高可用性ソリューションの選択
高可用性ソリューションを選択する際の考慮事項を次の一覧に示します。
フェールオーバー クラスタリングおよびデータベース ミラーリングには、次の機能があります。
自動検出と自動フェールオーバー。
手動フェールオーバー。
ユーザーが意識する必要のないクライアント リダイレクト。
フェールオーバー クラスタリングには次の制約があります。
サーバー インスタンスのスコープで運用されます。
署名付きのハードウェアが必要です。
スタンバイ時のレポート機能はありません。
データベースの単一のコピーを使用します。
ディスク障害から保護されません。
データベース ミラーリングには次の利点があります。
データベースのスコープで運用されます。
データベースの単一の複製コピーを使用します。
注意 さらに多くのコピーが必要な場合は、データベース ミラーリングに加えて、データベースのログ配布を使用できます。
標準のサーバーを使用します。
ミラーリング サーバーでは、データベース スナップショットを使用して、制限付きのレポート機能が提供されます。
同期運用されているときは、プリンシパル データベースでの遅延コミットにより、作業のロスを防ぎます。
データベース ミラーリングは、フェールオーバー クラスタリングに代わる管理しやすい手法として、従来の SQL Server で実現されていた可用性のレベルを実質的に向上します。
ログ配布
ログ配布は、データベース ミラーリングの補足的な機能または代替機能として使用できます。概念は似ていますが、非同期データベース ミラーリングとログ配布には重要な違いがあります。ログ配布では次の独自の機能を使用できます。
単一のプライマリ データベースの複数のサーバー インスタンスで、複数のセカンダリ データベースがサポートされます。
プライマリ サーバーでプライマリ データベースのログをバックアップする時点と、セカンダリ サーバーがそのログ バックアップを復元する時点との間に生じる遅延時間をユーザーが指定できます。たとえば、プライマリ データベースでデータが誤って変更された場合などに、長い遅延が役立ちます。誤った変更にすぐに気付いた場合、遅延があれば、変更が反映される前に、セカンダリ データベースにあるまだ変更されていないデータを取得できます。
非同期データベース ミラーリングには、プライマリ データベースに変更が加えられてから、その変更がミラー データベースに反映されるまでの時間が短いというログ配布よりも優れた潜在的な利点があります。
データベース ミラーリングがログ配布よりも優れているのは、高安全性モードが、単純なフェールオーバー ストラテジとしてサポートされるデータ損失のない構成であることです。
注意 ログ配布とデータベース ミラーリングの併用については、「データベース ミラーリングとログ配布」を参照してください。
レプリケーション
レプリケーションには、次のような利点があります。
データベースのスコープで運用されるため、データベースでフィルタ処理を行うことで、セカンダリ データベースでデータのサブセットを提供できます。
データベースのコピーを複数保持できます。
複数のデータベース間でリアルタイムの可用性とスケーラビリティが実現され、更新を分割して行うことができます。
レポートなどの機能では、それまでのクエリを回復することなく、セカンダリ データベースの完全な可用性が実現されます。
注意 その他の高可用性ソリューションとレプリケーションの併用の詳細については、「レプリケーションおよびデータベース ミラーリング」および「レプリケーションとログ配布」を参照してください。