データベース コピー ウィザードの使用

データベース コピー ウィザードは、SQL Server 2000 インスタンスまたは SQL Server 2005 インスタンスから SQL Server 2005 インスタンスに、1 つ以上のデータベースとそのオブジェクトを転送、移動、またはコピーする場合に便利な方法です。

データベース コピー ウィザードを使用すると、次の作業を実行できます。

• データベースをユーザーに公開したまま、SQL Server 管理オブジェクト (SMO) の方法を使用してデータベースを転送する。
• より高速な、デタッチおよびアタッチによる方法でデータベースを転送する (転送中データベースは使用不可)。
• SQL Server 2005 の異なるインスタンス間でデータベースを転送する。
• SQL Server 2000 から SQL Server 2005 にデータベースをアップグレードする。

重要 :
コピー先のサーバーでは、SQL Server 2005 Service Pack 2 以降が実行されている必要があります。データベース コピー ウィザードを実行するコンピュータは、コピー元サーバーでも、コピー先サーバーでも、あるいは別のコンピュータでもかまいません。ウィザードのすべての機能を使用するには、このコンピュータでも SQL Server 2005 Service Pack 2 以降が実行されている必要があります。

権限

データベース コピー ウィザードを使用するには、コピー元とコピー先の両方のサーバーにおいて sysadmin 固定サーバー ロールのメンバとなっている必要があります。デタッチおよびアタッチによる方法でデータベースを転送するには、コピー元データベースのファイルがあるファイル システム共有に対し、ファイル システム アクセスが必要です。

考慮すべき問題点

データベース コピー ウィザードを使用する前に、以下の問題点を考慮してください。

項目	考慮事項
master、model、msdb、tempdb、および distribution の各データベース	システム データベースは、データベース コピー ウィザードを使用して転送できません。
データベースの [移動] オプション	[移動] オプションを選択した場合、ウィザードではデータベースの移動後、コピー元データベースが自動的に削除されます。[コピー] オプションを選択した場合、データベース コピー ウィザードでコピー元データベースは削除されません。
フルテキスト カタログ	SMO の方法を使用してフルテキスト カタログを移動する場合は、移動後にインデックスを再作成する必要があります。デタッチおよびアタッチによる方法を使用する場合、フルテキスト カタログは手動で移動する必要があります。フルテキスト カタログの移動方法の詳細については、「データベース ファイルの移動」を参照してください。
64 ビット版 Microsoft SQL Server 2005	64 ビット プロセッサ構成では、デタッチおよびアタッチによる方法を使用してください。
SQL Server エージェント	コピー先サーバーでは SQL Server エージェントが実行されている必要があります。
暗号化されたオブジェクト	証明書、キー、ストアド プロシージャなど暗号化されたオブジェクトは手動で転送する必要があります。
データベース拡張プロパティ	SMO の方法では、データベース オブジェクトの拡張プロパティは転送されますが、データベース自身の拡張プロパティは転送されません。デタッチおよびアタッチによる方法では、すべての拡張プロパティがコピーされます。
SQL Server 認証ログイン	SQL Server 認証を使用して作成されたログインを転送した場合、コピー先サーバーではそのログインを有効にしてパスワードを再設定する必要があります。
vardecimal ストレージ形式	コピー元サーバーのデータベースで vardecimal ストレージ形式が有効になっていた場合で SMO の転送方法を使用する場合は、コピー先サーバーで vardecimal ストレージ形式を再度有効にする必要があります。

データベース コピー ウィザードにおける SQL Server Integration Services のカスタム タスク

データベース コピー ウィザードでは、コピー先サーバーで実行される SQL Server 2005 Integration Services (SSIS) パッケージが作成されます。ウィザード画面が完了すると、SQL Server 2005 によりパッケージの名前が自動的に付けられ、コピー先サーバー上にパッケージが保存されます。オブジェクト エクスプローラでのパッケージの Integration Services ノード パスは、\格納されたパッケージ\MSDB\<コピー先インスタンス名>\DTS パッケージ\データベース コピー ウィザード パッケージ\<パッケージ名> です。パッケージは、すぐに実行する場合も、後で実行する場合も、定期的に実行するようスケジュールする場合も、いったん保存されます。

データベース コピー ウィザードの起動

データベース コピー ウィザードを起動するには

1. SQL Server Management Studio を開きます。
2. オブジェクト エクスプローラで、[データベース] を展開してデータベースを右クリックし、[タスク] をポイントして [データベースのコピー] をクリックします。

データベースのコピーおよび移動

データベース コピー ウィザードを使用するには、次の項目を指定する必要があります。

• コピーするデータベースが存在するコピー元サーバー。
• データベースのコピー先または移動先となるコピー先サーバー。
• 移動またはコピーするデータベース。
• コピー先データベース名と、転送するデータベースごとの各データ ファイルのパス。コピー先データベース名がコピー先サーバー上に既に存在する場合、ウィザードでは _new、_new1 といった文字列が、データベース名とデータベース ファイル名に追加されます。
• 後からコピーまたは移動を実行する場合は、コピー操作または移動操作のスケジュール。

デタッチおよびアタッチによる方法では、データベースをデタッチして、データベースの .mdf、.ndf、.ldf ファイルを移動またはコピーし、新しい場所でデータベースを再度アタッチします。データの損失や不整合を避けるには、まず、移動またはコピーするデータベースからアクティブなセッションを切断する必要があります。アクティブなセッションが存在する場合、データベース コピー ウィザードでは、デタッチおよびアタッチによる方法での移動またはコピー操作は実行されません。

デタッチおよびアタッチによる方法を使用してデータベースをコピーまたは移動すると、各データベースのファイル システム コピーがコピー先サーバーに作成され、検証されます。移動操作の場合は、正常に完了すると、元のデータベース ファイルがコピー元ファイル システムから削除されます。コピー元とコピー先のインスタンスが同じ場合も、同じサーバーにある場合も、異なるサーバーにある場合も、すべてのデタッチおよびアタッチによるシナリオでこの作業が行われます。

メモ :
SMO の方法では、アクティブ セッションが許可されます。

データベース コピー ウィザードによる SQL Server 2005 へのアップグレード

データベース コピー ウィザードを使用して、SQL Server 2000 データベースを SQL Server 2005 データベースにアップグレードできます。

複数の SQL Server 2000 インスタンスを 1 つの SQL Server 2005 インスタンスまたは 1 台のコンピュータ上の複数の名前付きインスタンスに統合すると、データベースの管理およびメンテナンスを簡素化できます。

データベース コピー ウィザードでデタッチおよびアタッチによる方法を使用してデータベースをアップグレードする場合は、データベースにアクセスするアプリケーションまたはサービスが存在しないことを確認してください。この操作中に、データベースの名前を変更できます。

重要 :
以前のバージョンの SQL Server からデータベースをアップグレードした後は、コピー先サーバー上のデータベースに sp_updatestats を実行して統計を更新し、コピーしたデータベースのパフォーマンスが最適になるようにしてください。

参照

処理手順

データベース コピー ウィザードにより SQL Server 2005 をアップグレードする方法

概念

他のサーバーへのデータベースのコピー
SQL Server 6.5 以前のバージョンからのデータベースのコピー

その他の技術情報

Integration Services の概要

ヘルプおよび情報

SQL Server 2005 の参考資料の入手