パッケージの移行に関する既知の問題
更新 : 2006 年 7 月 17 日
ここでは、パッケージ移行ウィザードを使用して、Microsoft SQL Server 2000 データ変換サービス (DTS) パッケージを SQL Server 2005 Integration Services (SSIS) フォーマットへ移行する際に発生する可能性がある問題について説明します。
SQL Server 2000 DTS 機能の中で、SQL Server 2005 Integration Services (SSIS) にまったく同じ機能が存在しないものについては、DTS 2000 パッケージ実行タスク内にカプセル化された状態で移行されます。多くの場合、このように移行されたパッケージを実行してもエラーは発生しませんが、最終的には、DTS 2000 パッケージ実行タスク内にカプセル化された機能を置き換える必要があります。
パッケージの移行後に、移行されたパッケージを開いて、検証エラーなどの問題をチェックする必要があります。たとえば、一部のパッケージは、同じパッケージ内の先行タスクを使用して、データの移行元または移行先を作成したり、準備したりします。したがって、それらのオブジェクトが見つからない場合は検証エラーが発生します。このような検証エラーを解決するには、タスクまたはその他のコンテナ オブジェクトで DelayValidation プロパティを true に設定するか、影響を受けるデータ フロー コンポーネントで ValidateExternalMetadata プロパティを false に設定します。
アップグレード アドバイザによって検出される既知の問題
次の一覧は、SQL Server 2005 アップグレード アドバイザのレポートに表示される移行関連の問題とその説明です。パッケージ移行ウィザードおよびアップグレード アドバイザによって、パッケージの移行に関する問題が検出され、報告されます。
問題 | 説明 |
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パッケージの移行後にトランザクション設定の再構成が必要 |
SQL Server 2005 Integration Services (SSIS) パッケージ移行ウィザードによって、SQL Server 2000 データ変換サービス (DTS) パッケージのトランザクション設定が移行されません。移行処理の後、移行された SSIS パッケージを手動で編集し、元のパッケージ動作を復元する必要があります。 修正措置 : 移行後に、Business Intelligence Development Studio のパッケージおよびそのコンポーネントで適切なトランザクション関連プロパティを設定することによって、パッケージで希望のトランザクション設定を再作成してください。詳細については、「パッケージへのトランザクションの組み込み」を参照してください。 |
パッケージを移行した後、パッケージ ステップに関連付けられた ActiveX スクリプトの機能を置き換える |
SQL Server 2005 Integration Services (SSIS) パッケージ移行ウィザードによって、SQL Server 2000 データ変換サービス (DTS) パッケージのステップに関連付けられた ActiveX スクリプトが移行されません。移行処理の後、移行された SSIS パッケージを手動で編集し、元のパッケージ動作を復元する必要があります。 修正措置 : 移行後、必要に応じて、欠落しているスクリプトを新しいスクリプト タスクまたは他の Integration Services オブジェクトに置き換えてください。詳細については、「スクリプト タスク」を参照してください。 |
パッケージを移行した後、DTS 2000 パッケージ実行タスクにカプセル化されている Analysis Services タスクの機能を置き換える |
SQL Server 2005 Integration Services (SSIS) パッケージ移行ウィザードによって、SQL Server 2000 データ変換サービス (DTS) パッケージの Analysis Services タスクが移行されません。移行後のパッケージにはカプセル化された DTS 機能が含まれ、これは最終的に置き換えが必要となります。 修正措置 : 移行後に、Analysis Services タスクをカプセル化する DTS 2000 実行タスクを Integration Services Analysis Services 処理タスクに変換してください。詳細については、「Analysis Services 処理タスク」を参照してください。 |
パッケージを移行した後、DTS 2000 パッケージ実行タスクにカプセル化されている複雑なデータ変換タスクの機能を置き換える |
SQL Server 2005 Integration Services (SSIS) パッケージ移行ウィザードによって、SQL Server 2000 データ変換サービス (DTS) パッケージの複雑なデータ変換タスクが移行されません。移行後のパッケージにはカプセル化された DTS 機能が含まれ、これは最終的に置き換えが必要となります。 修正措置 : 移行後に、Integration Services データ フローの変換元、変換、および変換先を使用することによって、複雑なデータ変換タスクを書き直してください。詳細については、「パッケージのデータ フローの作成」および「データ フロー要素」を参照してください。 |
パッケージを移行した後、DTS 2000 パッケージ実行タスクにカプセル化されているカスタム タスクの機能を置き換える |
SQL Server 2005 Integration Services (SSIS) パッケージ移行ウィザードによって、SQL Server 2000 データ変換サービス (DTS) パッケージのカスタム タスクが移行されません。移行後のパッケージにはカプセル化された DTS 機能が含まれ、これは最終的に置き換えが必要となります。 修正措置 : 移行後に、組み込み Integration Services コンポーネントまたはコンポーネントの組み合わせで目的の機能を使用できない場合は、スクリプト タスク、スクリプト コンポーネント、またはカスタム コンポーネントを使用して、カスタム タスクのロジックを再作成してください。プログラミング ソリューションの詳細については、「Integration Services のプログラミング」を参照してください。 |
パッケージを移行した後、DTS 2000 パッケージ実行タスクにカプセル化されているデータ ドリブン クエリ タスクの機能を置き換える |
SQL Server 2005 Integration Services (SSIS) パッケージ移行ウィザードによって、SQL Server 2000 データ変換サービス (DTS) パッケージのデータ ドリブン クエリ タスクが移行されません。移行後のパッケージにはカプセル化された DTS 機能が含まれ、これは最終的に置き換えが必要となります。 修正措置 : 移行後に、Integration Services データ フロー コンポーネントを使用して、データ ドリブン クエリ タスクの機能を再作成します。データ ドリブン クエリ タスクの機能を置き換えるときは、「緩やかに変化するディメンション変換」、「条件分割変換」、または「OLE DB コマンド変換」について検討してください。 |
パッケージを移行した後、DTS 2000 パッケージ実行タスクにカプセル化されているデータ マイニング予測クエリ タスクの機能を置き換える |
SQL Server 2005 Integration Services (SSIS) パッケージ移行ウィザードによって、SQL Server 2000 データ変換サービス (DTS) パッケージのデータ マイニング予測クエリ タスクが移行されません。移行後のパッケージにはカプセル化された DTS 機能が含まれ、最終的にはこれを置き換える必要があります。SQL Server 2005 では、SQL Server 2000 データ マイニング予測クエリ タスクのサポートがインストールされません。したがって、SQL Server 2000 Analysis Services がない限り、移行されたパッケージをアップグレード後に実行することはできません。 修正措置 : 移行後に、データ マイニング予測クエリ タスクをカプセル化している DTS 2000 実行タスクを、Integration Services データ マイニング クエリ タスクまたはデータ マイニング クエリ変換に置き換えてください。詳細については、「データ マイニング クエリ タスク」および「データ マイニング クエリ変換」を参照してください。 |
パッケージの移行後に動的プロパティ タスクの機能を置き換える |
SQL Server 2005 Integration Services (SSIS) パッケージ移行ウィザードによって、SQL Server 2000 データ変換サービス (DTS) パッケージの動的プロパティ タスクが移行されません。移行処理の後、移行された SSIS パッケージを手動で編集し、元のパッケージ動作を復元する必要があります。 修正措置 : 移行後に、変数、プロパティ式、パッケージ構成などの Integration Services 機能を使用して、動的プロパティ タスクの機能を再作成してください。詳細については、「Integration Services の変数」、「パッケージでの変数の使用」、「パッケージでのプロパティ式の使用」、および「パッケージ構成」を参照してください。 |
パッケージを移行した後、DTS 2000 パッケージ実行タスクにカプセル化されているパッケージ実行タスク (Meta Data Services パッケージ) の機能を置き換える |
SQL Server 2005 Integration Services (SSIS) パッケージ移行ウィザードでは、Meta Data Services を読み込むパッケージ実行タスクが移行されません。移行後のパッケージにはカプセル化された DTS 機能が含まれ、最終的にはこれを置き換える必要があります。SQL Server 2005 では、SQL Server 2000 Meta Data Services のサポートがインストールされません。したがって、SQL Server 2000 クライアント ツールがない限り、移行したパッケージをアップグレード後に実行することはできません。 修正措置 : 移行後、Meta Data Services パッケージを (msdb データベースの) SQL Server ストレージまたは構造化ストレージ ファイルに移動し、Meta Data Services パッケージを読み込むパッケージ実行タスクをカプセル化している DTS 2000 実行タスクを、SQL Server または構造化ストレージ ファイルから Meta Data Services パッケージを読み込む DTS 2000 実行タスクに変換します。詳細については、「パッケージの保存」を参照してください。 |
パッケージを移行した後、DTS 2000 パッケージ実行タスクにカプセル化されている並列データ ポンプ タスクの機能を置き換える |
SQL Server 2005 Integration Services (SSIS) パッケージ移行ウィザードでは、SQL Server 2000 データ変換サービス (DTS) パッケージの並列データ ポンプ タスクが移行されません。移行後のパッケージにはカプセル化された DTS 機能が含まれ、これは最終的に置き換えが必要となります。 修正措置 : 移行後に、Integration Services データ フロー コンポーネントを使用して、並列データ ポンプ タスクの機能を再作成してください。詳細については、「パッケージのデータ フローの作成」および「データ フロー要素」を参照してください。 |
パッケージを移行した後、DTS 2000 パッケージ実行タスクにカプセル化されている UDL 接続を置き換える |
SQL Server 2005 Integration Services (SSIS) パッケージ移行ウィザードによって、Microsoft Data Link (.udl) ファイルからタスクの接続情報を取得するタスクが移行されません。移行後のパッケージにはカプセル化された DTS 機能が含まれ、これは最終的に置き換えが必要となります。 修正措置 : 移行後に、UDL ファイル接続をカプセル化している DTS 2000 実行タスクを、Integration Services 接続マネージャを使用する同等の Integration Services タスクに変換してください。詳細については、「接続マネージャ」および「接続マネージャの作成」を参照してください。 |
パッケージの移行後に、DTS オブジェクト モデルにアクセスする ActiveX スクリプト コードを書き替える |
SQL Server 2005 Integration Services (SSIS) パッケージ移行ウィザードによって、SQL Server 2000 データ変換サービス (DTS) パッケージの GlobalVariables コレクションの親プロパティを通して DTS オブジェクト モデルにアクセスする ActiveX スクリプト コードが移行されません。移行処理の後、移行された SSIS パッケージを手動で編集し、元のパッケージ動作を復元する必要があります。 修正措置 : 移行後に、ActiveX スクリプト コードを変更するか、ActiveX スクリプト タスクを書き直すことにより、別の方法で (たとえば、変数を使用して) パッケージから必要な情報を取得してください。詳細については、「Integration Services の変数」および「パッケージでの変数の使用」を参照してください。 |
アップグレード アドバイザによって検出されない既知の問題
以下の問題は、パッケージ移行ウィザードまたはアップグレード アドバイザによって検出されず、報告されません。
問題 | 問題の説明 |
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パッケージの移行後、ODBC 接続が削除されて再作成される |
移行後に接続を編集しようとすると、ODBC 接続でエラーが発生します。 修正措置 : パッケージの移行が完了していれば、ODBC 接続を削除して再作成できます。この問題は、SQL Server 2005 Service Pack 1 で修正されました。この問題の再発を防ぐには、Service Pack 1 以降をインストールします。 |
変更履歴
リリース | 履歴 |
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2006 年 7 月 17 日 |
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参照
概念
SQL Server 2005 Integration Services の旧バージョンとの互換性