[アーティクル]
10/25/2012

ファイルの差分バックアップ

このトピックは、複数のファイルグループが含まれている SQL Server データベースだけに関連しています。

注
ファイルの差分バックアップを行うには、差分の基になる完全ファイルバックアップが必要です。完全ファイルバックアップの詳細については、「ファイルの完全バックアップ」を参照してください。

ファイルの差分バックアップを利用すると、使用する領域を節約して現在のファイルバックアップを迅速に作成できます。単純復旧モデルでは、ファイルの差分バックアップが有効なのは読み取り専用ファイルグループに対してのみです。完全復旧モデルでは、差分ベースを持つすべてのファイルグループでファイルの差分バックアップを実行できます。ファイルの差分バックアップを使用すると、復元する必要があるトランザクションログの量が少なくなるので、復旧時間を大幅に短縮できます。

次のような場合に、ファイルの差分バックアップを使用することを検討してください。

他のファイルよりもバックアップされる頻度が低いファイルがある。
ファイルが大きくて、データがほとんど更新されない。または、同じデータが繰り返し更新される。

ベストプラクティスを含む差分バックアップの使用方法の詳細については、「差分バックアップの使用」を参照してください。

重要
同じデータベースで、データベースの差分バックアップとファイルの差分バックアップを同時に使用しないでください。

読み取り/書き込みデータベースの読み取り専用ファイルグループの差分バックアップ

読み取り/書き込みデータベースの差分バックアップは、差分ベースが作成されたときにいずれかのファイルグループが読み取り専用であったとしても、正常に機能します。読み取り/書き込みデータベースの差分バックアップと同様に、SQL Server データベースエンジンは差分ベースをプライマリファイルに記録します。

注
読み取り専用データベースの場合、プライマリファイルの差分ビットマップはバックアップ中に更新できません。詳細については、「読み取り専用データベースのバックアップ」を参照してください。

通常は読み取り専用のファイルグループのバックアップ

通常は読み取り専用のファイルグループでは、ファイルグループは通常は読み取り専用ですが、短いメンテナンス期間については読み取り/書き込み可能に設定される場合があります。たとえば、通常は読み取り専用であるファイルグループは、ファイルを一括インポートできるように一時的に読み取り/書き込み可能に設定されてから、読み取り専用に戻されることがあります。

更新が完了した後に、ファイルグループをバックアップすることで新しいデータを保護できます。このバックアップに関するベストプラクティスは、ファイルがどの程度変更されたかによって異なります。

ファイルグループが大幅に変更されている場合や、まだ読み取りと書き込みが可能である場合は、ファイルの完全バックアップを行います。ファイルグループは現在読み取りと書き込みが可能であるため、バックアップ操作では、新しい一連の差分バックアップに備えて差分ビットマップをリセットできます。その後、ファイルグループを読み取り専用に戻し、すぐにファイルの差分バックアップを作成すると、読み取り専用ファイルグループを復元できるようになります。
ファイルグループが前回のファイルの完全バックアップ以降にほとんど変更されていない場合は、ファイルの完全バックアップが差分ベースとして存在すると想定して、ファイルグループをすぐに読み取り専用に戻し、ファイルの差分バックアップを作成します。

注
IsReadOnly プロパティは、個別のファイルではなく、ファイルグループに設定されます。ファイルグループが読み取り専用である場合 (つまり、ファイルグループの IsReadOnly プロパティが True である場合)、そのファイルグループに含まれているすべてのファイルは読み取り専用です。