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DRILLTHROUGH ステートメント (MDX)

更新 : 2006 年 7 月 17 日

キューブ内の指定されたセルの作成に使用されたテーブル行を取得します。

構文

DRILLTHROUGH [MAXROWS Unsigned_Integer] 
      <MDX SELECT statement> 
      [RETURN Set_of_Attributes_and_Measures 
            [,Set_of_Attributes_and_Measures ...]
      ]

引数

  • Unsigned_Integer
    正の整数値です。
  • MDX SELECT statement
    任意の有効な多次元式 (MDX) 式の SELECT ステートメントです。
  • Set_of_Attributes_and_Measures
    ディメンションの属性とメジャーのコンマ区切りのリストです。

解説

ドリルスルーとは、エンド ユーザーが詳細情報を取得するためにキューブから 1 つのセルを選択してそのセルのソース データから結果セットを取得する操作です。既定では、ドリルスルーの結果セットは、選択したキューブ セルの値を計算するために評価されたテーブル行から導き出されます。エンド ユーザーがドリルスルーを行う場合は、クライアント アプリケーションでこの機能がサポートされている必要があります。Microsoft SQL Server 2005 Analysis Services (SSAS) では、ROLAP パーティションまたはディメンションにクエリする場合を除いて、結果は MOLAP ストレージから直接取得されます。

ms145964.note(ja-jp,SQL.90).gif重要 :
ドリルスルーのセキュリティは、キューブで定義された全般的なセキュリティ オプションに基づいています。ユーザーが MDX を使用して一部のデータを取得できない場合、そのユーザーはドリルスルーでも同様の制限を受けます。

対象のセルは、MDX ステートメントによって指定します。MAXROWS 引数に指定する値は、結果の行セットに返すの最大行数です。特に指定しない限り、返される列には、指定したメジャーのメジャー グループに関連するすべてのディメンション (多対多ディメンションを除く) に対応する粒度属性がすべて含められます。ディメンションとメジャー グループを区別するために、キューブ ディメンションの先頭には $ が付いています。RETURN 句は、ドリルスルー クエリで返す列を指定する際に使用します。次の関数は、RETURN 句を使用して 1 つの属性またはメジャーに適用できます。

  • Name(attribute_name)
    指定された属性メンバの名前を返します。
  • UniqueName(attribute_name)
    指定された属性メンバの一意名を返します。
  • Key(attribute_name[, N])
    指定された属性メンバのキーを返します。N は、複合キーの列 (存在する場合) を指定します。N の既定値は 1 です。
  • Caption(attribute_name)
    指定された属性メンバのキャプションを返します。
  • MemberValue(attribute_name)
    指定された属性メンバのメンバ値を返します。
  • Translation(attribute_name[, N])
    指定された属性メンバの翻訳済みの値を返します。N は言語です。
  • CustomRollup(attribute_name)
    指定された属性メンバのカスタム ロールアップ式を返します。
  • CustomRollupProperties(attribute_name)
    指定された属性メンバのカスタム ロールアップ プロパティを返します。
  • UnaryOperator(attribute_name)
    指定された属性メンバの単項演算子を返します。

次の例では、Australia の Reseller Sales Amount メジャー (既定のメジャー) に対応する 2003 年 7 月のセルを指定しています。RETURN 句では、このセルの基になる各売上の日付、製品モデルの名前、従業員名、売上高、税額、および製品原価が返されるように指定しています。

DRILLTHROUGH
SELECT
   ([Date].[Calendar].[Month].[July 2003])
ON 0 
FROM [Adventure Works]
WHERE [Geography].[Country].[Australia]
RETURN 
  [$Date].[Date]
  ,KEY([$Product].[Model Name])
  ,NAME([$Employee].[Employee])
  ,[Reseller Sales].[Reseller Sales Amount]
  ,[Reseller Sales].[Reseller Tax Amount]
  ,[Reseller Sales].[Reseller Standard Product Cost]

参照

その他の技術情報

MDX データ操作ステートメント (MDX)

ヘルプおよび情報

SQL Server 2005 の参考資料の入手

変更履歴

リリース 履歴

2006 年 7 月 17 日

変更内容 :
  • わかりやすくするために構文および引数を更新しました。
  • 更新した例を追加しました。