インスタンス名
SQL Server Express を使用している場合 : SQL Server Express セットアップ固有の情報について、「[インスタンス名] (SQL Server Express)」を参照してください。
SQL Server インストール ウィザードの [インスタンス名] ページを使用して、SQL Server の既定のインスタンスまたは名前付きインスタンスを指定します。名前付きインスタンスを選択しない限り、既定のインスタンス名が使用されます。
各 SQL Server インスタンスは、照合順序などのオプションに固有の設定を持つ異なるサービス セットから構成されます。ディレクトリ構造、レジストリ構造、およびサービス名には、すべて SQL Server セットアップ中に作成される SQL Server インスタンスの特定のインスタンス ID が反映されます。
インスタンスには、既定のインスタンスと名前付きインスタンスがあります。既定のインスタンス名は MSSQLSERVER です。クライアントは接続を確立するためにインスタンス名を指定する必要はありません。名前付きインスタンスは、ユーザーがセットアップ中に指定します。
名前付きインスタンスはいつでもインストールできます。既定では、コンピュータに初めて SQL Server 2005 をインストールするとき、既定のインスタンスとして指定されます。ただし、初めに既定のインスタンスをインストールせずに、SQL Server を名前付きインスタンスとしてインストールすることもできます。既定のインスタンスは、SQL Server バージョン 6.5、7.0、2000、または 2005 のいずれかのインストールです。バージョンにかかわらず、既定のインスタンスとして指定されるのは、一度に 1 つの SQL Server のインストールのみです。
複数のインスタンス
SQL Server 2005 では、1 台のサーバー (1 つのプロセッサ) 上に複数の SQL Server インスタンスをインストールできます。ただし、既定のインスタンスにできるのはそのうち 1 つだけです。その他すべてのインスタンスは名前付きインスタンスにする必要があります。コンピュータは SQL Server の複数のインスタンスを同時に実行でき、それぞれ他のインスタンスとは関係なく動作します。同一サーバー上またはプロセッサ上にあるすべてのインスタンスは、SQL Server 2005 の同じローカライズ バージョンであることが条件となります。
次の表は、各インスタンス対応コンポーネントで使用できるインスタンス数を、SQL Server 2005 のエディションごとに示しています。
SQL Server 2005 エディション | データベース エンジン インスタンス | Analysis Services インスタンス | Reporting Services インスタンス |
---|---|---|---|
Enterprise Edition Developer Edition |
50 |
50 |
50 |
Standard Edition Workgroup Edition Express Edition |
16 |
16 |
16 |
オプション
コンピュータ上に既に既定のインスタンスが存在する場合、[既定のインスタンス] を選択すると、現在の既定のインスタンスがアップグレードされます。コンピュータに既に存在する名前付きインスタンスの名前を入力した場合は、その名前付きインスタンスがアップグレードされます。
SQL Server 2005 の特定のインスタンスを構成するすべてのコンポーネントは 1 つの単位として管理されます。すべての SQL Server Service Pack とアップグレードは SQL Server インスタンスの各コンポーネントに適用されます。
SQL Server 2005 の既定のインスタンスと名前付きインスタンスのどちらをインストールするか決定する場合は、次の事項を考慮してください。
- SQL Server Version 7.0 からアップグレードする場合は、アップグレードされたインスタンスが既定のインスタンスになります。
- データベース サーバー上で SQL Server の単独のインスタンスをインストールする場合は、そのインスタンスは既定のインスタンスであることが必要です。
- SQL Server Version 7.0 以前とのクライアント接続をサポートする必要がある場合は、既定のインスタンスを使用する方が容易です。以前のクライアントで名前付きインスタンスに接続するように構成することもできますが、各クライアントで "サーバー名" を定義し、名前付きインスタンスのネットワーク アドレスをハードコードする必要があります。
- 同じコンピュータで複数のインスタンスの使用を検討している場合は、名前付きインスタンスの 1 つを、既定のインスタンスを 1 つだけホストできるサーバーと見なしてください。
- SQL Server Express Edition をインストールするアプリケーションでは、名前付きインスタンスとしてインストールする必要があります。これによって、複数のアプリケーションが同じコンピュータにインストールされた場合に競合が発生する可能性が軽減されます。
[既定のインスタンス]
SQL Server 2005 の既定のインスタンスをインストールするには、このオプションを選択します。1 台のコンピュータでホストできる既定のインスタンスは 1 つだけです。その他すべては名前付きインスタンスにする必要があります。ただし、SQL Server の既定のインスタンスをインストールしている場合、同じコンピュータに Aalysis Services の既定のインスタンスを追加できます。以前にインストールした SQL Server の既定のインスタンスをアップグレードするには、[既定のインスタンス] をクリックし、[次へ] をクリックします。
[名前付きインスタンス]
新しい名前付きインスタンスを作成するには、このオプションを選択します。SQL Server のインスタンスに名前を付けるときは、次のことに注意してください。- インスタンス名では大文字と小文字が区別されません。
- インスタンス名には、"Default"、"MSSQLServer" などの予約キーワードを含めることができません。予約されたキーワードをインスタンス名に使用すると、セットアップ エラーが発生します。
- インスタンス名は最大 16 文字まで指定できます。
- インスタンス名の先頭は、文字またはアンダースコア (_) にする必要があります。使用できる文字は、a ~ z、A ~ Z のアルファベット、およびその他の言語の文字を含む、Unicode 規格 2.0 で定義されている文字です。
- 2 文字目以降では、Unicode 規格 2.0 で定義されている文字、Basic Latin またはその他言語の 10 進数、ドル記号 ($)、アンダースコア (_) を使用できます。
- インスタンス名には、埋め込みスペースまたはその他の特殊文字は使用できません。また、円記号 (\)、コンマ (,)、コロン (:)、セミコロン (;)、単一引用符 (')、アンパサンド (&)、アット マーク (@) も使用できません。
メモ : 現在の Microsoft Windows コード ページで有効な文字だけを SQL Server インスタンス名に使用できます。サポートされていない Unicode 文字を使用すると、セットアップ エラーが発生します。
- [インストール済みのインスタンス]
SQL Server セットアップを実行中のコンピュータにインストールされている SQL Server インスタンスとコンポーネントが一覧表示されます。インストール済みインスタンスの詳細ペインには、インストール済みインスタンスのアップグレード オプションが表示されます。
同じインスタンス名を共有する SQL Server のすべてのコンポーネントが、次の基準を満たす必要があります。
- 同一バージョン。たとえば、1 台のコンピュータに SQL Server 2000 データベース エンジンと同じインスタンス名を持つ SQL Server 2005 Analysis Services (SSAS) のインスタンスをインストールできません。また、インスタンス名を指定して 1 つのコンポーネントを新しいバージョンまたはサービス パックにアップグレードする場合は、そのインスタンスのすべてのコンポーネントをアップグレードする必要があります。
- 同一エディション。たとえば、1 台のコンピュータに SQL Server 2005 データベース エンジン Enterprise Edition と同じインスタンス名を持つ SQL Server 2005 Integration Services (SSIS) Evaluation Edition のインスタンスをインストールできません。
- 同一言語。たとえば、ドイツ語の SQL Server 2005 データベース エンジン インスタンスと、同じインスタンス名を持つポルトガル語 (ブラジル) の SQL Server Management Studio を、同じコンピュータ上にインストールすることはできません。
- 同じクラスタ化状態。たとえば、同じコンピュータに、SQL Server 2005 データベース エンジンの非クラスタ化インスタンスと同じインスタンス名で SQL Server 2005 Analysis Services (SSAS) のクラスタ化インスタンスをインストールできません。
メモ : Reporting Services はクラスタ化に対応していません。 - 同一プラットフォーム。たとえば、SQL Server 2005 データベース エンジン (64 ビット) のインスタンスと同じインスタンス名で Business Intelligence Development Studio (32 ビット) のインスタンスをインストールできません。