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64 ビット コンピュータ上での Integration Services の使用上の注意

更新 : 2007 年 9 月 15 日

Microsoft SQL Server 2005 の 64 ビット エディションには Integration Services が含まれています。ただし、Integration Services の一部の機能は、32 ビット バージョンでしか利用できなかったり、64 ビット コンピュータ上で制限があったり、Itanium ベースのオペレーティング システムではサポートされていなかったりします。

SQL Server 2005 の各エディションに含まれる機能の詳細については、「SQL Server 2005 の各エディションがサポートする機能」を参照してください。

64 ビット コンピュータへの Integration Services のインストール

64 ビット コンピュータにインストールされる Integration Services 機能

SQL Server 2005 をインストールし、Integration Services と Business Intelligence Development Studio の両方を選択した場合、32 ビットおよび 64 ビット バージョンのデザイン時および実行時の使用可能な Integration Services 機能がすべてインストールされます。Integration Services をインストールすると、SQL Server 2000 データ変換サービス (DTS) パッケージの 32 ビット版ランタイム サポートもインストールされます。

64 ビット バージョンの機能は、Program Files ディレクトリに格納されます。32 ビット バージョンの機能は、Program Files (x86) ディレクトリに別個にインストールされます。この動作は Integration Services または SQL Server 2005 に固有の動作ではありません。

ms141766.note(ja-jp,SQL.90).gif重要 :
Integration Services パッケージの 32 ビット開発環境である Business Intelligence Development Studio は、Itanium 64 ビット オペレーティング システムではサポートされていないため、Itanium サーバーにはインストールされません。

64 ビット バージョンの Integration Services ツール

次の Integration Services ツールには 64 ビット版が用意されています。

  • dtexec ユーティリティ (dtexec.exe)
  • The dtutil ユーティリティ (dtutil.exe)
  • SQL Server インポートおよびエクスポート ウィザード (DTSWizard.exe)
ms141766.note(ja-jp,SQL.90).gifメモ :
64 ビット コンピュータで、パッケージ実行ユーティリティ (dtexecui.exe) ユーティリティを使用してコマンドを開発およびテストしているときは、この 32 ビット ツールは 32 ビット モードでパッケージを実行していることに注意してください。実稼働サーバーでコマンドを展開またはスケジュール設定する前に、64 ビット バージョンの dtexec.exe を使用して、64 ビット モードでもコマンドをテストしてください。

メッセージ キュー タスクのインストールの問題

SQL Server メッセージ キュー タスクは、1 つのバージョンしか COM+ に登録できません。このため、64 ビット コンピュータに 64 ビットの SQL Server をインストールした場合、メッセージ キュー タスクを使用できるのは、64 ビット モードで実行しているパッケージのみになります。32 ビット モードで実行しているパッケージでは、メッセージ キュー タスクを使用できません。

64 ビット コンピュータに 32 ビットの SQL Server をインストールした場合、メッセージ キュー タスクを使用できるのは、32 ビット モードで実行しているパッケージのみになります。64 ビット モードで実行しているパッケージでは、メッセージ キュー タスクを使用できません。

64 ビット コンピュータでのデータ変換サービスのサポート

以前のバージョンの SQL Server で作成されたデータ変換サービス (DTS) パッケージの 64 ビット デザイン時サポートまたはランタイム サポートはありません。詳細については、「SQL Server 2005 Integration Services の旧バージョンとの互換性」を参照してください。

64 ビット コンピュータでの Integration Services パッケージのデザイン

Itanium ベースのオペレーティング システムでは、BI Development Studio でパッケージをデザインしたり、スクリプト タスクでスクリプトをデバッグしたりすることはできません。

パッケージを 64 ビット モードで実行した場合、接続できるデータ ソースの数が、32 ビット モードでパッケージを実行した場合よりも少なくなることがあります。一部の .NET Framework データ プロバイダおよびネイティブ OLE DB プロバイダには 64 ビット バージョンが提供されていません。たとえば、Access データベースと Excel ワークシートに接続する Microsoft OLE DB Provider for Jet は、64 ビット バージョンでは使用できません。

32 ビットの SSIS デザイナでは、ローカル コンピュータにインストールされた 32 ビット プロバイダのみが表示されます。特定の 64 ビット プロバイダを使用するように接続マネージャを構成するには、デザイン時に使用する開発用コンピュータに 32 ビット バージョンのプロバイダをインストールする必要があります。32 ビット バージョンのプロバイダがインストールされているコンピュータでも、パッケージを 64 ビット モードで実行することは可能です。これは、開発環境だけでなく配置後の環境でも同様です。32 ビット バージョンと 64 ビット バージョンのプロバイダには、同じ ID が割り当てられます。したがって、使用するプロバイダの適切なバージョンが SSIS ランタイムによって選択されます。たとえば、64 ビット コンピュータの開発環境でパッケージを実行する場合、Run64BitRuntime プロジェクト プロパティの既定値は True であるため、特に指定しなくても、64 ビット バージョンのプロバイダが使用されます。

64 ビット モードでは、たとえば、スクリプト タスクまたはスクリプト コンポーネント内にスクリプトが含まれているパッケージは、スクリプトをプリコンパイルしないと実行できません。既定では、スクリプト タスクおよびスクリプト コンポーネントのどちらに対しても、PreCompile プロパティの値は True に設定されます。

64 ビット モードで実行されているパッケージでは、DTS 2000 パッケージ実行タスクを使用できません。SQL Server 2000 データ変換サービスの 64 ビット バージョン ランタイムは提供されません。

64 ビット コンピュータでの Integration Services パッケージの実行

コンパイルされていないスクリプトを実行したり、SQL Server 2000 DTS パッケージを実行したり、64 ビット バージョンが提供されないマネージ .NET Framework データ プロバイダまたはネイティブ OLE DB プロバイダを使用したりする場合は、パッケージを 32 ビット モードで実行します。

SSIS デザイナでのパッケージ実行時における 32 ビット モードと 64 ビット モードの選択

Integration Services パッケージの [プロジェクトのプロパティ] で、[デバッグ] ページの Run64BitRuntime プロパティの値を設定することにより、32 ビット モードの実行または 64 ビット モードでの実行を選択できます。既定では、このプロパティの値は True です。64 ビット バージョンの Integration Services ランタイムがインストールされていない場合、この設定は無視されます。

ms141766.note(ja-jp,SQL.90).gifメモ :
Run64BitRuntime プロジェクト プロパティはデザイン時にのみ適用されます。

SQL Server エージェント ジョブでのパッケージ実行時における 32 ビット モードと 64 ビット モードの選択

SQL Server エージェント ジョブを構成してステップの種類を [SQL Server Integration Services パッケージ] にした場合、このジョブは 64 ビット コンピュータ上でこのパッケージを常に 64 ビット モードで実行します。なぜなら、このステップの種類では、パッケージを実行するために常に 64 ビット バージョンの dtexec.exe が起動されるからです。ここでは、64 ビット コンピュータ上に 64 ビット バージョンの SQL Server 2005 および SQL Server エージェントがインストールされ、実行されていると想定しています。64 ビット コンピュータ上に 32 ビット バージョンの SQL Server 2005 および SQL Server エージェントがインストールされ、実行されている場合、このステップの種類では、パッケージを実行するために 32 ビット バージョンの dtexec.exe が起動されます。

64 ビット SQL Server エージェント ジョブでパッケージを 32 ビット モードで実行するには、ジョブ ステップの種類として [オペレーティング システム] を選択し、32 ビット バージョンの dtexec.exe を起動するコマンド ラインを入力するかまたはバッチ ファイルを使用します。dtexecui.exe ユーティリティを使用すると、コマンド ラインを作成できます。作成したコマンド ラインをコピーし、ジョブ ステップに貼り付けます。

変更履歴

リリース 履歴

2007 年 9 月 15 日

変更内容 :
  • 使用可能なデータ ソース、および 64 ビット開発環境でのプロバイダの動作を明記しました。

2005 年 12 月 5 日

変更内容 :
  • Business Intelligence Development Studio は、Itanium アーキテクチャでは実行できないことを示す注意事項を追加しました。
  • dtexecui.exe は 32 ビット モードのみで実行されること、パッケージを 64 ビット モードでテストする必要があることを示す注意点を追加しました。
  • メッセージ キュー タスクに関する既知の問題の説明を追加しました。
  • Access データベースと Excel データベースに使用する Microsoft OLE DB Provider for Jet は、64 ビット バージョンでは使用できないことを示す注意事項を追加しました。