ヒープ サイズの見積もり

ヒープにデータを格納するために必要な領域は、次の手順で見積もることができます。

  1. 次のように、テーブル内の行数を指定します。
    Num_Rows = テーブル内の行数
  2. 次のように、固定長列と可変長列の数を指定し、それらの列を格納するために必要な領域を計算します。
    固定長列のグループと可変長列のグループがデータ行内で使用する領域を計算します。列のサイズは、データ型と長さの仕様によって異なります。詳細については、「データ型 (データベース エンジン)」を参照してください。
    Num_Cols = 列 (固定長および可変長) の総数
    Fixed_Data_Size = すべての固定長列の合計バイト サイズ
    Num_Variable_Cols = 可変長列の数
    Max_Var_Size = すべての可変長列の最大バイト サイズ
  3. NULL ビットマップと呼ばれる行の部分は、列の NULL 値の許容を管理するために予約されています。このサイズは次のように計算します。
    Null_Bitmap = 2 + ((Num_Cols + 7) / 8)
    この式の計算結果は、整数部分だけを使用します。小数部分は無視してください。
  4. 次の式で、可変長のデータ サイズを計算します。
    テーブル内に可変長列が存在する場合、次の式を使用して、行内でそれらの列を格納するために使用する領域を計算します。
    Variable_Data_Size* = 2 + (Num_Variable_Cols x 2) + *Max_Var_Size この式は、すべての可変長列がいっぱいになることを前提としています。可変長列のストレージ領域の使用率がこれより低くなると予想される場合は、その使用率に基づいて Max_Var_Size の値を調整することで、テーブルの全体サイズをより正確に見積もることができます。
    ms189124.note(ja-jp,SQL.90).gifメモ :
    SQL Server 2005 では、定義済みのテーブルの合計サイズが 8,060 バイトを超える varcharnvarcharvarbinary、または sql_variant 列の連結が可能になりました。この場合も、varcharnvarcharvarbinary、または sql_variant 列の場合は 8,000 バイトの制限内に各列のサイズを収める必要があります。ただし、これらの列を連結したサイズは、テーブルの制限である 8,060 バイトを超過してもかまいません。詳細については、「8 KB を超える場合の行オーバーフロー データ」を参照してください。
    可変長列が存在しない場合は、***Variable\_Data\_Size*** に 0 を設定します。
  5. 次の式で行サイズの合計を計算します。
    Row_Size = Fixed_Data_Size + Variable_Data_Size + Null_Bitmap + 4
    上記の式の 4 という値は、データ行の行ヘッダー オーバーヘッドです。
  6. 次の式で、1 ページあたりの行数を計算します (1 ページあたりの空きバイト数は 8,096 です)。
    Rows_Per_Page = 8096 / (Row_Size + 2)
    行は複数のページにまたがらないので、計算結果の端数は切り捨ててください。上記の式の 2 という値は、ページのスロット配列内の行のエントリのためのものです。
  7. 次の式で、すべての行を格納するために必要なページ数を計算します。
    Num_Pages* = Num_Rows / *Rows_Per_Page 見積もったページ数の端数は切り上げてください。
  8. 次の式で、ヒープにデータを格納するために必要な領域を計算します (1 ページあたりの総バイト数は 8,192 です)。
    ヒープのサイズ (バイト) = 8192 x Num_Pages

この計算では、次のことは考慮されていません。

  • パーティション分割
    パーティション分割による領域のオーバーヘッドはわずかですが、計算が複雑になります。これは、計算に含めるほど重要なことではありません。
  • アロケーション ページ
    ヒープに割り当てられたページの追跡に使用する IAM ページが少なくとも 1 ページありますが、使用される IAM ページ数を正確に計算できるアルゴリズムはなく、領域のオーバーヘッドはわずかです。
  • ラージ オブジェクト (LOB) の値
    LOB データ型の varchar(max)varbinary(max)nvarchar(max)textntextxml、および image の値を格納するために使用される領域を正確に特定するアルゴリズムは複雑です。LOB データ型の値で使用される領域の計算は、予想される LOB 値の平均サイズを合計し、ヒープの合計サイズに加算するだけで十分です。

参照

概念

クラスタ化インデックスの設計ガイドライン
インデックスの作成 (データベース エンジン)
非クラスタ化インデックスのデザイン ガイドライン
テーブル サイズの見積もり
クラスタ化インデックスのサイズの見積もり
非クラスタ化インデックスのサイズの算出

その他の技術情報

データベース サイズの見積もり

ヘルプおよび情報

SQL Server 2005 の参考資料の入手