nscontrol upgrade コマンド

[アーティクル]
12/15/2008

更新 : 2005 年 12 月 5 日

Microsoft SQL Server Notification Services のインスタンスを以前のバージョンやエディションから、現在のバージョンやエディションにアップグレードします。

Notification Services インスタンスを以前のバージョンやエディションにダウングレードすることはできません。

構文

nscontrol upgrade
    [-nologo]
    [-help]
        –name instanceName
    [-server databaseServer]
    [-sqlusername sqlUserName -sqlpassword sqlPassword]
    [-timeout seconds]

引数

-nologo
nscontrol コマンドを実行するときに、製品とバージョンについてのメッセージを表示しないようにします。

-help
コマンドの構文を表示します。

-nameinstanceName
アップグレードするインスタンスの名前を指定します。

-serverdatabaseServer
インスタンスデータベースおよびアプリケーションデータベースをホストするサーバーの名前を指定します。Microsoft SQL Server の名前付きインスタンスを使用してこれらのデータベースをホストする場合、<servername>\<instancename> 形式を使用してサーバー名とインスタンス名を指定する必要があります。

以前に nscontrol register コマンドを使用してインスタンスを登録したことのあるシステムで nscontrol upgrade を実行する場合は、-server 引数ではなく、-name 引数を使用します。nscontrol ユーティリティは、インスタンスのレジストリ情報を読み取ることで SQL Server インスタンスの名前を判断します。

インスタンスが登録されていないシステムで nscontrol upgrade を実行する場合、-name 引数と -server 引数の両方を使用する必要があります。これは、nscontrol ユーティリティでは、インスタンスデータベースを検索する場合に Notification Services インスタンスの名前と SQL Server インスタンスの名前の両方が必要となるためです。

-server 引数を指定した場合、nscontrol ユーティリティはインスタンスのレジストリ値をすべて無視します。

-sqlusernamesqlUserName
nscontrol が SQL Server に接続する場合に使用する SQL Server ログインを指定します。

重要 :

Windows 認証は、SQL Server 認証よりも安全性に優れています。できるだけ Windows 認証を使用してください。

SQL Server 認証を使用して SQL Server に接続する場合、この引数を使用してログインを指定します。また、-sqlpassword 引数を使用してパスワードを指定します。

Windows 認証を使用して SQL Server に接続している場合、-sqlusername 引数および -sqlpassword 引数は使用しないでください。

重要 :
Windows 認証は、SQL Server 認証よりも安全性に優れています。できるだけ Windows 認証を使用してください。

-sqlpasswordsqlPassword
-sqlusername ログオン ID に関連付けられているパスワードを指定します。この引数は SQL Server 認証を使用して接続する場合にのみ使用してください。

-timeout seconds
各アップグレード処理の完了に対するタイムアウトを指定します (秒単位)。既定のタイムアウトは 30 秒です。Notification Services インスタンスをアップグレードしようとしてタイムアウトエラーが表示された場合は、既定よりも大きいタイムアウト値を設定してください。

解説

重要 :
アップグレードを行う前に、インスタンスデータベースおよびアプリケーションデータベースのバックアップを行うことをお勧めします。

重要 :
nscontrol upgrade 実行後に、nscontrol register を実行して、そのインスタンスのレジストリ情報を更新してください。

nscontrol upgrade を実行してアップグレードされるバージョンまたはエディションは、nscontrol のバージョンまたはエディションによって決まります。たとえば、Notification Services のバージョン 2.0.3008.0 を使用して作成されたインスタンスがあり、このインスタンスを 9.0.242 にアップグレードする場合、nscontrol upgrade を 9.0.242\bin フォルダから実行してアップグレードを行います。

nscontrol upgrade コマンドは、インスタンスデータベースを調べ、メタデータのバージョンおよびエディションを判断します。メタデータが以前のバージョンまたはエディションを指定している場合、nscontrol upgrade はインスタンスが無効になっているかどうかを確認します。インスタンスが無効になっている場合、nscontrol はアップグレードを実行します。

メモ :
nscontrol upgrade によって、データベースの互換モードは 90 に設定されます。

nscontrol upgrade コマンドの目的は、Notification Services インスタンスを適切にアップグレードすることです。アップグレード中にインスタンスを移動する場合は、アプリケーション定義ファイル (ADF) 内の SystemName 値を変更し、nscontrol update を使用してデータベースの値を更新する必要があります。データベースの SystemName 値が実際のシステム名と一致しない場合、コンポーネントは実行されず、Notification Services は通知を処理できません。インスタンスの移動に関する詳細については、「Notification Services のインスタンスの移動」を参照してください。

権限

nscontrol upgrade の実行に使用するアカウント、つまり -sqlusername 引数で指定する SQL Server ログインは、db_owner 固定データベースロールまたは sysadmin 固定サーバーロールのメンバであることが必要です。

アカウントには Notification Services バイナリファイルを実行するための権限も必要です。この権限は、Windows の Administrators グループおよび SQLServerNotificationServicesUser グループのメンバに与えられます。

例

次の例では、2 つの異なる環境でインスタンスをアップグレードします。

A. Windows 認証を使用したインスタンスのアップグレード

次の例では、SQL Server への接続で Windows 認証を使用し、StockInstance という名前の Notification Services インスタンスをアップグレードします。

nscontrol upgrade -name StockInstance -server nsuetest

B. SQL Server 認証を使用したインスタンスのアップグレード

重要 :
可能な場合は、Windows 認証を使用します。

次の例では、SQL Server への接続で SQL Server 認証を使用し、StockInstance という名前の Notification Services インスタンスをアップグレードします。

nscontrol upgrade -name StockInstance -server nsuetest
    -sqlusername SqlUser -sqlpassword sQl-P@sWd

参照

その他の技術情報

Notification Services インスタンスの移行

ヘルプおよび情報

SQL Server 2005 の参考資料の入手

変更履歴

リリース	履歴
2005 年 12 月 5 日	追加内容 Windows の SQLServerNotificationServicesUser グループに関する情報を追加。

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