールする必要があります。32 ビット プラットフォームで実行する場合、データ プロバイダを 32 ビット プラットフォーム用にコンパイルする必要があります。64 ビット プラットフォームで実行する場合、データ プロバイダを 64 ビット プラットフォーム用にコンパイルする必要があります。64 ビット インターフェイスでラップした 32 ビット データ プロバイダを 64 ビット プラットフォームで使用することはできません。サード パーティ ソフトウェアを確認して、データ プロバイダがインストール先のプラットフォームで動作するかどうか調べてください。データ プロバイダとプラットフォームのサポートの詳細については、「Reporting Services でサポートされるデータ ソース」を参照してください。

参照

概念

Reporting Services コンポーネントの構成

その他の技術情報

データ処理拡張機能の実装

ヘルプおよび情報

SQL Server 2005 の参考資料の入手