FTP 経由でスナップショットを配信する方法 (レプリケーション Transact-SQL プログラミング)
更新 : 2006 年 4 月 14 日
FTP サーバーでスナップショット ファイルを使用するためのオプションを設定できます。この FTP 設定は、レプリケーション ストアド プロシージャを使用してプログラムから変更できます。使用されるプロシージャは、パブリケーションの種類によって異なります。FTP によるスナップショット配信は、プル サブスクリプションでのみ使用できます。
セキュリティ メモ : |
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セキュリティを高めるために、インターネット経由の FTP スナップショット配信を使用する場合は仮想プライベート ネットワーク (VPN) を実装してください。詳細については、「VPN を使用したインターネット経由のデータのパブリッシュ」を参照してください。 |
スナップショット パブリケーションまたはトランザクション パブリケーションで FTP スナップショット配信を有効にするには
パブリッシャのパブリケーション データベースに対して、sp_addpublication を実行します。@publication を指定し、@enabled_for_internet に true を指定します。次のパラメータに適切な値を指定します。
- @ftp_address - スナップショットの配信に使用する FTP サーバーのアドレス。
- (省略可) @ftp_port - FTP サーバーで使用されるポート。
- (省略可) @ftp_subdirectory - FTP ログインに割り当てられる既定の FTP ディレクトリのサブディレクトリ。たとえば、FTP サーバーのルートが \\ftpserver\home のときに、スナップショットを \\ftpserver\home\snapshots に保存するには、@ftp_subdirectory に \snapshots\ftp と指定します (スナップショット ファイルが作成されるときに、スナップショット フォルダのパスに "ftp" が付加されます)。
- (省略可) @ftp_login - FTP サーバーに接続するときに使用されるログイン アカウント。
- (省略可) @ftp_password - FTP ログイン用のパスワード。
セキュリティ メモ : セキュリティを高めるために、FTP サーバーに対する匿名ログインを許可しないことをお勧めします。
メモ : スナップショット エージェントには、指定したディレクトリに対する書き込み権限が必要です。また、ディストリビューション エージェントまたはマージ エージェントに読み取り権限が必要です。プル サブスクリプションを使用する場合は、共有ディレクトリを UNC (汎用名前付け規則) パス (\\ftpserver\home\snapshots など) として指定する必要があります。詳細については、「スナップショット フォルダのセキュリティ」を参照してください。 これにより、FTP を使用するパブリケーションが作成されます。詳細については、「パブリケーションを作成する方法 (レプリケーション Transact-SQL プログラミング)」を参照してください。
マージ パブリケーションで FTP スナップショット配信を有効にするには
パブリッシャ側のパブリケーション データベースに対して、sp_addmergepublication を実行します。@publication を指定し、@enabled_for_internet に true を指定します。次のパラメータに適切な値を指定します。
- @ftp_address - スナップショットの配信に使用する FTP サーバーのアドレス。
- (省略可) @ftp_port - FTP サーバーで使用されるポート。
- (省略可) @ftp_subdirectory - FTP ログインに割り当てられる既定の FTP ディレクトリのサブディレクトリ。たとえば、FTP サーバーのルートが \\ftpserver\home のときに、スナップショットを \\ftpserver\home\snapshots に保存するには、@ftp_subdirectory に \snapshots\ftp と指定します (スナップショット ファイルが作成されるときに、スナップショット フォルダのパスに "ftp" が付加されます)。
- (省略可) @ftp_login - FTP サーバーに接続するときに使用されるログイン アカウント。
- (省略可) @ftp_password - FTP ログイン用のパスワード。
セキュリティ メモ : セキュリティを高めるために、FTP サーバーに対する匿名ログインを許可しないことをお勧めします。
メモ : スナップショット エージェントには、指定したディレクトリに対する書き込み権限が必要です。また、ディストリビューション エージェントまたはマージ エージェントに読み取り権限が必要です。プル サブスクリプションを使用する場合は、共有ディレクトリを UNC (汎用名前付け規則) パス (\\ftpserver\home\snapshots など) として指定する必要があります。詳細については、「スナップショット フォルダのセキュリティ」を参照してください。 これにより、FTP を使用するパブリケーションが作成されます。詳細については、「パブリケーションを作成する方法 (レプリケーション Transact-SQL プログラミング)」を参照してください。
FTP スナップショット配信を使用するスナップショット パブリケーションまたはトランザクション パブリケーションへのプル サブスクリプションを作成するには
サブスクライバ側のサブスクリプション データベースに対して、sp_addpullsubscription を実行します。@publisher と @publication を指定します。
- サブスクライバ側のサブスクリプション データベースに対して、sp_addpullsubscription_agent を実行します。@publisher、@publisher_db、@publication を指定します。サブスクライバでディストリビューション エージェントの実行に使用される Microsoft Windows 資格情報を @job_login および @job_password に指定し、@use_ftp に true を指定します。
パブリッシャ側のパブリケーション データベースに対して sp_addsubscription を実行し、プル サブスクリプションを登録します。詳細については、「プル サブスクリプションを作成する方法 (レプリケーション Transact-SQL プログラミング)」を参照してください。
FTP スナップショット配信を使用するマージ パブリケーションへのプル サブスクリプションを作成するには
サブスクライバ側のサブスクリプション データベースに対して、sp_addmergepullsubscription を実行します。@publisher と @publication を指定します。
サブスクライバ側のサブスクリプション データベースに対して、sp_addmergepullsubscription_agent を実行します。@publisher、@publisher_db、@publication を指定します。サブスクライバでディストリビューション エージェントの実行に使用される Windows 資格情報を @job_login および @job_password に指定し、@use_ftp に true を指定します。
パブリッシャ側のパブリケーション データベースに対して sp_addmergesubscription を実行し、プル サブスクリプションを登録します。詳細については、「プル サブスクリプションを作成する方法 (レプリケーション Transact-SQL プログラミング)」を参照してください。
スナップショット パブリケーションまたはトランザクション パブリケーションの FTP スナップショット配信の設定を変更するには
パブリッシャ側のパブリケーション データベースに対して sp_changepublication を実行します。@property に次のいずれかの値を指定し、この設定の新しい値を @value に指定します。
- ftp_address - スナップショットの配信に使用する FTP サーバーのアドレス。
- ftp_port - FTP サーバーで使用されるポート。
- ftp_subdirectory - FTP スナップショットに使用する既定の FTP ディレクトリのサブディレクトリ。
- ftp_login - FTP サーバーへの接続に使用されるログイン。
- ftp_password - FTP ログイン用のパスワード。
セキュリティ メモ : 可能であれば、実行時に資格情報の入力を求めるメッセージを表示します。資格情報をスクリプト ファイルに保存する場合、ファイルをセキュリティ保護する必要があります。 (省略可) 変更する各 FTP 設定について手順 1. を実行します。
(省略可) FTP スナップショット配信を無効にするには、パブリッシャ側のパブリケーション データベースに対して sp_changepublication を実行します。@property に enabled_for_internet を指定し、@value に false を指定します。
マージ パブリケーションの FTP スナップショット配信の設定を変更するには
パブリッシャ側のパブリケーション データベースに対して sp_changemergepublication を実行します。@property に次のいずれかの値を指定し、この設定の新しい値を @value に指定します。
- ftp_address - スナップショットの配信に使用する FTP サーバーのアドレス。
- ftp_port - FTP サーバーで使用されるポート。
- ftp_subdirectory - FTP スナップショットに使用する既定の FTP ディレクトリのサブディレクトリ。
- ftp_login - FTP サーバーへの接続に使用されるログイン。
- ftp_password - FTP ログイン用のパスワード。
セキュリティ メモ : 可能であれば、実行時に資格情報の入力を求めるメッセージを表示します。資格情報をスクリプト ファイルに保存する場合、ファイルをセキュリティ保護する必要があります。 (省略可) 変更する各 FTP 設定について手順 1. を実行します。
(省略可) FTP スナップショット配信を無効にするには、パブリッシャ側のパブリケーション データベースに対して sp_changemergepublication を実行します。@property に enabled_for_internet を指定し、@value に false を指定します。
使用例
次の例では、サブスクライバが FTP を使用してスナップショット データにアクセスできるマージ パブリケーションを作成します。サブスクライバでは FTP 共有にアクセスするときにセキュリティで保護された VPN 接続を使用する必要があります。sqlcmd スクリプト変数を使用して、ログインとパスワードの値を入力します。詳細については、「sqlcmd でのスクリプト変数の使用」を参照してください。
-- This script uses sqlcmd scripting variables. They are in the form
-- $(MyVariable). For information about how to use scripting variables
-- on the command line and in SQL Server Management Studio, see the
-- "Executing Replication Scripts" section in the topic
-- "Programming Replication Using System Stored Procedures".
-- Declarations for adding a merge publication.
DECLARE @publicationDB AS sysname;
DECLARE @publication AS sysname;
DECLARE @ftp_server AS sysname;
DECLARE @login AS sysname;
DECLARE @password AS sysname;
DECLARE @ftp_login AS sysname;
DECLARE @ftp_password AS sysname;
DECLARE @ftp_directory AS sysname;
DECLARE @snapshot_folder AS sysname;
DECLARE @article AS sysname;
DECLARE @owner AS sysname;
SET @publicationDB = N'AdventureWorks';
SET @publication = N'AdvWorksSalesOfferMergeFtp';
SET @ftp_server = $(Server);
SET @login = $(Login);
SET @password = $(Password);
SET @ftp_login = $(FtpLogin);
SET @ftp_password = $(FtpPassword);
SET @ftp_directory = N'\snapshots\ftp';
-- The snapshot folder is the root FTP folder on the server
-- with the \snapshot subdirectory.
SET @snapshot_folder = $(AlternateFolder);
SET @article = N'SpecialOffer';
SET @owner = N'Sales'
-- Enable merge replication on the publication database.
USE master
EXEC sp_replicationdboption
@dbname = @publicationDB,
@optname=N'merge publish',
@value = N'true' ;
-- Create a new merge publication, enabling FTP snapshot delivery.
-- Specify the publication compatibility level or it will default to
-- SQL Server 2000.
USE [AdventureWorks]
EXEC sp_addmergepublication
-- Specify the required parameters.
@publication = @publication,
@publication_compatibility_level = N'90RTM',
@enabled_for_internet = N'true',
@snapshot_in_defaultfolder = N'true',
@alt_snapshot_folder = @snapshot_folder,
@ftp_address = @ftp_server,
@ftp_subdirectory = @ftp_directory,
@ftp_login = @ftp_login,
@ftp_password = @ftp_password;
-- Create the snapshot job for the publication, using the defaults.
EXEC sp_addpublication_snapshot
@publication = @publication,
@job_login = @login,
@job_password = @password;
-- Add an unfiltered article for the Customer table.
EXEC sp_addmergearticle
@publication = @publication,
@article = @article,
@source_object = @article,
@type = N'table',
@source_owner = @owner,
@destination_owner = @owner,
@column_tracking = N'true';
-- Start the snapshot job for the publication.
EXEC sp_startpublication_snapshot
@publication = @publication;
GO
次の例では、マージ パブリケーションに対するサブスクリプションを作成します。ここでは、サブスクライバが FTP を使用してスナップショットを取得します。サブスクライバでは FTP 共有にアクセスするときにセキュリティで保護された VPN 接続を使用する必要があります。sqlcmd スクリプト変数を使用して、ログインとパスワードの値を入力します。詳細については、「sqlcmd でのスクリプト変数の使用」を参照してください。
-- This script uses sqlcmd scripting variables. They are in the form
-- $(MyVariable). For information about how to use scripting variables
-- on the command line and in SQL Server Management Studio, see the
-- "Executing Replication Scripts" section in the topic
-- "Programming Replication Using System Stored Procedures".
-- Execute this batch at the Publisher.
DECLARE @publication AS sysname;
DECLARE @subscriber AS sysname;
DECLARE @subscriptionDB AS sysname;
SET @publication = N'AdvWorksSalesOfferMergeFtp';
SET @subscriber = $(SubServer);
SET @subscriptionDB = N'AdventureWorksReplica';
-- At the Publisher, register the subscription, using the defaults.
EXEC sp_addmergesubscription
@publication = @publication,
@subscriber = @subscriber,
@subscriber_db = @subscriptionDB,
@subscription_type = N'pull',
@subscriber_type = N'local',
@subscription_priority = 0,
@sync_type = N'Automatic';
GO
-- This script uses sqlcmd scripting variables. They are in the form
-- $(MyVariable). For information about how to use scripting variables
-- on the command line and in SQL Server Management Studio, see the
-- "Executing Replication Scripts" section in the topic
-- "Programming Replication Using System Stored Procedures".
-- Execute this batch at the Subscriber.
DECLARE @publicationDB AS sysname;
DECLARE @publication AS sysname;
DECLARE @publisher AS sysname;
DECLARE @login AS sysname;
DECLARE @password AS sysname;
DECLARE @subscriber AS sysname;
DECLARE @subscriptionDB AS sysname;
SET @publicationDB = N'AdventureWorks';
SET @publication = N'AdvWorksSalesOfferMergeFtp';
SET @publisher = $(PubServer);
SET @login = $(Login);
SET @password = $(Password);
SET @subscriber = $(SubServer);
SET @subscriptionDB = N'AdventureWorksReplica';
EXEC sp_addmergepullsubscription
@publisher = @publisher,
@publication = @publication,
@publisher_db = @publicationDB,
@subscriber_type = N'Local',
@subscription_priority = 0,
@sync_type = N'Automatic';
exec sp_addmergepullsubscription_agent
@publisher = @publisher,
@publisher_db = @publicationDB,
@publication = @publication,
@distributor = @publisher,
@distributor_security_mode = 1,
@use_ftp = N'true',
@job_login = @login,
@job_password = @password,
@publisher_security_mode = 1,
@use_web_sync = 0;
GO
参照
概念
システム ストアド プロシージャを使用したレプリケーションのプログラミング
その他の技術情報
FTP でスナップショットを配信する方法 (SQL Server Management Studio)
FTP によるスナップショットの転送