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OLE DB の日付/時刻の強化に対するデータ型のサポート

このトピックでは、SQL Server の日付および時刻データ型をサポートする OLE DB (SQL Server Native Client) の型について説明します。

行セットとパラメーターでのデータ型マッピング

OLE DB には、新しいサーバーの種類をサポートする 2 つの新しいデータ型 (DBTYPE_DBTIME2 と DBTYPE_DBTIMESTAMPOFFSET) が用意されています。次の表に、完全なサーバーの型マッピングを示します。

SQL Server データ型

OLE DB データ型

datetime

DBTYPE_DBTIMESTAMP

135 (oledb.h)

smalldatetime

DBTYPE_DBTIMESTAMP

135 (oledb.h)

date

DBTYPE_DBDATE

133 (oledb.h)

time

DBTYPE_DBTIME2

145 (sqlncli.h)

datetimeoffset

DBTYPE_DBTIMESTAMPOFFSET

146 (sqlncli.h)

datetime2

DBTYPE_DBTIMESTAMP

135 (oledb.h)

データ形式 : 文字列とリテラル

SQL Server データ型

OLE DB データ型

クライアントで変換した場合の文字列の形式

datetime

DBTYPE_DBTIMESTAMP

'yyyy-mm-dd hh:mm:ss[.999]'

SQL Server では、datetime における秒の小数部の桁数を 3 桁までサポートします。

smalldatetime

DBTYPE_DBTIMESTAMP

'yyyy-mm-dd hh:mm:ss'

このデータ型の精度は 1 分です。秒の部分は、出力時には 0 になり、入力時にはサーバーによって丸められます。

date

DBTYPE_DBDATE

'yyyy-mm-dd'

time

DBTYPE_DBTIME2

'hh:mm:ss[.9999999]'

秒の小数部には、必要に応じて最大 7 桁まで指定できます。

datetime2

DBTYPE_DBTIMESTAMP

'yyyy-mm-dd hh:mm:ss[.fffffff]'

秒の小数部には、必要に応じて最大 7 桁まで指定できます。

datetimeoffset

DBTYPE_DBTIMESTAMPOFFSET

'yyyy-mm-dd hh:mm:ss[.fffffff] +/-hh:mm'

秒の小数部には、必要に応じて最大 7 桁まで指定できます。

日付リテラルまたは時刻リテラルのエスケープ シーケンスに変更はありません。

結果に含まれる秒の小数部にはコロン (:) ではなくドット (.) を使用します。

アプリケーションに返される文字列値は、指定された列に対して常に同じ長さになります。年、月、日、時、分、および秒の各部分は、最大幅に合わせて先頭にゼロが埋め込まれます。日付と時間の間、および時間とタイムゾーン オフセットの間には空白が 1 つずつ入ります。タイム ゾーン オフセットの前には常に符号を指定します。オフセットが 0 の場合は、正符号 (+) になります。符号とオフセット値の間に空白はありません。秒の小数部では、必要に応じて、列に定義されている有効桁数になるまで後ろにゼロが埋め込まれますが、その有効桁数を超過することはありません。datetime 列の場合、秒の小数部は 3 桁になります。smalldatetime 列の場合、秒の小数部がなく、秒は常にゼロになります。

アプリケーションによって指定された文字列値を変換すると、柔軟性が向上し、各部分の値を最大幅より小さくすることができます。年は 1 ~ 4 桁になります。月、日、時、分、および秒は 1 桁または 2 桁になります。日付と時刻の間および時刻とタイムゾーン オフセットの間には、任意の空白を含めることができます。0 時 0 分のオフセットの符号は、正符号と負符号のどちらでもかまいません。秒の小数部では、最大 9 桁になるように末尾にゼロを含めることができます。時刻部分は、小数点で終了して、秒の小数部を省略することができます。

空の文字列は、有効な日付リテラルまたは時間リテラルではありません。また、NULL 値を表すものでもありません。空の文字列を日付または時刻の値に変換しようとすると、SQLState 22018 のエラーが発生し、"キャストした文字コードが正しくありません" というメッセージが表示されます。

データ形式 : データ構造体

次に説明する OLE DB 固有の構造体では、OLE DB は ODBC と同じ制約に準拠しています。これらはグレゴリオ暦から取得されます。

  • 月の範囲は 1 ~ 12 です。

  • 日フィールドの範囲は 1 からその月の日数までです。この範囲は、うるう年を考慮して、年フィールドおよび月フィールドと一貫性を保つ必要があります。

  • 時刻の範囲は 0 ~ 23 です。

  • 分の範囲は 0 ~ 59 です。

  • 秒の範囲は 0 ~ 59 です。この範囲では、恒星時との同期を維持するために最大 2 秒のうるう秒が許可されています。

次の既存の OLE DB 構造体の実装は、SQL Server の新しい日付と時刻のデータ型をサポートするように変更されました。ただし、定義は変更されていません。

  • DBTYPE_DATE (オートメーション DATE 型です。内部では double として表されます。整数部分は 1899 年 12 月 30 日からの日数で、小数部分は 1 日の端数になります。この型の精度は 1 秒なので、有効な小数点以下桁数は 0 です。)

  • DBTYPE_DBDATE

  • DBTYPE_DBTIME

  • DBTYPE_DBTIMESTAMP (小数フィールドは、OLE DB で 10 億分の 1 秒 (ナノ秒) 単位の数値として定義され、範囲は 0 ~ 999,999,999 になります。)

  • DBTYPE_FILETIME

DBTYPE_DBTIME2

この構造体では、32 ビットと 64 ビットの両方のオペレーティング システムで、12 バイトまで埋め込みが行われます。

typedef struct tagDBTIME2 {
    USHORT hour;
    USHORT minute;
    USHORT second;
    ULONG fraction;
    } DBTIME2;

DBTYPE_DBTIMESTAMPOFFSET

typedef struct tagDBTIMESTAMPOFFSET {
    SHORT year;
    USHORT month;
    USHORT day;
    USHORT hour;
    USHORT minute;
    USHORT second;
    ULONG fraction;
    SHORT timezone_hour;
    SHORT timezone_minute;
    } DBTIMESTAMPOFFSET;

timezone_hour が負の値の場合、timezone_minute は負の値または 0 である必要があります。timezone_hour が正の値の場合、timezone minute は正の値または 0 である必要があります。timezone_hour が 0 の場合、timezone minute は -59 ~ +59 の値を保持できます。

SSVARIANT

この構造体は、新しい構造体 DBTYPE_DBTIME2 と DBTYPE_ DBTIMESTAMPOFFSET を含み、適切な型に対しては秒の小数部の桁数が追加されています。

struct SSVARIANT {
   SSVARTYPE vt;
   DWORD dwReserved1;
   DWORD dwReserved2;
   union {
// ...
      DBTIMESTAMP tsDateTimeVal;
      DBDATE dDateVal;
      struct _Time2Val {
         DBTIME2 tTime2Val;
         BYTE bScale;
      } Time2Val;
      struct _DateTimeVal {
         DBTIMESTAMP tsDateTimeVal;
         BYTE bScale;
      } DateTimeVal;
      struct _DateTimeOffsetVal { 
         DBTIMESTAMPOFFSET tsoDateTimeOffsetVal;
         BYTE bScale;
      } DateTimeOffsetVal;
// ...
   };
};

さらに、列挙の型を決定する、SSVARIANT の型のエンコーディングに関連付けられた列挙は、次のように拡張されます。

enum SQLVARENUM {
// ...
   // Datetime
   VT_SS_DATETIME      = DBTYPE_DBTIMESTAMP,
   VT_SS_SMALLDATETIME = 206,

   VT_SS_DATE = DBTYPE_DBDATE,
   VT_SS_TIME2 = DBTYPE_DBTIME2,
   VT_SS_DATETIME2 = 212
   VT_SS_DATETIMEOFFSET = DBTYPE_DBTIMESTAMPOFFSET
};

SQL Server Native Clien に移行中のアプリケーションが sql_variant を使用し、datetime の制限された有効桁数に依存しているとき、基になるスキーマが datetime ではなく datetime2 を使用するように更新された場合は、この移行中のアプリケーションを更新する必要があります。

また、SSVARIANT へのアクセス マクロが拡張され、次の部分が追加されました。

#define V_SS_DATETIME2(X)       V_SS_UNION(X, DateTimeVal)
#define V_SS_TIME2(X)           V_SS_UNION(X, Time2Val)
#define V_SS_DATE(X)            V_SS_UNION(X, dDateVal)
#define V_SS_DATETIMEOFFSET(X)  V_SS_UNION(X, DateTimeOffsetVal)

ITableDefinition::CreateTable でのデータ型マッピング

次の型マッピングは、ITableDefinition::CreateTable で使用される DBCOLUMNDESC 構造体で使用できます。

OLE DB データ型 (wType)

SQL Server データ型

備考

DBTYPE_DBDATE

date

DBTYPE_DBTIMESTAMP

datetime2(p)

SQL Server Native Client OLE DB プロバイダーによって、DBCOLUMNDESC の bScale メンバーが調査され、秒の小数点以下桁数が決定されます。

DBTYPE_DBTIME2

time(p)

SQL Server Native Client OLE DB プロバイダーによって、DBCOLUMNDESC の bScale メンバーが調査され、秒の小数部の数が決定されます。

DBTYPE_DBTIMESTAMPOFFSET

datetimeoffset(p)

SQL Server Native Client OLE DB プロバイダーによって、DBCOLUMNDESC の bScale メンバーが調査され、秒の小数部の桁数が決定されます。

アプリケーションで wType に DBTYPE_DBTIMESTAMP を指定した場合、pwszTypeName に型名を指定することで、datetime2 へのマッピングよりも優先されます。datetime を指定するときは、bScale に 3 を指定する必要があります。smalldatetime を指定するときは、bScale に 0 を指定する必要があります。bScale が wType および pwszTypeName と一致しない場合、DB_E_BADSCALE が返されます。

関連項目

概念