名前空間を使用した、XPath クエリの実行 (SQLXMLOLEDB Provider)

XPath クエリには名前空間を使用できます。スキーマ要素が名前空間で限定されている (対象の名前空間を含んでいる) 場合、そのスキーマに対する XPath クエリでは、この名前空間を指定する必要があります。

SQLXML 4.0 ではワイルドカード文字 (*) の使用がサポートされないため、XPath クエリは、名前空間プレフィックスを使用して指定する必要があります。このプレフィックスを解決するには、namespaces プロパティを使用して名前空間バインドを指定します。

次の例の XPath クエリでは、ワイルドカード文字 (*) と XPath 関数 local-name() および namespace-uri() を使用して名前空間を指定しています。この XPath クエリでは、ローカル名が Contact、名前空間 URI が urn:myschema:Contacts のすべての要素が返されます。

/*[local-name() = 'Contact' and namespace-uri() = 'urn:myschema:Contacts']

SQLXML 4.0 では、この XPath クエリを名前空間プレフィックスと共に指定する必要があります。たとえば、x:Contact と指定します。ここで、x は名前空間プレフィックスです。次の XSD スキーマについて考えてみます。

<schema xmlns="http://www.w3.org/2001/XMLSchema"
            xmlns:sql="urn:schemas-microsoft-com:mapping-schema"
            xmlns:con="urn:myschema:Contacts"
            targetNamespace="urn:myschema:Contacts">
<complexType name="ContactType">
  <attribute name="CID" sql:field="ContactID" type="ID"/>
  <attribute name="FName" sql:field="FirstName" type="string"/>
  <attribute name="LName" sql:field="LastName"/> 
</complexType>
<element name="Contact" type="con:ContactType" sql:relation="Person.Contact"/>
</schema>

このスキーマでは対象の名前空間が定義されているため、このスキーマに対して "Employee" などの XPath クエリを実行するときには、クエリに名前空間を含める必要があります。

これは、上の XSD スキーマに対して XPath クエリ (x:Employee) を実行する Microsoft Visual Basic アプリケーションのサンプルです。プレフィックスを解決するため、namespaces プロパティを使用して名前空間バインドを指定します。

メモ :
コードでは、接続文字列に SQL Server インスタンス名を含める必要があります。また、この例ではデータ プロバイダとして SQL Native Client (SQLNCLI) を使用するよう指定していますが、これには追加ネットワーク クライアントがインストールされていることが必要です。詳細については、「SQL Native Client のシステム要件」を参照してください。

Option Explicit
Private Sub Form_Load()
    Dim con As New ADODB.Connection
    Dim cmd As New ADODB.Command
    Dim stm As New ADODB.Stream
    con.Open "provider=SQLXMLOLEDB.4.0;Data Provider=SQLNCLI;Data Source=SqlServerName;Initial Catalog=AdventureWorks;Integrated Security=SSPI;"
    Set cmd.ActiveConnection = con
    stm.Open
    cmd.Properties("Output Stream").Value = stm
    cmd.Properties("Output Encoding") = "utf-8"
    cmd.Properties("Mapping schema") = "C:\DirectoryPath\con-ex.xml"
    cmd.Properties("namespaces") = "xmlns:x='urn:myschema:Contacts'"
    '  Debug.Print "Set Command Dialect to DBGUID_XPATH"
    cmd.Dialect = "{ec2a4293-e898-11d2-b1b7-00c04f680c56}"
    cmd.CommandText = "x:Contact"
    cmd.Execute , , adExecuteStream 
    stm.Position = 0
    Debug.Print stm.ReadText(adReadAll)
End Sub

このアプリケーションをテストするには

1. サンプルの XSD スキーマをフォルダに保存します。

2. Visual Basic 実行可能プロジェクトを作成し、プロジェクト内にコードをコピーして、指定されたディレクトリ パスを適切に変更します。

3. 次のプロジェクト参照を追加します。

   "Microsoft ActiveX Data Objects 2.8 Library"
   

4. アプリケーションを実行します。

次に結果の一部を示します。

<y0:Employee xmlns:y0="urn:myschema:Contacts" 
             LName="Achong" CID="1" FName="Gustavo"/>
<y0:Employee xmlns:y0="urn:myschema:Employees" 
             LName="Abel" CID="2" FName="Catherine"/>

XML ドキュメント内に生成されるプレフィックスはその都度変わりますが、マップされる名前空間は同じです。

XDR スキーマでの対象の名前空間の指定については、「sql:target-namespace を使用した、対象名前空間の指定 (XDR スキーマ)」を参照してください。